メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]181  2004/09/04


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★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2004/09/04  No. 181 (週刊)            前回発行部数:2,938

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2003年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2002年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

すべては愛のために 01/03 ミシェル・ヴァイヨン 01/10
ミスティック・リバー 01/17 タイムライン 01/24
シービスケット 01/31 ハリウッド的殺人事件 02/07
ラブ・アクチュアリー 02/14 ロード・オブ・ザ・リング3 02/21
(旧)バイ・バイ・バーディー 02/28 マスター・アンド・コマンダー 03/06
レジェンド・オブ・メキシコ 03/13 ペイチェック 03/20
イノセンス/INNOCENCE 03/27 恋愛適齢期 04/03
イン・ザ・カット 04/10 ディボース・ショウ 04/17
オーシャン・オブ・ファイアー 04/24 映画館、邦画について 05/01
キル・ビル Vol.2 05/08 コールド マウンテン 05/15
ビッグ・フィッシュ 05/22 トロイ 05/29 
レディ・キラーズ 06/05 デイ・アフター・トゥモロー 06/12
ロスト・イン・トランスレーション 06/19 21グラム 06/26
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 07/03 ブラザーフッド 07/10
スパイダーマン2 07/17 ウォルター少年と、夏の休日 07/24
キング・アーサー 07/31 マッハ! 08/07
リディック 08/14 サンダーバード 08/21
華氏9/11 08/28 LOVERS 09/04
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★★お知らせ。9月25日〜10月16日の間、映画館が改装工事のため休館と
なります。この間の発行は、今の所、未定です。
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LOVERS (Shi mian mai fu / House of Flying Daggers / Lovers)
U.S. Release Date: ? 2004

■監督:チャン・イーモウ
■キャスト:チャン・ツィイー/金城武/アンディ・ラウ
■音楽:梅林茂;主題歌:キャスリーン・バトル
■字幕:小野衛子ともう一人
■お勧め度:★★★★

時は859 AD。中国朝廷の官吏である金城武とアンディ・ラウ(役名省略)は、
反乱軍の密偵と目される芸妓のチャン・ツィイーを捕え、金城が彼女を逃がした
ということにして反乱軍のアジトへ向かう。後からアンディ・ラウが二人を護衛
するが、チャン・ツィイーと金城は朝廷が派遣した追っ手に命を狙われる。ここ
まではいい、というか分かり易いが、ここから物語りは二転三転し、いわば三角
関係の最後の死をかけた決闘シーンとなる。

思うに、この作品の脚本は、小説、あるいは「ノベライズ」で読んだ方が面白い
だろう。少なくとも映画を作るための脚本では無いような気がする。後半の二転
三転を重視したために、作品の前半の、特に人物描写を薄っぺらなものにせざる
を得なくなった。端的な例がチャン・ツィイーで、筋をバラしてしまうが彼女は
反乱軍の前の頭目の娘となっているが、実はそうではなかった。なかったからこ
そ、彼女の役所は清純でかわいい、金城が惚れる対象以上には描けなかった。チ
ャン・ツィイーというと、何度か助演、端役で見ているが、どこが魅力的なのか
分からない女優ではある。これは彼女の演技力うんぬんというより、今回の作品
では実質的な主役であるにも係わらず、脚本のゆえに、物語りの展開のゆえに、
過度の存在感とか持ち味を出させる事ができなかったという「事情」による部分
が大きいような気がした。同様に、後半になって初めて人物の正体が明らかにな
るため、チャン・ツィイー以外にも、アンディ・ラウの人物像も、前〜中半は曖
昧なままにせざるを得なかった。「三角関係」というのも最後になって明らかに
なる。そのため作品の前半から殆ど後半にいたるまで、(「マトリックス」風)
アクションと、中途半端なラブストーリーしか無い作品となってしまった。これ
が小説であれば、微妙な伏線とか色々、前半を盛り立てる事は出来ただろうが、
映画作品で現実の人間が動いてしまうと、そうした事が出来ない。

もう一つ問題がある。(官吏役の)金城は「風流人」で「風を愛する」「風のご
とく」といった字幕があるが、この「風流」あるいは「風流人」は、日本の江戸
時代のそれとは少し〜かなり違った、中国風のものだろう。金城とチャン・ツィ
イーの、いわば逃避行の間は、二人は常にこの概念で会話しているため、あるい
はこれ自体が作品のテーマになっているため、原語が分からない、中国風「風流」
の意味が分からない、あるいは字幕が適切でない場合、作品の中心課題を見逃し
てしまうことになる。実際、あるアメリカ人の映画評論家は、「"I thought you 
were hot like fire, but you're actually cold like water"」といった台詞(英文の
字幕)は「月並みでつまらない」と書いているが、筆者が見た限りではこの台詞
に相当するような日本語の字幕は無かったし、この英語自体、中学生レベルのも
ので、内容が何も無い。前回の「HERO/英雄」が、国境を越えて解るテーマ
を扱ったのに比べ、本作品は中国の精神文化に詳しくないと解らないという問題
があるように思えた。

ロケ地はどうもウクライナとオーストラリアが多かったようだ。中国には行った
ことが無いので分からないが、紅葉にしても日本のそれのような色のボケたもの
ではなく、アメリカ風の赤、黄、緑、茶の総天然色のド派手な紅葉、それをバッ
クに戦いが行われる。青竹林での青竹を最大限、有効利用した戦闘シーンは見応
えがある。あるいは枯れ草っぽい茶色の草原での決闘、紅葉から雪景色に移り変
わり飛ぶ血しぶき。アクション・シーンの殆どがこうした印象深い自然の風景の
中で行われる。そしてこれが上の中国風「風流」観と関係していると思うと、台
詞が分からないということがとても惜しく感じられた。実際はどのような会話が
交わされていたのだろうか。粋な台詞、詩的な文言のやり取りが作品の一つの売
りである事は容易に推察できる。

ロケ地(=ロケ班)もそうだがスタッフも国際的。中国、香港、日本、その他、
そして主題歌「Lovers」をキャスリーン・バトルという超ベテランのオペラ歌手
がフル・スコアを歌っている。脚本の問題は致命的な感じがする。が、それを置
いておいても、見所十分、そして最後の決闘シーンになって人間ドラマ性が大き
く浮上する(というのは迷惑な話しではあるが...それまで何を見ていたのかとい
う疑問が沸く)。

内容的には変な部分、例えば二人を追う朝廷側の殺し屋集団が、なぜ二人を泳が
せるのではなく殺しに行くのかといった部分はあるものの、この監督は見せ場を
作るのが上手い。武器の飛び方ひとつひとつにも工夫が見られる。入り乱れての
格闘戦にも「型」というものを重視している。青竹林での戦いの後では、白樺林
に移行するというような、単純に見ているだけでも美を感じる演出もある(青竹
林から白樺林まで到達するには何100メートル登らなければならないかという
ような事は問わないとして)。見せる事を知っている監督の作品は、やはりそれ
だけで面白い。後はチャン・ツィイーをなんとかして欲しい。ただかわいいだけ
の女優では無いだろう。


ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★★
ビデオで見た方がいい度:
ムカつく度:
考えさせられる度:★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:



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2003年分:
K−19 1/04/2003    (旧作)風の谷のナウシカ 1/11
ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト 2/22
ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔 3/01 007ダイアナザーデイ 3/15
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
ドリームキャッチャー 5/03 X-Men2 5/10
あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07
ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21
ソラリス 6/28 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 7/05
デッドコースター 7/12 ターミネーター3 7/19
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 7/26 トレジャー・プラネット 8/02
ハルク 8/09 パイレーツ・オブ・カリビアン 8/16
英雄 8/23 コンフェッション 8/30
ワイルド・スピードX2 9/06 座頭市 9/13
閉ざされた森 9/20 トゥームレイダー2 9/27
S.W.A.T. 10/04 ジョニー・イングリッシュ 10/11
リーグ・オブ・レジェンド 10/18 マッチスティックメン 10/25
キル・ビル 11/01 ティアーズ・オブ・ザ・サン 11/08
マトリックス レボリューションズ 11/15 ブルドッグ 11/22
フォーン・ブース 11/29  バッドボーイズ2バッド 12/06
ラスト サムライ 12/13 (旧作)ネイティブ・ハート 12/20
ブルース・オールマイティ 12/27

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