メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]124  2003/08/02


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==========================================ROADSHOW REVIEW=====

★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2003/08/02  No. 124 (週刊)            前回発行部数:2363

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2002年分は、「感想」の下に移しました。2001年分については、
サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

K−19 1/04/2003    (旧作)風の谷のナウシカ 1/11
ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト
ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔 3/01 007ダイアナザーデイ 3/15
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
ドリームキャッチャー 5/03 X-Men2 5/10
あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07
ザ・コア 6/14 マトリックス・リローデッド 6/21
ソラリス 6/28 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 7/05
デッドコースター 7/12 ターミネーター3 7/19
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 7/26
トレジャー・プラネット 8/02
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トレジャー・プラネット (Treasure Planet)
U.S. Release Date: 11/8/02

■製作/監督:ジョン・マスカー&ロン・クレメンツ
■キャスト:(声)エマ・トンプソン(アメリア艦長)/ブライアン・マレー
(シルバー)/ジョセフ・ゴードン=レビット(ジム)
■音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
■字幕:林完治
■お勧め度:★

R.L.スティーブンソンの原作「宝島」を元にしたディズニー、アニメ作品。
と言っても、「宝島」を読んだ記憶が無いのと、こういうジャンルはあまり興味
が無いので、見る予定では無かったが、新作が無いのと、昨今の特撮技術の急速
な進歩で、アニメ作品がどう変ったかという興味があった。

主人公のジム少年は、ひょんな事からフリントという海賊が隠したという膨大な
宝が眠る、惑星の地図を手にする。彼は母の友人であるドップラー博士に宇宙船
をチャーターしてもらい、問題の惑星に宝探しに行くが、この宇宙船のクルーが
そもそも「海賊」っぽく、宝を一人占めしようと船の一等航海士を殺害するなど、
前途多難な旅となる。そしてようやく目的の惑星へ到着するものの、トレジャー
・ハンターには死の罠が待ち受けていた。

これ以前のアニメ作品は、純然たるアニメ作品だったが、本作品では実写を元に
したと思われる特撮シーンがかなり使用されている。宇宙船レガシー号が飛び立
つ港は、三日月の形をしていて、遠くから近付くと、次第に港を行き来する車両
や人々が大写しになる。ここらへんは「アニメ」と違ってかなりスムーズに風景
が変っていく。惑星なども「写真」っぽい。

しかし、これは国民的な趣味の問題なのでとやかく言えないが、絵自体は、旧態
依然の「アメコミ」風、「ポパイ」の延長線上、前に見た「アトランティス」
(本誌053号)のような、日本のアニメの影響は、意識的に排除されているよう
な気がする。これは「美少女/HENTAIアニメ」がアメリカでも氾濫してい
ることへの反動だろうが、そこまで行かなくても日本のアニメと比べると、顔は
のっぺらぼう、表情は大袈裟と、物足りない。その代わりだろうか、従来のディ
ズニー作品とは違って、人物描写が多少、複雑になっている。レガシー号の「悪
徳」クルーのリーダー格のシルバーは、宝が目当ての「悪者」だが、時としてジ
ム少年とは父息子のような関係になり、人生のアドバイザー的な会話もある。ま
た、ジェット/ロケット・スケートボードを駆るジムなど、さすがアニメ、今の
特撮技術をもってしても実写では無理(ボロが出る)だろうというようなシーン
は見応えある。

しかし、何か物足りない。筋だ。宝の惑星へ行き、結局財宝は諦め、一行は命か
らがら元の星へ帰る。この中に何かテーマが有るかというと、例えばジム少年の
成長の過程は、作品の本筋の中でではなく、エンディングで、どうやら彼はやっ
と人生の目的を見つけ、軍隊に志願したようだ、というような推測でしか見るこ
とができない。彼がシルバー、あるいはこの冒険から何を学んだかも、テーマと
しては扱われて無い。原作が有るからと言って、その時代では、例えば海賊、財
宝など、興味のある内容であったとしても、今の時代に何か訴えるものが有るか。
これが抜け落ちているように思われた。このパターンを続けていると、結局20
02年(去年)最高のアニメ作品は、アメリカでも、「成長」というテーマを持
った「千と千尋」ということになってしまうのだろう。子供/家族向け作品とい
うディズニー・アニメにいつも感じるのが、このテーマ性の無さかもしれない。

「テーマ性が無い」と言っても、本来の「宝島」のテーマは、それこそ「宝探し」
「財宝にかける野望」といったものなのだろうが、本作品では、それらの事があ
まり印象深く無い。問題の惑星に行き、宝がみつかった。しかし仕掛けられた罠
によって、主人公達はすぐに惑星を去る事になる。また、宝(の絵)自体、非常
におそまつで、宝石というより「石ころ」的な絵になっている。これはかなり興
醒めする。こういう所にこそ、特殊効果で「煌めくような財宝の山」として描け
なかったのか、手抜き的な印象すら覚える。

ヒアリング度:★★
感動度:★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★
ビデオで欲しい度:★
ビデオで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:★
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:

★ハルク
★S.W.A.T.

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2002年分:
バンディッツ 1/05/2002 スパイ・ゲーム 1/19
バニラ・スカイ 1/26 ラットレース 2/09
キリング・ミー・ソフトリー 3/02 アメリカン・スウィートハート 3/09
マルホランド・ドライブ 3/23 エネミー・ライン 3/30
オーシャンズ11 4/06 ブラック・ホーク・ダウン 4/20
ビューティフル・マインド 4/27 ロード・オブ・ザ・リング 5/11
アザーズ 5/18 スパイダーマン 5/25 
パニック・ルーム 6/01 サウンド・オブ・サイレンス 6/08
アリ 6/15 スコーピオン・キング 6/22
ワンス&フォーエバー 6/29 ニューヨークの恋人 7/06
マジェスティック 7/13    メン・イン・ブラック2 7/20
タイムマシン 7/27 スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 8/03
トータル・フィアーズ 8/31 オースティン・パワーズ 9/07
ウインドトーカーズ 9/14 バイオハザード 9/21
スパイ・キッズ2 10/05 サイン 10/12
エンジェル・アイズ 10/19    ロード・トゥ・パーディション 10/26
9デイズ 11/02    トリプル X 11/09    
ザ・リング 11/16 ショウタイム 11/23
ジョンQ 11/30 チェンジングレーン 12/07
ハリー・ポッター2 12/14 マイノリティー・リポート
ギャング・オブ・ニューヨーク 12/28

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