メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]362  2008/02/23


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★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2008/02/23 No. 362 (週刊)            前回発行部数:3,054

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2007年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2006年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

AVP2 エイリアンズVS. プレデター 01/05 茶々 天涯の貴妃 01/12
アース 01/19 シルク 01/26
母べえ 02/02 アメリカン・ギャングスター 02/09
テラビシアにかける橋 02/16 エリザベス:ゴールデン・エイジ 02/23
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エリザベス:ゴールデン・エイジ Elizabeth: The Golden Age

U.S. Release Date: 2007  

■監督:シェカール・カプール
■キャスト:ケイト・ブランシェット/クライヴ・オーウェン/アビー・コーニ
ッシュ
■音楽:クレイグ・アームストロング/アル・ラーマン
■字幕:戸田奈津子
■お勧め度:★(★)

 「シェカール・カプール監督とオスカー女優ケイト・ブランシェットが再びコ
ンビを組んだ歴史ドラマの続編。無敵艦隊を擁するスペインとの宗教戦争や忍び
寄る暗殺計画、そして禁断の恋など様々な試練と向き合いながら黄金時代を築い
ていく女王エリザベスの雄姿を壮大なスケールで描く。共演に「シャイン」のジ
ェフリー・ラッシュ、「クローサー」のクライヴ・オーウェン。
 1585年、プロテスタントの女王としてイングランドを治めるエリザベス1世。
彼女は揺るぎない信念で王の威厳を保っていたが、依然国内外でカトリックを信
奉するものたちの謀略が渦巻いていた。中でも、欧州全土をカトリックにする誓
いを立てイングランドをも手中に収めようと息巻くスペイン国王フェリペ2世と、
従姉のエリザベスが不義の子であることから正統な王位継承権が自分にあると主
張するスコットランド女王メアリーの存在は脅威となっていた。そんなある日、
エリザベスの前に、新世界から帰還したばかりの航海士ウォルター・ローリーが
現われる。やがて2人は交流を重ねるうち互いに惹かれ合い、“ヴァージン・ク
イーン”を貫き通していたエリザベスの心は揺らぎ始めるが…。」
(allcinema.net/より。)

歴史上の偉大な人物を、等身大で描くというのが、ここ数年の傾向だが、たとえ
ば古代のアレキサンダー大王といったような、あまり詳細の知られていない人物
を、推測も含めて「等身大」で描けば、それなりに面白いかもしれないが、本作
のエリザベス1世女王は、伝説ではなくて実在の人物で、国政だけではなくて文
化的にも偉大な功績を残した人物。それを「等身大」で描くという名目で、女王
として、あるいは女としての悩みや苦労に重点を置いて描いてしまうと、この部
分は殆どがフィクションになってしまうわけで、何か場違いなような気がする。
たとえば筋書的にはカトリックの女王であるスコットランドのメアリー、同じく
カトリックであるスペイン、後者はメアリーにエリザベス女王暗殺の指令を出さ
せることで、その陰謀を暴かせ、メアリーを処刑させ、それを口実にしてスペイ
ンはイングランドに対して、「異教徒」退治の「聖戦」をしかける。これは史実
だろうが、この筋書に対して、エリザベス女王がメアリーの処刑に乗り気でなか
ったこと、臣下たちに強制されて処刑の命令を出さざるをえなかったこと、これ
はフィクションだろう。こういう部分というのは、史実とフィクションを恣意的
に合体させたようなもので、エリザベス女王の人間性とかを、それを描くための
フィクションを捏造することで描いたような印象になってしまう。これに加えて
クライヴ・オーウェンのウォルター・ローリーは確かに実在の人物で、エリザベ
ス女王の寵愛を受けたことも史実ながら、実際はエリザベスの第一侍女と愛し合
い結婚。作品ではそのウォルター・ローリーを、エリザベス女王の愛人のように
描き、あたかもエリザベスはこの男しか愛さなかったような描き方をしている。
これも一方で史実を描き、他方でエリザベスを等身大で描くという目的から捏造
したフィクションという事になってしまう。いずれの場合でも、等身大で描くと
いう目的が先にあって、史実に元づきながら、フィクションを捏造するというチ
グハグな印象がしてしまう。こういう細工というのは、むしろ目的からすれば裏
目だろう。なにかかなり根本的なところで作品の作り方を間違えたような。たと
えばエリザベス女王の人間性を描くなら、そもそもメアリーの件は余計だし、相
手役にド迫力のクライヴ・オーウェンを使うならば、侍女との結婚とかの史実は
ホカして、生涯一度の愛に燃える二人的な描き方をした方が、むしろ人間・エリ
ザベスを描くには遥かに効果的だっただろう。結果的にはケイト・ブランシェッ
トが、むしろ史実のエリザベスと、フィクションのエリザベスという、分裂した
ような人物を演じることに振り回され、そうした女王が、スペイン艦隊を破った
後、イングランドの黄金期を築いたという史実の方が、嘘っぽいものになってし
まっている。印象としては、似たような作品としては「茶々」の方がはるかに面
白かったし、成功だったような気がする。衣裳の豪華さも含めて。それに作品全
体として見ても、上のような目的から、終始、宮廷内の出来事ばかりで、テレビ
ドラマの域。最後のスペイン艦隊を破るというのも、誰の功績でもなくて「神風」
嵐で沖に停泊中のスペイン艦隊が勝手に沈んでしまったわけで、これも史実に元
づいたせいで、見る価値も無いような「スペクタクル」。極めつけは終わり方で、
膨大な戦費を投じて大艦隊を作りながらも敗北したせいでスペインは破産、ほと
んど何もしないで最大の敵、ライバルを斥けたイングランドは、「この後」黄金
期を迎えたというテロップ。どこが「ゴールデン・エイジ」なわけ?イングラン
ドに黄金期をもたらしたエリザベス女王のその後の治世をテロップ一個、一行で
片付けて何も描かないというような詐欺タイトル作品とも言える。


ヒアリング度:★
感動度:
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★
ムカつく度:★★★
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:

★ナルニア国物語/第2章

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2007年分:
犬神家の一族 01/06 シャーロットのおくりもの 1/13 
ラッキーナンバー7 1/20 マリー・アントワネット 1/27
幸せのちから 2/03 墨攻 2/10
守護神 2/17 ドリームガールズ 2/24
ディパーテッド 3/03 蒼き狼 地果て海尽きるまで 3/10
どろろ 3/17 ステップ・アップ 3/24
ホリデイ 3/31 デジャヴ 4/07
大帝の剣 4/14 フラガール 4/21
ラブソングができるまで 4/28 スパイダーマン3 5/05
バベル 5/12 俺は、君のためにこそ死ににいく 5/19
眉山 -びざん- 5/26 パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 6/02
ザ・シューター/極大射程 6/09 300 <スリーハンドレッド> 6/16
ラストラブ 6/23 憑神 6/30
ダイ・ハード4.0 7/07 プレステージ 7/14
シュレック3 7/21 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 7/28
ピアノの森 8/04 トランスフォーマー 8/11
オーシャンズ13 8/18 ベクシル 2077 日本鎖国 8/25
ラッシュアワー3 9/01 怪談 9/08
釣りバカ日誌18 9/15 HERO 9/22
ファンタスティック・フォー:銀河の危機 9/29
幸せのレシピ 10/06 ローグ アサシン 10/13
パーフェクト・ストレンジャー 10/20 グッド・シェパード 10/27
スターダスト 11/03 ブレイブ ワン 11/10
バイオハザード III 11/17 ボーン・アルティメイタム 11/24
モーテル 12/01 ベオウルフ/呪われし勇者 12/08
マリと子犬の物語 12/15 アイ・アム・レジェンド 12/22
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 12/29 

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