メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]116  2003/06/08


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==========================================ROADSHOW REVIEW=====

★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2003/06/07  No. 116 (週刊)            前回発行部数:2379

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2002年分は、「感想」の下に移しました。2001年分については、
サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

K−19 1/04/2003    (旧作)風の谷のナウシカ 1/11
ゴーストシップ 1/18 オールド・ルーキー 1/25
ボーン・アイデンティティー 2/01 トランスポーター 2/08
レッド・ドラゴン 2/15 戦場のピアニスト
ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔 3/01 007ダイアナザーデイ 3/15
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 3/29 ブラック・ダイアモンド 4/05
デアデビル 4/12 シカゴ 4/26
ドリームキャッチャー 5/03 X-Men2 5/10
あずみ 5/17 サラマンダー 5/24
トゥー・ウィークス・ノーティス 5/31 ハンテッド 6/07
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ハンテッド (The Hunted)
U.S. Release Date: 3/14/03

■監督:ウィリアム・フリードキン
■キャスト:トミー・リー・ジョーンズ/ベニチオ・デル・トロ/コニー・
ニールセン
■音楽:ブライアン・タイラー
■字幕:栗原とみ子
■お勧め度:★★

元特殊部隊の精鋭、ハラム(デル・トロ)は、軍を離れた後も、「殺人マシン」
と化して野山で「敵」と判断したハンターを襲う。FBI(コニー・ニールセン)
が捜査に乗り出すが、まるで手に負えない。そこで、というかその話しを聞い
たハラムの教官であった「L.T.」(ジョーンズ)が現地に向かい、その「ト
ラッカー」(「追跡者」)としての能力でハラムを追う。この「トラッカー」
というのがどういうものか分らないが、サバイバルの名手、白兵戦の名手らし
い。軍人ではなく、彼自身、人を殺した事は無い。また代々続いている「家業」
でもある。

要するに物語りの大筋は戦争が作り出した「殺人マシン」対その教官という、
「ランボー」の二枚煎じなのだ。違いはランボーが野に走ったのにはベトナム戦
争から帰国したら、国では反戦意識が優勢で、何の為に戦ったのか分らなくなる
という動機があったのに対し、ハラムの場合は優秀な戦士としての人格や価値観
をも含めた訓練が、普通の世界ではまったく適応できないものになっていた。し
たがってハラムを「殺人鬼」という「悪者」と一概に言えない部分がある。彼が
殺したハンターにしても、高性能の照準器で獲物を狙うという、「ルール違反」
があった。他の犠牲者は、ハラムを追ったために殺される。こう考えると、軍の
任務遂行のために訓練された「戦闘マシン」は、元の社会には戻れないし、命令
や指揮系統を守る「軍人」「兵隊」でもない、一個の独立した「サバイバル・ユ
ニット」となる。それが行う事に「善悪」という尺度は当てはまらない。だから、
L.T.という「トラッカー」、動物でも人でも追跡する事が、ほとんど本能的な
ものになっている男にしかハラムは倒せない。という風に考えると、一見、アク
ション派とはお世辞にも言えないトミー・リー・ジョーンズの「トラッカー」ぶ
りというのが、ある程度納得がいく。体系は○○だし、なぜか本当の歳より老け
たメークをしている。デル・トロにしても、スタローンのようなアクション俳優
ではないし、逆にスタローンのようなアクション(オンリー)俳優がこの役を演
じていたら、「ランボー」となんら変わりなくなってしまう。昨今の戦争が、市
街戦を避けるなど、兵士の人名尊重傾向が強まっているなか、一方で、敵が制圧
する市街地に乗り込んで敵将を暗殺するといった特殊任務をこなすハラムのよう
な「戦闘マシン」が養成されている事は間違い無い。そうした戦闘マシンは軍で
すら手に負えない。ハラムのように一旦、野放しになってしまうと、L.T.のよ
うな法執行機関とはなんの関係も無い特殊な人間にしか追う事は出来ない。と考
えると、特にアメリカの場合、この種の「殺人鬼」あるいはその予備軍が、実戦
での人的損失の減少の代償として、今後増える事になるのかもしれない。

作品としてのテンポは極めていい。上記のような理由で、かっこいいアクション
を期待すると、期待はずれになるが、例えば町中でのカーチェイス・シーンはあ
るにしても最小限に押さえるなど、テンポ、緊張感、分り易さに重点が置かれて
いて飽きない。物語り上、多少〜かなり無理があるが、映画作品というフィクシ
ョン上、しょうがない部分かもしれない。例えば何故ハラムはハンターを殺した
のか。「照準器」の問題は人間が作ったルールで、「戦闘マシン」のハラムには
関係の無いはず。しかし、誰も殺さなかったら、「殺人鬼」という、物語りが始
まらない。後の方になって、このハンター殺しは、「戦闘マシン」としてのハラ
ム像とひどく矛盾することになる。

しかし、最近、「マトリックス」の予告編があまりにもかっこよくて、その後で
見る本編作品がつまらなく思われるという困った状況にある。

ヒアリング度:★
感動度:★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★
ビデオで欲しい度:★
ビデオで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:★
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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-今後楽しみな映画:

★T3
★マトリックス・リローデッド

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2002年分:
バンディッツ 1/05/2002 スパイ・ゲーム 1/19
バニラ・スカイ 1/26 ラットレース 2/09
キリング・ミー・ソフトリー 3/02 アメリカン・スウィートハート 3/09
マルホランド・ドライブ 3/23 エネミー・ライン 3/30
オーシャンズ11 4/06 ブラック・ホーク・ダウン 4/20
ビューティフル・マインド 4/27 ロード・オブ・ザ・リング 5/11
アザーズ 5/18 スパイダーマン 5/25 
パニック・ルーム 6/01 サウンド・オブ・サイレンス 6/08
アリ 6/15 スコーピオン・キング 6/22
ワンス&フォーエバー 6/29 ニューヨークの恋人 7/06
マジェスティック 7/13    メン・イン・ブラック2 7/20
タイムマシン 7/27 スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 8/03
トータル・フィアーズ 8/31 オースティン・パワーズ 9/07
ウインドトーカーズ 9/14 バイオハザード 9/21
スパイ・キッズ2 10/05 サイン 10/12
エンジェル・アイズ 10/19    ロード・トゥ・パーディション 10/26
9デイズ 11/02    トリプル X 11/09    
ザ・リング 11/16 ショウタイム 11/23
ジョンQ 11/30 チェンジングレーン 12/07
ハリー・ポッター2 12/14 マイノリティー・リポート
ギャング・オブ・ニューヨーク 12/28

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆↓↓これより下は、毎回、同じです。
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★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
    2003/05/31  No. 115 (週刊) 
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