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マスター・アンド・コマンダー 03/06 レジェンド・オブ・メキシコ 03/13 ペイチェック 03/20 イノセンス/INNOCENCE 03/27 恋愛適齢期 04/03 イン・ザ・カット 04/10 ディボース・ショウ 04/17 オーシャン・オブ・ファイアー 04/24 映画館、邦画について 05/01 キル・ビル Ｖｏｌ.２ 05/08 コールド マウンテン 05/15 ビッグ・フィッシュ 05/22 トロイ 05/29 レディ・キラーズ 06/05 デイ・アフター・トゥモロー 06/12 ロスト・イン・トランスレーション 06/19 ==================================================================== ロスト・イン・トランスレーション （Lost in Translation） U.S. Release Date: 9/12/03 ■監督（製作＆脚本）：ソフィア・コッポラ ■キャスト：ビル・マレー／スカーレット・ヨハンソン ■音楽：Kevin Shields, Brian Reitzell ■字幕：松浦美奈 ■お勧め度：★★★ これ、チラシが無いので名前とか用語とかは間違っているかもしれないのでお許 しを。 ボブ（ビル・マレー）は落ち目の映画スター、ＳＵＮＴＯＲＹのＣＦを撮りに ＴＯＫＹＯへ招かれるが、あまり楽しめない。実は彼は更年期障害、ではなくて、 「mid-life crisis」といって、中高年が陥る精神不安、あるいは挫折の状態にあ る。だから楽しめない。そんな彼が、似たような精神状態、大学を出たばかり で、カメラマンを夫に持つがしょっちゅう置いてきぼり、自分の人生にも自信が 持てないシャーロット（スカーレット・ヨハンソン）と出会う。作品は二人の プラトニックな関係を微妙なタッチで描く。 全編、東京（と一部京都）ロケの超低予算作品。テレビ映画、あるいは日本風に 言うとドラマスペシャルと言った方がいいような作品だが、色々な意味で印象に 残る。 まず、ビル・マレーというと「ゴーストバスターズ」の印象が強いが、「ゴース トバスターズ」で見た彼は、もっと演技が出来るのじゃないかという印象があっ た。本作品では、監督の撮り方も「微妙」だが、ビル・マレーの微妙なユーモア のセンスが堪能できる。東京のホテルで豪勢なもてなしを受け、ド派手なネオン 輝く街へ出ても、もう一つ楽しめない。本国の妻とは冷えた関係、別に女嫌いで はないが、女好きでもない。「mid-life crisis」の微妙な精神状態を、微妙なユ ーモアを取り混ぜて演じる。 これに対してシャーロット役のスカーレット・ヨハンソン（1984、ニューヨーク 生まれ、ちょうど２０歳）も、ベテランのビル・マレーを相手に、微妙な精神状 態を見事に描く。京都へ行く。独特の風物を見ても、「なんとなく」楽しめない。 この「なんとなく」を演じる表情が、２０歳の女の子とは思えない、きわめて味 の有る演技になっている。異文化に興味を持ちながらも、もう一つ馴染めない、 溶け込めない。ノーテンキな夫とは既に破局している。 作品全体としては、似たような精神不安のため、陸の孤島に取り残されたような 二人が出会い、時として性別を越えた先輩、後輩のような関係、あるいは会話を 通じ、微妙に触れ合うという人間ドラマ。コメディー性はあるにしても、それが 笑いを狙ったものか、これまた微妙。たとえばＣＦを撮影中、監督が一分ぐらい 喋った事を、３語ぐらいでしか伝えないという、メモ帳を持った無能通訳に戸惑 うボブ（ビル・マレー）。このシーンなどは笑えると言えば笑えるが、コミュニ ケーションが成り立たない、そして成り立たない理由が、ダメ通訳のせいと言う より、ボブ自信の精神状態にあるのだという事が描かれているように思われる。 そして描かれる東京の風景が、主にビル街のネオン、看板等、あるいはお世辞に も美人、美男とは言えない遊び人、あるいはその逆のビジネス一辺倒の、ビルを 招聘したプロダクション側、あるいはホテルの人間等、やはりコミュニケーショ ンの成り立たない状況を意図的に作り、二人のプラトニックな触れ合い（という ようなモノも珍しいが）に見る者を集中させる。これは監督の上手さ、絞られた テーマ、それに忠実に演技できるマレーあるいはヨハンソンの上手さが感じられ た。細かい所まで言うと、たとえばプロダクション側がビル用に「用意」した女 が、盛んに「ストッキングを舐めてくれ」と言うが、これは「R」と「L」の発音 を間違えたために、「破ってくれ」と言っているのだった。これも、単に日本人 の発音問題で笑わせるというより、「コミュニケーションの成り立たなさ」の表 現と見たい。そして成り立たないのが、繰返しになるが、発音の問題ではなくて、 ボブあるいはシャーロットの精神状態にある、という意図が明確に感じられた。 作品のテーマ、あるいは監督の意図が明確で、役者がそれに忠実に演技でき、余 計な部分が全く無い作品というのは、やはり見ていて楽しい、というか、価値を 感じる。東京といえば、先週の「デイ・アフター」で「千代田区」に殺人的な雹 (ひょう)が降るシーンがあったが、あのシーンの意図は全く分からなかった。あれ はあれで「オマケ」として見れば楽しめるが、本作品のように低予算、現場ロケ ・オンリーな作品の場合、ちょっとした無意味なシーンは大きく目立つ。その意 味では全くスキの無い作品として、劇場を出て吸ったタバコが妙にうまかった。 どういう関係かは分からないが。 しかし、実際の東京がどういう所か分からない海外の人々にこの作品を見せて、 意図的にアレンジした東京の風景がどう写るかは、はなはだ疑問ではある。逆に 言えば、そうした「東京」に二人の心理状態を投影しているとも言えるが。 また一人、注目の若手女優が。スカーレット・ヨハンソン、「ホームアローン３」 などにも出ているが、本作品で実質的にブレークした（米国公開昨年９月）のか もしれない。２００４〜２００５年には、「M:I-3」（ミッション・インポシブ ル３）を含む７作品に出演予定。 ヒアリング度：★★ 感動度：★★ 二度以上見たい度：★★★★ 劇場で見たい度：★★★ ビデオ／ＤＶＤで欲しい度：★★★ ビデオで見た方がいい度：★ ムカつく度： 考えさせられる度：★ （「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合） -------------------------------------------------------------------- -今後楽しみな映画： ★ サイトのコンテンツ： -メルマガ発行システムの状況：名称/URL/コメント/現在１３システムをカバー ★★最終更新：2004年03月04日←「カプライト」、「まぐまぐ」に大きく差 -映画のことなら Google search：英文タイトル入力で検索結果のトップに -劇場リンク：全国劇場案内 -字幕関連サイトリンク：字幕の「なぜ？」に答えるF&Qサイト（その他） -The Internet Movie Database (IMDb) 映画のデータベース -------------------------------------------------------------------- ２００３年分： Ｋ−19 1/04/2003 （旧作）風の谷のナウシカ 1/11 ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25 ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08 レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト 2/22 ロード・オブ・ザ・リング：二つの塔 3/01 ００７ダイアナザーデイ 3/15 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05 デアデビル 4/12 シカゴ 4/26 ドリームキャッチャー 5/03 Ｘ-Ｍｅｎ２ 5/10 あずみ 5/17 サラマンダー 5/24 トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07 ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21 ソラリス 6/28 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 7/05 デッドコースター 7/12 ターミネーター３ 7/19 マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 7/26 トレジャー・プラネット 8/02 ハルク 8/09 パイレーツ・オブ・カリビアン 8/16 英雄 8/23 コンフェッション 8/30 ワイルド・スピードＸ２ 9/06 座頭市 9/13 閉ざされた森 9/20 トゥームレイダー２ 9/27 Ｓ．Ｗ．Ａ．Ｔ． 10/04 ジョニー・イングリッシュ 10/11 リーグ・オブ・レジェンド 10/18 マッチスティックメン 10/25 キル・ビル 11/01 ティアーズ・オブ・ザ・サン 11/08 マトリックス レボリューションズ 11/15 ブルドッグ 11/22 フォーン・ブース 11/29 バッドボーイズ２バッド 12/06 ラスト サムライ 12/13 （旧作）ネイティブ・ハート 12/20 ブルース・オールマイティ 12/27 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆↓↓これより下は、毎回、同じです。 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