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タイトル:Daily Drama Express 2012/02/03 13歳のハローワーク (4)  2012/02/21


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2012/02/03 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 13歳のハローワーク
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜23時15分
キャスト 小暮 鉄平[2012年:松岡昌宏 / 1990年:田中偉登]
 高野 清文[1990年:横山裕 / 2012年:古田新太]
 真野 翔子[1990年:桐谷美玲]
 仁科 佳奈[2012年:沢木ルカ]
 佐々木紀夫(小松和重)
 東  唄子[1990年:風吹ジュン]
 酒井 敏行[1990年:光石研]
脚本   大石哲也
主題歌  TOKIO「羽田空港の奇跡」(ジェイ・ストーム)

あらすじ 第4話「あの大ヒット漫画家の成功の秘密を探れ」

         ある日、鉄平(松岡昌宏)は、高野(古田新太)にそれとなく聞い
        た。
        「警察に入ったの何歳ですか?」
        「28歳だ」
         28歳か。あいつたしか27歳って言ってたな。ということは翌年
        警察に入るわけか。
        「高野さんは、東大卒なんですよね?どうして警察に入ろうとしたん
        です?」
        「……そんなこと、お前に言う必要はない!」
         高野は一瞬言葉に詰まり、不機嫌そうな顔で取り合わなかった。

         鉄平は、なんで俺のことを忘れてんだとぶつくさ言いながらエレベ
        ーターに乗り、そして降りた。するとそこはまたもや1990年にな
        っていた。

         しかも警視庁の副総監がちょうど通りかかった。よし、名前を売っ
        ておくかと思っていると、高野(横山裕)が現れた。副総監は高野を
        不出来な息子と叱りつけていた。なんと高野が副総監の息子とは!こ
        りゃなおさら高野と仲良くしておかないとと思わざるを得なかった。

         鉄平は塾へ行った。するとテッペイ(田中偉登)は「俺漫画家にな
        る」と騒いでた。クラスに岡島真人(高杉真宙)という漫画のうまい
        子がいたのだ。全く節操がないと鉄平は呆れた。

         その夜、鉄平は高野にこれからは家族ぐるみの付き合いをしようと
        言って、父親のことをそれとなく聞いた。しかし高野は絶縁している
        と言い出した。間を取り持ってやるよと言うと、「俺は愛人の子なん
        すよ」とぼそっと言って黙り込んだ。鉄平は悪いことを聞いてしまっ
        たと謝った。

         真人は出版社に自作漫画を持ち込んで認められ、デビューを持ちか
        けられた。しかし真人の親は漫画を描くのに反対していて、出版社と
        交渉ができない。テッペイは、鉄平に保護者役を頼んだ。

         鉄平は気が乗らなかった。なぜなら真人の末路を知っているからだ。
        13歳で鮮烈なデビューを飾るも、自分の好きなジャンルや絵を描く
        ことが許されず、悩みこんだ末に失踪してしまったのだ。

         とはいえ、真人が真剣なので、付き添うことにした。案の定、編集
        者は「才能は感じるけど、どうもストーリーが地味なんですよね」と
        言って、インパクトの強い原案を出し、それを絵に起こしてほしいと
        言い出した。

         真人は悩んだが、断って後悔するよりはと、描きたくない漫画では
        あったけれど、引きうけることにした。1週間で作品を作らなくては
        ならない。しかし家で仕事をしてたら親に見つかって止められてしま
        う。唄子(風吹ジュン)は事情を聞くと、部屋を貸した。デビューの
        後押しをしてひと儲けしようという算段だった。鉄平は高野とともに
        アシスタントとして協力することになった。

         鉄平は思った。もしここで自分がかかわって、将来も漫画を描き続
        けることができるなら、意味があるかもしれない。しかし相変わらず
        なんでも器用にこなす高野に比べ、鉄平は細かい作業ができず、ミス
        ばかりだった。

         そんな中、真人の父親が塾に迎えに来ることになった。帰りが遅い
        ので塾で漫画を描いていると疑っているらしい。そこで、高野が補習
        をしている様子を見せ、鉄平は高野の家で一週間合宿させて成績を上
        げますと提案して、父親の許可を得た。

         真人は一睡もせずに漫画を描き上げた。自分の描きたい漫画じゃな
        いけれど、修業だと思えばいい。父親は高卒で自分に大学へ行けと言
        うけれど、デビューすれば認めてもらえるはずだからと真人は鉄平と
        高野に語った。

         鉄平と高野はスーパーへ買い物に行った。そこでは真人の父親が働
        いていた。ちょうど昼のかき入れ時で人が足りない。そこで鉄平は高
        野を助太刀させた。この日の特売は国産高級豚肉を使ったとんかつロ
        ースだった。しかし厨房に入ると、そこにあったのはブラジル産豚肉
        だった。

         真人は編集者に完成した漫画を見せたが、「なんかつまらないから、
        別のプロットで描いてみて」と言われた。高野は才能を感じたならも
        っと自由に描かせろよと怒りを露わにしたが、才能があっても売れな
        ければ意味がない一蹴されてしまった。 それでも真人は別のプロッ
        トで漫画を描くことを受け入れた。

         その日高野は、唐突に翔子(桐谷美玲)に呼び出された。なんでも
        日帰りの内定懇親会のはずが、企業側は1泊2日と言い出したという。
        翌日大手証券会社の最終面接があるため、怒った翔子は途中の山道で
        バスを降り、雪の中を立ち往生していたのだ。

         迎えに行った高野は、なんでそんなまでして内定を取るのに躍起に
        なっているのかが不思議だった。すると翔子は、自分が母子家庭で育
        ち、周りからかわいそう、苦労としていると言う目で見られてきたこ
        とを打ち明けた。翔子にはそんな風に哀れな目で見られるのが苦痛だ
        った。だから最高の就職先を勝ち取って、自分の力で生きて幸せにな
        るしかないと翔子は思っていた。

         そのころ、根を詰めて漫画を描いていた真人はついに溜めこんだ思
        いが爆発し、大声をあげて泣きながら描き上げた漫画を破り捨てた。
        「こんなんじゃない、こんなんじゃない、僕が描きたいのは……」

         真人が漫画を描いていたことがばれて、カンカンに怒った父親が塾
        にやって来た。しかし唄子は産地偽装のことを持ち出した。鉄平も言
        った。
        「あんた、そんなんで胸張って商売できんのかよ?」
        「そんな、きれいごとじゃ商売はできない。妥協だって必要なんです」
         そのとき、「僕は妥協しない!」と叫んで真人が入って来た。たと
        え認めてもらえなくても僕は自分の好きなものを描くと言い放った。
         結局真人は出版社の依頼を断った。それが自分の正直な気持ちだっ
        た。デビューできず、か。鉄平はよかったような、悪かったような複
        雑な思いにとらわれた。

         その夜銭湯に向かう道で、高野は「アニキ、俺嘘ついてました。愛
        人の子だなんて。親父のこと触れられたくなかったんです」と言いだ
        した。「おまえ、嘘付きやがって」と鉄平は高野を小突こうとした。
        高野は走って逃げ、銭湯の暖簾をくぐった。鉄平も後を追って暖簾を
        くぐると、そこは2012年だった。

         鉄平はすぐ、「漫画家 岡島真人」で検索した。しかし1件もヒッ
        トしない。無理にデビューして失踪した人生を回避できたかもしれな
        い。しかしデビューすらできないでいるということは、悲惨な運命を
        もっと悪い方へ導いたのかとため息をついた。

         だが、真人は夢を諦めてなかった。2012年。真人はフリーター
        をしながら、好きな漫画を描き続けていた。自分の描きたいものを描
        き続ける真人の顔つきは惨めでもみすぼらしくもなく、活き活きとし
        ていた。



寸  評  現実に妥協するか、夢を追い求めるか。デビューできても追い詰
        められて破滅、デビューできなくても好きに描いていられる。果たし
        てどっちがいいのか。真人の場合は活き活きとしていられるから後者
        の方が良かったと言えるのでしょう。たぶん価値観の問題なのだと思
        います。妥協してもデビューできていた方が幸せと言うこともあれば、
        好きなものを描いていて芽が出ないから惨めに思えてしまうこともあ
        る。要は人それぞれ。自分にとって一番納得のいく選択肢がなんであ
        るのかを知っていれば、どんな結果になっても悔いが残ることはない
        のだと思います。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 部屋を整理していたら、学生時代のドイツ語の授業の教科書(副読本)が出
てきました。パラパラと眺めていたら久しぶりに読んでみようかという気にな
りました。50ページほどの薄いものですが、さてどれくらいで読めるでしょ
うか。(けん)

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