メルマガ:週刊フランスのWEB
タイトル:hebdofrance 09-02-2004  2004/02/09


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

                              Davide Yoshi TANABE
                                 vous presente

              ≪週刊フランスのWEB≫
                    No.200quater
                                                       
                       Tokio, le 09 fevrier 2004

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

フランス語のサイトの文字化けは
表示>エンコード>西ヨーロッパ言語の順で選択すれば修正することができま
す。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
bonjour a tous !              

 特に先月26日以来、virus攻勢で悩まされた。Mydoomというvirusである。既に
書いたが、virusなどと命名したのもふざけた話で、これはサイバー・テロにほ
かならない。ま、僕にも瑕疵があってvirus発見検索ソフトを2週間更新しなかっ
たところ、新手のvirusに侵入されてしまったのである。anti-virusソフトを更
新したもののシステム・ファイルを侵されていて、その回復に多少手間取った。
しかしOSの再インストールもすることなく原状復帰できたのはなによりであっ
た。僕のところから、善意(故意ではないという意味で)とはいえ、virusメイ
ルがばらまかれたらしく、受信した方々に多大のご迷惑をおかけした。誌上をか
りて深くお詫び申し上げます。

 校正の続き。第16号の「エレファント」の項で追記に書いた少女にメイルを出
したところ返事が来たので、追記の追記としてそのメイルの内容を掲載した。画
像ではなく文字で絵を書いてくれたが、それがなかなか単純なcopy/pasteでは
ホーム・ページに貼りつけられなかった。一応成功したのでご覧あれ。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~davidyt/log016.htm

 実は水曜日の夜から39度を越す熱で、人並みに風邪をひいた。嫌いな抗生物質

飲み、金曜日の朝まで寝こんでいた。今はもう回復。でもちょっと大人しくして
いる。先週、火曜日の午後霧雨の中、東工大(大岡山)のセミナーに参加、教室
は公共施設らしく費用も考えぬ強力な暖房、更にそのなかに風邪をひいた院生が
いた。かてて加えて、講演者たちとまた懇親会とやらで飲んだ。なんと本誌200
号記念の会、即ち金曜以来、金、土、月、火と連続で夜遅くまで飲んでいたのが
祟ったのであろう。

 回教徒女子生徒・学生のスカーフfoulard問題が再燃した。シラク大統領が、
これまでの行政通達では不足としてスカーフを禁止する法律をラファラン首相に
用意させたようである。国会で年頭からにこれについて審議が重ねられている。
先週2月5日までに左右あわせて多数の意見が述べられた。しかし、今週10日火曜
日には国会を通過する気配。スカーフ問題については本誌169号で書いている。
http://members.at.infoseek.co.jp/davidyt/log169.htm
 国会審議が実質的に終了した翌日6日パリで数百名の回教徒を中心とするデモ
が行われた。14日にもある由。特別に法律まで作る必要があるか否かには、僕も
疑義がある。しかし、政教分離(ライシテ、laicite')は民主主義の基本であ
り、共同体の自治を考慮に入れても譲れない。回教徒側が、人種偏見や少数者の
権利を持ち出しても、それは歴史に学ばない短絡な主張としか思えないのであ
る。左翼の中でも意見が分かれているが、よく反省して欲しい。

 それよりも、今のフランスで異常なのはジュペ事件である。
実は、8日(日曜日)、パリ・ヴェルサイユで現在の与党であるUMPの党大会が開
催された。来月3月21日に第1回、28日に第2回と2度にわたる地域議会選挙がある
が、その選挙戦のための大会である。ここでいう「地域」とは地方自治体のう
ち、県departementをいくつか寄せた単位で、海外を含めて26「地域regions」が
ある。フランスの地方自治体制は近年強化されつつあるが、それについては今日
のテーマとはしない。次のURLを
参考。法改正等、今回の地域議会選挙の意義もわかる。
http://www.vie-publique.fr/decouverte_instit/instit/instit_3_1_0_q2.htm

 さてジュペ事件である。与党UMPの党首がアラン・ジュペAlain Juppe'なので
ある。ジュペは去る1月30日ナンテール刑法裁判所にて検事の求刑8ヶ月より重い
刑、執行猶予つきであるが18ヶ月の禁錮、10年の被選挙権停止の判決を言渡され
た。政治資金の不正利用が罪名のようだ。元首相であり、シラクの右腕、現在国
会議員でかつボルドー市長に対する厳しい司法判断である。裁判所から出てきた
ときはシュンとしていたが、直ちに控訴。その後シラクをはじめ、首相ラファラ
ン、ボルドー市民等の支援を受け、攻勢にまわっている。UMPの党首も辞めない
し、国会議員や市長の座にも居座ることに決めた。ほぼ起訴事実を認めていたの
に、「刑が重過ぎる」、「私利私欲ではない」、国家の大義の前には経理の不正
などは致し方ないといわんばかりである。あきれることに、シラクは、先週、司
法に対抗して「真実を知るために」議会と、行政機間合わせて三つの調査機間を
作ると発表。
 控訴は、ジュペでなくてもすべてのフランス国民の権利である。しかし、司法
判断に行政機間が、判事たちに圧力が加えられたかどうか(判事側はあったと
いっている)を調査する機間をつくるとか、今になって議会でも真実を調査する
などというのは、まさに与党の、シラクの横暴であり、フランス民主主義の危機
である。
 UMP内部からジュペ批判が出るどころか、「ジュペはフランスになくてはなら
ない男だ」などとむしろ結束する動きを顕著にさせている。選挙前だから与党が
危機感を募らせたのはわかる。ジュペはシラクの後をおそう次の最有力大統領候
補で、党首にはその次に若手サルコジィ(内務大臣)をもってこようという図式
が狂ったのである。

 従って次の地域議会選挙で、UMPが大敗しないと野党はどうしていたというこ
とになる。通常あまり注目を集めないこの選挙らしいが、今回は目が離せない。
先週、TF1が各党討論会を放送したが、なかで一番元気がよくまた政党として政
治資金スキャンダルについては「清潔」なのが右翼のFN(国民前線)ルペンで
あったのは気がかりである。

 政治と金、これは世界共通の問題である。

 残念ながら本誌校正は第23号までしか終わっていない。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~davidyt/log023.htm

====================================
発行者:田邊 好美(ヨシハル)
    〒 157-0073 東京都世田谷区
e-mail: davidyt@saturn.dti.ne.jp

「カンパ」よろしくお願い致します。
郵便振替口座 名称 HEBDOFRANCE 番号 00110-2-314176 成城学園前郵便局

当MMのホーム・ページは
http://members.at.infoseek.co.jp/davidyt/hebdofrance.index.html
次ぎの2サイトをミラーとします。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/9981/
http://davidyt.infoseek.livedoor.com/hebdofrance.index.html
ここからMM発行所にリンクし、解除手続きができます。解除は各人が購読を
申し込んだ発行所、まぐまぐ、Pubzine等から行ってください。eGroupを除い
ては僕が管理人ではないため、解除手続きが出来ません。悪しからずご了承
お願いいたします。
過去ログ(archive)も上記ホーム・ページで全てご覧になることができます。
===================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。