メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]359  2008/02/02


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★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2008/02/02 No. 359 (週刊)            前回発行部数:3,054

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2007年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2006年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

AVP2 エイリアンズVS. プレデター 01/05 茶々 天涯の貴妃 01/12
アース 01/19 シルク 01/26
母べえ 02/02
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母べえ

U.S. Release Date:  

■監督:山田洋次
■原作:野上照代 『母べえ』(オリジナル題『父へのレクイエム』)
■キャスト:吉永小百合/檀れい/浅野忠信/志田未来/坂東三津五郎/他
■音楽:冨田勲/ソプラノ:佐藤しのぶ
■字幕:
■お勧め度:★★

 「黒澤明作品のスクリプターとして知られる野上照代の自伝的小説『父へのレ
クイエム』(改題『母べえ』)を、「男はつらいよ」「武士の一分」の山田洋次
監督が吉永小百合を主演に迎えて映画化した感動の反戦ヒューマン・ドラマ。あ
る日突然夫が治安維持法で投獄されてしまうという苦境の中で、夫を信じ続け、
つつましくも気高き信念を失わず、残された2人の娘を守るため懸命に生きた一
人の女性の姿を描く。
 昭和15年の東京。野上佳代は、愛する夫・滋と2人の娘、長女の初子と次女の
照美と共に、つましいながらも幸せな毎日を送っていた。互いに“父(とう)べ
え”“母(かあ)べえ”“初べえ”“照べえ”と呼び合い、笑いの絶えない野上
家だったが、ある日、突然の悲劇が一家を襲う。文学者である滋が、反戦を唱え
たことを理由に特高刑事に逮捕されてしまったのだ。穏やかだった生活は一変し、
不安と悲しみを募らせる母と娘たち。そんな中、滋のかつての教え子・山崎や滋
の妹・久子、放埒で型破りな叔父・仙吉らが一家のもとに駆けつけ、佳代と娘た
ちを優しく親身に支えていく。」(allcinema.net/より。)

野上照代って、後で調べてみたら、黒澤明監督のスクリプター(記録係)どころ
じゃなくて小説も書いてるし「2006年4月から黒澤明塾の塾長として活躍」、ま
だ生きてることになってる?作品では、ごくごく平凡なお母さんで、仕事といっ
たら小学校の音楽の臨時雇いの先生。別人?というより吉永小百合を主演にした
映画を作るという前提(魂胆)からフィクションに改変した作品だろう。

そうだとすると、何故そういう改変が必要になるかというと、吉永小百合だから
というのが答え。この国には「サユリスト」という人種がいるらしいが、吉永小
百合はタイプではないので、おそらくまともな作品を観るのはこれが初めてで、
女優としての記憶も殆ど無い。何故かというと、いやそもそも何故この作品を観
ることにしたかというと、「テラビシア」の昼の回がなくて、音楽担当が冨田勲
(シンセの創始者)で、佐藤しのぶが歌っているらしいので、後者の悪口を書く
ために観たのだった。が、歌ってないような。そのような訳で、吉永小百合はど
うでもいいのだが、この作品を観る限り、上の改変の効果もあってか、吉永小百
合の良さがなんとなく分るような気がする。一言で言って女優らしくない。女ら
しくもない。代わりのいない女優と言えば褒め言葉になるが、悪く言えば居なく
てもいい女優。むしろ妹役の檀れい(元宝塚娘役)が、かなりいい感じで、長女
役の志田未来が丸顔で、若い頃の片平なぎさっぽくて、これもいい感じ。最後の
方だけ出てくる戸田恵子が、かなり「壊れた」感じだが、声は健在。こいつは声
だけで食っていけるわけなのでどうでもいいのだが。しかしこうした女優(?)
と比べると、吉永小百合の存在感の無さと、つかみどころの無さ、これがおそら
く「サユリスト」が惹かれる部分なのだろうが、そうだとすると、「サユリスト」
というのは(ここで個人名は出さない、どうせ嫌いなので)、女の部分を否定し
たような女に憧れる、ホモかオカマの親戚という事なのだろうか。その心理は全
く分らない。とは言え、その良さが分らないのでもないので、吉永小百合の良さ
を描いた作品としては、成功なのだろう。確かにあまりにも女優っぽい女優とい
うのも飽きるというか五月蝿いとも言え、本作では左時枝がその代表。その意味
ではサポート役に檀れい、志田未来を配したことは納得がいくし、戸田恵子をホ
カしたのも効果的。こいつには至っては女優をやるのが余計なわけだし。

物語りは昭和15年(1940)から戦後まで、そして現代、「野上佳代」が死ぬまで。
戦中、戦後を描いた作品としては、ごく平凡な家族から見た日本の情勢を、中立
というより無知な観点から描くことで、一般の市民が、あの戦争をどう見ていた
のか、あるいは見せられていたのか、あまり反戦を強調すること無く、それでい
て特に野上佳代の最後の言葉、投獄されて殺された夫に死んでから会うのではな
くて、生きているうちに会いたかったという言葉などに、戦争に巻き込まれて犠
牲となった市民の無念さや恨みが表われていて印象的。あまり無い描き方ではな
いだろうか。

「野上佳代」に色々と良くしてくれた「隣組」のおじさん、この「隣組」が戦時
中、果たした役割は別として、このおじさんの台詞として、日本はまず中国大陸
を「征服」して、ドイツとの友好関係は「方便」、中国の次は「米・英」、そし
てドイツと「最終戦」だかをやって、世界を征服するという、嘘みたいな考えを、
一般の市民の一部は、本当に持っていたのかもしれない。この無知さ、この恐さ
が、そのまま諸悪の根源のようにも描かれ、反戦映画にありがちな、兵士を主に
した、無駄な勝ち目の無い戦い、不条理な玉砕とかの観点とは違った観点から、
戦争の恐さを描いたとも言える。とは言っても、この時代の歴史的な背景、二つ
の戦争に勝って、欧米列強と同様に中国大陸に「進出」し、資源を確保し、「富
国」しようとした背景からすれば、こうした考えを持ったとしてもなんの不思議
も無いわけで、そうした背景が描かれない分、反戦映画としてのインパクトは薄
れるが、ただしここで「反戦」と書いているのは「解説」にそう書いてあるから
で、少し違った角度から戦争を描いた作品としては、かなりなインパクトがある。
従来の、というか旧来の、古臭い反戦映画とは違った良さがある。しかしこの事
は無視して、この作品はやはり「サユリスト」が「サユリスト」に捧げた作品で
しかないような気がするが、タイプでは無いことから、作品の真意は分らないし、
面白い、つまらないといったような評価も出来ない。ということは「サユリスト」
でもなければ、つまらないという事だが。


ヒアリング度:
感動度:★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:

★ナルニア国物語/第2章

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ラッキーナンバー7 1/20 マリー・アントワネット 1/27
幸せのちから 2/03 墨攻 2/10
守護神 2/17 ドリームガールズ 2/24
ディパーテッド 3/03 蒼き狼 地果て海尽きるまで 3/10
どろろ 3/17 ステップ・アップ 3/24
ホリデイ 3/31 デジャヴ 4/07
大帝の剣 4/14 フラガール 4/21
ラブソングができるまで 4/28 スパイダーマン3 5/05
バベル 5/12 俺は、君のためにこそ死ににいく 5/19
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ザ・シューター/極大射程 6/09 300 <スリーハンドレッド> 6/16
ラストラブ 6/23 憑神 6/30
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ピアノの森 8/04 トランスフォーマー 8/11
オーシャンズ13 8/18 ベクシル 2077 日本鎖国 8/25
ラッシュアワー3 9/01 怪談 9/08
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モーテル 12/01 ベオウルフ/呪われし勇者 12/08
マリと子犬の物語 12/15 アイ・アム・レジェンド 12/22
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 12/29 

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