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タイトル:幸福ニュース第187号  2003/02/28


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幸福ニュース(しあわせニュース) 第187号  2003年2月28日
幸せへのヒント満載のEmail magazineです。友達にも教えて皆幸福になろう
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コンサルティング・テンプル 蓮華院誕生寺
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 今回は、不登校のお父さんから原稿をいただきましたので、皆様にご紹介
させていただきます。子供の不登校で、何に気付いたか。子供さんが立ち直
るまでと、自分自身の生活について、実体験に基づいた非常に参考になる話
です。

          『不登校の克服と新たな不登校』

                                       伐株山の木こり
 
 丸四年前、中学校二年に、在学中の息子が、夏休みの少し前に、突然、学
校に行かなくなりました。今、考えますと、親自身が子供の自立心を育てら
れなかったことが一番で、本人の弱さとクラスでのいじめと、新任の先生と
子供の信頼関係がその時は無かったのだと思います。
 
 はじめ、「まさかうちの子に限って」などと、わが子の不登校を信じられ
ませんでした。しかし、私が、アルコール依存症の専門病院に勤務して、2
0年になります。アルコール依存症の患者さんが専門病院にかからないと、
なかなか快復のきっかけをつかめないと同様に、不登校の問題は、不登校の
専門家になりふりかまわず相談することに妻と話し合って決めました。
 
 また、担任の先生にも率直に意見を言いました。例えば、わが子が宿題を
提出しないから、クラスの班変えをしない理由にしないこと、宿題を提出し
ないのは、わが子の門題であって連帯責任性をやめることを要望すると、担
任は、直ぐに理解してくださいました。この宿題提出問題が、クラスの中で
のわが子へのいじめの一つの原因でした。
 
 そして、妻と二人で、養護の先生に相談をして、市の児童相談所に相談に
出かけました。この児童相談所に通うことで、解決の方向を見定めることが
出来ました。相談所の先生から「お父さん!一ヶ月間だけ、子供さんに『ゲ
ームをやめなさい』と言うのを止めてみませんか?」と、アドバイスを受け
て、しぶしぶ約束をしてしまいました。このことを実行することは、私にと
って大変苦しいことでした。一ヵ月の間「ゲームを止めなさい!!」と言わ
ないですむと、その後もずっと言わないで済むようになりました。
 
 その頃、”ゲーム中毒”になっていた息子の気持ちを逆なですることで、
反発を招き、私自身もストレスが高まっていたことに気付かされました。ア
ルコール依存症(アル中)患者が、お酒を飲んでいる時に「お酒を止めなさ
い!!」と言っても何の解決にもならず、逆効果であることと本質的に同じ
でした。
 
 また、児童相談所の先生から、「子供達もそれぞれのの役割を持っている。
自分が登校拒否することで身体(からだ)を張って、お父さんに立ち止まっ
て考えて欲しいと訴えかけているのかもしれませんね」と言われましたが、
その意味が私には分かりませんでした。
 
  その後も、児童相談所には、夫婦で通い続け、児童相談所の先生の紹介や
助言もいただき、『親業講座』の受講、アドラー心理学の講演会などに参加
をしました。とにかく必死の思いでした。

 さらに、一週間の有給休暇をとって、佐賀市内の『内観研修所』で、朝六
時から夜の九時まで、和室の六畳一間の屏風の中で、集中内観を行ない、私
の両親から「してもらったこと」、両親に「して返したこと」、両親に「迷
惑をかけたこと」の三点について、自分のこれまで歩んで来た体験について、
集中内観をしました。
 
 こうした学習と実践?の中から、私自身が両親の息子として、また、妻の
夫として、子供達の父親としての役割を全く果たしていなかった自分にやっ
と気付き始めました。
 
 その後、長年勤めてきた職場(病院)の労働組合の委員長(結成直後から
約十年間、直後には、たった一人の有資格者にもかかわらず不当な解雇を受
けましたが何も悪いことは、していないので一ヶ月足らずで職場復帰をしま
したが、その間、有資格者不在が続きました)や、ある労働組合連合会議長
(メーデーや会議・集会のでは必ず挨拶をしました。挨拶だけですが・・)
そうした各種の団体の代表を本音を語って、それぞれの団体の皆さんのご理
解の下に辞任させていただきました。
 
 辞任後には、父や母を温泉に連れて行ったり、母を広島県呉市の海軍墓地
に連れて行ったりしました。母は、父の兄と結婚していましたが真珠湾攻撃
に向かう潜水艦の中で、戦死をしています。父も中国で、妻と子供達を亡く
していまし、満州に捕虜として連行され、最後の船で、京都の舞鶴港に体一
つでボロボロになって帰ってきたそうです。しばらくして、父と母が再婚し
ました。
 
 戦後には、よくある話でしたが、両親は、私達子供には、このことについ
ては何も語りませんでした。そんな両親のことを少しは、思いやることがで
きるようになりました。まだまだ恩返しが出来ていません。

 また、一方では、長男が不登校になった、その夏休みに、その中学校の生
徒が水難事故があり、臨時のPTAの総会が行なわれました。その時、校長
先生が、自分は、家族関係の大切さと自分も子供に対しては、良い父親では
なかった様だとのお話をされました。
 
 その時に、私はその席(妻は、出席していませんでした)で、わが子の不
登校の問題について発言をしました。その発言を聞いてくださっていた長女
の同級生のお母さんが、後で、妻に『実は、私の子供も不登校でした』との
話を伝えてくれました。
 
 その方の知り合いの方の子供さんも不登校の体験者でした。そんな親御さ
ん達と地元の町内の教育相談室の担当の先生方と一緒に、約三年前(現在か
ら言えば、五年前)の1997年3月に、「不登校の子供と共に歩む会(つ
くしの会)」を結成しました。この会は、毎月、第二、第四火曜日に、例会
を行なっています。第二火曜日は、不登校のこの子供を持ったり、体験した
家族だけの会で、第四火曜日は、不登校を抱える先生や関心をもたれている
方々も参加できる会です。
 
 この「つくしの会」で、体験を本音で語り合い、自分の子供が特別なんだ
とは、思わなくなり、ずいぶんお互いが楽になり、不登校を克服(?)した
方の体験を聞くことで明るい希望を持てるようになりました。そして今、不
登校で悩んでいらっしゃるご両親や新しく参加されて、大変喜ばれています。
また、不登校の生徒を抱えていらっしゃる先生を『大変参考になります』と
おっしゃられています。
 
  現在、県立農業高校三年(今、現在は、専門学校二年生)の息子が、地
元の中学校三年の卒業の時、校長室で一人の卒業式を実施してくださった当
時の校長先生を始め、三年時の担任の先生など関係者の皆様に心から感謝を
申し上げます。また、不登校の子供を受け入れてくださった農業高校の校長
先生と関係者の方々にあらためまして御礼を申し上げます。
 
  最後に、不登校を体験した息子は、農業高校造園土木学科で、しっかり
学び体育祭や農業文化祭などで頑張っています。昨年の夏休みには、自分の
意思から、『子ども長期自然休暇村(13泊14日)』で、小学生のお世話
をするボランティアリーダーを無事に果たすことが出来、参加者のご両親や
教育委員会の方々から、大変喜ばれ感謝されて立派に役割を果たせたそうで
す。
 
 そして、また、地元の教育委員会から今年もボランティアリーダーを要請
されて、その期待に応えるために、夏休み前のリーダー研修に参加していま
す。関係者に大変喜んでいただき、親としても大変嬉しく思っています。
 
 しかし、一方では、長男が不登校の時に、長男と私が殴りあいになろうと
したその瞬間、次男(中学二年の時)が体を張って、私を後ろから羽交い絞
めにして、「僕が家族を守るんや!!」「僕が家族を守るんや!!」と何度
も、大きな声で叫びながら我が家の危機を救ってくれました。
 
 その次男が、今、高校一年生ですが、一学期の期末テスト前から、不登校
気味となり、期末テストも途中から受けていません。しかし、私は、父親と
して、長男の不登校の時とは違って、大きな目で、次男を見守ることができ
るようになりました。「不登校も選択肢のひとつであり、不登校は未来を開
く」と思っております。
 
 私は、これからも、両親の子供として、妻の夫として、そして、何よりも
三人の子供達の父親として、社会の構成員の一人として成長する努力をしま
す。
 
 この度の体験を語るチャンスを与えてくださった農業高校のPTAの役員
の皆さんとつたない体験談をご清聴くださった皆様に感謝を申し上げます。
本当に、ありがとうございました。


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          【坂村真民詩集】

 《 同心一如 》

アスファルトの割れ目に根をおろして
咲いているタンポポ
あれがわたしだ
タンポポよ
どうしてお前はそんな処を好んで
根をおろすのかと
何度わたしは聞いたことか
でもタンポポたちは
笑って答えてはくれなかった

そのうち聞かなくても
わかるようになった
タンポポと同じ心になったからだ

ああ
呼べば応えてくれる
同心一如の広い世界よ

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             【仏語集】

 教えを説く者は、忍耐の大地に住し、柔和であって荒々しくなく、すべて
は空であって善悪のはからいを起こすべきものでもなく、また執着すべきも
のでもないと考え、ここに心のすわりを置いて、身の行いを柔らかにしなけ
ればならない。(法華経)

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*ようやく少し暖かくなってきましたが、皆様の所は如何でしょうか。まず、
現状をあるがままに認め受け入れることができれば、問題解決は早いのです
が、現状を受け入れるまでが、時間がかかるようです。

*今号はいかがでしたでしょうか。 皆様のご意見、ご感想、ご投稿を
rengein@uproad.ne.jp へどうぞお寄せください。お待ちしております。

*「投稿大歓迎!」 皆様の投稿は、できるだけ「幸福ニュース」に掲載し
ようと思っております。読者と共にこのEメールマガジンを作り上げていき
たいと願っておりますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。

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幸福ニュース(しあわせニュース)第187号終
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