hebdofrance 20102003 2003/10/20

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タイトル：hebdofrance 20102003 2003/10/20

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ Davide Yoshi TANABE vous presente 　　　　　　　　　　　　　　≪週刊フランスのＷＥＢ≫ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第191号 Tokio, le 20 octobre 2003 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ Index (目次）１．三段論法２．フランス漢学協会３．野鳥４．シャンソン　ピアフ　「ジャンとマルティーヌ」５．あとがきフランス語のサイトの文字化けは表示＞エンコード＞西ヨーロッパ言語の順で選択すれば修正することができます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 　　　　　　　　　　　　　　１．syllogisme 　　http://www.cyberphilo.com/index.html 　「計算、推論」という意味のギリシャ語が語源だが、普通三段論法と訳されている。大前提majeure、小前提mineure、結論conclusionと展開される論理である。　たとえば「全ての人は死ぬものである、ソクラテスは人である、故にソクラテスは死ぬものである」といった形をとる。　これは、時として詭弁sophismeを生む。やや極端だが、「全ての猫は死ぬものである、ソクラテスは死ぬものである、従ってソクラテスは猫である」、「全て希少なものは値がはる、安いダイヤモンドは希少である、かくして安いダイヤモンドは値がはる」。　落とし穴は、単純で上の例でいえば、死ぬのは猫に限らないし、希少なものでも無価値のものもあるということで、大前提の立て方に誤りがある。しかし、三段論法は、多くの場合かなり説得的で有効な論法である。　サイトは三段論法だけを説明したところではない。哲学一般である。辞書の説明よりは詳しく、しかし専門書よりは易しい。ここでsyllogismeを探すには、 notionをクリックして出てきたページ≪哲学のAからZまで≫の単語を選べば良い。ディオゲネスDiogeneの犬儒学派cynismeの項も読んでみたが、良くまとまっていると思う。バカロレアの哲学試験の準備にも使えるようにできている。賢人たちの言葉から引用するのがお好きな人にはcitaitonやtexteの項も便利だろう。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝２．Association Francaise d'Etudes Chinoises (AFEC) 　　http://assoc.wanadoo.fr/afec/htdocs/somm.htm 　最近のパリ大学の東洋語東洋文化学部の学生の多くは、日本語ではなく中国語を学ぶそうである。漢字という大きな障壁を乗越えれば、フランス人にとって中国語の方が、日本語を学ぶよりも容易であるといえないことはない。思考のベクトルが似ていると思われるからである。　日本語では、ローマ・ギリシャの賢人たちの名前をカタカナで出きるだけローマ・ギリシャの発音に近い形で表現しようとする。上記アイテム-1ででてきたソクラテスはフランス語ではSocrateであり、アリステレスはAristote、ディオゲネスはDiogeneである。ローマ・ギリシャ神話に登場する神々の名前についても同様であることは、本誌43号（2000年9月25日)で書いた通り。 http://davidyt.infoseek.livedoor.com/log043.htm 　ところが、中国人名等固有名詞となると、いや中国に限らず朝鮮半島のものとなると、ようやく最近のメディアでは変わってきているが、日本語になった漢字の読み方を採用している。だから、相当フランス語が日常良く話せる人でも、とたんにフランス語圏のひとたちと話がかみ合わなくなってしまう。　仏教Bouddhisme、儒教Confucianisme、道教Taoisme、孔子Confuciusや毛沢東 Mao Zedongなどはまだしも、さて老子は？となる。老子はLao-Tseu。　鄧小平はDeng Xiaoping、江沢民はJiang Zemin、朱鎔基Zhu Rongji、現在の国家首席胡錦涛がHu Jintao、首相温家宝Wen Jiabaoといった具合で、こうした固有名詞は新聞を読みTVでもみていないと分からない。　ぼくは「漢字名だから、フランス人が勝手にギリシャ人名やイタリア地名をフランス式に直してしまうのと同じだからいいじゃないか」という議論を全く無視できないにしても、これでは日本の新聞以外読めない。　そして従来から主張しているように漢文教育を止めて、中国語による中国学（歴史、文化等の研究）を学校教育（中学から）に取り入れるべきである。　サイトは法国漢学協会のページである。法国とはフランスであること云うまでもない。あまり大きなサイトではないけれども、リンクのページからフランスにおける中国学がどのようなものかその一端を知ることができる。　日本は古来中国学に関して世界でも最も進んだ国と思う。四書五経を教養として読まなくなった僕たちの時代、知っているようで知らない国に中国がなってしまった。しかし、似非共産主義から自由主義経済、グローバリスムに走る中国を根底から理解するためには、中国史は欠かせない。またその文化、例えば詩を読むために漢文訓読していては、永遠に隣国を知ることはできない。フランス語の文章を末尾から訳しはじめるのと同様の誤りを犯すことになる。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝３．L'Oiseau libre 　　http://www.oiseau-libre.net/ 　疲れたときに訪れるとよいサイトであろう。先ず、鳥のさえずりが聞こえてくる。現在159種の鳥の紹介がされている。小鳥から猛禽類まで、主としてヨーロッパの鳥類だが、フランスの海外県も含まれている。　沢山の写真を見ているうちはいい。日本ではトキが野鳥としては絶滅したようだ。フランスでも危機に瀕している野鳥が50種以上ある。その大部分（95％）が海外県の野鳥だとサイトに書いてある。　そうした事情を考えると、着易くサイトに現れる野鳥たちを見てはいられないが、しかし、サイトは大変大きく、たとえば、アルバムのページをみると自然と心和むのである。　鳥といえば、都会では鴉（カラス）か雀しかいなくなり、早朝耳をすましても聞こえるものが、新聞配達のバイクの音だけとは寂しい限りではないか。DVDで鳥の囀（さえず）りを手にいれねばならないとしたら。幸いにして、僕の住む世田谷のこのあたりでは、まだ、竹薮も林もあり、なんとか小鳥も庭にやって来てくれているが。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝４．Edith Piaf 　　Jean et Martine Paroles et Musique: Michel Emer 1953 Jean le routier roule sur la route. Il y a les arbres, il y a les champs, La pluie qui tombe a grosses gouttes, 'y a les virages, il y a le vent. Il y a le froid et le soleil. Il y a le jour, il y a la nuit Et la fatigue, et le sommeil Et les quinze tonnes, ca fait du bruit ...Mais il y a aussi a la maison Sa petite Martine et sa chanson. トラックの運転手のジャンは道をひた走る　木々、畑がある　大粒の雨がふることもある　カーブも　風もある　寒さも日が照る日もある　昼も　夜もある　そして疲れや眠気も　なにしろ15トン　うるさい音をたてる　、、、でも家には愛しいマルティーヌがいる　歌がある "Jean va rentrer de sa tournee", Chante Martine dans sa cuisine. "Il sera surement fatigue, Il aura sa pauvre petite mine Mais je pourrai le regarder Et l'embrasser pendant qu'il dine Et le soigner, le cajoler Et me serrer sur sa poitrine. Plus tard quand il s'endormira Moi, je serai dans ses bras..." 「ジャンが仕事から帰ってくる」　台所でマルティーヌが歌う　「きっと疲れているわ　冴えない顔をして　でもそんな彼をじっと見て　食事の間うしろから彼を抱きしめて　世話をして　甘えさせ　わたしは彼の胸に飛び込む　やがて彼が眠りについたとき　わたしは彼の腕の中、、、 Il y a du brouillard a sa fenetre. Martine attend... On a sonne C'est un monsieur avec une lettre. Il a l'air sombre et ennuye. "La Compagnie... Condoleances... Un accident... Faut signer la... Il y a les obseques et l'assurance..." Pourtant Martine ne comprend pas Ce n'est pas vrai... Elle n'y croit pas. Dans cinq minutes il sera la... トラックの窓に霧がふきつけ　マルティーヌは待つ、、、誰かがドアのベルを鳴らした　手紙を手にした男がひとり　彼は暗い顔をして辛そうにしている　「会社と致しまして、、、お悔やみを、、、事故が、、、ここに署名を、、、葬儀はございますそれから保険は、、、」　マルティーヌには何のことやらわからない　まさか、、、マルティーヌは信じない　それどころかきっともう直ぐ彼は帰ってくるって信じている、、、 "...Jean va rentrer de sa tournee", Chante Martine dans sa cuisine. "Il sera surement fatigue Il aura sa pauvre petite mine. ...Je vais le soigner, le cajoler... Et me serrer sur sa poitrine Plus tard quand il s'endormira... Non ! Non ! NON !... Jean... Jean... Oh ! Jean !" 「ジャンが仕事から帰ってくる」　台所でマルティーヌが歌う　「きっと疲れているわ　冴えない顔をして　、、、だから世話をして　甘えさせ、、、　わたしは彼の胸に飛び込む　やがて彼が眠りについたとき、、、イヤ、嫌、嘘よ！あなた、、、あなた、、、オーオ　ジャン！　作詞は1953年。フランスも自動車時代に入り、戦後復興から大量消費時代を迎えようとしている。流通の主流が鉄道からトラックに移行しはじめ、トラック運転手は花形の職業。街道はまだ整備されていない、そこで過剰労働による交通事故も絶えない。　最近厳しい交通規制で交通事故がかなり減っていると報道されているフランスだが、この歌のような悲劇はまだまだ繰返されている。　Michel Emer（1906-0984）はEdit Piafの数ある恋人たちの一人として噂されたこともあるようだが、真相はわからない。Piafの為に作詞作曲したシャンソンとしては外に本誌でも既に訳された有名な「アコーデオン弾き L'Accordeoniste」（1940年年）、「恋なんてなんになるのA quoi ca sert l'amour」（1962年）等がある。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝５．あとがき　tete-a-teteという言葉がある。意味は「差し向かい、二人きり」。teteの初めの「e」には、屋根のようなアクセント記号がつく。理由は語源が「testa、頭」だから、「s」が発音されなくなり書かれなくなった残骸のようなものである。　ところで、これは「テート・ア・テート」とは、発音されない。どんなフランス人も「テート・ア・テート」といわれて分かる人はいない。　「テタテット」といわなければならないのだが、東京の、こともあろうに上智大学の地元四谷にしかし「テート・ア・テート」なるフランス料理屋があるそうである。困ったものだ。フランスでも修行したと言うシェフの顔がみたい。さぞかし薀蓄をいろいろと聞かせてくれて、似非仏蘭西料理を出してくれることだろう。　僕は「テート」といわれると「帝都」を思い浮かべた。帝都とは東京のことである。先々週書いた五島慶太の東急から戦後京王帝都電鉄が独立したが、そこにもまだ「帝都」の文字が見える（現在は京王電鉄）。　先週自転車Veloの項で、書き忘れたことがある。東京の町を自転車に幼い子供を乗せて母親が走っている。あれは危険である。先日、横転した母親を見た。幸いにして、その四五歳の子供はヘルメットを被っていた。経験がそうした用心をさせたのかもしれないが、自転車で幼児を運ぶ神経がわからない。自転車の前後に一人づつ幼児を乗せて走る母親もいた。幼児は母親（父親でもいい）が手を繋いで、横断歩道をわたり、車が通る側を母親が歩けばいいのだ。そこに親子のコミュニケイションが成立する。信じられないほど狭い道路を自動車が行き交う、一方通行でもない都会の道だけれども、自転車の方が余程徒歩よりも危ないと思うのは僕だけなのか。　ダイエー・ホークスは強いなぁ。親会社ダイエーは、大きくなりすぎて、巨額の負債を抱えて青息吐息。野球チームも売りに出されるかもしれないのに、王 Wangさんのダイエーは凄い。　面白いところに王物語が乗っていた。 http://www.city.sumida.tokyo.jp/~kyoudobunka/00ousann.htm 学校の成績のことは掲載されていないが、成績も抜群であったと聞いているから、スーパー少年だったんだ。中国（台湾）系移民の子らしいけれども、その辺の事情はわからない。1940年生まれだから、戦中戦後苦労したに違いない。今は地元でも持ち上げられて、上記のサイトのように書かれているが、野球少年の時に、後楽園に初めて試合を見に行った時のエピソード、与那嶺（名前からして多分沖縄からハワイに移民した日系アメリカ人）だけがボールにサインをしてくれたというエピソードは、王が台湾系だからとはいわないが、当時の日本の、いやあまり現代も変わりないが、メンタリティーが表れていて、その裏にあった何かを想像させる。　必要に迫られてGrevisseを買った。1936年に若きフランス語教授グレヴィス Maurice Grevisseが著わした文法書「Le Bon Usage」である。ジッドAndre Gide が1947年、最も優れた文法書とお墨付きを与えたという。基本文法ならベシュレルBescherelleでいいけれども、やはりしっかりした文法を調べるにはこの書に限る。Grevisse教授の後は婿のAndre Goosse教授が担当している。　日本語によるフランス語文法書では朝倉季雄（すえお）「フランス文法事典」（白水社）が有名であるが、僕は所持していない。日本語の文法用語が嫌いだからである。あの半過去形imparfait、大過去plus-que-parfait、節proposition 等々の訳語を見ると頭が痛くなる。　初めネットでalapageというところにこの書を注文したら、数週間後に在庫なしと言われ、それではとamazonのフランスに注文しなおしたのである。アマゾンからは10日ほどで書物が届いた。alapage社で、こんなことが起きたのは初めてでない。何かこの会社のシステムが悪いのではないかと疑われる。本誌でもネット・ショッピングでalapageを紹介したことがあるが、こんなことでは推奨できない。　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝発行者：田邊　好美（ヨシハル）　　　　〒　157-0073　東京都世田谷区 e-mail: davidyt@saturn.dti.ne.jp 「カンパ」よろしくお願い致します。郵便振替口座　名称　HEBDOFRANCE　番号　00110-2-314176 成城学園前郵便局当ＭＭのホーム・ページは http://members.at.infoseek.co.jp/davidyt/hebdofrance.index.html 次ぎの２サイトをミラーとします。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/9981/ http://davidyt.infoseek.livedoor.com/hebdofrance.index.html ここからＭＭ発行所にリンクし、解除手続きができます。解除は各人が購読を申し込んだ発行所、まぐまぐ、Pubzine等から行ってください。eGroupを除いては僕が管理人ではないため、解除手続きが出来ません。悪しからずご了承お願いいたします。過去ログ(archive)も上記ホーム・ページで全てご覧になることができます。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

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