メルマガ:週刊フランスのWEB
タイトル:hebdofrance 19-01-2004  2004/01/20


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                              Davide Yoshi TANABE
                                 vous presente

              ≪週刊フランスのWEB≫
                     No.200bis
                                          Tokio, le 20 janvier 2004

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Index (目次)

        1.シャンソン ジュリー(沢田研二)「世界の果てから」
        2.あとがき

フランス語のサイトの文字化けは
表示>エンコード>西ヨーロッパ言語の順で選択すれば修正することができま
す。

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1.200号で沢田研二主演の「太陽を盗んだ男」について触れた。そこで、沢田
がフランス語で歌った次の詩を訳してみる。多分、日本語版は「巴里に一人」。
沢田は他にフランス語で「Attends-moi」、「Fou de toi」、「Elle」などのレ
コードを出しているようだ。

  Julie, Kenji Sawada
  Mon amour, je viens du bout du monde.
  作詞 : G. Costa / Gilbert Sinoue
  Label : Polydor

Mon amour, sans perdre une seconde.
Ce pays que je ne connais pas,
Je veux le voir avec toi.

恋人よ、今すぐに、
僕の知らない国を
君と一緒に見たい。

Mon amour, je viens du bout du monde.
Dans tes bras va s'arreter ma ronde.
Toute ma vie moi je t'ai cherche,
Enfin je t'ai trouve.

恋人よ、ぼくは遠い国から来たんだ。
僕の長い旅は終わって君の胸に辿りついた。
生まれたときから君を探し求めていた。
そしてやっと君に出遭えた。

Paris, la Seine, les quais, le ciel,
Je veux enfin tout voir.
On dit que la ville est plus belle
Pour ceux qui s'aiment dans le soir.

巴里、セーヌ、川辺、御空(みそら)、
みんなみんな知りたい。
この街はますます美しいという
恋する二人の夕べには。

Mon amour, je viens du bout du monde.
C'est fini les courses vagabondes.
Prends ma main et viens tout pres de moi
Viens faire les premiers pas.

愛しいひとよ、ぼくは遠い国から来たんだ。
さまよい歩きはお仕舞だ。
僕の手をとり僕のところにおいで
ためらわないで。


Paris, la Seine, les quais, le ciel
Je veux enfin tout voir.
On dit que la ville est plus belle
Pour ceux qui s'aiment dans le soir.

巴里、セーヌ、川辺、御空(みそら)、
みんなみんな知りたい。
この街はますます美しいという
恋する二人の夕べには。

Mon amour, je viens du bout du monde.
Pose contre moi ta tete blonde.
Adieu mes amis et mon pays,
Ma vie commence ici.

愛しいひとよ、ぼくは遠い国から来たんだ。
僕の胸にブロンドの髪を抱きしめたい。
友よ故郷(ふるさと)よ永久(とわ)にさようなら、
僕の日々は今ここに始まる。

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2.あとがき

 今年は年賀状を書かなかった。年賀状をいただいた方々には大変失礼しまし
た。誌上を借りて深くお詫び申し上げます。年賀WEBサイトも作らなかった。去
年の正月に目標として建てたことが何一つ実現できなかった不甲斐無さに、新し
いページを作る勇気がなかったからである。

 199号にフランス語個人教授のことを書いた。数人の方からご連絡をいただい
たが、成約にいたっていない。冷やかし半分であったに違いない。Goolgle日本
の検索で「フランス語、個人教授」で調べると、僕のサイトがトップに出るよう
になった。特に工作したわけではない。アクセス数の問題なのであろう。それは
それであり難いことであるが、実際の宣伝効果はない。Yahooでもトップに出て
くるが。

 ホーム・ページの校正をやっと月曜日19日から始めた。意外と面倒である。
ホーム・ページのデザインは変えないことにした。IBMのホーム・ページ・ビル
ダー最新版もインストールしたが、機能的にMSのものと比して大した差がないの
で、本当にCGIなどを使ってカッコ良いページを作るには、まだまだホーム・
ページ作成の勉強が必要と分かったからである。その代わりに、校正をすると同
時にこれまで紹介した全てのサイトを再び訪問して、そのURLがなお生きている
かどうか確認することとした。また、書いた時点と事情が著しく異なる場合など
に「追記」をする付することにした。更新はやっと創刊号から003号までであ
る。
 校正を終わったページを新しいサーヴァー上のホーム・ページに置くこととす
る。これはまだ全てのリンクが出来ていないので直接下記アドレスにアクセスし
てください。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~davidyt/log001.htm
http://www.saturn.dti.ne.jp/~davidyt/log002.htm
http://www.saturn.dti.ne.jp/~davidyt/log003.htm
 全て修正を終わった時点で、これまでのサイトを閉鎖、上記サイトのホーム・
ページにリンクさせてしまう。

 メイルマガジンは200から番号を進めないこととして、しばらく200bis/
200ter/ 200quater/ quinquies/ sexies...等、200の付属とする。ぼくもquater
までしかこのやり方を知らなかった。quinquiesなんて聞いたこともなかった
が、ま、それまでに201号が発行できると思う。

 今月30日の200号記念の集りの参加者を尚募集する。四谷三丁目のパザパは、
いかにも普通のフランス料理を出す。値段も手ごろである。最近のフランス料理
というと見栄えばかりで内容がない。値段も場所代を払って且つ碌なものを食わ
せない。「痩せる」ことが至上価値であると信じている日本の老若男女にはそれ
でいいのかもしれない。「おフランス」志向の愚昧である。荷風はコンソメを頼
むか、その店のパンを食せば、あとの料理の良し悪しが分かると書いた(「西洋
料理」1915年)。もっとも、荷風はコンソメとは云わず「薄く澄みたるスープ」
といっている。愉快である。パザパはその点合格なのだが。読者の参加表明メイ
ルをお待ちしています。


 石川達三「蒼氓」(そうぼう)を読んだ。ネットにある日本ペン・クラブの電
子文藝館で全文を読むことができる。
http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/novel/novel-subhome.html
 第一回芥川賞受賞作。神戸にあったブラジル移民収容所での物語を書いたも
の。当時の農村の事情が赤裸々に描かれていて秀作である。芥川賞の名に恥じな
い。
 「蒼氓」とは石川の造語であろう。蒼は「青い」。「倉にとりこんだ牧草の
色」と漢和辞典にあった。「あおざめた」感じだけではなく「草木の青々と生い
茂る様」もいう。氓は「民(たみ)」。「移住民、また支配される民」の意味を
持つ。いいえて妙なる造語である。石川自身がブラジルに半年ほど移民した体験
がある。農民に同情するだけでなく、その狡猾さもよく描かれている。

 この作品に刺激されて同じ石川の「生きている兵隊」を読んだ。これは、従軍
記者として中央公論から南京に派遣された時(1937年)の小説である。この小説
が筆禍事件を起こし石川は執行猶予付きであるが禁錮刑四ヶ月の判決を下され
た。だが、これは反戦小説ではない。石川にいわせれば「あるがまま」を国民に
知らせんとして書いたのだそうである。裁判所での作者の証言をみても、石川は
つまるところ戦争協力者である。反戦の意思などない。勿論ニュアンスはある。
とんでもない右翼ではない。けれどもお国の戦争には反対しない。ただ、その戦
争における個人の問題を描いた。文章はこなれていない。それが石川のスタイル
かもしれないが。
 起訴される前の検閲の段階で全12章あるが、この全面的に伏字とされた最後の
2章が一番良く出来ている(中央公論新社、伏字復元版、1999)。

 荷風の「支那人」(後に改題「仮面」、1916年作)という短い小説がある。な
かに、支那人といつも間違われていた主人公長松が中国で生活するようになって
からの感想として「心あるものには皆さう感じられる通り長松さんにも日本の商
人といふもの程不信用な下等な人間はないといふ事をつくづく知った」とある。
 これは上海から南京に来た日本人商人たちを描写した石川達三の上記の小説中
の場面でも確認されるところである。

 小林よしのり「戦争論」(新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 1998年
及び2001年)を速読。くだらないものに時間を使ったと後悔した。去年出された
同論3巻目は予約を取り消した。めちゃくちゃなデマゴジーではないか。一度本
誌で小林について書いたので、ネットで読んだだけでは真意を計れないかもしれ
ないと思って、本を取り寄せてみたものの、その粗悪な論理に「いい加減にして
くれ」としかいいようがない。子供たち、青少年たちが、こんなゴーマニスムだ
かななだか知らないがペテンに誤魔化されてしまうのは耐えられないなぁ。今
の、劇画雑誌、漫画雑誌はこんなのをのせているのかしらん。未来派暗いぞ、こ
れは。

 上野で二人のホームレスと話をした。丁度自販機のコナーにダンボールを持ち
こんでこれから寝ようとする人たちであった。北風を避けるには都合の良さそう
な場所である。僕の缶ビールは受取らず、サンドイッチだけ分け合った。
 パリの地下鉄は冬開放されるのに、ここではしかし寒かろうというと住民票が
あるので施設が利用できないではないが、競争だし時々利用するだけであると。
塒(ねぐら)のないことには慣れているらしい。死んでしまえばそれまでだとい
うことのようであった。炊出しに並ぶ人は益々増えている。行政が不満というよ
りも、定期的な仕事がないことが問題である。どうして犯罪に走らないのかとい
うと、やはり自由が欲しいから、塀の中にはいってしまっては、人生お仕舞だと
のこと。ぼくがその方が楽じゃない、医者だっているだろうしと水を向けても、
警察のやっかいにはなりたくないと、、、。僕なら断然犯罪に走るね。無銭飲食
から始めて、必需品の窃盗、果ては、、、。為政者はよくも従順な羊たちを作っ
たものだ。

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発行者:田邊 好美(ヨシハル)
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