メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]186  2004/10/09


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==========================================ROADSHOW REVIEW=====

★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2004/10/09  No. 186 (週刊)            前回発行部数:2,927

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2003年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2002年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

すべては愛のために 01/03 ミシェル・ヴァイヨン 01/10
ミスティック・リバー 01/17 タイムライン 01/24
シービスケット 01/31 ハリウッド的殺人事件 02/07
ラブ・アクチュアリー 02/14 ロード・オブ・ザ・リング3 02/21
(旧)バイ・バイ・バーディー 02/28 マスター・アンド・コマンダー 03/06
レジェンド・オブ・メキシコ 03/13 ペイチェック 03/20
イノセンス/INNOCENCE 03/27 恋愛適齢期 04/03
イン・ザ・カット 04/10 ディボース・ショウ 04/17
オーシャン・オブ・ファイアー 04/24 映画館、邦画について 05/01
キル・ビル Vol.2 05/08 コールド マウンテン 05/15
ビッグ・フィッシュ 05/22 トロイ 05/29 
レディ・キラーズ 06/05 デイ・アフター・トゥモロー 06/12
ロスト・イン・トランスレーション 06/19 21グラム 06/26
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 07/03 ブラザーフッド 07/10
スパイダーマン2 07/17 ウォルター少年と、夏の休日 07/24
キング・アーサー 07/31 マッハ! 08/07
リディック 08/14 サンダーバード 08/21
華氏9/11 08/28 LOVERS 09/04
ヴァン・ヘルシング 09/11 テイキング・ライブス 09/18
アイ・ロボット 09/25 バイオハザードII アポカリプス 10/02
アラモ 10/09
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★★お知らせ。9月25日〜10月16日の間、映画館が改装工事のため休館と
なります。この間の発行は、今の所、未定です。
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アラモ (Alamo, The)
U.S. Release Date: 4/9/04

■監督: ジョン・リー・ハンコック
■キャスト:デニス・クエイド/ビリー・ボブ・ソーントン/ジェイソン・パト
リック
■音楽:カーター・バーウェル
■字幕:戸田奈津子
■お勧め度:★★★(★)

「史実を映画化した作品。1836年、メキシコ政府はアメリカ国内のメキシコ
系住民が居住する地域を併合する目的で、サンタ・アナ将軍以下数千名の兵力を
テキサスに送る。 一方、アメリカでは中央政府が手をこまねく中、テネシー出身
の伝説的な射撃の名手デイビー・クロケットなど市民の有志が応戦する。圧倒的
に優勢なメキシコ軍はサン・アントニオのアラモ砦でクロケットら約180名を
全滅させるが、「アラモを忘れるな!」の掛け声の下、ローン・スター(現在の
テキサス州旗)を掲げる一層強力な義勇軍が組織されてメキシコ軍を破る。」

と、あるサイト(http://www.jtnews.jp/)に書いてあったので引用してしま
うが、この粗筋にはかなり間違いがある。

「アラモ」、あるいは「デイビー・クロケット」というと、アメリカに住んだこ
とがある場合、伝説の部分にしか触れることが出来ないのが実情だ。「アラモ」
関係では過去に10作もの作品が作られているが、かすかに記憶に残るジョン・
ウェイン(監督・主演)のものは、やはり伝説的ないし英雄的要素が強過ぎてつ
まらなかったような印象がある(ジョン・ウェインに関しては、同じ「西部劇」
でも、他にはるかに印象に残るものがあるという意味で)。本作品は史実を忠実
に映画化した。今まで知らなかった色々な事が分かり、分かった事というのが、
例えば百科事典とかで知ることよりも、はるかに人間的に伝わってきて、娯楽作
品として見ても、かなり面白かった。

アラモの砦に関しては、実物を再現したようだ。軍事的な拠点というより、町の
一部に低い壁と木の塀でできた「囲い」のような砦で、中にカトリック教徒が作
りかけた教会がある。たしかに大砲はあるものの、こんな砦で2000というメキシ
コ正規軍と戦うのは、よほどの理由があってのことだろう。実際、砦で籠城する
より、外へ出て戦った方が勝ち目が有ると言った者もいた。したがって、ほんの
200名たらずの義勇軍、というより市民兵が立て籠り、善戦むなしく全滅したと
いうイメージでは無い。また、このような砦であれば1時間もあればせん滅でき
るものを、メキシコ軍は15日とかかけた。これは「アラモ」を落とすことがメ
キシコ軍(サンタ・アナ将軍)の目的ではなく、そこにテキサス地方(州として
の独立を目指す)では最有力と目されたサム・ヒューストン(デニス・クエイド、
一応、「将軍」という事になっているが、下で述べる時代背景から、まるでその
ような出で立ちでは無い)を誘き出し殺す事が目的だった。したがってアラモ砦
の陥落は、「アラモ」という物語り、その歴史的意義の通過点に過ぎない。ヒュ
ーストンは敢てアラモに援軍を送らなかった。一つにはそこには既に2000という
メキシコ正規軍が集結している事、それに対抗する戦力は無い。二つ目にアラモ
は一種のシンボルではあっても、多数の兵を犠牲にしてまで守る価値は無い。こ
の事は、アラモで全滅した市民兵たちも知っていた。ヒューストン、そしてアラ
モの「英雄」たちの真の目的は、「テキサス」という領土(と言うと語弊がある
が)を守ること、それには手段を選ばずサンタ・アナ将軍を破る必要があった。
事実、目的を達成したヒューストンは、サンタ・アナ将軍からテキサスに関する
一切の権利の譲渡を受け、数年後にテキサスはアメリカの28番目の州になる。

今風に言えば、これは単なる領土争い、「アメリカ帝国主義」がその領土を拡大
するプロセス、そのこじつけ的象徴が「アラモ」という事になるのだろうが、確
かに作品の出来が悪かったら、あるいはアラモでの「玉砕」とかデイビー・クロ
ケットの英雄性に重きを置いた場合、そのような印象しか残らなかっただろう。
(同じ事が、いわゆるインディアン、ネイティブ・アメリカン作品、すなわち
「西部劇」全てに言える。)本作品がそうした、今日の、まさに「アメリカ帝国
主義」一極独裁的な世の中にも係わらず、そうした印象を与えないのは、当時の
時代性がはっきりと描かれていることと、特にデイビー・クロケットの人間とし
ての姿を上手く描いたことにあるような気がした。

時代性という事に関しては、この時代はまだ「国家」というものが明確に確立さ
れていない時代だった。「領土を守る」あるいは「侵略」すると言っても、ワシ
ントンの「政府」は遠くメキシコ国境の地まで軍を送る事はできず、軍事行動は
地元の人々に任されていたような部分がある。したがってアラモで死んだ「市民
兵」といっても、いわゆる今日的な「市民」(「国民」)が武器を取って戦った
というより、自分らが住んでいる町や村を、そしてやがては彼等の州=「国」に
なる「テキサス」のために戦ったという部分が強い。これは後の南北戦争の時も、
移民を騙してそのまま兵士として戦場へ送るなどした北部、北軍に対して、南軍
は、その多くが同じように自分らの文化なり土地や家族を守るために戦ったとい
うような時代まで継続したかもしれない。こうした時代性を考えると、「アメリ
カ帝国主義」云々というのが、実に下らない議論に思えてくる。実際、「アラモ」
にはアメリカ人と同時に多くのメキシコ人が住んでおり、彼等もアメリカの「同
胞」とともにメキシコ軍と戦って死んだ。アラモで死んだ人々にとって、それは
国家対国家の戦争ではなく、また「領土争い」でもなく、自分の町を守り、願わ
くば「テキサス」という自分の「国」を持ちたかった。「国家」というものが存
在し、その将棋の駒としてしか戦えない今日と比べると、こうした時代性という
のは、本作品のように現実の人物の思いを通してしか分からないものかもしれな
い。

デイビー・クロケットに関しては、ビリー・ボブ・ソーントンが見事に演じてい
る。クロケットはテネシー州出身の元国会議院で(上か下か忘れた)、ちょっと
した事情でアラモを訪れ、よもや戦争になるとは思っていなかった。銃とヴァイ
オリンの名手で、その「英雄」「伝説」のために、アラモを見捨てる事が出来な
くなってしまった、というような事を、冗談半分で仲間に話すような男。情報が
少なく、言い伝えや劇といった形で伝説が独り歩きする時代、メキシコの将兵の
多くもクロケットを尊敬していた。自分はワシントンで多くの事を学んだ。しか
し嘘をつく事だけは学ばなかった、というような言い方をして、援軍は来ない、
玉砕は間違い無い、その事を皆に話すべきかどうか迷う若いアラモの指揮官(ジ
ェイソン・パトリック)にヒントと与えるというような人物でもある。作品の最
後では、在りし日のアラモ砦の上で得意のヴァイオリンを弾く。

時代性や人物像に関しては、まだ書きたい事がいくつかあるが、切りが無くなる
のでこのへんで。

テキサスというのは、アメリカでも一種独特な州でもある、良い意味でも悪い意
味でも。「西部劇」のメッカであり、ケネディー暗殺の地でもあり、「戦争好き」
といわれるブッシュ大統領親子が知事を勤めた州でもある。法律も他の州とはか
なり違っていて、夜9時以降は何故か外出禁止という、筆者がこの地を訪れた時
は、この法律を知らなかった知人が逮捕された。また、その州旗は「ローン・ス
ター」と言われ、星条旗の星が並んでいる部分に大きな星が一個だけ印してある。
南北戦争に負けた今でも、テキサス人の多くはアメリカからの独立を望んでいる
らしく(理由は分からない)、また、個人的には、強かった頃の「ダラス・カウ
ボーイズ」のホームでもある。作品は、決して派手ではないし昨今のCG技術を
駆使したものでも無い。しかし、印象度に関しては、「見てよかった」という感
じがものすごくする。

*いつものシネコン(松竹系)休館のため、この作品は10月1日の「一の日割
引」を利用して、「ワーナー・マイカル・シネマズ みなとみらい」で見たもの。
次週の予定は未定。

ヒアリング度:★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★
ビデオで見た方がいい度:
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:



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2003年分:
K−19 1/04/2003    (旧作)風の谷のナウシカ 1/11
ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト 2/22
ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔 3/01 007ダイアナザーデイ 3/15
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
ドリームキャッチャー 5/03 X-Men2 5/10
あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07
ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21
ソラリス 6/28 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 7/05
デッドコースター 7/12 ターミネーター3 7/19
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 7/26 トレジャー・プラネット 8/02
ハルク 8/09 パイレーツ・オブ・カリビアン 8/16
英雄 8/23 コンフェッション 8/30
ワイルド・スピードX2 9/06 座頭市 9/13
閉ざされた森 9/20 トゥームレイダー2 9/27
S.W.A.T. 10/04 ジョニー・イングリッシュ 10/11
リーグ・オブ・レジェンド 10/18 マッチスティックメン 10/25
キル・ビル 11/01 ティアーズ・オブ・ザ・サン 11/08
マトリックス レボリューションズ 11/15 ブルドッグ 11/22
フォーン・ブース 11/29  バッドボーイズ2バッド 12/06
ラスト サムライ 12/13 (旧作)ネイティブ・ハート 12/20
ブルース・オールマイティ 12/27

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