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タイトル:Daily Drama Express 2012/02/10 13歳のハローワーク (5)  2012/02/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2012/02/10 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 13歳のハローワーク
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜23時15分
キャスト 小暮 鉄平[2012年:松岡昌宏 / 1990年:田中偉登]
 高野 清文[1990年:横山裕 / 2012年:古田新太]
 真野 翔子[1990年:桐谷美玲]
 仁科 佳奈[2012年:沢木ルカ]
 佐々木紀夫(小松和重)
 東  唄子[1990年:風吹ジュン]
 酒井 敏行[1990年:光石研]
脚本   大石哲也
主題歌  TOKIO「羽田空港の奇跡」(ジェイ・ストーム)

あらすじ 第5話「伝説のイカ天ブーム来たーー!!」

         鉄平(松岡昌宏)は、道端でケンカをしていて補導した女子中学生
        の聴取をしていた。が、その中学生佳奈(沢木ルカ)は、鉄平の話を
        聞かず、ipodで音楽を聞きだした。呆れた鉄平はそれを取り上げ
        た。流れてきた曲はPerfumeの「チョコレートディスコ」だっ
        た。

         取り調べ後、鉄平は鼻歌交じりに「チョコレートディスコ」を歌っ
        ていると、高野(古田新太)が「のんきな部署はのんきなもんを歌っ
        ているな」といつものように皮肉ってきた。

         ん、鉄平はふと思った。もしあの時代であいつがフリーターのまま
        だったら、今頃俺の方が上司だったりして……。そんなところへ例の
        謎の男から電話がかかって来た。
        「お前だろ、いつも俺を過去へ連れて行くのは……」
         鉄平は、無意識に走り出し、気がつくとテッペイ(田中偉登)の通
        う塾の教室にいた。

         テッペイたちはブレーンバスターズ(ブレバス)というバンドの話
        題で盛り上がっていた。剛志の兄がブレバスというバンドを組んで、
        イカ天キングにあと一歩までいったのだという。ブレバスは知らない
        が、イカ天はなつかしい。テッペイは相変わらず「俺はバンドマンに
        なる」と浮ついているが……。

         鉄平はまた唄子(風吹ジュン)に呼ばれ、ブレバスの現場マネージ
        ャーをしてほしいと頼まれた。ブレバスは唄子がプロデュースしたバ
        ンドなのだ。鉄平は高野(横山裕)を連れてブレバスに会いに行った。

         ブレバスは4人組のバンドで、イカツイ恰好をしていたが、リーダ
        ーの康介(木村了)以外は礼儀正しい好青年だった。康介は鉄平と高
        野を人とも思わない傲慢な態度でこき使った。

         あいつ、人気があるからって!と鉄平は翔子(桐谷美玲)や高野に
        愚痴をぶちまけながら、ポケットに手をやるとipodが出てきた。
        2012年から持ってきてしまったらしい。珍しがる高野と翔子に
        「チョコレートディスコ」を聞かせると、「聞いたことない」2人と
        も怪訝な顔をして、バンド名を聞いてきた。
        「Per……いや」
         未来から来たことがばれてはならないと思った鉄平は慌てて口をつ
        ぐみ、周囲をきょろきょろ見回した。すると冷蔵庫の上にパインの缶
        詰があった。
        「そう、パインズだ」
         鉄平は適当に答えた。「聞いたことないバンドっすね」と高野は首
        をかしげた。

         康介は熱かった。ステージ上では別人のようにまっすぐで、情熱を
        傾けていた。だが、それが行き過ぎて、バイトで練習を休むと言った
        メンバーを突き飛ばし、「練習全然足りねえんだ。今週は全部あけろ」
        とどなり散らすこともしばしばだった。

         2012年から来た鉄平にしてみれば、ブレバスはおそらくメジャ
        ーデビューすることなく消えて行くバンドだろうと察しが付く。「ま
        っ、未来なんてもんはわからないしなあ」。帰り道、鉄平はそう高野
        にぼやいた。と、もしここで俺が手を打てば、高野を捜査一課から遠
        ざけることもできるかもと鉄平は思った。
        「おまえさ、バンドマネージャー向いているよ。うん、お前天職じゃ
        ないか」
         鉄平は高野に強く勧めてみた。高野は「うーん、そうっすか?」と
        返すだけだった。そして「ちょっと用事があるんで」と言って去って
        行った。

         鉄平はテッペイに呼ばれて、剛志の家に行った。バンドを組んだの
        だと言う。それで聞くのに付き合わされた。だが、剛志は殺人的に音
        痴だった。鉄平は「ステージに立てるのはほんの一握りだぞ」とたし
        なめた。

         高野は翔子と落ち合って、ある高級レストランに行った。翔子は高
        野の伝手を頼って、OB訪問をかけてさらに内定を獲ろうとしていた
        のだった。現れたのは高野の大学時代の同期で、一流商社の社員だっ
        た。翔子が20社も内定を獲ったと知ると、高野に見習って働けと言
        った。
        「その気になれば、親のコネでどんな会社でもはいれんだろ」
        「どんな会社にも?」
         翔子は驚きを隠せなかった。
        「けどさ、そういう無限の可能性ってのが、実は一番不自由なんだよ
        なあ」
        「あたし、帰る!」
         唐突に翔子は席を立って、店を出て行ってしまった。母子家庭の翔
        子には高野の恵まれた環境はコンプレックスを刺激するには十分すぎ
        た。翔子は「自分には努力しかない。努力こそ持たざる者の最終兵器」
        と自分に言い聞かせた。

         ブレバスのテレビ出演が決まったと剛志は塾のみんなに自慢して回
        った。だが、そのころブレバスは緊急ミーティングでボーカルを康介
        から別の女子に変更することを決めた。インパクトを与えるための唄
        子の方針だった。

         康介は荒れまくって飛び出したが、すぐに唄子に会いに行き、土下
        座して自分をボーカルに戻してほしいと頼み込んだ。しかし唄子は相
        手にしなかった。その話を聞いた剛志は「デビュー前からスター気取
        りしてクビかよ。こんなことならバンドやっていることなんか隠しと
        けばよかった」と散々文句を言った。黙って聞いていた鉄平は「おま
        え、明日テレビ局に来いよ」とだけ言った。

         本番当日、ブレバスのメンバーは緊張の面持ちで出番を待っていた。
        ところが出演15分前になって、ドラムのアツシが急性腹膜炎で倒れ
        てしまった。「代わり探して来い!」という怒声が響き、鉄平はテレ
        ビ局中を走り回った。様子を見に来た康介も話を聞くと、方々に電話
        をかけて代役を探した。

         しかしそのかいもなく代役は見つからなかった。諦めるしかないと
        いう空気が漂った。そのとき、鉄平は思った。高野なら……。鉄平は
        「お前なら何でもできるだろ」と言って、スティックを持たせた。

         演奏が始まった。だが、高野の様子がいつもと違う。茫然として、
        全く動けない。鉄平が合図を送ったので、たたき始めたが、リズムも
        テンポもバラバラ。スティックを落として転がしてしまい、慌てふた
        めいて拾いに行って、ベースのアンプのコードを抜いてしまい、曲が
        停まってしまった。もうやめさせろ!とスタッフから指示が飛んだ。

         そんなとき、間違ってスタジオ内に和太鼓が運び込まれてきた。そ
        れを見た鉄平はとっさにステージに和太鼓を出し、自ら音頭をとった。
        それがドラムの太鼓のリズムに近かったので、ギターがそれに合わせ、
        ボーカルも立ち直り、最後まで演奏しきることができた。

         引き揚げてきた後、康介はメンバーに冷たい飲み物を配った。鉄平
        は剛志にそれを見せながら、「こういうのも含めてバンドだ。お前の
        好きなのはボーカルか?バンドか?」と聞いた。「バンドだよ」。剛
        志はにっこり笑った。

         だが高野は1人落ち込んでいた。翔子の部屋に帰ってきても一言も
        しゃべらず暗くなっていた。テレビを見て、高野の失敗を見ていた翔
        子は言った。
        「なんでもできる人間なんかより、どこか欠けている方があたし
        は……」
         翔子は一瞬言葉に詰まり、「ほっとするわよ」と付け足した。

         すると、高野はいきなり翔子にキスをした。驚いた翔子は高野を突
        き飛ばしたが、高野は「そうだよね。なんでもできる必要なんてない
        んだよね。そうか、俺、なんか吹っ切れた。ありがとう、翔子ちゃん」
        と無邪気に喜んだ。
         それを見た翔子は腹を立て、奥へ引っ込んでしまった。

         翌日剛志が塾に来ると、みんながヒソヒソと剛志の悪口を言ってい
        た。あんなに自慢してたのに、と。だが、剛志は「テレビに出ようが
        出まいが、兄ちゃんはミュージシャンだ」と堂々と言った。テッペイ
        は「よーし俺もプロのドラマーになる!」と言って、教室に入った。
        「おい、お前には無理だ」と鉄平は止めようとして、教室に入ると、
        そこは2012年で、ドラムが置かれた部屋だった。

         なに、俺本当にドラマーになったの?と思っていると、剛志が入っ
        て来た。聞くと今はガールズバンドのプロデューサーをしているとい
        う。康介はというと、バンドブームが終わったあとブレバスは解散、
        今は実家の八百屋を継ぎ、アマチュアバンドのボーカルをしていると
        いう。「そうか」。鉄平はちょっとほっとした。

         警察署に戻ってくると、「チョコレートディスコ」の鼻歌を歌う高
        野が歩いてきた。
        「それはのんきな生活安全課の鼻歌でしょ」
         鉄平はからかった。すると高野は憤慨した。
        「お前、これは懐メロだぞ。パインズってバンドが歌ってたんだ」
        「えっ」
         パインズって俺が教えた名前じゃん……。一体高野は何をどこまで
        覚えているのか……。鉄平は頭が混乱してきた。



寸  評  イカ天、懐かしいワードだと思いました。もっとも私はバンドブ 
       ームとは無縁で、そんな番組があるということくらいしか知らないの
        ですが。それにしても このドラマ、タイムスリップと高野の記憶の
        モチーフの方が気になって仕方がありません。そのせいで、いろんな
        職業についてのエピソードはあまり印象に残りません。職業エピソー
        ドだけではドラマにはならないのでしょうけど、プロジェクトXじゃ
        ないですが、それぞれの職業の裏のドラマみたいなものを見せてもい
        いのではないだろうかと思ったりもします。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 昨年12月に放映された「Schola坂本龍一音楽学校」のロック編の講
義を聞いて、プレスリーの音楽について初めて知りました。プレスリーという
と、日本では70年代の奇抜なファッションのイメージが強い気がしますが、
実際衝撃的だったのは、デビューしたての1950年代半ば。黒人の節回し
(R&Bとかブルース)を白人の青年が歌うというのは、当時の人種差別の根
強い保守的な時代にはかなり衝撃的だったそうです。つい先日図書館でプレス
リーのCDを借りて聞きましたが、「Hound Dog」とかはかなりイン
パクトが強く、プレスリーといえば50年代こそ最もセンセーショナルだった
というのも納得がいくことです。(けん)

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