メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]173  2004/07/10


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==========================================ROADSHOW REVIEW=====

★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2004/07/10  No. 173 (週刊)            前回発行部数:3,049

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2003年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2002年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

すべては愛のために 01/03 ミシェル・ヴァイヨン 01/10
ミスティック・リバー 01/17 タイムライン 01/24
シービスケット 01/31 ハリウッド的殺人事件 02/07
ラブ・アクチュアリー 02/14 ロード・オブ・ザ・リング3 02/21
(旧)バイ・バイ・バーディー 02/28 マスター・アンド・コマンダー 03/06
レジェンド・オブ・メキシコ 03/13 ペイチェック 03/20
イノセンス/INNOCENCE 03/27 恋愛適齢期 04/03
イン・ザ・カット 04/10 ディボース・ショウ 04/17
オーシャン・オブ・ファイアー 04/24 映画館、邦画について 05/01
キル・ビル Vol.2 05/08 コールド マウンテン 05/15
ビッグ・フィッシュ 05/22 トロイ 05/29 
レディ・キラーズ 06/05 デイ・アフター・トゥモロー 06/12
ロスト・イン・トランスレーション 06/19 21グラム 06/26
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 07/03 ブラザーフッド 07/10
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ブラザーフッド (Taegukgi/Brotherhood)
U.S. Release Date: ?2004

■監督:カン・ジェギュ
■キャスト:チャン・ドンゴン/ウォンビン他
■音楽:イ・ドンジュン
■字幕:根本理江(戸田奈津子 監修)
■お勧め度:★★★★★

初めて見る韓国作品にしては重かった。疲れた。

字幕の問題があったので、戦争映画なら字幕依存度100%でもなんとか分かる
だろうとタカを括った部分もある。台詞が全く分からないという事がこれほどハ
ンディになるという事を実感させられた。

二人の兄弟が1950年の朝鮮戦争に無理矢理駆り出され、弟(高校生、ウォン
ビン)思いの兄(靴屋、チャン・ドンゴン)は、戦場で手柄を立てて弟を除隊さ
せようとするが、兄は、兵士としての才能も発揮、弟から見た兄は、自分のため
に戦ってくれているという理解から、やがて兄は兵士としての出世が目的ではな
いかと疑い始める。弟もまた、一流大学を目指していただけの学生から、悩みな
がらも一人前の兵士に成長していく。

この作品の悲劇性はかなり根深い、複雑なものがある。兄弟は二人とも、特に愛
国者でもなく、普通の市民であり、軍事教育も受けていなければ、おそらく数年
前に集結した第二次大戦(日本との戦争)とも無関係、ないし無関心だったかも
しれない。それが非公式な形で突然、町中で徴兵され、そのまま戦場送りとなる。
兄は、したがって国のために戦うという意識は、終始なかった。彼が戦うのは、
部隊として生き残り、戦争に勝ち、弟を家族の元へ返すこと、それだけだった。
彼にとって「北」も「南」も、あるいは「国」すらも関係ない。だが彼は、戦争
というものが人に与える影響までもはね除ける事は出来なかった。妻と弟を「南」
の人間に殺されたと思った彼は「鬼」と化し、赤軍に加わる。

この作品の製作者が果たしてどこまで「歴史」を考えたか分からない。南北朝鮮
の分断、これは本来は太平洋戦争で負けた日本の運命だった。本土決戦による兵
士の犠牲を防ぐため原爆攻撃に踏切ったアメリカ、そのショックで停戦に踏切り、
国体維持を図った日本、そのおかげでマッカーサー駐留軍は、ソ連の主張を退け
日本の分断を防いだ。その見返りとして、中国共産軍は北朝に傀儡政権を樹立、
「南」に朝鮮戦争をしかけた。解決策として再び原爆の使用を主張したマッカー
サーは、反対派に押し切られ、大統領の地位を逃す。その結果が、同じ国民同士
が、それもその多くが「赤」だの「民主主義」だのとは関係のない、ごく普通の
人々が、ソ・中とアメリカの代理戦争で血を流す、朝鮮戦争という形をとった。

たとえば原爆投下が無かったら、米国が本土決戦を選んでいたら、日米ともに数
百万の命が失われていた。日本は分断され、今の朝鮮半島と全く同じ事になって
いた。この作品で描かれる事は、日本でも起こり得た、いや、確実に起ったこと
とも言える。たとえば箱根、あるいは多摩川を境、国境として、日本を東西ある
いは南北で別けて敵対する政権が誕生し、超大国の思うがままに一般市民同士が
敵味方に別れて戦うとしたら。家族を関西に持つ人はその家族と戦場で殺し合う
ことになる。まさにそのような事が、本作品では描かれる。作品はしたがって日
本人にとって人ごとではなく、一つ間違えば「朝鮮戦争」は日本で起きていた。
いや、その前に、原爆ショックで軍(陸軍)が諦めなかったら、筆者も含め、こ
のメルマガの読者の大半は生まれる事も無かった。朝鮮戦争当時、敗戦間も無い
日本は戦争ブームで戦後復興の第一歩を踏み出したが、隣の朝鮮では、日本の代
わり(「身替わり」と言ってもいい)となった朝鮮の人々が多くの血を流した。

というような「歴史」には、本作品は一切、触れない。触れないからこそ、逆に
考えさせられる。作品は朝鮮戦争での「南」の勝利をあげつらう事もしない。し
ないからこそ、その「勝利」がどういうものであったか、そして今だ決着のつい
ていない南北朝鮮問題がどうなるのか、現在も「戦時中」の韓国の人々にとって、
作品は必要以上の事は一切、語らない。これは「プライベート・ライアン」とか
の戦争映画とは全く別の、二人の兄弟、いや、韓国の人々の心の動きや心情を、
そして現在に至るようになった歴史の過程と重みを、もしかすると「兄弟愛」と
いう分かりやすいテーマの裏で、無言のうちに描いているのかもしれない。

全編、殆ど戦闘シーン。これはハリウッド作品に劣らない。それでいて決して単
なる「戦争映画」では無いというのが、たまたまこの作品が良かったのか、韓国
の映画のレベルがこれほど高いのか分からない。兄役のチャン・ドンゴンも、迫
力や存在感ではハリウッド俳優に引けを取らないだろう。最後、阿修羅のごとく
「南」を攻める彼、そして兄の帰りを50年待った弟がようやく、最後に会った
阿修羅のまま死んだ兄の遺骨を発掘調査の過程で見つける。ここらへんも、なか
なか。

下の星の数が少ないのは、作品があまりにも重く、考えさせられる部分が多いた
め。この作品を二度見る勇気は無い。

ヒアリング度:
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★
ビデオで見た方がいい度:★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:



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2003年分:
K−19 1/04/2003    (旧作)風の谷のナウシカ 1/11
ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト 2/22
ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔 3/01 007ダイアナザーデイ 3/15
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
ドリームキャッチャー 5/03 X-Men2 5/10
あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07
ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21
ソラリス 6/28 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 7/05
デッドコースター 7/12 ターミネーター3 7/19
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 7/26 トレジャー・プラネット 8/02
ハルク 8/09 パイレーツ・オブ・カリビアン 8/16
英雄 8/23 コンフェッション 8/30
ワイルド・スピードX2 9/06 座頭市 9/13
閉ざされた森 9/20 トゥームレイダー2 9/27
S.W.A.T. 10/04 ジョニー・イングリッシュ 10/11
リーグ・オブ・レジェンド 10/18 マッチスティックメン 10/25
キル・ビル 11/01 ティアーズ・オブ・ザ・サン 11/08
マトリックス レボリューションズ 11/15 ブルドッグ 11/22
フォーン・ブース 11/29  バッドボーイズ2バッド 12/06
ラスト サムライ 12/13 (旧作)ネイティブ・ハート 12/20
ブルース・オールマイティ 12/27

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