メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]176  2004/07/31


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==========================================ROADSHOW REVIEW=====

★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2004/07/31  No. 176 (週刊)            前回発行部数:3,058

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2003年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2002年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

すべては愛のために 01/03 ミシェル・ヴァイヨン 01/10
ミスティック・リバー 01/17 タイムライン 01/24
シービスケット 01/31 ハリウッド的殺人事件 02/07
ラブ・アクチュアリー 02/14 ロード・オブ・ザ・リング3 02/21
(旧)バイ・バイ・バーディー 02/28 マスター・アンド・コマンダー 03/06
レジェンド・オブ・メキシコ 03/13 ペイチェック 03/20
イノセンス/INNOCENCE 03/27 恋愛適齢期 04/03
イン・ザ・カット 04/10 ディボース・ショウ 04/17
オーシャン・オブ・ファイアー 04/24 映画館、邦画について 05/01
キル・ビル Vol.2 05/08 コールド マウンテン 05/15
ビッグ・フィッシュ 05/22 トロイ 05/29 
レディ・キラーズ 06/05 デイ・アフター・トゥモロー 06/12
ロスト・イン・トランスレーション 06/19 21グラム 06/26
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 07/03 ブラザーフッド 07/10
スパイダーマン2 07/17 ウォルター少年と、夏の休日 07/24
キング・アーサー 07/31
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キング・アーサー (King Arthur)
U.S. Release Date: 7/7/04

■監督:アントワン・フークア
■製作:ジェリー・ブラッカイマー
■キャスト:クライヴ・オーウェン(アーサー)/ヨアン・グリフィズ(ラン
スロット)/キーラ・ナイトレイ(グィネヴィア)他
■音楽:ハンス・ジマー
■字幕:戸田奈津子(+監修)
■お勧め度:★★★★(★)

この作品は「今後楽しみな映画」に挙げようと思っていたが、製作が大嘘つきの
コンコンチキのジェリー・ブラッカイマーとあって控えていた。最初、キーラ・
ナイトレイをレイチェル・ワイズと間違えて、レイチェル・ワイズのグィネヴィ
ア妃というのも見てみたかった。しかし、劇場のPOPを見る度に、クライヴ・
オーウェンのアーサー王、ヨアン・グリフィズのランスロットというのがたまら
なく魅力的であり、いわば隠れ「今後楽しみな映画」であった。

ブラッカイマーの嘘つき癖(に関しては「パールハーバー」本誌032号参照)が、
本作品では吉と出たかもしれない。本作品は、いわゆるアーサー王伝説を描いた
ものではなく、その伝説の元となった(とブラッカイマーがでっち上げた)イン
グランドの武将の半生を描く。「指輪物語」等のファンタジー物ではなく、極め
て現実的な、嘘っこ歴史物。「嘘っこ」と言っても、アーサー王伝説の由来には
諸説紛々あり、そもそも実在の人物かどうかも分らない。そうした状況で、「ア
ーサー王は実はローマ時代の武将であった」という、嘘っぱちテロップを流すあ
たりは、むしろ逆に作品に現実感(?)を与え、まさに「現実感」というのがこ
の作品の良さとなっている。ファンタジックな、それこそ「嘘っぽい」CGは無
い。モンスターなども、もちろん登場しない。唯一、ファンタジックな部分とい
ったら、アーサーに助けられたグィネヴィアが、私はあなた、アーサーが助けに
来てくれる事を信じていた、というクダリだけかもしれない。

アーサーとその部下の騎士団数名は、ローマ帝国に滅ぼされた英国の部族。命を
助けられる代わりに、アーサーらは、幼い頃からローマ軍に徴兵されていた。現
在のアーサーは、ローマ軍の将校として、イングランド(ブリテン)の拠点を地
元の民族(グィネヴィアやマーリンが属する)から守る任務にあった。しかし北
方からのサクソン人の襲来でローマはブリテン統治を諦め、アーサーらに最後の
任務、北方のローマ人(ローマ法王の血筋の若者)を救う事、を与え、成就のあ
かつきには自由を約束する。したがって物語り前半のアーサーは、ローマ軍の将
校として、仲間の自由を勝ち取るために戦うが、地元の民族と遭遇、手を結び、
ローマが既に彼の知る「自由」ローマではなくなっていること、そして北方から
のサクソン人の襲来で、次第に自分がブリテン人である事に目覚め、最終的には
ブリテンの王となる。したがって、通常知られているアーサー『王』伝説は、ア
ーサーが王になる前の半生を描くことで、一切を切り捨ててある。ランスロット
はアーサーの親友として描かれ、筋をバラしてしまうがアーサーが王になりグィ
ネヴィアを妃とする前に戦場で倒れるため、ランスロットとグィネヴィアの恋と
いう伝説部分は最初から無い。

この作品の良さは、やはり現実感だろう。バトル・シーンは、「指輪」「トロイ」
のような超人的なものではなく、剣と弓だけの時代の戦闘の様相が、ありのまま
に描かれる。(CG駆使の)血なまぐささも抑えられている。時代設定を「ロー
マ時代」に変更したことも、いわゆる中世ヨーロッパの暗さや不浄さを描く必要
がなくなった。上記、ローマ法王の血筋の者を救いに行くという筋書きなどは、
「歴史物」としてのスケール感も与えている。ロケ地の英国とアイルランドの緑
の風景が美しい。その中を疾走し戦うアーサーとその部下の騎士は、数的にも、
「七人の侍」のハリウッド版である「Magnificent Seven」(1960、邦題は「荒
野の七人」かもしれない) の『原作には無い』かっこ良さを彷佛とさせる。

そしてクライヴ・オーウェンのアーサーは、上のような素性、物語り、設定から
して、最高にいい。いわゆるアーサー王伝説のアーサーが、その円卓の騎士たち
の別個のゴチャ混ぜ的なストーリーのせいで、これといったイメージが無いか、
薄れてしまったのに比べ、本作品のアーサーは、一個の悩める武将として、ある
いは本来の使命に目覚め、ブリテンの王となる道を選ぶ過程を、極めて地道に現
実的に描き、決して派手ではないし、そう強くもないのだが、彼の部下の騎士が
彼に命を捧げる、そういった人物像を見事に演じている(のか「地」なのか分ら
ないが)。すなわち、本作品は、伝説のアーサー王が、実はこうした人物ではな
かったのだろうかという可能性を、極めて現実的なタッチで描いている。伝説、
というかお伽話に、ある種の実体を与えた。という意味では、歴史に残る作品、
この作品を観ずに「アーサー王」を語れないと言ってしまってもいいかもしれな
い。

とにかく見所が多い。確かにアーサー王伝説で有名な人物達、ランスロットやグ
ィネヴィア、ガラハド卿、ガウェイン卿、トリスタンなどは出てくるものの、お
そらく意識的に抑えられ、「探究」(「クエスト」)というメインテーマは、
「quest」という言葉がランスロットがアーサーの決断を問い詰める、たった一
つのシーンにしか出て来ない。(実際のアーサー王伝説では、円卓の騎士達が各
々のクエストに出かけ、「聖杯の騎士パルシファル」といった、他の伝説から紛
れ込んだようなオマケまで付く。)上に書いたバトルシーンの現実味、あるいは
アナログ性も見所だし、ローマ(軍)風の甲冑というのも、本来の中世の鉄の固
まりで中身が見えないようなものと比べると、軽く、颯爽たるものがある。物語
り上も、グィネヴィアが、本来の王妃としてではなく、アーサーと土着民族との
間を取り持ち、連合させ、彼女自身も射手として活躍するという、中心的な役割
を演じ、これもいい。また、これは意図した事かどうか分らないが、ある種、ユ
ーモアのセンスも垣間見られる。端的な例が、ランスロットがあまり強くない。
むしろアーサーの親友、副官としてサポート役に徹し、グィネヴィアとの件は、
むしろ彼女とアーサーの仲を取り持つ。彼の死というのはブラックでもある。こ
れだと、アーサー王伝説の後半の山場と結末が、最初から存在しないことになる。
サクソンの王の息子というのも、ある意味でダメ息子風で面白い場面がある。そ
してランスロットと相打ちになるというおいしい場面も与えられる。

ジェリー・ブラッカイマー製作ということから、最初から歴史的事実、あるいは
時代考証的には嘘っぱちだらけという事が推測できたし、物語りの内容は完全な
フィクション。だからこそ、その物語りは自由度に満ち、このアーサーとその騎
士たちは、今まで決して描かれなかった形で描かれ、過去の色々な作品の良さも
取り入れ、全く新しい、新鮮なアーサー王像および伝説を造り上げてくれた。そ
の意味では本作品の価値は、映画人(特にブラッカイマー)が考えているよりか
大きいような気がする。

アーサーは「ローマ人」であるからして、本名は「アルトリウス」という事にな
っている。じゃ、ランスロットもラテン語風に変えないと、ローマ時代に
「Lancelot」をそのままフランス語読みするはずは無いのじゃないかと思うが、
こういう事は、嘘つきブラッカイマー作品では聞く方がヤボということになるの
だろう。

三拍子揃った作品。嘘つきブラッカイマーが固定化された定番作品に自由度を与
え、アントワン・フークア監督が「トレイニングデー」風な現実味を与え、ハン
ス・ジマーの音楽が、その現実味に夢を与えるような壮大なスケール感を与えた。

しかし、アーサー王伝説を全く知らない人がこの作品を見た場合、その良さが分
るだろうか。この点、かなり疑問なので、「お勧め度」は「★★★★(★)」にし
た。「指輪」とか「トロイ」とかと比べられたら、この作品の立つ瀬は無い。
「バトル・シーンが「トロイ」より劣る」とか言う「評論家」がいたら、聖剣エ
クスカリバーで頭をかち割ってやると、腐ったウニみたいな脳味噌しか出て来な
いだろう。見たいものだ。


ヒアリング度:★★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★★
劇場で見たい度:★★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★★★
ビデオで見た方がいい度:
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:



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ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト 2/22
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
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あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
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ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21
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フォーン・ブース 11/29  バッドボーイズ2バッド 12/06
ラスト サムライ 12/13 (旧作)ネイティブ・ハート 12/20
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