メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]146  2004/01/03


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==========================================ROADSHOW REVIEW=====

★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2004/01/03  No. 146 (週刊)            前回発行部数:2748

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2003年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2002年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

すべては愛のために 01/03 
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すべては愛のために (Beyond Borders) 
U.S. Release Date: 10/24/03

■監督:マーティン・キャンベル
■キャスト:アンジェリーナ・ジョリー/クライブ・オーウェン/テリー・ポロ
■音楽:ジェームス・ホーナー
■字幕:戸田奈津子
■お勧め度:★★

皆様、明けましておめでとうございます。本年も、お金の続く限り新作映画を見
続けますので、宜しくお願いします。

2003年最後の作品として「すべては愛のために」を選んだ。これは最悪でも
アンジェリーナ・ジョリーの素敵な笑顔が見られるだろうという魂胆だった。こ
の作品、出来がいいのか悪いのか、良く解らない。解らない理由は、女性の心理
が解らないからだろうか。

物語りは1984年エチオピア、1989年カンボジア、そして1995年チェ
チェンという三つの舞台、10年間に渡って恋した、英国の富豪に嫁いだサラ
(アンジェリーナ・ジョリー)と難民救済に命をかける青年医師、ニック(クラ
イブ・オーウェン)の生き様を描く。エチオピア(実際はナイロビ)、カンボジ
ア(タイ)、チェチェン(カナダ)と、ちょうど三部作のようになっていて、エ
チオピアでは難民救済に単なる好奇心を持つサラが、カンボジアでは国連難民高
等弁務官として現地を訪れニックと本格的な恋に落ち、内戦のまっただ中のチェ
チェンでは反乱軍に捕われたニックを救出に向かうという、「第一部」のスロー
なスタートから段階的に内容や現地の実態がエスカレートしていくという、作品
構成としては非常に分りやすい。サラは英国の富豪に嫁ぎ、旦那は頼り無いが、
子供にも恵まれ、いわゆる「背徳の恋」に走るが、これはどうでも良い。ニック
のどこに惚れたのか、これも、理解できなくても映画の常。強く印象に残る事は、
ララ・クロフトでは無い、普通の女性、母親、国連難民高等弁務官といった役を、
魅力的な表情でこなすアンジェリーナ・ジョリーは、さすが映画女優、先週のブ
ラピ夫人とは全く違う華やかさや貫禄を感じる。対する相手役のクライブ・オー
ウェンは、帰ってチラシを読んでみたらブロスナンの次の007、ジェームズ・
ボンド候補らしい。どおりで、難民救済に命をかける青年医師のわりには妙に存
在感があった、あるいはそのような演出で描かれていた。(元ララ・クロフト)
ジョリーの相手役としてはバランス良く、「新ボンド」の前宣伝として見ると、
暗いブロスナンと比べると、硬派のボンドという、シリーズとしては新境地みた
いなものが見られるかもしれない。

作品に戻ると、テーマがぼけてしまった。難民の悲惨な状態、難民救済活動、あ
るいは国連難民高等弁務官の業務、犠牲的な職務を描くノンフィクション部分に
重点を置きたかったのか、あるいは二人の恋の物語りを中心にしたかったのか、
中途半端になってしまった。常に恋物語が、現地の凄惨な状況で妨げられる。例
えば「スターリングラード」などで、共に戦う中で芽生える恋、ではなくて、二
人の恋が、まるで前提のように扱われ、それがどう発展したかは描かれず、最近
の007シリーズのように世界各地を点々とし、難民や内戦状態の人々の姿がむ
しろ強調され、二人の人間性のようなものは、殆ど描かれない。だから、何故サ
ラがニックに惚れるのか「理解できない」し、サラの最初のエチオビア行きは唐
突としか言いようがない。「背徳の恋」にしても、まるでインパクトが無い。ど
うでもいいんじゃないの?風に見てしまう。悪く言えば、ジョリーの素敵な笑顔
と、007の前宣伝としてのオーウェンを見せるだけの作品とも言える。とはい
え、どう考えても出来の悪い作品が多い中、本作品は映画作品としてまとまりが
有り、少なくとも見ている間は充分、楽しめた。しかし見終わった後では、「ジ
ョリーの素敵な笑顔」と新たなる「007」への期待という、本作品のテーマ、
内容とは全く関係の無い印象しか残らない。しかし、映画作品として構成やスト
ーリー展開の出来が良いというだけで、こうも安心して「観賞」できるのだとい
う事を、久し振りに感じさせられた作品であり、その意味では見て損は無い。


ヒアリング度:★★
感動度:★
二度以上見たい度:★★
劇場で見たい度:★★
ビデオで欲しい度:★
ビデオで見た方がいい度:★★
ムカつく度:★
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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2003年分:
K−19 1/04/2003    (旧作)風の谷のナウシカ 1/11
ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト 2/22
ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔 3/01 007ダイアナザーデイ 3/15
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
ドリームキャッチャー 5/03 X-Men2 5/10
あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07
ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21
ソラリス 6/28 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 7/05
デッドコースター 7/12 ターミネーター3 7/19
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 7/26 トレジャー・プラネット 8/02
ハルク 8/09 パイレーツ・オブ・カリビアン 8/16
英雄 8/23 コンフェッション 8/30
ワイルド・スピードX2 9/06 座頭市 9/13
閉ざされた森 9/20 トゥームレイダー2 9/27
S.W.A.T. 10/04 ジョニー・イングリッシュ 10/11
リーグ・オブ・レジェンド 10/18 マッチスティックメン 10/25
キル・ビル 11/01 ティアーズ・オブ・ザ・サン 11/08
マトリックス レボリューションズ 11/15 ブルドッグ 11/22
フォーン・ブース 11/29  バッドボーイズ2バッド 12/06
ラスト サムライ 12/13 (旧作)ネイティブ・ハート 12/20
ブルース・オールマイティ 12/27

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