メルマガ:タンポポ塾の家造り雑学的総合大学
タイトル:タンポポ塾の家造り雑学的総合大学 NO.15  2003/01/07


   今週のメルマガ   第 15 号 平成14年12月19日 発行

            タンポポ塾の家造り雑学的総合大学

        建築関係の訴訟・マンション監理・登記実務・家族間の法律等の
      実務事例集と判例解釈のゴチャマガジン。
      全部読んだら、あなたも不動産実務大学の卒業生になれるかも?

    発 行 人    株式会社 ダイヤ設計  建築・行政・法務の総合事務所      
                    メール: kdaiya@f7.dion.ne.jp
                             URL: http://www.h3.dion.ne.jp/~daiya  

     発行人ごあいさつ

    下記の項目について、週に1回の割合で発行する予定です。
    実務家が本音と経験事例で語るマガジンを目指します。
    どうぞ、2回、3回と継続して読んでみてください。一味違うはずです。
    又、トピックとして連載文も掲載してます。

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   今週のメルマガ   第15号 平成14年12月19日 発行

    今週の目次項目 

     ○今週の解説  NO.15 ◎ 土地登記Q&A 地目関係 その2

     ○本の紹介     めちゃ安で建つ  今週はお休みです。

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   今週の解説   NO.15  ◎土地登記Q&A 地目関係 その2


   <Q> 今回、私の所有する山林内の墓地を改修しようと思い、境界が不明であ
   るため、登記所の登記簿を調べたところ、登記簿の表題部に山林3025平方
   メートル(うち墓地33平方メートル)とありました。墓地と山林を別の筆に
   したいのですが、どうしたらよいでしょうか? なお公図には墓地の位置は記
   載されていません。
   
   <A> まず方法から説明をいたしましょう。
   土地家屋調査士に依頼をし、山林3025平方メートルの全体と墓地がそのう
   ちのどこに位置するかの測量を行い、墓地の部分の土地分筆、地目変更登記を
   法務局へ申請いたします。
   これにより登記簿は山林と墓地との2筆となり、別になります。

   さてご質問で、墓地の改修をするのに境界が不明とありますが、この不明部分
   があなたの所有している山林部分以外の他の地番と接しているかどうかが問題
   となります。
   他の地番または他の所有者と接していて不明の場合は、当然他の所有者の立ち
   会いを求めなくてはなりません。これは山林全体の測量をする時も同じです。
   立ち会いをお願いする時は相手方の土地の境界についての文献、資料などがあ
   る場合には持参してもらい、あなたも資料があれば用意をしておかれるとよい
   でしょう。

   墓地があなたの所有する山林内(他の地番と接しず周囲がすべてあなたの山林
   である場合)にある時は、現況により33平方メートルを測量し、杭を入れて
   使用されればよいと思います。
   さてここ墓地だけの測量で分筆登記ができないかという疑問(費用も含めて)
   が出ると思いますので説明をしておきます。

   まず墓地(分筆する土地)が山林3025平方メートルのどの位置にあるか、
   またどの方向にあるかを特定しなくてはなりません。墓地が山林の中央部にあ
   る場合など、特に測量をしなければ特定ができませんので全体の測量が必要と
   なります。
   次に地目変更についてですが、この土地が墓地として使用された時期によって
   地目変更ではなく、地目更正となる場合もありますので、依頼する土地家屋調
   査士に説明し、申請してもらうとよいと思います。
   なお墓地の地目変更登記には保健所の許可が必要となる場合もありますので併
   せて相談してください。 
   

   <Q> 農地転用受理通知書に基づいて、その土地に建物を新築した場合には、
   敷地の地目は自動的に宅地に変更の登記がされるのでしょうか?
   
   <A> 土地計画法に基づき市街化調整区域と市街化区域の線が引かれている地
   域で、市街化区域の農地につき農地以外として利用したい場合は、農地転用届
   をします。

   地域により異なりますが、申請後一定期間経過すると農業委員会より農地転用
   受理通知書が交付されます。
   ご質問の場合は、農地を宅地として利用したい旨の申請、つまり農地転用届け
   をした結果、農地転用受理通知書が交付されたものですから、次に建物を建て、
   宅地として利用し始めると実際には畑または田から宅地に利用状況が変わるわ
   けです。
   その日を起点として土地登記簿を管理している登記所(法務局・支局または出
   張所)へその旨、つまり土地地目変更の申請をしなければなりません。
   以上のように一つの流れでつながっていますが、それぞれ異なった申請ですか
   ら農地転用受理通知書に基づいて自動的に宅地に変更されることはありません
   ので、ご注意いただきたいと思います。 
   

   <Q> 私は山林を所有しておりますが、権利証を見ますと「〇〇〇番 山林〇
   〇〇平方メートル 外墓地〇〇平方メートル」と書いてあります。現在、墓地は
   外の土地に移転されており、 一面山林となっております。また昔、墓地がどの
   へんにあったかも定かではありません。今後この土地を分筆登記しようと思い
   ますが、このままでは分筆できないと言われました。どのような処置をとった
   らよろしいでしょうか?
   
   <A> 分筆をする前にまず地目変更登記をする必要があります。
   近くにある墓地へ昔移したのかもしれませんので、変更後として地目は山林、
   地積は山林と墓地の合わせたものになります(年月日不詳地目変更)土地家屋
   調査士が、この分野の仕事をしておりますから、近くの土地家屋調査士に頼む
   とよいでしょう。
   調査士が書類を法務局(登記所)に提出しますと登記官が現場調査を行い、地
   目変更登記がされます。
   この登記が済めば、次に分筆登記をすることができます。 
   

   <Q> 農地法の許可を得て住宅を新築しましたが、地目変更手続きをしないう
   ちに農地法の許可書を紛失しました。建物は登記してありますが、どうしたら
   よいでしょうか?
   
   <A> 農地法の許可書とありますが、農地から宅地にする場合に2つのケース
   があります。

   1つは自分が所有者で今まで耕作していた農地を、自分が建物を建てる目的を
   もって許可を受ける(現在は届け出受理書のケースもある)場合は、農地法第
   4条第1項第5号の規定に基づく許可書と他人が農地として所有している土地
   を、住宅等を建築する目的で許可を受けるケースとあります。
   この許可書は、売買・贈与等の所有権の移転及び転用の許可と2つの目的を許
   可しているもので、農地法第5条第1項第3号の規定に基づく許可であります。
   
   許可書を紛失されたとありますが、市町村役場の農業委員会に証明書の交付を
   申請してその証明書を添付して地目変更登記申請をすればよろしいかと思いま
   す。
   また、期間を過ぎ、確認できないものは、登記所内の規定に従い、市町村の農
   業委員会に照会し、その返答をもって処理していただけます。
   

   <Q> 農地法の許可を受けてある土地へ、家を新築したのですが地目変更の登
   記だといわれましたが、なぜですか?
   
   <A> よく一般の人から、農地転用の許可がおりてるので、宅地になっている
   はずですということを耳にします。
   農地には農地法という法律があって、農地に家を建てたり、勝手に貸し借りや
   売買をすることができません。家を建てるは、農地転用の手続が必要です。
   市街地区域内の農地であれば市町村の農業委員会に届け出をしますが、市街化
   調整区域内ですと、特別の事情があれば別として、原則的に建築することは認
   められません。

   自己所有の農地を、農地以外のものにするには農地法四条の規定による手続を
   しますが、売買や賃貸等権利の移転や設定をする場合には第五条の規定による
   手続をします。届け出の受理通知や許可申請(これは農業委員会を経由して県
   知事の許可)の許可証がもらえたら、所有権移転の登記や建築をすることがで
   きます。

   そこで、家屋を新築しました。
   建築を登記しましたが、地目変更の登記をしないと、いつまでたっても農地は
   農地、登記上の地目は何年たっても変わりません。
   これは農地法と登記法という違った法律があるからです。
   現在はほとんどの人が、家を建てるために、銀行ローンや住宅金融公庫の融資
   を受け付けます。従って新築した建物は抵当に入れることになりますが、銀行
   によっては宅地に変更した土地登記簿謄本を要求します。
 
    不動産登記法第93条(1)には地目または地積に変更があったときは、所有者
   は1ヶ月以内に土地の表示の変更を申請しなければならないとなっております。
   建物を新築した農地(畑や田など)は、当然宅地になったのですから、地目変
   更の登記をすることが必要なのです。 
   

   <Q> 「雑種地」とはどのような土地のことをいうのですか。具体的に教えて
   ください。
   
   <A> 地目は「不動産登記法施行令」第3条に土地の主たる用途により、田・
   畑・宅地・塩田・鉱泉地・池沼・山林・牧場・原野・墓地・境内地・運河用地
   ・水道用地・用悪水路・ため池・堤・井溝・保安林・公衆用道路・公園および
   雑種地に区分して定めると規定されています。

   「不動産登記準則」第117条のイ〜ナに地目の定め方の規定がありますが、
   田から公園までの説明があり、そのいずれにも該当しない土地を雑種地とする
   と規定されています。

   第118条、6に「水力電気のための水路および排水路は雑種地とする」、7
   に「遊園地、運動場、ゴルフ場および飛行場について、ロ…一部に建物がある
   場合でも、建物敷地以外の土地の利用を主とし、建物はその付随的なものにす
   ぎないと認められるときは、その全部を一団として雑種地とする」、8に「競
   馬場内の馬場は雑種地とする」、9に「テニスコート・プールについては、宅
   地に接続するものは宅地とし、その他は雑種地とする」、12に「火葬場の用
   地で建物の設備のない場合には雑種地とする」、13に「高圧線の下の土地で
   他の目的に使用することができない区域は雑種地とする」、14に「鉄塔敷地
   または変電所敷地」、15に「抗口、やぐら敷地」、16に「精錬所の煙道敷
   地」、17に「陶器かまどの設けられた土地については、永久的設備と認めら
   れる雨おついがない場合」、18に「木馬(木のぼり)の区域内の土地は建物
   がない限り雑種地とする」と規定されています。

   田を埋め立てて放置され、草の茂った状態は「田」でもなく「宅地」でもない
   ので雑種地かというと、この場合には田からその他の地目、例えば、宅地に変
   わるための中間的状態であるとして雑種地とは認定しません。
   休耕田でアシの茂った状態も同様で、手を加えることにより、すぐに田として
   利用できるものであれば田とします。
   雑種地とするためには、駐車場または資材置き場などとして利用する積極的な
   目的を必要とします。


   今週はここまでです。


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   トピック 今週の連載文 本の紹介  今週はお休みです。 

      「頑丈で快適なわが家がめちゃ安で建つ」 松田源冶著
 
         尚、目次は、第2号に掲載してありますので、ご参照下さい。
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