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タイトル:Daily Drama Express 2011/10/21 11人もいる (1)  2011/11/22


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2011/10/21 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 11人もいる
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜23時15分
キャスト 真田一男(神木隆之介)
 真田実 (田辺誠一)
 真田恵 (光浦靖子)
 真田二子(有村架純)
 真田三子(金井美樹)
 真田四郎(平岡拓真)
 真田五月(赤石那奈)
 真田六助(福島北斗)
 真田七男(福島海斗)
 真田才悟(加藤清史郎)
 真田メグミ[享年30](広末涼子)
 鈴木ソアラ(野村麻純)
脚本   宮藤官九郎
主題歌  NICO Touches the Walls「バイシクル」(キューンレコード) 

あらすじ 第1話「宮藤官九郎が描く…今だから“大家族”」

 真田家は10人家族。父の実(田辺誠一)はフリーのカメラマン。
けれどほとんど仕事がない。母の恵(光浦靖子)はカフェ「日だまり」
を開いているが、お客の入りは少ない。なので、目下の稼ぎ頭は高校
生の長男の一男(神木隆之介)で、そのバイト代が頼りだ。

 決して裕福とは言えないけれど、それでもにぎやかで明るい家族、
と末っ子の才悟(加藤清史郎)は思っている。

 ある晩才悟は押入れから女の人がすすり泣く声を聞いた。「誰?」
と思って、開けてみるとアルバムが落ちてきた。そこには才悟の見た
ことのない若い女性(広末涼子)が写っていた。

 10人家族だけあって朝からにぎやかだ。長男一男が恵と朝ごはん
を作っている中を他の兄弟たちがあーだ、こーだと支度に追われてい
る。実はそんな中で1人のんびりくつろいでいる。根っからの長男気
質の一男はイライラいている。

 実はそんな一男が少し心配だ。 一男は貧乏という言葉に過敏だっ
た。一男は進学を諦め、家計を支えなくてはいけないという思いにと
らわれている。一男は実の弟ヒロユキに会い、生活費を無心した。し
かしヒロユキの方も不況で会社の業績が悪化、社長はお金を持って逃
げてしまい、借金取りに追われている有様だった。ヒロユキの表情は
暗く、頬は痩せこけているように見えて、一男はそれ以上何も言えな
くなってしまった。

 一男は肩を落として、とぼとぼ帰ってくると、家の中から賑やかな
笑い声とともに「肉は?肉は?」という声が聞こえた。「そんなのお
父さんに聞いてよ」という恵の声に、一男はたまらなくなって、もと
来た道を自転車で突っ走った。「なんで、なんで俺だけが……」。貧
乏が惨めに思えて仕方なかった。

 その晩、才悟はまた女の人の声を聞いた。押入れを除くと、30歳
くらいのホステスのようないでたちの女性がいて、お酒を持ってきて
という。そのとき一男が帰って来た。するとその女性は「一男」とつ
ぶやいた。なんで知っているんだろうと才悟は不思議に思った。

 翌朝才悟は頭が痛く、学校を休んだ。件の女性はずっといたが、実
や恵は気付かない。才悟にしか見えないらしい。どうやら幽霊のよう
だ。その女性は、才悟以外の母親だと言った。そしてなんで才悟がい
るのかと聞いた。それがわからなきゃここを立ち去れないと言う。

 才悟は恵に馴れ初めを聞いた。恵は調理を勉強し、お金をためて店
を開いた。そこへタウン誌の取材のカメラマンとして実が来て出会っ
たのだと言う。その後恵は妊娠、実と結婚することになった。初めは
7人もの子持ちと知って驚いたが、みんなでカフェの看板を製作して
出迎えてくれたり、実が前の奥さんもメグミという同じ名前だったこ
とも何もかも包み隠さず話してくれてすっきりすることができたのだ
った。

 その晩、一男が帰ってくると、いきなり家族会議が開かれた。実の
弟ヒロユキが一男から渡されたという30万円を返しに来たという。
額が大きいのは、一男は学校を休んでいたせいだった。一男はガソリ
ンスタンドの朝番をし、夜も遅くまでバイトをしていたのだった。才
悟は大人しく聞いていたが、ふと数えていると11人もいる。見ると
メグミが混ざっていた。

 実は学校を休むのはやめろを言った。一男は心外だった。今まで助
けてくれてたヒロユキが苦しんでいるのを見捨てるわけにはいかない
と思っていたが、実は関係ないことだと言い切った。さらに家計を助
けようなんてことも考えるなと。一男の中で溜まっていたものが噴出
した。
「それだったら、うちはどうなんだよ。だからいつまでも貧乏なんだ
よ!」
「貧乏、うちは貧乏なのか?」
 実は泡を食ったような顔をしたが、すぐに目をとじさせて多数決を
とると言った。
「うちが貧乏だと思う人?」
 実は手を挙げさせたが、自分も目をつぶっていたので数えてなかっ
た。
「はい、うちは貧乏じゃない。世の中は不公平なんだ。それを気に病
んでれば家族のストレスになる」
 実はそう一男に言った。
「はぁ、なら仕事しろよ。カメラ売れよ!」
「やめなさい。お父さんのカメラは人の心を変える力があるんです。
お父さんのカメラと食事がある限り、うちは貧乏ではありません!」
 メグミが怒りだして、一触発の雰囲気になったが、そのとき病院か
らヒロユキが飛び降り自殺をはかったが、幸い紙おむつの山がクッシ
ョンになって骨折で済んだという連絡が入り、実や一男は慌てて出て
行った。

 残った才悟は、メグミがちょっと得意げな顔をしているに気付いた。
聞くとやはりメグミが助けたのだった。メグミはアルバムを引っ張り
出した。昔の家族写真。でもメグミは1枚も写ってない。理由を聞く
と、実に撮ってもらったベストショットがあるからもういらないと思
ったせいと言う。それは才悟が見つけたアルバム写真のことだった。

 メグミは元ストリッパー。そこへ取材に来た実と出会い、結婚した。
幸せな日々だった。けれど写真を撮らなかったのは死んでみて後悔し
たと思う。もっと思い出を残したかったと涙ぐんだ。「どう思う?」
とメグミが聞いた。「いいと思う。きれいな写真だもん」。「やさし
いね」。メグミはにこりとした。

 1週間後退院したヒロユキがやって来た。写真を撮ってほしいと言
う。入院中、実が気晴らしにと写真を撮ってくれたが、仕事に追われ
た暗い顔をしていたので、撮り直してほしいと思ったのだと言う。恵
が作ったカレーをおいしそうに食べている瞬間を実は撮った。歯がカ
レーで黄色く、冴えなかったが、明るいいい写真だった。それをもら
ってヒロユキは仕事へ戻って行った。

 その晩、実は一男に大学に行きたいなら行けよと言った。金のこと
は心配するなと。しかし一男は「いいよ、自分でなんとかするから」
と吹っ切れたように言った。「でも、父さんの小遣いもなくなるかな」
と付け加えた。「そ、そうか。いいよ。自分で何とかするから」と実
も笑った。

 一男は思った。助け合ったり、励まし合ったりする必要はない。む
しろそうしないでいられるのが家族なんだと。そして、うちは貧乏じ
ゃないんだと心底思った。

 実に久しぶりに仕事が入った。新宿2丁目のゲイバーでの仕事だ。
実は張り切って出かけて行った。
「やばい、やばいよ」
 メグミは才悟に言った。

 実が店に入ると、そこにはバイトしている一男がいた。目を合わせ
た瞬間実も一男もお互い固まってしまった。



寸  評  食傷気味の家族がテーマですが、クドカンということで非常に楽
しみでした。見終わっての感想は、クドカンらしいリズム感、テンポ
感でしたが、ストーリー自体は父親がだらしなくて家が貧乏みたいな
ステレオタイプなものでした。ひと昔前だとそれもほほえましいので
すが、今の時代の貧乏というのはまじめに働いても暮らしが楽になら
ないワーキングプアが主流です。スローライフを謳いたいのかもしれ
ませんが、そうしたくてもできない、貧乏というよりは貧困というの
が現実です。その点で違和感のある出だしでした。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 11月にメンタルヘルスケアマネジメントの試験を受けるため勉強中です。
ここ1,2年、ストレスに関する研修や教育が増えてきていて、かなり本腰を
入れている風潮のようです。職場や周囲を見渡してもうつ病は特別な病気では
ない状況になってきています。子どものころと比べてみるとやはり息苦しい時
代なんだなと思います。(けん)

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