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タイトル:Daily Drama Express 2011/03/20 スクール!! (最終回)  2011/05/09


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2011/03/20 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル スクール!!
局  名 フジテレビ系
放映日時 日曜21時00分
キャスト 成瀬誠一郎(江口洋介)
 桐原伊織(西島秀俊)
 武市かの子(北乃きい)
 大橋 仁(塚本高史)
 岡本幸恵(市川実和子)
 本木友一(三浦翔平)
 村上美香子(ふせえり)
 柏葉太一(田窪一世)
 西園寺綾(吉井有子)
 脇谷九十郎(塩見三省)
 吉村百合子(堀内敬子)
 武市幹城(岸部一徳)
脚  本 秦建日子 他
主題歌  サンボマスター「希望の道」

あらすじ 第9話&最終話「その手を掴む勇気を持て!!子供か廃校か? 校
長先生、涙の選択」

 事態を重く見た脇谷(塩見三省)は教職員に新宮小の廃校を打ち明
けた。その話は児童たちの間にも広まり、不安と動揺に包まれた。

 幹城(岸部一徳)が路上で倒れたという連絡が入り、成瀬(江口洋
介)とかの子(北乃きい)は急いで病院へ向かった。だが、幹城は悠
然と「天寿は人にはわからないもの。一生懸命生きるだけですよ」と
言って、お酒を飲もうとしていた。
「成瀬くん、これからの新宮小を頼みますよ」
 幹城は成瀬を見ておもむろにそう言った。
「申し訳ありません」
 成瀬は頭を下げた。一時の感情に流されてつい廃校を口走ってしま
ったことを成瀬は打ち明けた。幹城は教師は児童に裏切られるのも仕
事のうち、それでも手を広げて待ってほしいとアドバイスした。幹城
はまた、原翔子の携帯に兄からのメールが多いことを話し、DVは兄
によるものだろうと言った。

 成瀬はすぐさま翔子の家に行き、半ば強引に連れ出した。兄から引
き離すためには仕方ない措置だった。報告を受けて、脇谷はこの際だ
から廃校を受け入れるのもしかたないのではないかと提案した。5年
のクラスでは翔子がいじめられる動きが出ており、そうなるなら廃校
で児童が新しい環境に行くのが解決策になると考えたのだ。しかし教
職員の誰もそれを受け入れなかった。成瀬がそれを認めるはずがない
とわかっていたからだ。

 翔子は頑なにDVを認めなかった。成瀬はDVの腹いせにいじめを
するならば、今教室では翔子をいじめようとしていると話した。それ
でも翔子は心を開こうとしなかった。

 翌日翔子は登校した。クラスの児童はあいさつした。
「あれ、あたし空気じゃないの?どんなことしてくれるわけ?」
 翔子は挑発した。だが児童たちは成瀬に一喝されて、話し合いをし
ていた。そしていじめはしないと決めたのだった。
「へえ、素敵。涙が出ちゃう」
 翔子は煽るように言った。すると児童たちは口々に「いじめはしな
いけど、原さんは嫌いだ」と言った。全員にそう言われ、さすがに翔
子もショックを受け出て行ってしまった。

 一部始終を見守っていた成瀬が入ってきた。そして静かに新宮小が
統廃合の対象に入っていることを話した。
「小学校は俺にとっては家みたいなもので、6年間一緒に過ごす仲間
は家族だと思っている。けどみんながそう思わないならバラバラにな
っても仕方ないと思う」
 成瀬の話に児童たちは静まり返ってしまった。
「結局、先生はどうしてほしんですか?」
 1人の児童が口を開いた。
「どうしてほしいということはない。ただ考えてほしい」
 成瀬は考えることによっておのずと答えが見える。すでに答えは出
ているはずだと成瀬は思っていた。

 そこへ大橋が入ってきた。そしてこの1年間教室で受けた授業妨害
について率直に語った。1対1ならともかく、1対集団になれば耐え
られない辛さになる。
 それは暴力だと話した。すると翔子にいじめられていた白石和澄が
立ちあがった。
「あたしは翔子ちゃん嫌いじゃない」
 和澄は翔子と幼馴染で昔は優しかったという。そこへ突然幹城が入
ってきた。成瀬は後を大橋に任せ、幹城と屋上へ行った。

 幹城は翔子と会って、自宅に連れて来るつもりだったが途中で見失
ってしまったのだと言う。
「時代は変わっても小学校は変わらない。いいもんだね」
 元気に学ぶ児童を見て幹城は満足そうだった。
「成瀬くん。よろしく頼む。伝言してくれ。自分を救えるのは自分だ
け。変わろうとしなければ何も始まらない」
 成瀬はしっかりうなずくと翔子を探しに行った。

 だが、そのさなか幹城が倒れて急死した連絡が入った。それでも成
瀬は悲しみを抑えて翔子のもとへ急いだ。翔子は自宅へ戻ってきたと
ころで、兄が出迎えていた。成瀬は幹城の最後の言葉を伝えた。幹城
の死を知って翔子は兄に言った。
「兄ちゃんはおかしいと思う。病院へ行って治して」
 言い終えると翔子は成瀬とともに家を出ることにした。



 その晩、学校で桐原が金属バットで殴られたという連絡が成瀬に入
った。翔子を連れさられた腹いせで翔子の兄が新宮小に乱入し、バッ
トを振り回して器物を破壊していると言う。すぐさま成瀬は学校に向
かうことにし、翔子も連れて行くことにした。

 成瀬は翔子を兄から引き離したことが裏目に出たと思った。こうな
った以上は警察への通報も考えなくてはならない。それでも翔子に会
わせることで兄の心に変化が起きればと思った。

 だが兄は成瀬の話を聞こうとしなかった。しかも他の教職員が廃校
を恐れて通報に踏み切れないと知るとさらに破壊行動はエスカレート
した。
「俺はこどもだぜ。子どもを守るのがお前らの仕事なんだろ?」
 すると成瀬は言った。
「お前は子どもじゃない。ただの犯罪者だ。悪いことをすれば警察に
捕まる。それを教えなくてはならない」
「そんなことすると廃校になるんだろ?いいのかよ」
「それが翔子とお前のためになるならかまわない」
 成瀬の指示で桐原(西島秀俊)が警察に通報しようとした。
「やめろーっ!」
 おびえた口調で翔子の兄はバットを振り回した。

 結局新宮小は3日間閉鎖され、事件は新聞に掲載された。これで廃
校は間違いなしという空気が流れた。成瀬に悔いはなかったが、幹城
への申し訳なさでいっぱいだった。翔子の兄は施設に送られ、両親も
戻ってきた。大橋が奔走して、家を出ていた両親を説得したのだった。
ただ翔子自身は心に傷を負い暫くケアが必要だった。

 落ち込む成瀬に桐原が叱咤した。
「私は以前、限界があるならそれを超えればいいと言われました。あ
なたも今そうであるはずです。たとえ廃校になるとしても最後の日ま
では校長です。最後まで全力で取り組むのがあなたではないのです
か?」
 聞いて成瀬は奮起した。すぐさま廃校を止める嘆願書を集める陣頭
指揮に立った。教職員も一丸となって取り組んだ。

 それからしばらくして、教育委員会から連絡が入り、成瀬と脇谷が
出向くことになった。成瀬は教育長に嘆願書を渡した。全校児童、教
職員、保護者、地域住民の声のすべてが集まっていた。だが教育長は
まったく目を通さず、すでに決裁は済んでいる、詳細は区長から聞い
てほしいと言うだけだった。

 区長は幹城の教え子で、成瀬の15年くらい上の人だった。区長は
極めて例外的な措置として、廃校は白紙に戻したと言った。数日前児
童たちが区長に直談判に来たのだと言う。実は児童たちも行動を起こ
していた。5年生は全員で翔子の家に行き、翔子も仲間になって区長
に新宮小存続を訴えた。区長はそれに打たれて決めたのだと言う。
「あいつら……」
 成瀬は万感の思いだった。だが、不祥事を不問に付すことはできな
いので、成瀬が退任すること、新校長は脇谷にすることでけじめをつ
けると区長は言った。成瀬はそれを受け入れた。そして脇谷に自分の
退任はしばらく伏せるように頼んだ。

 成瀬は学校に戻った。
「さあみんな、学校を直そう!」
 いつもの成瀬の掛け声に、児童たちも元気よく従った。新宮小は不
祥事があったことがうそのように明るさを取り戻し、中でも5年生ク
ラスは楽しそうな笑い声が響いていた。

 そうしているうちに終業式を迎え、最後に成瀬が挨拶に立った。成
瀬は自分が今日で校長を辞めることになったと話した。
「みんなの父親になると言ったのに、本当にすまない」
 成瀬は頭を下げた。そして、児童たちに情熱を持って生きろと訴え
た。自分がトンネル工事にかけた思いは消えない、それと同じように
この半年間注いだ情熱は誇りだ。これからどんな苦難が待っていても
くじけない自信がある。みんなも苦しいときにぶつかったら、今日俺
の言ったことを思い出してくれ、と言った。
「俺はみんなと一緒に過ごせたことを誇りに思う。一生の宝だ。あり
がとう!」
 成瀬は思わず涙ぐんだ。

 児童たちは、みな真剣な表情で聞いていた。初めてここに来た日、
疲れて座り込んだ児童がいたのに、今日は誰1人そんな児童はいなか
った。成瀬の実績だなと教職員は改めて思った。

 成瀬は職員室で教職員の前で挨拶した。みな口々に新宮小を守るこ
とを誓った。数年でまた廃校話があがったら顔向けできないからと一
様に気合いを入れていた。5年生もみなやって来て、成瀬を見送った。
「お前ら、俺は24時間営業だ。いつでも来いよ」
 そう言って、成瀬は学校を出て行った。

 成瀬は今後のことはまだ決めてなかった。とある歩道のベンチに座
りながら、成瀬はスカイツリーを眺めた。634mの常識破りのタワ
ーだと幹城が言っていたのを思い出した。成瀬は百合子(堀内敬子)
から贈られた「道の途中」という銘柄の焼酎を取りだした。
「幹ちゃん飲みましょう!」
 成瀬はグラスを2つ出して、注いだ。
「あーっスカイツリーはでっかいなぁ。みんなーがんばれよーっ!」
 成瀬は空高くそびえるスカイツリーを見上げながら叫んだ。(完)


寸  評  最後は幹城が主役を食うほどの活躍で、成瀬は少々かすんでしま
っていたように見えました。死を賭して行動されては、いくら主人公
が頑張ってもインパクトの強さで負けてしまうと思います。
 民間人校長をキーワードにしていて、閉鎖的で沈滞した学校に活力
を入れるという意図は見て取れたのですが、特段民間人でなくとも熱
血教師でも十分担える役割だったような気がします。民間というイメ
ージは効率性や生産性と結びつくので、最後まで違和感はぬぐえなか
ったと思います。
 また校長としては、教職員、児童どちらにも向き合うというのは理
解できますが、それでも話の作りとしてはどっちかに比重を置いた方
がよかったと思います。なんとなくどっちつかずで、児童たちの抱え
る問題に深く切り込めず、教職員も、成瀬と主役を張るほどの桐原が
最終回はあまり目立たなかったように思いました。
 率直に言うと、面白くないわけではない、かといって面白いわけで
もなく……。学園ドラマとしての出来栄えはいい方だと思いますが、
やはりありきたりな内容だったように思います。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 東北関東大地震で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。私は直
接的被害を受けた地域ではありませんが、スーパーに食料品が不足している、
計画停電や鉄道の運行制限などの影響を受けています。阪神淡路大震災や中越
地震のときにはこのようなことはなかったので、今回のことで、地震によるパ
ニックには戸惑いの連続でした。自分としては節電や募金くらいでしか協力で
きないのが心苦しいのですが、一刻も早く被災からの復旧がなされることを願
う次第です。(けん)

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発行元:ドラマ研究会
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