メルマガ:週刊フランスのWEB
タイトル:hebdofrance 13-06-2005  2005/06/13


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                                    Davide Yoshi TANABE
                                         vous presente

              ≪週刊フランスのWEB≫
                    第226号

Tokio, le 12 juin 2005

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Index (目次)
        1.アオギリ
        2.フード・フォース
        3.シャンソン ピアフ 
        4.忘れられたフランス人  メンデレーエフ
        5.あとがき

フランス語のサイトの文字化けは
表示>エンコード>西ヨーロッパ言語の順で選択すれば修正することができま
す。

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1.Firmiana simplex
  http://www.semencesdupuy.com/1F358-Firmiana-Simplex.html

 アオギリの学名はFirmiana simplexのようである。漢名は梧桐(ごとう)と辞書に
あった。

 梧だけで「あおぎり」である。梧右(ごゆう)、梧下(ごか)などというのを明治
のころの手紙を読むと最後に書いてあるのがみえるが、今時は珍しいだろう。実物の
鴎外の手紙にはそんな脇付があったのを思い出した。

 フランスには植物園以外にあまりない木で、俗名を「中国の日傘parasol
 chinois」という。なるほど高い木で、落葉樹だが夏の太陽を避けるにいい木のよう
だ。これが、広島の逓信省の庭にあった。本誌あとがき参照。逓信省でも電話局のこ
とだろうから、大勢の女性が交換手として働いていた。その職員たちが暑い真夏の陽
射しをさけてアオギリの木陰に集(つど)ったという。

 1945年8月6日、逓信省も原爆で破壊された。庭のアオギリも被爆した。平和記念公
園に植えかえられた「被爆アオギリ」は、再び芽を吹き返し「広島の復興のシンボ
ル」となった。逓信省に勤めていて、奇蹟的に助かったけれども片足を失った沼田鈴
子さんは語り部として、この「被爆アオギリ」に自分を重ね合わせて自身の被爆体験
を若い世代に語り続けている。

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2.Food Force
  http://www.wfp.org/france/?m=93&k=40

 国連の機関であるPAM-Programme Alimentaire Mondial(WFP、国連世界食糧計画)
が提供するゲーム・ソフト(無料)である。世界初の人道ビデオ・ゲームと謳ってい
る。2005年4月14日、イタリアはボローニャにおける国際児童書展でPAMが発表した。

 ダウンロードして試してみた。面白くないとは云わない。いや、むしろ大変よく出
来ていて面白い。telechargement(download)はこちらから。
http://www.food-force.com/
 現在のところフランス語版は、なさそうである。日本語版もない。8歳から13歳を
対象とするらしいが、勿論大人でも楽しめる。ただ、文章選択問題、結果の評価等英
語がわかった方がゲーム遂行の助けにはなる。

 世界の子供たちに食糧援助の必要とその任務missionの難しさと同時に任務を成し
遂げた時の喜びをゲームを通して教育するプログラムになっている。児童向けとはい
え、予算を設定し、予算内で最も効率のよい援助物資の選択をする(任務2)、世界
の市場を睨みながら適正な市場で食糧を調達し被災地に送る(任務6)などかなり高
度な判断を要請するゲームも用意されていて、単なるアドヴェンチャーに終っていな
いのは感心するしかない。
 
 よく出来たソフトであるだけに半端ではない金がかかったのであろうと推察され
る。したがって、この面から切りこんで批判することも可能である。確かに本誌187
号(2003年9月8日)では多少PAM(WFP)批判を展開した。が、今回はさしひかえてお
こう。なお、187号で参照されているサイトのURLを修正・更新した。中にあった111
号も更新した。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~davidyt/log187.htm 187号
http://www.saturn.dti.ne.jp/~davidyt/log111.htm 111号

 なおPAMのホームページではゲームのヴァーチャルな世界と対比される現実のPAM活
動も説明されている。

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3.Edith Piaf
  Le diable de la Bastille
  Paroles: Pierre Delanoe. Musique: Charles Dumont   1962


C'est incroyable mais vrai,
Invraisemblable mais vrai.
C'est le diable qui dansait
Au quatorze juillet,
Place de la Bastille.
C'est incroyable mais vrai,
Invraisemblable mais vrai.
Il savait bien, le malin,
Qu'il tenait dans ses mains
Le destin d'une fille
Car il est joli garcon,
Il connait bien la chanson.
A la flamme des lampions,
Au son d' l'accordeon,
Il est meconnaissable
Et la fille n'a rien vu.
Elle ne l'a pas reconnu.
Tourbillonnant dans ses bras,
Elle trouvait, ce soir-la,
Que c'etait formidable.

信じられないけど本当なの、
嘘のようだけど本当なのよ。
悪魔が踊っていたわ
7月14日に、
バスティーユ広場で。
信じられないけど本当なの、
嘘のようだけど本当なのよ。
奴は知っていた、悪魔はね、
握っていたの
一人の娘さんの運命を
だって悪魔はいい男で、
シャンソンを良く知っていた。
ランプの光のもと
アコーデオンの音(ね)に
奴は気づかれない
娘さんは何にも見えなかった。
娘さんは奴に気づかなかった。
奴の腕の中でくるくる回って、
娘さんは思ったの、
なんて素敵な晩だと。

A dix-huit ans, on a le droit
De se tromper a ce point-la
Tant le demon a l'air si bon.
On peut l'aimer sans se damner.

18歳、その年頃には
そうしたことに騙されてもいいのよ
悪魔は優しい風をしているもの。
地獄に落ちることなく悪魔を愛せるの。

C'est incroyable mais vrai,
Invraisemblable mais vrai.
C'est le diable qui dansait
Au quatorze juillet,
Place de la Bastille.
C'est incroyable mais vrai,
Invraisemblable mais vrai.
Il savait bien, le malin,
Qu'il tenait dans ses mains
Le destin d'une fille.
Vraiment, il se regalait,
Il rigolait, rigolait.
Puisque la vie etait belle,
Elle trouvait naturel
Qu'il ait envie de rire.
Elle s'est abandonnee.
C'etait vraiment bon marche,
C'etait vraiment trop facile,
Une ame aussi docile.
'y avait pas de quoi rire.

信じられないけど本当なの、
嘘のようだけど本当なのよ。
悪魔が踊っていたわ
7月14日に、
バスティーユ広場で。
信じられないけど本当なの、
嘘のようだけど本当なのよ。
奴は知っていた、悪魔はね、
握っていたの
一人の娘さんの運命を。
本当に、奴は楽しんでいた、
奴はふざけにふざけていた。
だって人生は美しく、
娘さんは当然だと思っていた
奴は笑いたいのは。
娘さんはおぼれていたんだわ。
本当にお安く、
本当に易かった、
そんな素直な心は。
馬鹿にして笑えはしない。

C'est incroyable mais vrai.
C'est le diable qui dansait,
C'est le diable qui riait,
C'est le diable que j'aimais.
Le diable que j'aimais...
Le diable que j'aimais...
Le diable que j'aimais...

信じられないけど本当なの、
悪魔が踊っていたわ、
悪魔が笑っていた、
私が愛した悪魔が。
私が愛した悪魔、、、
私が愛した悪魔、、、
私が愛した悪魔、、、

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4.Dmitri Ivanovitch Mendeleiev 1834 - 1907
  http://isimabomba.free.fr/biographies/chimistes/mendeleiev.htm

 今回は名前からも知られる通りフランス人ではない。トボルスクTobolsk生まれの
ロシア人である。僕たちは、この人の名前をあまり知らない。しかし、フランス人な
ら誰でも知っているだろう。

 しかし、フランスに貢献しただけではない。僕たちも実は高校のときにメンデレー
エフに世話になっているのである。化学の授業のときに習った元素周期表をつくった
学者である。ところが、そのことを僕たちは知らされない。フランスではこの周期表
のことを文字通りTableau periodique des elementsともいうけれども、Tableau de
Mendeleievと呼んでいるのである。
http://www.cig.ensmp.fr/~hhgg/phch/tabperel.htm

 確かに、1868年にメンデレーエフが作った周期表は、1871年に本人が改定したけれ
どもなお不完全だったろう。しかし、この周期表を考え出したのはなんといってもメ
ンデレーエフなのだ。その名を冠して称えてもよさそうなものではないか。

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5.あとがき

 千葉のKTさん、応援カンパありがとうございます。神奈川のSIさん、支援感謝申し
上げます。大変勇気付けられました。格安チケットため、チケット購入時点では、搭
乗フライトが決まっていないので、どんなフライトになるかと心配しましたが、結局
par chance、JALの直行便sans escaleであるとの報せをagenceからもらいました。

 格安航空券がどうして存在するのかそのメカニスムを調査報告せよ、との要請から
読者からありました。一応次ぎのページを見てください。
http://allabout.co.jp/travel/airticket/closeup/CU20040604A/?FM=cukj&GS=airti
cket
僕はこの説明に充分満足したわけではありませんが、理由の一端はわかると思いま
す。

 本誌のホームページの目次部分を改正した。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~davidyt/table1.htm
目次は既に5ページに分割していたが、その目次ページ選択の部分を改正、目次1、目
次2ではなく、目次1-50、目次51-100のように号数表示に改めたものである。また補
遺appendiceのページを付け加えた。この補遺にホームレス関連記事等を纏めた。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~davidyt/appendice.htm
これまで怠けて載せていなかったレポートを一挙に掲載し、Maisons Bleuesは14記事
となった。フランス語の教材としてでもよい。是非読んでいただきたい。読者諸姉諸
兄のご批評・ご批判をいただければ幸甚である。

 今回パリのホームレス事情も調査できることになったので、パリのNPOを検索、Les
Bancs PublicsのVivianeさんと面談手配をした。
http://www.lesbancspublics.fr/

 フランス国民は5月29日の国民投票でヨーロッパ憲法について「NON」を表明した。
投票率が80%と高かったのが印象的である。54.5%のNON。結果がわかってからのこ
とであるが、ミッテランのchou-chouであった社会党のファビュスLaurent Fabusの
NONの側からの言葉を聞くと(5月8日、TF1)、なるほどと思う。フランスが強いヨー
ロッパを望んでいるのは疑いないけれども、ヨーロッパ全体よりも先ず自国の利益を
防衛したいということだ。したがって、憲法自体が問題というよりは現在のフランス
の政治的・社会的状況が反映された結果となったということが出来る。つまり、NON
が多数となった理由に(1)失業問題、(2)経済・社会危機、(3)欧州憲法修正
への期待があったという。(1)及び(2)の理由はフランスの国内問題である。
(3)は憲法の見直しでこれは一旦成立した憲法が余りにも改定が難しいということ
で、官僚主導型欧州連合(UE)に対する不信表明である。

 国民投票前に行われたキャンペーンは、しかしかなり扇情的であった。シラクは
OUIの立場から、NONということはフランスの孤立を齎し、フランスのプレゼンスを弱
め、国際的混沌に陥り、全く無責任であると云った。首相ラファランは、トヨタの例
をあげてトヨタはフランスに投資してくれたが、そうした投資が呼びこめなくなり経
済の停滞、更なる失業を誘発すると語った。反対派は、失業の増加、非民主的で回教
国トルコの欧州連合参加、世界の工場中国の経済侵略をちらつかせた。左翼でも元首
相で社会党のジョスパン同じく社会党書記長オランドFrancois Hollandeは賛成派に
回った。

 もし国会審議だけであったなら、欧州憲法は圧倒的多数で承認されたろう。ドイツ
のように。このことは重要である。その意味で直接民主主義に道を拓いた国民投票は
フランスの民主主義にとって新たな前進となる出来事であった。しかしながら、2002
年の大統領選では、極右ル・ペンとのバランス感覚から中道右派シラクに投票した国
民が、その実、今回シラクへの不信任を叩きつけたことは否めず、真にフランス国民
が今回の憲法条約を理解して投票したのかどうかは疑わしい。僕は国民投票が
Laurent Fabusの個人的勝利で、彼を一歩次ぎの大統領選挙に有利に導いたことに
なったに過ぎないのではないかと思う。スイスが国連参加に数十年を要したように、
直接民主主義はもっと多くの時間を費やして国民の意思が反映されるべきである。稀
な国民投票ではまだ意思は確定していない。

 軽薄な小泉がまたわけのわからないことをいった。「その罪を憎んでその人を憎ま
ず」。「罪は憎むべきだが、その罪を犯した人を憎むのはよくない」という意味だと
辞書にはある。罪刑法定主義とは合い入れないなぁ、しかし、大岡裁判なんかではよ
く聞く言葉である。なんとなく心が広いと思わせ、人情に厚いといわれる日本人向き
ではないか。

 さて、孔子は僕が嫌悪する人物の一人であるが、孔子がそんなことを言ったのであ
ろうか。出典は孔子の言葉ではあるけれども偽書とされる孔叢子(くぞうし・こうそ
うし)であり、孔子の時代から大分後になって書かれた書である。原典では「(古之
聽 訟者) 悪其意不悪其人」で、読み下すと「(古の訟を聴く者は、)其の意を悪
(にく)みて、其の人を悪まず」となるらしい。

 更に実は前後が勿論あって、「書曰若保赤子、子張問曰聴訟可以若此乎、孔子曰可
哉 . 古之聴訟者. 悪其意不悪其人 .求所以生之. 不得其所以生乃刑之.君必与?
共 焉 .今之聴訟者.不悪其意而悪其人.求所以殺.是反古之道也」となっている
(孫孔鮒(そんこうふ)著、孔叢子−刑論、繁体中文を日本の漢字に改めた)。僕は
正しいと思わないが、裁く者の心構えを述べたものといえる。すくなくとも裁かれる
者がいう言葉ではないし、被害者が加害者を赦す言葉でもないのである。
http://ef.cdpa.nsysu.edu.tw/ccw/01/contz.htm

 NHKの番組に「平和アーカイブス」がある。日曜日偶々TVをつけて次ぎの番組を見
ることができた。
 NHK特集「夏服の少女たち〜ヒロシマ・昭和20年8月6日〜」
 1988(昭和63)年8月6日 放送
 新日本探訪「アオギリの語り部〜広島 平和公園」
 1993(平成5)年5月28日 放送
 いずれも激しい日本軍国主義反対の番組ではないが、淡々と事実を伝えている。

 「夏服の少女たち〜ヒロシマ・昭和20年8月6日〜」は、広島県立広島第一高等女学
校の一年生たち(13歳)のことをアニメも交えながら、どのように8月6日を迎えたか
を綴っている。NHKはこの学校の現在を伝えていないが、現在の広島県立広島皆実高
校である。1945年4月入学の生徒は188名、そのうち戦後の学制改革で広島有朋高等学
校と名を変えた高等学校を卒業したのは48名、クラスによっては放送されたように全
員が原爆の犠牲者となった。1949年現在の県立広島皆実高校となり男女共学になっ
た。この学校の中期達成目標をみると「国公立大学合格100名以上」といい、経営目
標は「ハイレベルな進学校復活を期す」。広島大学に30名以上を送りたいらしい。今
年は12名だから必死な様子が伺える。広島市の受験校というと、私立広島学院、私立
修道、国立広島大付属、ノートルダム清心ということらしいから、県立が復権を目指
そうというのであろう。果たして県立高校がこうした受験に走るのがよいことか、生
徒たちの負担を考えるとどうかなぁ、と思うけれども、私立高校よりは学費が安いの
だろうからそれも選択の一つかと一応納得する。しかし、そこに第一高等女学校の面
影はない。毎日の受験勉強の最中、一時、原爆の犠牲になった「夏服の少女たち」に
思いを馳せる少年たちがいることを願うばかりである。
http://www.minami-h.hiroshima-c.ed.jp/

 氷川瓏(ひかわ ろう 1913-1989)。怪奇探偵小説作家に分類されるらしい。「乳
母車」、「春妖記」、「睡蓮夫人」、「陽炎の家」等を読んだ。「春妖記」の一部を
仕事で翻訳したため、どんな作家であろうかと興味をもったためである。「陽炎の
家」(1975)を除いて上記作品は1945-55の間に書かれた。「陽炎の家」は「春妖
記」の変奏variationだそうだけれども、文章の質から見ると「春妖記」の方が優れ
ている。探偵小説といっても明智小五郎が出てくるわけでもない。幻想小説といった
方がいい。いずれも極めて短い小説である。ちくま文庫から「氷川瓏集」が出てい
る。
 敗戦直後の小説群の日本語の方が豊かで味がある。一般に日本語の乱れというが、
それよりも時を経るにしたがって言葉が粗雑になるようだ。氷川だけのことをいって
いるのではない。「一般に」である。そしてついには携帯電話メイル用語が小説にま
で使われ始めた。僕は携帯電話のメイルでもそれなりの美しい日本語が書けると思う
のだ。それは明治の頃の葉書文章を読むとわかる。メトロの車中でしきりとpianoter
している(キーを叩いている)皆さん、ひとつ工夫してみようではないか。

 先日、坂口安吾が根城にしていたという浅草のお好み焼屋「染太郎」にいった。G
君というフランス人の友人と日本の若い人といったのだが、crepeもあまり好きでは
ないが、お好み焼きもあまり趣味ではないなぁ。店は確かにコンクリートのビル何ぞ
にならず木造のままで多少風情があったが、二階はもう使っていなかった。安吾の色
紙は目の前にあった。けれども粗末に扱われている感じで、額にさえいれてなかっ
た。
http://www.yamani-shoji.co.jp/sometaro/page/sometaro%20official%20top.shtm

 Michel Onfrayの著した「L'Art de jouir 楽しむ術(すべ)」をやっと読み終え
た。文庫本で279ページだが、字が細かい。途中で浮気して他の本を読んでしまった
のでなかなか進まなかった。そこで、先週、80ページあたりから集中して読んだので
ある。かなり飛ばした読み方になってしまった。相当文章の繰り返しがあるのでこん
な読み方でもよかったように思う。要は、Onfrayが影響され、自分のものとしようと
しているのは古代ギリシャのhedonismeというよりも、フォイエルバッハLudwig
FeuerbachとニーチェFriedrich Nietzscheに尽きているようである。少なくともこの
書ではそういえそうだ。プラトン以来の精神と肉体を分離した哲学(宗教を含む)を
執拗なまでに攻撃する。結論部分になってやっとhedonismeとは何かを語る。単なる
享楽主義ではないhedonisme hesthetiqueなのだ。しかし、「L'Art de jouir」では
その傍証を固めただけのように思えた。クリスチャニスムの中で生きてこなかった大
方の日本の人々には、Onfrayの怒りがわからないだろう。分かるためには、日本ない
し中国の哲学・宗教の中でどのようにhedonismeがArt de vivre(生きる術)として
の哲学足り得るかを見なければならない。そうでなければ、またまた西欧の哲学の輸
入にしかならない。hedonismeは全ての人々の哲学philosophie universelleではな
く、個々の人の哲学であるというとき、個individuelが問題となるが、その
individuelがない、ないかもしれないところで尚哲学としてどう受け止めるかという
ことになる。いましばらく他のOnfrayの作品を読むと同時に日本の哲学的構造に分け
入ってみたい。
http://perso.wanadoo.fr/sos.philosophie/feuerbac.htm
http://perso.wanadoo.fr/sos.philosophie/auteurs.htm

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発行者:田邊 好美(ヨシハル)
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