メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]187  2004/10/16


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==========================================ROADSHOW REVIEW=====

★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2004/10/16  No. 187 (週刊)            前回発行部数:2,933

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2003年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2002年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

すべては愛のために 01/03 ミシェル・ヴァイヨン 01/10
ミスティック・リバー 01/17 タイムライン 01/24
シービスケット 01/31 ハリウッド的殺人事件 02/07
ラブ・アクチュアリー 02/14 ロード・オブ・ザ・リング3 02/21
(旧)バイ・バイ・バーディー 02/28 マスター・アンド・コマンダー 03/06
レジェンド・オブ・メキシコ 03/13 ペイチェック 03/20
イノセンス/INNOCENCE 03/27 恋愛適齢期 04/03
イン・ザ・カット 04/10 ディボース・ショウ 04/17
オーシャン・オブ・ファイアー 04/24 映画館、邦画について 05/01
キル・ビル Vol.2 05/08 コールド マウンテン 05/15
ビッグ・フィッシュ 05/22 トロイ 05/29 
レディ・キラーズ 06/05 デイ・アフター・トゥモロー 06/12
ロスト・イン・トランスレーション 06/19 21グラム 06/26
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 07/03 ブラザーフッド 07/10
スパイダーマン2 07/17 ウォルター少年と、夏の休日 07/24
キング・アーサー 07/31 マッハ! 08/07
リディック 08/14 サンダーバード 08/21
華氏9/11 08/28 LOVERS 09/04
ヴァン・ヘルシング 09/11 テイキング・ライブス 09/18
アイ・ロボット 09/25 バイオハザードII アポカリプス 10/02
アラモ 10/09 アラモ 10/16 『その2』
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アラモ (Alamo, The)『その2』
U.S. Release Date: 4/9/04

■監督:ジョン・リー・ハンコック
■キャスト:デニス・クエイド/ビリー・ボブ・ソーントン/ジェイソン・パト
リック
■音楽:カーター・バーウェル
■字幕:戸田奈津子
■お勧め度:★★★(★)

先週の「アラモ」は、配給系統の違いか、いつものシネコン(松竹系)では上映
の予定は無かった。したがって予告編は見ていないし、作品の存在すら知らなか
った。自転車で40分ぐらいのところにある別のシネコン(「ワーナー・マイカ
ル・シネマズ みなとみらい」)の上映スケジュールを見て、たまたま見つけ、
「見たい」と思って、まだ多少、暑さが残る日、夕方、仕事をさぼって見に行っ
た。ここはシステムはかなり違ったが、一の日割り引きは共通だったこともある。

毎週、毎週、違う映画を見て、この感想を書いているが、中にはすぐに忘れたい
ような駄作、あるいは長く心や脳裏に残る作品と、色々ある。「アラモ」の場合
は、後者に属し、考えさせられるところの多い作品だったので、今週はお休みに
する予定のところ、「感想その2」を書くことにした。実際、先週号を読み返し
ても、長い割には、書く事が多過ぎて表面的、あるいはゴチャゴチャした感想に
なってしまった。

最初、アラモ砦の、多分、実物を再現したものを見た時、合理主義的なアメリカ
人がなぜこんな「囲い」程度の砦で2000というメキシコ軍と戦う決意をした
かという事だった。メキシコ軍はこの砦を囲んだのではなくて、近くに陣をはり、
砦への通路はいくつか開けておき、本命のヒューストン将軍とそのテキサス軍本
体をおびき出すのが目的だった。事実、アラモから救援を要請する伝令は無事、
メキシコ軍の包囲網を抜け、籠城中でも、数十名の、ヒューストン軍ではない、
民間人の助っ人は砦に来ている。したがって200名足らずの兵がアラモを捨て
ようと思えば、簡単にできたし、それを防ぐことがメキシコ軍の目的ではなかっ
た。結局2週間という間、メキシコ軍はアラモを包囲し、ヒューストン軍が来な
いことに痺れを切らし、アラモをせん滅、そのままヒューストン軍を追った。こ
の、アラモが落ちた時点でも、ヒューストン軍にはメキシコ軍2000と戦う兵
力は無く、ヒューストンは敗走に敗走を続けると見せかけ、メキシコ軍が軍を割
って7〜800という小兵力になった隙に一気に反撃、たった18分でサンタ・
アナ将軍の本体を撃滅、将軍にテキサスに関する一切の権利の譲渡契約を結ばせた。

というのが本作「アラモ」の全体のストーリーで、先週は書かなかったが、ヒュ
ーストンのこの作戦、あるいは戦略を知っていたアラモの守備隊は、アラモの砦
を守る合理的な理由は何も無かった。それなのに何故かれらは「犬死に」とも思
えるような死に方をしたのだろうか。という疑問は同時にこの作品が描く、先週
も書いた「時代性」が答えを与えているような気がした。

近代、あるいは現代の戦争の場合、人には徴兵され戦う義務があるという、表む
きは「お国」のため、あるいは「愛する家族」のためとか理由はつけられるが、
戦争をするのは国家の権力者であり、兵士は彼等の思いのままに、国家のために
戦うというのが当たり前のように思われているが、果たしてそうだろうか。ベト
ナム戦争のように、この戦争は正当でないから自分は徴兵を拒否するという考え
もあろうが、それ以前の問題として、国家ができる前に人はいたのであり、たと
えば「アラモ」の時代では、戦うかどうかは個人がその意志で決めた。自分で決
めるという事は、戦うということは「義務」ではなくて「権利」だった。家族を
守る権利、土地を守る権利、そして新国家としての「テキサス」を作る権利。そ
うした権利のために、「アラモ」の人々は戦うことを選び、その権利と主張を貫
き通した結果が死だった。彼等にとってアラモを捨てる、逃げ出すことは、最初
から頭に無かったかもしれない。

勝ち目の無い戦で死んだ「アラモ」の人々が「英雄」とされ伝説となるのは、
「死んだ」からではなく、権利のために生きたからではないだろうか。こうした
精神は国家にとっては時として都合が良く、時として都合が悪いものだろうが、
通常の戦争、あるいは戦争映画の場合のように、「義務」として戦い、死ぬこと
は「悲劇」であっても、「権利」として戦うことを選び死ぬことは、「悲劇」と
いう言葉が当てはまらないような気がする。「民主主義」を名のりながらも「権
利」と「義務」の違いすら分からない国民がいる中で、「アラモ」の物語り、そ
の人々は、権利のために生き、死ぬことを決意した、まさにその意味では「英雄」
たちだったのかもしれない。彼等がもし「義務」としてアラモ砦の守備を任され
ていたなら、最初にメキシコの大軍を見た時点で逃げ出していただろうし、それ
が「合理主義」にかなった判断だっただろう。

蛇足的に(上で示唆した)日本の状況を見ると、健康保険、国民年金、選挙の投
票、あるいは町内会や自治会の役員、これらは全て国民や住民の権利であるにも
係わらず、特に前二者に関しては、あたかも義務であるかのように見られ、その
ように国民に押し付けられている。健康保険、国民年金に関しては、その益を享
受する「権利」が国民にあり、そのために保険料や積立金を払う「義務」が生じ
る。その益を享受する意思が無いのであれば、保険料や積立金を払う「義務」は
無いことになる。身近なところでは町内会や自治会の役員、これも、自治会規則
などを読めば明記してあるが、住民の「代表」としての役員となる権利であり、
それには選挙によって選ばれなければならない。だが実情は当番制のように押し
付けられている。「アラモ」の物語は、何が権利で何が義務かを、再考する事を
促しているのではないだろうか。そして国家が「義務」としてでっちあげる徴兵
制などで死ぬことと、自らの権利のために生き、死ぬことの決定的な違いを、無
言のうちに描いているのではないだろうか。


ヒアリング度:★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★
ビデオで見た方がいい度:
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:



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2003年分:
K−19 1/04/2003    (旧作)風の谷のナウシカ 1/11
ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト 2/22
ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔 3/01 007ダイアナザーデイ 3/15
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
ドリームキャッチャー 5/03 X-Men2 5/10
あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07
ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21
ソラリス 6/28 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 7/05
デッドコースター 7/12 ターミネーター3 7/19
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 7/26 トレジャー・プラネット 8/02
ハルク 8/09 パイレーツ・オブ・カリビアン 8/16
英雄 8/23 コンフェッション 8/30
ワイルド・スピードX2 9/06 座頭市 9/13
閉ざされた森 9/20 トゥームレイダー2 9/27
S.W.A.T. 10/04 ジョニー・イングリッシュ 10/11
リーグ・オブ・レジェンド 10/18 マッチスティックメン 10/25
キル・ビル 11/01 ティアーズ・オブ・ザ・サン 11/08
マトリックス レボリューションズ 11/15 ブルドッグ 11/22
フォーン・ブース 11/29  バッドボーイズ2バッド 12/06
ラスト サムライ 12/13 (旧作)ネイティブ・ハート 12/20
ブルース・オールマイティ 12/27

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