hebdofrance 03022003 2003/02/04

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タイトル：hebdofrance 03022003 2003/02/04

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ Davide Yoshi TANABE vous presente 　　　　　　　　　　　　　　≪週刊フランスのＷＥＢ≫ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第157号 Tokio, le 3 fevrier 2003 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ Index (目次）１．ヴィア・カンペシーナ　国際農民運動２．ガルダーヌ　南仏の鉱工業３．女性行進４．シャンソン　ピアフ　「ディンダンドン」５．忘れられたフランス人トックビル　「民主政治と愚衆政治」６．あとがきフランス語のサイトの文字化けは表示＞エンコード＞西ヨーロッパ言語の順で選択すれば修正することができます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 　　　　　　　　　　　　　　１．Via Capmpesina 　　　反グローバリスムの国際農民運動である。サイトは残念ながら英語とスペイン語のみ。　ヴィア・カンペシーノは農協の組織ではない。小作や自作農、小規模農園主たちを組織している団体が参加している運動である。本部は中米のオンドゥラス（ホンジュラス）。1992年マナグア（ニカラグア国）で開かれた国際農民連盟会議で設立が決まり、第一回大会が1993年ベルギーで、1996年にはメキシコで第二回大会が開催されている。　フランスからはBoveのいるConfederation Paysannne France(CPF)が加入している。フランス語によるVia Campesinaの説明はCPFにあった。 http://www.confederationpaysanne.fr/via.htm 　多くのヨーロッパ、北米、中南米の農民団体の名が見られるが、アジアからは今のところフィリピン、タイそしてインドとパキスタンだけである。国際交流が大好きでどこかで大会があるとよく参加して、帰朝報告をなさる日本の農民団体の名前はみえない。どうして日本から継続的参加がないのか、また日本は招待されていないのか Via Campesinaの本部にメイルをいれてみた。返事があれば来週にでも本誌の「あとがき」に書こう。　日本のNPOや組合のなかでもフィリピンや韓国と連帯しようという組織はある。しかし、大きな運動にはとてもなっていない。各国のエゴ以外に言葉の障壁もありそうだ。しかし、連帯という国際感覚に音痴な面がある。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝２．Gardanne 　　http://www.ville-gardanne.fr/ 　ガルダーヌは南仏の人口2万人ほどの小さな町である。しかし、ここには欧州一のアルミ精錬工場（ペシネイPechiney）と炭鉱Les Houillerers de Provenceがある。石炭を利用した大火力発電所（25億KW/h）もある。南に大都市マルセイユおよび日本では中小都市だろうがエックサンプロヴァンスAix-en-Provenceを北に控えているので電力需要が大きい。　しかし、2月1日この炭鉱が2005年の予定を前倒しして閉鎖された。石油へのエネルギー転換に抗して、いままで採掘されてきたが経済的効率のまえについに灯が消えたのである。1000人以上の失業者がでる。早速、この町宛にその困難さにたいして sympathieを示すメイルを出してしまった。前項ではホンジュラス、こうメイルをすぐに出すのは「メイル魔」になったのか？　ガルダーヌはまた画家セザンヌが一時住んでいた村でもある（1885-1886)。当時セザンヌが描いたこの村の景色をサイトで見ることができる。　来る2月8日土曜日、市の中心の広場に大きなカンテラを用意して炭鉱閉鎖に伴うセレモニーを行うそうである。閉鎖の怒り、胸に迫る万感、スキャンダルを越えて炭鉱の最後を記念するために集まろうとは、市長の呼びかけである。セレモニーがあったからといって、全てが終わるわけではない。困難なのはこれからだ。　去年の大統領選挙第一回投票結果を見るとガルダーヌでは極右Le Penが22.7％第二回投票では実に28.6％を得票している。全国に比べて相当高い数字である。共産党がもともと強い地盤をもっているところであるにも拘わらず極右が台頭した。左翼に対する強烈な批判であろう。市長メイRoger Mei氏（左派連合）はまた1977年からと長期政権である。　炭鉱を市民が自主経営するような道はないのだろうか。石炭が出なくなってしまったということではないようなのだから。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝３．Marche des femmes 　　http://www.maisonsdespotes.net/ 　フェミニストの団体がする行進ではない。2月1日、「仲間の家協会(Federation Nationale des Maisons des Potes)」が女性だけの行進を始めた。poteというのは友達amiという意味の俗語。「Salut, mon pote（ciao, my friend）」などとつかう。悪い言葉ではない。行進はパリの郊外（南方）Vitry-sur-Seineを出発点に3月8日までフランス各地をデモして歩くのだそうである。　ヴィトリ・シュル・セーヌのサイトは、 http://www.mairie-vitry94.fr/ 若い女性が同じく若い男性に焼殺されたというショッキングな事件があったところである。　スローガンは「Ni Pute, Ni Soumise」、日本語で言うとちょっとキツイが「娼婦でもなく、女卑でもなく」。フランスの郊外問題はすでに日本でも知られる社会問題だろうが、通常郊外（banlieuとかquartier）というと不良少年たち、男たちの問題として取り上げられる。しかし、その裏で実は女性たちが安心して外に出られない深刻な問題があるのである。そこで郊外の女性たちが立ちあがった。　一般的にフランス社会における女性の地位は高い。しかし、郊外、即ち比較的貧困階層では、様々な外国人、男尊女卑の風習の国々からきた移民たちの間では女性が不当に扱われていることが多い。メゾン・デ・ポットMaisons des potesは非暴力非宗教のNPOであある。　i-Tele（インターネットのTV)でもこの行進について大きく取り上げていた。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝４．Edith Piaf 　　Ding DIN dong 　　Paroles: Raymond Asso. Musique: P. Dreyfus 1936 Quand il naquit, son no sa mere, Depuis longtemps, ne s'aimaient plus. Ca fait qu'il arriva sur terre Un peu comme un enfant perdu. Quand on est mome, ca vous degoute De ne jamais rire de tout son coeur, Alors, tres jeune, il prit la route Et s'enfuit chercher le bonheur. 男は生まれたとき、父さんと母さんは　ずっとまえから　愛しあっていなかった　だからまるで孤児（みなしご）のようにして生まれた　子供の時　心から笑えないなんて　嫌なこと　だから　とても若かったけれど　幸せを求めて　男はあてどない旅に出た {Refrain:} Ding Din Dong, chantons sa plainte. Ding Din Dong, chantons-la donc. ディンダンドン　男の歎きを歌おう　ディンダンドン　男の歎きを歌おう Il chercha dans la solitude. Il chercha aussi dans le bruit. De chercher, ayant l'habitude, Quand il le trouva, il s'enfuit. Puis il aima, elle etait blonde. Elle l'aimait bien, oui mais voila : Elle se donnait a tout le monde. Il la battit puis s'en alla. 男は孤独のうちに探し求めた　騒ぎのうちに探し求めた　求めること　慣れっこになって　見つけると　すぐ逃げた　そして女に恋した　ブロンドだった　愛してくれたけれど　だけど　その女はみんなのもの　男は女を打って立ち去った se donner、ここではse prostituerと同義か、そこまできつくなければ「身をゆだねる」 {Refrain} Il se dit : "Les blondes sont volages, Mais les cheveux noirs c'est plus serieux." Il prit un brune, promit mariage, Pensant qu'cette fois il s'rait heureux. Au bout de cinq a six semaines, Elle s'ennuyait a la maison. "Vraiment", dit-il, "je n'ai pas d'veine. Elle a pourtant pas les ch'veux blonds." 男のひとりごと　「ブロンドは移り気　でも黒髪はきっと身持ちがいい」　ブルネットをえらび　結婚を約した　こんどこそ幸せとおもった　なのに五六週間ほどで　女は家でうんざりしてしまった　男のひとりごと　「なんて　ついていないんだ　あの女はブロンドじゃないのに」 veineは「静脈」、avoir de la veineは成句で「幸運をうる」、面白いですね。語源的にはラテン語のvenaがすでにインスピレイションの意味をもつらしいけれども。 {Refrain} Il ne savait pas que les femmes, Ca n'aime pas l'bonheur quotidien Et l'pauvre garcon s'torturait l'ame : "Mais j'l'aime... mon Dieu... Ah que j'l'aime bien." Et, mordu par la jalousie, Y n'savait plus que s'lamenter. "On va m'la prendre, elle est jolie." Alors il voulut la tuer. 男はそんな女たちしか知らなかった　だから日々の幸福を嫌う　哀れな男はさいなまれた　「あいつが好きなのに　あゝ　あいつが本当に好きなのに」　嫉妬にかられて　悲嘆にくれるばかり　「あいつを俺のものに　あいつは美人」　だから女を殺そうと考えた　 {Refrain} Mais elle etait vraiment fidele. Il l'aimait tant qu'il prefera Se faire sauter la cervelle. Il en mourut et puis voila. Si cette histoire vous fait rire, C'est que vous n'avez rien compris. Il cherchait le bonheur, le pire Est qu'il trouva la mort, tant pis... 女はほんとうに浮気者じゃなかった　男は愛したから自殺を選んだ　死んで　そしてそして　こんな話があなたを笑わせるなら　あなたはなんにもわかっていない　男は幸せを求めていた　一番不幸なのは自分で死んでしまったこと　しかたない、、、 Ding Din Dong, finit sa plainte... Ding Din Dong, et Ding et Dong... ディンダンドン　男の悩みもお仕舞い　ディンダンドン　ディンドン具体的事件でもあったのだろうか、わからない。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝５．忘れられたフランス人　　Alexis de Tocqueville 1805 - 1859 　　http://www.ifrance.com/tocqueville/ 　トクヴィル（トックビル）はノルマンディーの貴族の家に生まれた。父は断頭台の露となって消えこそしなかったがフランス革命で投獄されている。この出自は、革命後に生まれたトクヴィル本人にとっても重要な事件であった。　トクヴィルは始めて国政選挙にうってでたときこそ落選したが、1839年から1851年まで国会議員になっている。51年に辞任したのはルイ・ナポレオンのク・デタの所為である。　政治家になる前は判事だった。その時代にアメリカに刑事裁判制度の視察に公式にでかけ、といっても10ヶ月に渡るものでいわゆるお役人の物見遊山ではないが、調査結果が「米国における監獄制度とそのフランスにおける応用」である。しかし、別途 1835年と1840年に有名な「アメリカの民主主義についてDe la Democratie en Amerique」を著わした。アメリカ民主主義分析の古典となっている。若きトクヴィルがアメリカで経験し、見聞きしたことが平明なフランス語で書かれている。憲法、制度、道徳、地理などである。　トクヴィルは貴族である。生まれも精神も貴族である。自由、平等、法を擁護する。しかし大衆そして愚衆を本能的に受けつけない。革命を呪う。フランス革命の結果は評価するが、暴力を伴った革命を否定する。フランス革命がなくてもフランスは民主主義を獲得できたと考えている。確かにトクヴィルは市民戦争なしにフランスの植民地の奴隷開放に貢献したし、刑務所の改革にも寄与したろう、しかし、僕は1789 年の革命、パリコミューン、1968年の革命は起こるべくして起こった革命であったと思うし必要であったと思う。さらにこれからも自由の獲得の為に革命は必要だろう。　洋の東西を問わず、トクヴィルが議論の場に引き合いに出されるとき、人は都合のよいところだけをかいつまんでトクヴィルの名前を利用している。少なくともそういう印象がつよいところでデモクラシーの擁護者に祭り上げられているようにみえる。とりわけ今日ネオリベラリストと称する連中に。　サイトはトクヴィルの生涯からその作品、思想まで極めて詳しく、大きなサイトである。トクヴィルを尊敬してやまないリールⅢ大学の社会経済学教授、Eric Keslassy氏が運営しているようだ。トクヴィルは貧困層pauperisme, pauvrete de masseについて決して市場経済自由主義を目指していなかったと同教授は書く。トクヴィルの現代的意味を問い直したいのだろうが、贔屓の引き倒しにならないだろうか。僕は時代の制約、出自の制約があっても当然でそれがトクヴィルを卑しめることにはならないとおもう。マルクスだって同じことで、信奉者はいつでも通用するオールマイティーalmighty（フランス語はatout）だというが、信奉が信仰になり宗教の教祖になってしまった例がある。　いずれにせよ、トクヴィルを読みなおすことは面白い試みであろうとはおもう。注意して読むならば。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝６．あとがき　読者の方MK様から3000円のカンパをいただきました。その報せが日曜日に届きました。カンパ広告を出すように進められてから最初のカンパが武蔵野の方から届いたのです。MKさんありがとうございます。なんか勇気が沸いてきました。感激です。　なにも目くじらを立てることはないとおっしゃるかもしれないが、日本のお涙頂戴のTVドラマには呆れてものがいえない。ドラマといえば泣けばいいのかい。泣かせればいいのか。それも刑事ものでこうだ。時代劇となるとさらに酷い。警察が犯人を見てみぬ振りをし、モラルを語る。とんでもない。警察が犯罪を防止するのはいいが、それ以上に警察は犯人を探し逮捕するところで、判断は司法が行わなければならない。大岡越前や遠山の金さんの時代は警察と司法が一体だったかもしれないが、それを今に持ち越されては適わない。犯人とおぼしき人物に警察が暴力を振るう。たとえ現行犯でも、司法判断、判決がでて罪が確定するまで、犯人（被告）は無罪推定のはずではなかったか。TV局やドラマの作家というのはどうなっているのだ。ドラマで正義が、しかもちょっとひねった正義が勝つのは胸がスカッとして気持ちがいいかもしれない。しかし、こうしてメディアは視聴者の意識を誘導しているのである。そして社会的制裁などという村八分思想を容認し助長している。「世間の常識」が罷り通るようでは知性intelligenceが存在しないのである。　今年も1月末からブラジルのポルト・アレグレで世界社会フォーラムが開かれた。当事国の大統領ルラが、ダヴォス会議（スイス）に招かれて、ほいほいと出かけていって演説した。労働貴族だね。反グローバリスムの旗を掲げてアメリカと対抗するといいながら、対話が必要だとダヴォスで語っている。組合だって労使で話し合わなければならないのだからという。そうかね。ダヴォスはプレスティージュなんだ。そこで何が決まるわけでもない。政治家は変節するもの。しかし、みなさん幻想があるようだ。ルラ大統領の金融政策を検討したのだろうか。ルラはダヴォスに行くべきではなかった。　竹中平蔵大臣がTVに出ていた。日本銀行にマネー・サプライを増やせという。国債を買うだけでなく、株価連動ファンドを作り株を買えという。恐ろしい政策である。今、株を買えばいつか膨大な利益を生むかもしれない。しかし、中央銀行が株価操作をするなどとはとんでもない。そんな政策の日本円が暴落しないのも不思議といえば不思議。株価を支えれば、銀行の不良債権増加が防げるだろう。けれどもそれでは根本的解決にならない。銀行が増資するって！　誰が銀行の株を買うのだ。冗談ではない。駄目な銀行はつぶすより方法がない。税金などつぎ込むな。つぎ込む税金は預金者、それも中小預金者の保護だけでよい。日銀に政府の政策の責任転嫁をするのはいい逃れ。僕は土地の国有化を含むドラスティックな政策しか日本再生なないと考えている。それで日本の資本主義が終わるわけではないのだ。日本人が出来ないなら、 TroussierやGhosnの例にならって外国人を大臣にすえればいいのかな。そういえば戦後実施された世界に類をみない革命的農地改革はアメリカの占領下にあった日本で行われたのだった。憲法にも内閣法にも大臣の国籍条項がないようだから、外国人でもよさそうだ。　ネットオークションを利用してみた。ネットの本屋alapage.frやamazon.frは利用しているが日本のオークションサイトを利用するのは始めてだった。Yahooは会員登録が必要であるし有料となっている。Lycosは無料だ。　帰国して3年経った。衣料品に穴があいたり裂けたり散々である。着たきり雀でもないが、一遍に多くの衣料品を持ったことがかってないので始末が悪い。オークションのシステムは興味あるものだ。捨てるよりも寄付するか売ったほうがいい。ところがオークションのサイトには多くのプロがいた。店舗をもっている場合もありヴァーチャル店舗の場合もある。しかしプロだ。家庭の不用品を処分するのとは違う。個人の出品者は概して安いものを出している。本当に価値あるものはプロが高値で買って、再びオークションに出しているよかにみえる。しかし、リサイクルショップよりも値打ち物と思われるものがでていることもある。多くの場合送料が結構かかるので注意が必要だ。セコハンsecond handのジーンズを買った。サイズはぴったり。500 円。でも送料が1.000円でした。　デフレの世の中とはいえ、そうそう物価は下がっていない。可処分所得は、僕の場合は例外なのか、日本の平均としては高水準でバブルの時よりも多いという統計だ。ネットを上手に利用したいものだ。　僕が注目し殆ど尊敬している青年のサイトを紹介する。 http://www.ne.jp/asahi/kuma/radical/ ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝発行者：田邊　好美（ヨシハル）　　　　〒　157-0073　東京都世田谷区 e-mail: davidyt@m2.ffn.ne.jp 郵便振替口座　名称　HEBDOFRANCE　番号　00110-2-314176 成城学園前郵便局当ＭＭのホーム・ページは http://members.tripod.co.jp/davidyt/hebdofrance.index.html 次ぎの２サイトをミラーとします。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/9981/ http://davidyt.infoseek.livedoor.com/hebdofrance.index.html ここからＭＭ発行所にリンクし、解除手続きができます。解除は各人が購読を申し込んだ発行所、まぐまぐ、Pubzine等から行ってください。eGroupを除いては僕が管理人ではないため、解除手続きが出来ません。悪しからずご了承お願いいたします。過去ログ(archive)も上記ホーム・ページで全てご覧になることができます。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

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