メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]175  2004/07/24


━━━[PR]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「アメリア新人翻訳家コンテスト第16弾:映像 字幕」開催!

2004年8月2日より字幕コンテストを開催します。映像翻訳に興味のある方なら
どなたでも応募可能。最優秀者は株式会社ギャガ・コミュニケーションの
登録字幕翻訳スタッフとして採用されます。
くわしくはこちらまで→http://www.amelia.ne.jp/user/sp/scnt16.jsp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.amelia.ne.jp/ ━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[PR]━━━
★★★↑↑↑「ヘッダー広告」募集中です。料金等、詳細については、一番下を
御覧ください。
==========================================ROADSHOW REVIEW=====

★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2004/07/24  No. 175 (週刊)            前回発行部数:3,053

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
====================================================================
バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2003年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2002年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

すべては愛のために 01/03 ミシェル・ヴァイヨン 01/10
ミスティック・リバー 01/17 タイムライン 01/24
シービスケット 01/31 ハリウッド的殺人事件 02/07
ラブ・アクチュアリー 02/14 ロード・オブ・ザ・リング3 02/21
(旧)バイ・バイ・バーディー 02/28 マスター・アンド・コマンダー 03/06
レジェンド・オブ・メキシコ 03/13 ペイチェック 03/20
イノセンス/INNOCENCE 03/27 恋愛適齢期 04/03
イン・ザ・カット 04/10 ディボース・ショウ 04/17
オーシャン・オブ・ファイアー 04/24 映画館、邦画について 05/01
キル・ビル Vol.2 05/08 コールド マウンテン 05/15
ビッグ・フィッシュ 05/22 トロイ 05/29 
レディ・キラーズ 06/05 デイ・アフター・トゥモロー 06/12
ロスト・イン・トランスレーション 06/19 21グラム 06/26
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 07/03 ブラザーフッド 07/10
スパイダーマン2 07/17 ウォルター少年と、夏の休日 07/24
====================================================================
ウォルター少年と、夏の休日 (Secondhand Lions)
U.S. Release Date: 9/19/03

■監督/脚本:ティム・マッキャンリーズ
■キャスト:マイケル・ケイン(ガース)/ロバート・デュヴァル(ハブ)/
ハーレイ・ジョエル・オスメント(ウォルター)/キーラ・ゼジウィック
(ウォルターのママ)/エマニュエル・ヴォージア(ジャスミン)
■音楽:パトリック・ドイル
■字幕:川本?子(かわもとようこ、字は「火」+中華の「華」)
■お勧め度:★★★★★

英米を代表する老名優、マイケル・ケインとロバート・デュヴァル、それに(若
い)ジョエル・オスメントが、特に誰が主演とかいうのではなく、独特なユーモ
ア、そしてシリアスな面を見せ、笑うと同時に久し振りに泣いた。

ハブ(兄、デュヴァル)とガース(弟、ケイン)は40年だか、世界のあちこち
で活躍、というか暴れ回り、今はテキサスの片田舎で「隠居」している。だがど
うも大金を持っているらしく、各種セールスマンが来る。一階建てのボロ屋に住
む二人は、ポーチに腰掛け、ショットガンを膝の上に置き、セールスマンが来る
と、ぶっぱなして追い返す、というのが主な日課だった。そこへ、親戚のウォル
ター(オスメント)のママが、自分は筆記学校に行くとかいう嘘をつき、実はラ
スベガスへ男あさりに行き、その間、ウォルターを叔父達の元へ預け、願わくば
金のありかを見つけ出させようとやってくる。ウォルターにしてみれば孤児院経
験もあり、ママの嘘には慣れている。叔父に会うのは初めてだし、子供には全く
興味も関心も無いようだ。しかし彼は強引に、「夏」を叔父らと共に過ごすはめ
にさせられる。やがてある事から叔父たちとの間に仲間意識みたいなものが生ま
れ、ウォルターは彼等から人間の、あるいは男のなんたるかを学ぶことになり、
作品は、そうしたプロセスを、叔父達の(華々しい?)過去を取り混ぜて語る。

作品は、「20人力」と言われた兄のハブの中東での活躍、アラビアのシークの
娘、ジャスミン姫との出会いと恋物語り、それらをウォルターに語って聞かせる
弟のガース、そして彼等とウォルターの間にやがて育つ、肉親愛というより男の
友情のようなもの、そしてその結果として、「もういっちょう、やったるか」と
いったハブらがしでかすオバカな事など、豊かなペーソスと、本当は悲しいんだ
ろうけど、なぜか可笑しく楽しく、かっこ良く感じてしまう、様々なエピソード
で構成。

タイトルの「Secondhand Lions」は、「セコハン/中古ライオン」の意味だが、
直接的には、ウォルターが来た事で少しはお金を使ってもいいのじゃないか、そ
う思い始めた二人が色々な物を買うが、その中に年老いてサーカスをお払い箱に
なった雌のライオンのこと。ウォルターはこれを「ジャスミン」と名付けてしま
う。二人がこのライオンを買ったのは、ハンティング気分で撃ち殺して皮を剥い
で「暖炉」(そんな洒落た物はこの家には無い!)に飾ろうという魂胆だったが、
老衰で動かないため、皮を剥ぐ件は諦めて、ウォルターがペットとして貰う。そ
してジャングルに似たトウモロコシ畠が気に入ったジャスミンは、ママが連れて
きたチンピラに金の在り処を教えろと暴行されるウォルターを、結果的には最後
の力を振り絞ってやっつけ、そのまま心臓発作で昇天する。二人とウォルターは、
「最後には野生のライオンとして立派に戦って死んだ」ジャスミンを丁重に葬る。
と書いてしまうと、何の事も無いような事かもしれないが、「セコハン/中古、
用済みライオン」は二人のイメージとダブり、ハブが惚れたアラビアのジャスミ
ンとのその後の事は、この時点ではまだ分らない。

実はガースが語って聞かせるハブの話しは、ウォルターにしてみれば本当かどう
か分らないのだ。ママが連れてきたチンピラは、二人は銀行強盗で、「ジャスミ
ン」はドライバー、傷を負って、二人が見殺しにしたという。しかしウォルター
は、そんな話しを信じるには、二人の叔父の人間性と愛情を、既に熟知していた。
信じるというのは、人の話しが本当か嘘か、見極める事も大切だろうが、その人
間自身を信じることなのだ、といったハブの台詞もある。そして最も大切なのは
愛すること、なぜならこの世で永遠なのは愛しか無いから。と書いてしまうと月
並みだが、最後、オバカな死に方をした二人の元へ、ハブがジャスミンを奪い取
ったアラビアのシーク、彼は結局その後、石油王となり、その曾孫だかが、曾祖
父が話していた二人のアメリカ人の「英雄」、その事実を確かめに、自分の子供
と共にウォルターを訪れ、「英雄」に育てられた子として彼に敬服の意を表する。
ウォルターにしても、二人の死を悲しむ気は無い。なぜなら、ちょうどライオン
のジャスミンと同じように、二人は各々の素晴しい人生を全うし、最後は、オバ
カな飛行機遊びの真っ最中に、なんの心おきも無く死んだのだから。愛する者の
死に対して、こうした思いで臨める、あるいは描ける映画作品、これがこの作品
の素晴しい所ではないだろうか。この事に関して、主演の3人、そしてママも、
テーマに関する完全に一致した理解と、そのための演技、いや、「演技」などと
言っては特に二人の老名優に対して失礼かもしれない、そんな感じを抱かされて
映画館を出た。

主演の3人、ケインは英国生まれだし、デュヴァルもオスメントも南部とは関係
ない。作品で、敢て南部訛りを使わせなかったのは、その必要が無かったからだ
ろう。分り易い、ぶっきらぼうな台詞が面白い作品。ケインはあらゆるジャンル
の作品に出ているし、デュヴァルは「ゴッドファーザー」等、硬派なイメージだ
が、実はその昔、(反体制派ぶっていた)ドナルド・サザーランド、エリオット
・グールドなどと共に、「M*A*S*H 」 (1970)というオバカな作品にも出てい
る。できればこうした作品にも、もっと出て欲しい味のある人でもある。

この作品も超低予算。小道具で一番、高かったのは、クレー射撃用の、お皿を射
出するマシンではないだろうか。複葉機が出てくるが、これは行く所へ行けば、
いくらでも「落ちて」いる。どうも、予算をかけた超大作と、こうした、超低予
算の内容の濃い作品とに、二極分化が起っているようだ。


ヒアリング度:★★★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★★
ビデオで見た方がいい度:
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

--------------------------------------------------------------------
-今後楽しみな映画:



サイトのコンテンツ:
-メルマガ発行システムの状況:名称/URL/コメント/現在13システムをカバー
★★最終更新:2004年03月04日←「カプライト」、「まぐまぐ」に大きく差
-映画のことなら Google search:英文タイトル入力で検索結果のトップに
-劇場リンク:全国劇場案内
-字幕関連サイトリンク:字幕の「なぜ?」に答えるF&Qサイト(その他)
-The Internet Movie Database (IMDb) 映画のデータベース
--------------------------------------------------------------------
2003年分:
K−19 1/04/2003    (旧作)風の谷のナウシカ 1/11
ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト 2/22
ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔 3/01 007ダイアナザーデイ 3/15
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
ドリームキャッチャー 5/03 X-Men2 5/10
あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07
ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21
ソラリス 6/28 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 7/05
デッドコースター 7/12 ターミネーター3 7/19
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 7/26 トレジャー・プラネット 8/02
ハルク 8/09 パイレーツ・オブ・カリビアン 8/16
英雄 8/23 コンフェッション 8/30
ワイルド・スピードX2 9/06 座頭市 9/13
閉ざされた森 9/20 トゥームレイダー2 9/27
S.W.A.T. 10/04 ジョニー・イングリッシュ 10/11
リーグ・オブ・レジェンド 10/18 マッチスティックメン 10/25
キル・ビル 11/01 ティアーズ・オブ・ザ・サン 11/08
マトリックス レボリューションズ 11/15 ブルドッグ 11/22
フォーン・ブース 11/29  バッドボーイズ2バッド 12/06
ラスト サムライ 12/13 (旧作)ネイティブ・ハート 12/20
ブルース・オールマイティ 12/27

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆↓↓これより下は、毎回、同じです。
======================================================================
★ヘッダー広告募集要領★

ヘッダー広告掲載のお勧め。利点:
1)最大10行まで、自由に広告文が書ける。
2)他の広告主が現れるまで、何度でも掲載できる。
3)安い。余っている、要らない、使えない「金券」でも払える。
一応、こういう事になってます。↓↓↓
 
個人、法人、内容問わず、ただし「公序良俗」を害しないもの。
広告のサイズ(長さ)は、10行まで。料金は、個人(的な)広告の場合、
一回500円、法人は、一回1000円。
 
「個人(的な)広告」といっても、例え商用であっても広告主が個人または
グループの場合、全て「個人」扱いの一回500円とさせて頂きます。

他にも、姉妹誌、『翻訳者のためのメールマガジン』*、1300部でも、広告
の掲載を受け付けております。両方に掲載をご希望の場合は、2700部+
1300部=4000部強をワンセットで一回500円の超破格値でご提供い
たします。*http://member.nifty.ne.jp/SydHomePage/
 
金券(図書券等、ただしQUOカード、VISAギフトカードなどは大歓迎)で
のお支払いの場合は、おって住所をお知らせしますので、簡易書留(等)でご送
付ください。★★ 郵便口座、イーバンクの御利用もできるようになりました。
 
★★広告文の作成の際には、メール本文に貼り付けるなどして、体裁を整えたもの
を送ってください。
======================================================================
★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
           2004/07/24  No. 175 (週刊)
発行者:シド(syd@kotoba.ne.jp)
このメールマガジンは(主に)以下の配送システムを利用して発行しています。

まぐまぐ      http://www.mag2.com/m/0000056156.htm
melma!        http://www.melma.com/mag/70/m00032970/
Macky!        http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=roadshow
カプライト    http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/1776.html
メルマガ天国  http://melten.com/m/4480.html
E-Magazine    http://www.emaga.com/info/syd111.html

Home Page (登録/解除/バックナンバー)
http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

【無断転載不可です。】
==========================================ROADSHOW REVIEW======

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。