メルマガ:屋久島発 田舎暮らし通信
タイトル:屋久島発 田舎暮らし通信  2004/03/13


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  2004/03/13
『世界自然遺産の島』   屋久島発・田舎暮らし通信(第98号)

      http://www.yakushimapain.co.jp/  屋久島パイン株式会社
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このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の社員が
本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。


●かわいそうなパソコン

私の家の大切な古いパソコンが、壊れてしまった。
「パソコンなんて、そう簡単には壊れないんじゃない?」と、人にいわれるけれど、
壊れたというよりも、壊されたのだ。

ちょうど桜の散るこの時期に、パソコンは主人の生贄になってしまったのだった。
つまらない夫婦喧嘩のために、投げ飛ばされたパソコンは、もろくも命を落として
しまった。
夫婦喧嘩の原因は、主人が食べるはずの物を、犬が食ってしまったから。
うちの犬は、普通の人が食べないものも食べてしまうのだ。

ノートパソコンが、これほどもろいものかと思った。
中身が出てしまって、即死の状態だった。
最後にウィーンと唸って、やがて静かになった。
疲労困憊したかのように見える。

パソコンに詳しい人に聞いたら、「ハードが生きていれば、復活する可能性がある。
でも、この状態なら難しいでしょう。」といわれた。
しかし、これ以上ばらばらにされるのは、かわいそうな気がしてやめた。

実は、その古いパソコンは、年を取り病気がちで調子が悪かったのだが、余生を私
と楽しんでいた矢先だった。
すでに、新しいパソコンは用意していたのだが、古いパソコンが寿命を全うするま
では、新しいパソコンは使わないつもりでいた。

主人は、「どうせ、新しいパソコンがあるんだから、それを使えばいいだろう。古い
のは、寿命だったんだ。」と、簡単に考えているらしい。
とどめをさしたのは、主人なのに。
パソコンが老衰ではないことは、確かだった。

私はデーターがパーになったことよりも、パソコンが死んでしまったことのほうが
悲しかった。
私と喧嘩をして頭に血が昇った主人は、人間らしいのかもしれない。
それに比べ私は、電気が切れて冷たくなってばらばらになったパソコンに、愛着を
感じるのは、人間らしくないのかも。

「今、インターネット犯罪が増えていて、個人情報が漏れたりするんだから、パソ
コンなんて良くない。諸刃の剣だ。」と主人は言うが、パソコンが悪いのではなくて、
それを使う人間のモラルの問題だと思う。
パソコンを、生かすも殺すも人間次第。

リサイクル法のため、電気製品は電気屋さんに引き渡さなければならず、庭に埋め
るというわけにはいかない。
電気屋さんに引き取られていく、古いパソコンを見送った。
どこかで再生されて、違うものとして生まれ変われたらいいかもしれない。

次の日には気を取り直して、新しいパソコンを開いた。
こんなにも新しいパソコンは快適なのに、どこか割り切れなさが残るのだった。
今回は喪に服するため、短めの文章となっていることをご理解いただけたらと思う。



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発行責任者  角谷和雄   kakutani@yakushimapain.co.jp
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