メルマガ:週刊フランスのWEB
タイトル:hebdofrance 05-01-2004  2004/01/05


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                              Davide Yoshi TANABE
                                 vous presente

              ≪週刊フランスのWEB≫
                    第200号
                                          Tokio, le 05 janvier 2004


                       Bonne fete et bonne annee 2004 !

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Index (目次)
        1.猿
        2.ドルイド教
        3.国立ピカソ美術館
        4.シャンソン ピアフ
        5.あとがき

フランス語のサイトの文字化けは
表示>エンコード>西ヨーロッパ言語の順で選択すれば修正することができま
す。

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1.singe
  http://www.insecula.com/contact/A006906.html

 猿singeという言葉にフランス人はどんなイメージを託しているだろうか。大
辞林では、「神聖視され、馬の守護神とされた」とあるが一方で、「小利巧な者
をののしっていうことば」とも書いてある。フランス語では尾の有無で英語のよ
うにapeとmonkeyの差がない。日本語と同じである。通常雌雄ともにサンジュ
singeであるが、敢えて分ける時はグノンguenon(雌猿)またはサンジェッス
singesseという語もある。

 知恵に関して言えば、「極めて器用で賢い」という意味から「悪知恵の発達し
た狡賢い」まで幅広く使われている。が、概してネガティヴな意味合いが強いよ
うだ。さらに美醜では「猿みたいに醜いlaid comme un singe」といわれるか
ら、猿にとってはとんだ迷惑だろう。
 ドデAlphonse Daudetの短文「猿 Le singe」に出てくる猿は紛れもなく「醜い
女」である。但し、決して初めから醜くはなかった。生活がそうさせたのであ
る。19世紀の後半(1878年)のパリの様子を映して興味ある作品である。
http://www.bmlisieux.com/litterature/daudet/singe.htm

 空手形の口約束をすることを「猿の金で払うpayer en monnaie de singe」と
いうし、山崎豊子のような盗作作家plagiaireもサンジュという。会社のボス
(上司)なんかも「猿」である。

 「猿みたいに醜い」とはいうものの、時と場合によっては「可愛い子ども」の
ことを指すので、赤ん坊をみせたところ「まぁ、お猿さんQuel singe !」とフラ
ンス人にいわれて怒り出すこともないかも知れない。微妙である。ところが、ス
ペイン語では子供ばかりでなく少年少女を誉める時に「お猿さんmono / mona」
という。こちらは例外なく「可愛い」ということ。

 サイトには猿にまつわる芸術作品が集められている。中に、シャルダン
Jean-Baptiste Simeon Chardinの「画家猿 Le singe peintre」がある。18世紀
の画家シャルダンの見事な皮肉である。猿芝居(喜劇)は当時の流行だったそう
だが、同じ画家の「骨董屋猿 Le singe antiquaire」と一緒にただふざけている
だけではない、画家の視点が面白い。シャルダンについては本誌133号(2002年7
月15日)に書いている。
http://members.at.infoseek.co.jp/davidyt/log133.htm

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2.le druidisme
  http://membres.lycos.fr/ayla01/druidisme.html

 フランスがまだ未開の地であったころ、即ちローマの影響を受けず、従ってキ
リスト教の洗礼に晒されていなかった頃、当時の西ヨーロッパにはケルトcelte
と呼ばれる民族がいた。そのうちピレネからラインに至る地域に住んでいた民族
をとくにカロア人gauloisと呼びフランス人の源流である。

 2004年はヨーロッパ連合UEが更に拡大される。ヨーロッパのアイデンティテー
identiteが問われるが、その所為かキリスト教以前のケルト文化に焦点を当てる
動きも盛んである。

 ケルトの宗教の一つとしてドルイディスム(ドルイド教)である。ドルイド
druideとは「賢人」を意味するらしい。祭司である。このドルイドになるために
は多年にわたる修行を必要とする。多神教plytheismeである。輪廻を信じていた
ようだ。しかも仏教からの影響があるわけでもないが、人は死後人になるだけで
なく動物や植物にもなり、その都度魂は成長していくと考えられたという。黄泉
(よみ、l'autre monde)との交流も可能だった。自然環境との関りも強い。そ
こにエコロジスト受けする側面がある。
http://groupedruidiquedesgaules.chez.tiscali.fr/lagedorduDruidisme.htm

 日本でも山の神、森の神、水の神などといっていかにも神道的自然観が古来の
日本人のものであるとして、もてはやそうとする傾向がある。あるいは無批判に
納得してしまうようだ。

 しかし、druidismeにしてもそれは別にシャーマニスムとも結びついていたの
であって、人身御供sacrifices humainsの風習もあったのだから、とても現代的
に許容されるものではない。ヨーロッパにおけるdruidismeは、キリスト教会下
で多神教、迷信として否定され客観的研究も難しかったであろうが、逆に賛美さ
れるものでもない。

 とはいえ、キリスト教がローマから伝わっても、その祭事、特にクリスマスや
復活祭にケルト宗教の影響が地方によっては残りまた教会によっても利用された
のである。

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3.Musee Narional Picasso
  http://www.musee-picasso.fr/

 ピカソ美術館はパリ国立ピカソを始め、紺碧海岸アンティーブAntibes、カタ
ロニア(スペイン)のバルセロナ、アンダルーシアのマラガ等々にある。
http://www.antibes-juanlespins.com/fr/art_culture/musees/picasso.html
http://www.museupicasso.bcn.es/index.htm (バルセロナ)
 僕が行ったことがあるのは、アンティーブとバルセロナだけである。

 作品の数として充実しているのはパリであろう。遺族が相続税を物納するシス
テムdation en paiementのお蔭であるようだ。これは、相続税を支払うために競
売等の方法で作品が市場(しじょう)にでまわってしまうのを防ぐ。芸術作品を
国家的資産とする思想から、作品の海外流出を防ぐのに役立っている。1968年の
法律である。
http://www.culture.gouv.fr/culture/infos-pratiques/fiscal/dation.htm

 ピカソの「ゲルニカGuernica」はパリで発表されたが、その後長くニュー・
ヨークにとどまり、フランコ没後1982年からマドリッドの王立近代美術館に展示
されている。しかし、民主化されたスペインとはいえ、共和主義者で共産党員で
もあったピカソの反戦絵画が、現カルロス王の妻、ソフィアの名が冠された美術
館に納められたのは、なんといっても矛盾である。バスク、カタロニア、カナリ
ア問題を抱えて、王制で統一を取ろうとするスペイン民主主義の脆弱さがそこに
ある。カスティーヤ(マドリ)はスペインの一部に過ぎない。また、そのスペイ
ンは、昨年イラク戦争に加担して派兵している。
 フランス国籍を無政府主義者として拒否されたピカソは、1973年に亡くなるま
でスペイン国籍の外国人としてフランスにいて、フランコの統治したスペインに
は帰らなかったのである。フランコの死は1975年。ピカソの遺志は明らかであ
る。

 パリの国立ピカソ美術館のあるマレーMarais地区は、丁度ポンピトゥ美術館の
東側、市役所の北側に位置して、パリでも古く、道が狭い。国立ピカソ美術館の
あるサレ宮はその名の由来も面白いけれども(塩salに税金がかけられていた
が、その徴税担当の貴族の館だった)、取壊して近代的ビルなどを建てずに、お
よそお金も余計かかるだろうに美術館として修復した。共有遺産patrimoineの意
識が、東京も京都も住民に希薄である。

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4.Edith Piaf
  L'homme au piano
    Paroles: JC Darnal. Musique: H.Henning, Terington   1954

Demandez a l'homme au piano,
Au piano, au piano,
De frapper a coups de marteau,
Coups de marteau, coups de marteau.
Qu'il frappe a tire larigot,
Larigot, juste ou faux.
J'sais qu'ses doigts ne sont pas en bois,
Mais, quand il les cassera,
On les fera remplacer...
Le principal, c'est qu'il joue
Comme une machine a sous,
Jusqu'au bout, sans arret...

ピアノ弾きに云ってちょうだい、
ピアノを、 ピアノを、
ハンマーで叩けと
ハンマーで、 ハンマーで
滅多矢鱈と叩けと、
矢鱈、と 調子はどうあれ、
彼の指は木製じゃないけど、
壊れてしまったら、
取り替えてくれるでしょう、、、
大事なのは弾くことよ、
まるでスロット・マシーンのように、
最後まで、止(とど)まることなく、、、

P't'etre que ton coeur entendra
Un peu de tout ce fracas
Et qu'alors tu comprendras
Que le piano joue pour toi.
Je dois chasser comme je peux
Le fantome silencieux.
Si le bonhomme fait du bruit,
C'est que moi je lui crie
De frapper comme un sourd.
Ca ne sonnera jamais plus faux
Que la chanson des mots
Qui parlaient de notre amour...

あなたの心にきこえるかもしれない
少しはこの大音響が
そしたらわかってくれるだろうか
ピアノはあなたのために弾いているって。
できれば追い払わなければいけない
物言わぬ亡霊を。
男が騒ぎたてるなら
それはわたしが男に叫ぶから
聾のように叩くようにと。
そうしても調子外れじゃない
歌われる歌よりも
私たちの恋を歌った歌よりも、、、

Demandez a l'homme au piano,
Au piano, au piano,
De frapper a coups de marteau,
Coups de marteau, coups de marteau
Pour casser dans mon cerveau
Mon amour en morceaux.
Meme s'il ne lui reste plus qu'un doigt,
Qu'il tape avec les bras,
Apres tout, moi j' m'en fous :
Le principal, c'est qu'il joue,
Comme une machine a sous,
Jusqu'au bout, jusqu'au bout...

ピアノ弾きに云ってちょうだい、
ピアノを、 ピアノを、
ハンマーで叩けと
ハンマーで、 ハンマーで
わたしの頭のなかで砕くために
粉々にわたしの恋を。
一本の指も残っていないなら
腕で弾けばいい、
どうせ、知ったこっちゃない:
大事なのは弾くことよ、
まるでスロット・マシーンのように、
最後まで、止(とど)まることなく、、、

Demandez a l'homme au piano
Au piano, au piano...
...au piano...

ピアノ弾きに云ってちょうだい、
ピアノを、 ピアノを、、、、
、、、ピアノを、、、

 この詩の作詞家ダルナルJean Claude Darnalは1929年生まれ。ヒッチ・ハイク
で世界一周をした。プアフ、グレコ、クラーク等のために詩を書くとともに、ギ
ターを弾きながら自らシャンソンをうたう。また小説もものしている。2004年現
在なお活躍中。
http://www.darnal.com/jean_claude/

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5.あとがき

 いっかな今月30日(金曜日)のパザパの200号記念ソワレsoireeに参加希望の
方から連絡がない。見放されたのかな。年末年頭のお祭りに忙しく本誌を見る閑
もないのかもしれない。来週から暫くホーム・ページ校正・更新のお報せ程度の
メイルしか出しません。

 「太陽を盗んだ男The man who stole the sun」を見た。監督は長谷川和彦。
このひと、これだけ面白いものを作るのにどうして監督業を続けないんだろう。
ゴジと呼ばれてファンもいるようなのに残念である。脇役で出てきた俳優たち
は、大島渚の映画でお馴染みの役者たち。ストーリーが面白い。奇想天外とは言
えないが、下手な「人道主義」がなくて、筋が通っている。ジュリーという多分
Jpopの歌手が主役を演じているけれど好演だった。結末もこれ以上はない。1979
年の作品とは思えない極めて今日的映画である。
http://dvdrama.com/fiche.php?1084

 そろそろ出さないと徹夜になる。

 2004年、よいお年を!
 
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発行者:田邊 好美(ヨシハル)
    〒 157-0073 東京都世田谷区
e-mail: davidyt@saturn.dti.ne.jp

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