メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]164  2004/05/08


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★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2004/05/08  No. 164 (週刊)            前回発行部数:2908

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2003年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2002年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

すべては愛のために 01/03 ミシェル・ヴァイヨン 01/10
ミスティック・リバー 01/17 タイムライン 01/24
シービスケット 01/31 ハリウッド的殺人事件 02/07
ラブ・アクチュアリー 02/14 ロード・オブ・ザ・リング3 02/21
(旧)バイ・バイ・バーディー 02/28 マスター・アンド・コマンダー 03/06
レジェンド・オブ・メキシコ 03/13 ペイチェック 03/20
イノセンス/INNOCENCE 03/27 恋愛適齢期 04/03
イン・ザ・カット 04/10 ディボース・ショウ 04/17
オーシャン・オブ・ファイアー 04/24 映画館、邦画について 05/01
キル・ビル Vol.2 05/08
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キル・ビル Vol.2 (Kill Bill (Vol. 2))
U.S. Release Date: 4/16/04

■監督:クエンティン・タランティーノ
■キャスト:ユマ・サーマン/デヴィッド・キャラダイン/(ダリル・ハンナ)
/(マイケル・マドセン)
■音楽:The RZA、ロバート・ロドリゲス、梶芽衣子
■字幕:石田泰子
■お勧め度:★★★★

邦題がちょっと見にくいので、それぞれ「キル・ビル1」「キル・ビル2」と表
記。

「キル・ビル2」は、「キル・ビル1」(本誌137号)の続きというより、
「ブライド」(ユマ・サーマン)の復讐劇を、「1」とは少し〜全く別の角度か
ら描いたもの。したがって「1」を見てない場合、「2」だけ見ると、面白さは
半減する。「1」では復讐劇のアクションと血なまぐささに重点が置かれ、なぜ
「ブライド」が殺されるはめになったかの本当の理由は明かされず、ボスのビル
(デヴィッド・キャラダイン)はほんの少ししか登場しない。「2」ではアクシ
ョンは減るが逆にアクションのスピード感が増し、その分、「ブライド」とビル
の関係がラブストーリーとして描かれる。「1」と同様、構成が「章」に別けら
れており、「ブライド」が殺される以前の、中国のカンフー・マスターの元での
修行の章など、物語りが「1」と前後しても分かり易い。

「1」の感想でも書いたが、少なくともこの2作品でのタランティーノ監督は、
観客の楽しませ方を知っているという印象が強い。「1」で散々、B級作品的な
アクションの面白さを見せた後、「2」では主に「ブライド」とビルの関係に重
点を置き、「1」でなんとなくしか分からなかった謎解きがなされる。なんと言
っても主演の二人がいい。サーマンは、この2作品の間にアクションの特訓をし
たのだろうか、「1」のような見え見えのスタント使用は無かったように思われ
る。決して「美人」タイプではないサーマンを、衣装、メイク、撮り方で素晴し
い、輝きのある主人公に仕立てた。これと対決することになるデヴィッド・キャ
ラダイン、竹で作った横笛や中国のカンフー・マスターとの関係、これはキャラ
ダインが数十年前に主演して人気のあったカンフーものテレビ・シリーズ(19
72年、「カン・フー」)が背景にある。そこでのキャラダインは盲目のカンフ
ー・マスターを演じ、放浪先で悪者をやっつける。その時もやはり「竹の横笛」
を吹き、武器として使ったような記憶がある。以来、映画作品には恵まれなかっ
たようだが、テレビでは常連だった。したがってキャラダインのビル役は、満を
持しての、この人しか居ないという、最高の配役だ。そしてユマ・サーマンは、
幾つか映画作品には出ているものの(「ガッカタ」1997、「犬猫(Truth 
About Cats & Dogs )」1996、「パルプ・フィクション」1994、あるい
は1984年「風の谷のナウシカ」英語版で「クシャナ殿下」の声)、アクショ
ン物は「キル・ビル1」がデビュー作と思われるユマ・サーマンを、作品中でも、
そしておそらく制作過程でも、師、父親といった役割でリードし、独特のアクシ
ョン女優として開花させた。

台詞もいい。禅問答っぽいものがあるが、これはキャラダインの過去と、サーマ
ン、キャラダインともに発音に癖が無いことが貢献している。時として、笑い転
げたくなるようなユーモアもある。そしてエンディングには梶芽衣子の「怨み節」
が流れ、作品は、この歌詞に惚れたタランティーノがそれをそのまま映画にして
しまったかのような感さえある。あるいは、日本語に訳すと「将軍首斬り人」と
いうテレビ番組を見るシーンがあるが、これはアメリカでもアニメで流行った
「子連れ狼」のことだ(Ogami Itto というハンドルを使うアメリカ人とチャット
した事がある)。そして「ハットリ・ハンゾー」(千葉真一)作の日本刀を中国
流、あるいは「子連れ狼」の水応流(漢字不明)と違って両手で正しく握るとい
う、ハリウッド史上初めて(にして最後?)ではないかと思われるところなど、
この作品でしか見られないような部分も多い。

この2作品、元々は一本だったとか、配給会社の儲け主義で2本に別けたとか言
われるが、見た印象では、種類の異なる作品であり、「1」と「2」を両方見て
初めて「キル・ビル」という作品の全体像、あるいは真価が分かるような気がす
る。この「感想」では細かい部分、特に謎解きには触れないでおくが、謎解きや
その伏線に無駄が無い。全てのシーンに意味があり、それらが最大限の工夫をも
って撮られている。ただしお金は(全然)かかっていない(チャンバラ・シーン
が多いし、他の武器といったらショットガン一発とピストルのみ)。したがって
「大作」とか「話題作」という部類のものでは無い。しかし、近年最高のB級カ
ルト作品と言っていいかもしれない。これを見ると、「お金が無い」というのが、
良い映画作品を作れないという事の理由としては一切、通用しないし認める事は
出来ないという感じがする。それは、監督あるいは製作者のイマジネーションの
欠如、やる気の無さ、そして無能ぶりを吐露しているもの以外のなにものでもな
い。(と、見ている側の勝手言い放題になるが)

そしてまた、ユマ・サーマンという、これまではごく平凡な一人の女優が、監督
(あるいは共演の老名優)によりその持ち味を引き出され、今後、一つの作品を
しょって立つスター女優に成長していくのかもしれない。こういうところが、先
週も書いたが邦画に無い、ハリウッドならではの「楽しみ」じゃないだろうか。

憎い口惜しい 許せない
消すに消えない 忘れられない
尽きぬ つきぬ
尽きぬ女の 怨み節

真赤なバラにゃ トゲがある
刺したかないが 刺さずにゃおかぬ
燃える もえる
燃える女の 怨み節

(「怨み節」より。原作、篠原とおる、歌、梶芽衣子)

ヒアリング度:★★★
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★★★
ビデオで見た方がいい度:★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:

★トロイ

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2003年分:
K−19 1/04/2003    (旧作)風の谷のナウシカ 1/11
ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト 2/22
ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔 3/01 007ダイアナザーデイ 3/15
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
ドリームキャッチャー 5/03 X-Men2 5/10
あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07
ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21
ソラリス 6/28 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 7/05
デッドコースター 7/12 ターミネーター3 7/19
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 7/26 トレジャー・プラネット 8/02
ハルク 8/09 パイレーツ・オブ・カリビアン 8/16
英雄 8/23 コンフェッション 8/30
ワイルド・スピードX2 9/06 座頭市 9/13
閉ざされた森 9/20 トゥームレイダー2 9/27
S.W.A.T. 10/04 ジョニー・イングリッシュ 10/11
リーグ・オブ・レジェンド 10/18 マッチスティックメン 10/25
キル・ビル 11/01 ティアーズ・オブ・ザ・サン 11/08
マトリックス レボリューションズ 11/15 ブルドッグ 11/22
フォーン・ブース 11/29  バッドボーイズ2バッド 12/06
ラスト サムライ 12/13 (旧作)ネイティブ・ハート 12/20
ブルース・オールマイティ 12/27

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆↓↓これより下は、毎回、同じです。
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