メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]351  2007/12/08


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★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2007/12/08 No. 351 (週刊)            前回発行部数:3,105

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2006年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2005年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

犬神家の一族 01/06 シャーロットのおくりもの 1/13 
ラッキーナンバー7 1/20 マリー・アントワネット 1/27
幸せのちから 2/03 墨攻 2/10
守護神 2/17 ドリームガールズ 2/24
ディパーテッド 3/03 蒼き狼 地果て海尽きるまで 3/10
どろろ 3/17 ステップ・アップ 3/24
ホリデイ 3/31 デジャヴ 4/07
大帝の剣 4/14 フラガール 4/21
ラブソングができるまで 4/28 スパイダーマン3 5/05
バベル 5/12 俺は、君のためにこそ死ににいく 5/19
眉山 -びざん- 5/26 パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 6/02
ザ・シューター/極大射程 6/09 300 <スリーハンドレッド> 6/16
ラストラブ 6/23 憑神 6/30
ダイ・ハード4.0 7/07 プレステージ 7/14
シュレック3 7/21 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 7/28
ピアノの森 8/04 トランスフォーマー 8/11
オーシャンズ13 8/18 ベクシル 2077 日本鎖国 8/25
ラッシュアワー3 9/01 怪談 9/08
釣りバカ日誌18 9/15 HERO 9/22
ファンタスティック・フォー:銀河の危機 9/29
幸せのレシピ 10/06 ローグ アサシン 10/13
パーフェクト・ストレンジャー 10/20 グッド・シェパード 10/27
スターダスト 11/03 ブレイブ ワン 11/10
バイオハザード III 11/17 ボーン・アルティメイタム 11/24
モーテル 12/01 ベオウルフ/呪われし勇者 12/08
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ベオウルフ/呪われし勇者 Beowulf

U.S. Release Date: 2007   

■監督:ロバート・ゼメキス
■キャスト:レイ・ウィンストン/ブレンダン・グリーソン/アンソニー・ホプ
キンス/ロビン・ライト・ペン/ジョン・マルコヴィッチ/アリソン・ローマン
/アンジェリーナ・ジョリー
■音楽:アラン・シルヴェストリ
■字幕:太田直子
■お勧め度:★★★★

 「最強の勇士が凶悪な怪物たちと壮絶な闘いを繰り広げるアクション・ファン
タジー。英文学最古の文献のひとつとされる英雄ベオウルフの冒険物語を基に、
オスカー監督ロバート・ゼメキスが、「ポーラー・エクスプレス」に続いて最新
のパフォーマンス・キャプチャー技術を駆使して、実写とCGを融合させた革新
的な映像で幻想的世界を壮大に描く。主演は「ディパーテッド」「キング・アー
サー」のレイ・ウィンストン、共演にアンジェリーナ・ジョリー。
 古代デンマーク。戦士ベオウルフは、時の王フロースガールの命によって、人
々を襲い続ける呪われし巨人グレンデルの討伐に立ち上がる。そして激戦の末、
グレンデルを見事に打ち負かすのだった。しかし、平安が訪れたのも束の間、ベ
オウルフの部下たちが皆殺しにされる。それは、魔性なグレンデルの母による仕
業だった。さらにはベオウルフも冷酷で妖艶な彼女の魅惑に引き込まれ、彼女を
愛せば永遠の力を持つ王になれる、という悪魔の誘いを受け入れてしまう。はた
して、突然命を落としたフロースガールの後継者として王の座に就くベオウルフ。
だが、やがてある時、ドラゴンが現われ、民衆を襲撃し始める…。」
(allcinema.net/より。)

ぜんぜん、違うっつうのに。この「解説」の出鱈目さが面白くて読んでる部分が
ある事は事実。無視。

「ベオウルフ」というのは(「解説」どおり)「古典」というより単に最古の文
献で、原文は英古語、どんなものかコピペすると化けまくるほど今の英語とは違
って、英文学の入門書、あるいは必読書、学校では強制的に読まされる。はっき
り言って物語りとしては面白くない。という経験を監督や製作者も持っているの
だろう。学校時代の「恨み」が感じられるほど原作とは逸脱して、楽しいファン
タジー作品にしてくれた。

CGの使い方にかなり工夫が見られる。一部の人物、特に(綺麗な)王妃(ロビ
ン・ライト・ペン)以外の女達の描き方が、メイクではなくて「シュレック3」
風のCGにして、本当のCGと対照させ、特に最後のゴールドドラゴンなどは、
かなりな迫力もの。CGが嘘っぽくて、実写の部分でしらけるという、こういう
作品(後記)にありがちな事が無い。

「ベオウルフ」を題材に選んだのは、物語り自体が面白いのではなくて、ちょう
どこの作品が残された6世紀ごろ、この時代は、まだキリスト教の影響が少なく、
北欧神話の伝統が主で、英雄像にしてもギリシャ/ローマの決まりきった物語り
の影響も少ない、無視できる時代、こういう物語りを描くにはとても都合が良い
時代だった、そのため物語りは自由に発想できる時代だった。これは目の付け所
の良さだろう。たとえばグレンデルがそもそも「悪い」やつなのかというと、敢
えて「彼」というが、彼は人間たちのやる宴会騒ぎの音が何故かウザく、それで
宴会場を襲っては、彼にとっては悪者の人間たちを襲う。そのグレンデルという
息子を殺された母(アンジェリーナ・ジョリー)にしても、殺したベオウルフに
対して恨みを持つのは当然で、ベオウルフにどうやって仕返ししてやろうか、そ
の答えが彼という「英雄」に二人目の息子を生ませる(父親にさせる)ことだっ
た。ベオウルフは、まんまとその誘いに乗り、若き日の野望のために、彼女を抱
いてしまう。その結果がドラゴン誕生。自分の息子と対決する運命に。ベオウル
フが惹かれたのは彼女の女としての魅力ではなくて、約束された力の方だった。
しかしたった一度の「浮気」で悲劇的な運命を辿ることになるベオウルフ、それ
も若い勇者なら誰でもが持っているような野望、こういう部分というのは、どん
な罪をおかしても謝れば許してもらえるといったような、この後のキリスト教の
時代とはかなり違うものがあり、物語りとして見ると、逆に斬新ささえ感じられ
る。後者の時代になると常に「善悪」、神と悪魔の二極化がひどく、ワンパター
ンになるが、果たしてグレンデルやその母が「怪物」だったのか、思いの叶った
ベオウルフが悲劇の人なのか、明確な答えは出せない、というところが面白い。
これが後の時代になると、たとえば、これが元になったと思われるシェークスピ
アの「マクベス」のように、「バーナムの森が動かない限り、力を失うことは無
い」「女から生まれた人間には殺されない」といったような、最後でどんでん返
しを作るというような、ひどく意図的な物語りとはかなり違った、解釈自由な物
語り展開になっている。文学というものが、少なくともこの地方では、まだ創成
期だった頃の自由さが感じられる。ファンタジー作品にありがちな、既にある文
学作品を、どうやって無理矢理、映画にしようかという、原作を読んでいない場
合は、どうでもいい苦労を解る必要の無い作品。チラシにある「ロード・オブ・
ザ・リング」と「300」とは、何の関係も無い秀作。


ヒアリング度:★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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THE 有頂天ホテル 01/21 レジェンド・オブ・ゾロ 01/28
フライトプラン 02/04 ミュンヘン 02/11
ジャーヘッド 02/18 ナイト・オブ・ザ・スカイ 02/25
ダイヤモンド・イン・パラダイス 03/04
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 03/11
イーオン・フラックス 3/18 SPIRIT 3/25
サウンド・オブ・サンダー 04/01 ALWAYS 三丁目の夕日 04/08 
プロデューサーズ 04/15 連理の枝 04/22
ニュー・ワールド 04/29 レント 05/06
Vフォー・ヴェンデッタ 05/13 明日の記憶 5/20
ダ・ヴィンチ・コード 5/27 夢駆ける馬ドリーマー 6/03
ポセイドン 6/10 インサイド・マン 6/17
バルトの楽園 6/24 ウルトラヴァイオレット 07/01
トリック劇場版2 7/08 M:i:III 7/15
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