メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]381  2008/07/05


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★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2008/07/05 No. 381 (週刊)            前回発行部数:2、910

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2007年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2006年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

AVP2 エイリアンズVS. プレデター 01/05 茶々 天涯の貴妃 01/12
アース 01/19 シルク 01/26
母べえ 02/02 アメリカン・ギャングスター 02/09
テラビシアにかける橋 02/16 エリザベス:ゴールデン・エイジ 02/23
チーム・バチスタの栄光 3/01 ライラの冒険 3/08 
バンテージ・ポイント 3/15 ジャンパー 3/22
マイ・ブルーベリー・ナイツ 3/29 明日への遺言 4/05
モンゴル 4/12 王妃の紋章 4/19
大いなる陰謀 4/26 紀元前1万年 5/03
少林少女 5/10 最高の人生の見つけ方 5/17
チャーリー・ウィルソンズ・ウォー 5/24 
ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 5/31
隠し砦の三悪人 6/07 ザ・マジックアワー 6/14
ランボー 最後の戦場 6/21 インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
奇跡のシンフォニー 7/05
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奇跡のシンフォニー August Rush 

U.S. Release Date: 2007

■監督:カーステン・シェリダン
■キャスト:フレディ・ハイモア/ケリー・ラッセル/ジョナサン・リス=マイ
ヤーズ/テレンス・ハワード/ロビン・ウィリアムズ
■音楽:マーク・マンシーナ/テーマ曲:ハンス・ジマー
■字幕:石田泰子
■お勧め度:★★★★

 「「チャーリーとチョコレート工場」のフレディ・ハイモア主演で贈る感動ド
ラマ。孤児の少年が生まれ持った才能である音楽を媒介に、まだ見ぬ両親を探し
求めていく姿をファンタジックに描く。監督は父ジム・シェリダンの監督作「イ
ン・アメリカ/三つの小さな願いごと」で脚本を手掛けたカーステン・シェリダ
ン。
 ニューヨークの養護施設で育った11歳の少年エヴァン。生まれつき類い希な音
感を持つ彼は、音楽を通じていつか両親に出逢えると信じていた。だが、その実
の親であるライラとルイスは息子が生きていることをまだ知らない。11年前、新
進チェリストのライラとロック・ミュージシャンのルイスは運命的に出会うもラ
イラの父によって仲を引き裂かれ、その後妊娠した彼女は交通事故に遭い、死産
したことを知らされた。以来、ライラは傷心の日々を過ごし、彼女を失ったルイ
スは音楽への情熱も失い息子の存在も知らないまま金融業界へ身を投じていた。
そんな両親への思いが募るエヴァンは、ある時ふとしたことから施設を抜け出し、
マンハッタンに辿り着く。やがて、ウィザードと呼ばれる元ストリート・ミュー
ジシャンにギターの才能を見出され、両親探しのきっかけを掴むエヴァンだが…。」
(allcinema.net/より。)

この解説を読んでこの作品を観る気になる人って、そう多くはいないのではない
だろうか。珍しくつまらない、客引きにもなってない解説。この作品を後回しに
したのも、この解説のせいなのだ。

母子の絆を音楽という媒体を使うことで描いた感動作。そもそも両親の出会いが
運命的であったにしても、一夜を共にしただけで、一目惚れ状態、もちろん結婚
にも至らなければ、「親」と言えるような仲になる前、そのような状態で引き裂
かれた二人、これを息子のエヴァンが探すうちに、二人の仲が次第に本物になっ
ていくといったような感じで描かれる。むしろ両親を見つけ、作品が終わってか
ら、3人の幸せな生活が始まるようなエンディング(という事は、本当はどうな
るか分からない)。

母親というのは、たとえ嘘で死産と知らされても、子供が生きている事は感じ取
れるのだろうか。感じ取れるというのが作品のテーマ。そして母子の絆というの
は、本作品のような音楽という媒体がなくてもあるのだろうか。あるというのが
作品のテーマ。むしろこの点をベースにして、エヴァンの音楽の才能は、作品を
ファンタジックなものにする効果の方が重視されたような気がする。この二人は、
音楽というものが無くても、同じような事になっていたような気がする。

エヴァンの音楽の才能というのは、生まれながらのもので、たとえば街の雑踏を
見ても、その音が音楽として聞こえる。最初は楽器も弾けなければ、楽譜を読む
こともできないが、両親を探すうちに色々な人と出会い、ほんの少しだけ楽器や
ら楽譜を教えてもらうだけで、最後にセントラルパークでニューヨーク・フィル
を指揮して演奏することになるラプソディーを作曲できるまでになる。決して一
流とは言えない両親を遥かに超える才能を発揮する。これはこれで単独のテーマ
だろう。昔の偉大な作曲家などは、こうした才能を持っていたのかもしれない。
極端なことを言うと、まだ音楽が最盛だったころの音楽の復活をエヴァンを主人
公にして描いた作品とも取れる。あるいは音楽という媒体を使用して、どれだけ
ファンタジックな作品が作れるか。この事のために舞台は主にニューヨーク。作
品が意図した効果もあってだろうか、一番、感動的だったのは、右側にニューヨ
ーク・フィルのホールがあるリンカーンセンターの風景で、地理を昔の記憶で説
明すると、ここに一番、近い地下鉄の駅を出ると、すぐそばにエヴァンが学ぶこ
とになるジュリアード音楽院があって、そこを右に行くとリンカーンセンター一
角の入り口がある。右にニューヨーク・フィルのホール、左にニューヨーク州立
オペラのホール、この「コ」を下向きにした一角の奥にメトロポリタン歌劇場が
ある。このクラシックの殿堂と言っていい一角の風景と、夜のセントラルパーク
でのコンサートの風景が、音楽をテーマにした作品を象徴するようで、むしろク
ラシックの名曲を連発するより、遥かに感動的。実は、実際に流れるというか聞
けるのは、父親役のジョナサン・リス=マイヤーズが歌うハード&ソフトロック
なのだが、彼は演技と訛りがどうも変だと思っていたら、現役のシンガー、それ
もイギリス(イングランド)ではなくてウェールズ人だろう。台詞がほとんど分
からない。しかしこれも、下手な男優を使うより、作品には適していると見たい。
ちょっと悲しいのが(オバサン役に続いて)少し悪い、子供を働かせてピンハネ
する男の役で登場のロビン・ウィリアムズ。とは言っても彼が最初にエヴァンの
才能を見い出したことは事実だし、「音楽というのは本や教科書から学ぶもので
はない」といったような台詞は納得がいくし、他の何人かとともにエヴァンの才
能を開花させた一人であることは間違いない。

エヴァンの居た孤児院が少し悪く描かれているが、これはしょうがないだろう。
そこから抜け出して両親を探す旅に出ると同時に、音楽の才能を開花させていく
エヴァンの姿を描き、同時に彼が生まれた時に両親になれなかった二人が、少し
遠回りしたにしても、最初に出会った時の思いを取り戻して、行方不明の息子を
探し再会するにいたる過程が描かれ、筋書き的にも、かなり感動もの。


ヒアリング度:★★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:

★ナルニア国物語/第3章

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2007年分:
犬神家の一族 01/06 シャーロットのおくりもの 1/13 
ラッキーナンバー7 1/20 マリー・アントワネット 1/27
幸せのちから 2/03 墨攻 2/10
守護神 2/17 ドリームガールズ 2/24
ディパーテッド 3/03 蒼き狼 地果て海尽きるまで 3/10
どろろ 3/17 ステップ・アップ 3/24
ホリデイ 3/31 デジャヴ 4/07
大帝の剣 4/14 フラガール 4/21
ラブソングができるまで 4/28 スパイダーマン3 5/05
バベル 5/12 俺は、君のためにこそ死ににいく 5/19
眉山 -びざん- 5/26 パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 6/02
ザ・シューター/極大射程 6/09 300 <スリーハンドレッド> 6/16
ラストラブ 6/23 憑神 6/30
ダイ・ハード4.0 7/07 プレステージ 7/14
シュレック3 7/21 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 7/28
ピアノの森 8/04 トランスフォーマー 8/11
オーシャンズ13 8/18 ベクシル 2077 日本鎖国 8/25
ラッシュアワー3 9/01 怪談 9/08
釣りバカ日誌18 9/15 HERO 9/22
ファンタスティック・フォー:銀河の危機 9/29
幸せのレシピ 10/06 ローグ アサシン 10/13
パーフェクト・ストレンジャー 10/20 グッド・シェパード 10/27
スターダスト 11/03 ブレイブ ワン 11/10
バイオハザード III 11/17 ボーン・アルティメイタム 11/24
モーテル 12/01 ベオウルフ/呪われし勇者 12/08
マリと子犬の物語 12/15 アイ・アム・レジェンド 12/22
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 12/29 

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