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タイトル:Daily Drama Express 2010/10/26 フリーター、家を買う。 (2)  2010/11/09


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/10/26(Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル フリーター、家を買う。
局  名 フジテレビ系
放映日時 火曜21時
キャスト 武 誠治(二宮和也)
 武 誠一(竹中直人)
 武寿美子(浅野温子)
 永田亜矢子(井川 遥)
 千葉真奈美(香里奈)
 大悦貞夫(大友康平)
 豊平哲平(丸山隆平)
原  作 有川浩『フリーター、家を買う。』
脚  本 橋部敦子
主題歌  嵐『果てない空』(ジェイ・ストーム)

あらすじ  第二話 どうせオレは恥ずかしい息子だよ

 目覚めた武誠治(二宮和也)は、体の痛みにうめく。

 親子3人、無言で朝食を食べている。

 誠治はおずおずと、「オレ、バイト始めたから.....就職活動もち
ゃんとするから.....その、バイト代入ったら、生活費も入れるから..
...最優先は.....」と切り出す。

 話している途中で、武誠一(竹中直人)は、「ごちそうさま」と立
ち上がって、出勤してしまう。

 誠治はおずおずと今度は武寿美子(浅野温子)に、食事終わったら、
薬飲んでと言う。だが、寿美子の返事は無い。


 大悦土木で、朝の訓示を受け、ラジオ体操をして、トラックの荷台
に乗って、工事現場へと向かう誠治たち。

 現場に着くと、千葉真奈美(香里奈)は誠治に、袖はまくらずに、
きちんと伸ばす。ズボンの裾は、ブーツの中に入れる、と注意する。
何で、注意されなければならないんだよ、と反発する誠治。

 真奈美は、安全管理はわたしの仕事だから、と言う。誠治は、オタ
クの方が上?と訊く。25歳だけど、と真奈美。

 だが、真奈美はゼネコン・喜嶋建設の社員だとわかる。誠治は、大
悦土木は喜嶋建設の下請けで、オレはその大悦土木に雇われたバイト。
真奈美の方が、ずっと上じゃん、と確認する。真奈美は測量機をセッ
トしながら、上も下も関係ない。同じ目標に向かって、頑張る仲間で
はないか、と言う。え?という顔の誠治に道路を作ること、と真奈美。

 真奈美が行ってしまうと、豊平哲平(丸山隆平)が声を掛けてくる。
若いね、と誠治。20歳と哲平。オレ、26と威張る誠治。哲平は、
自分は年下でも、ここでは先輩、と胸を反らす。

 誠治は、真奈美が喜嶋建設の社員だって、知っていた?と話を振る。
哲平は、当たり前だろう。オレたちと、ヘルメットの色が違うだろう
と言う。納得する誠治。

 袖を下ろした誠治は、今日は途中で倒れることなく、土運びをする。


 作業が終わると、呑みに行くか、という話になる。誠治は、用があ
るからと断る。

 哲平は、事務員の星野あかり(岡本玲)を誘う。だがあかりは、
「また今度」と断る。またって、百回以上断られてるんですけど、と
強引に出る哲平を、さらりとかわして、あかりは、事務所を出る。

 一緒に事務所を出た誠治に、どうして誠治は飲み会に参加しないの
かと訊くあかり。誠治は、就職活動中だから。元、四つ葉電子に勤め
ていたんだけど、やりたいことは、もっとほかにあると思って、辞め
たと言う。『四つ葉電子』の社名に、「すごーい」とあこがれの声を
上げるあかり。そして、新しい職場が決まったら、そこの社員との飲
み会に呼んで欲しい、と言う。どうして?と訊く誠治に、早く結婚し
たい、とあかり。誠治が、哲平が誘っているけど。哲平は、あかりこ
と、好きなのでは?と訊く。あかりは、ゼネコンの社員ならいいです
けど。なかなか出会いが無くて。大悦土木の人となんて、考えられま
せん、と言う。


 帰宅した誠治は、就職サイトを見ていたが、途中で居眠りしてしま
う。


 翌日、現場に到着すると、必要な資材がまだ届いていないことが判
明する。哲平は、発注はゼネコン社員の責任だよな、と言う。

 走っていって、電話を掛け、発注の確認をする真奈美。あかりが、
9月15日と伝票に書かれていることを示す。真奈美が、一生懸命頼
んでも、発注を一日早めることはできない。

 現場に戻った真奈美は、深々と頭を下げて、辞意は明日にならない
と調達できない。申し訳ございませんと謝る。社長の大悦貞夫(大友
康平)は、資材がなければ今日一日、作業はできない。一日の遅れは、
一日では取り戻せないのだ。納期まで二週間もないんだ、と怒る。

 真奈美は、また頭を下げて謝る。

 大悦は作業員たちに向かって、明日から頑張ってくれと言う。真奈
美は作業員たちに、「ありがとうございます」と礼を言って、まだ頭
を下げる。


 私服に着替えた誠治が、更衣室から出てくると、まだ作業着姿のま
まの真奈美が、掃除をしていた。そんなことしなくても、という誠治
に真奈美は、今日一日何もしていないではいられないので、せめて掃
除ぐらいしないと。給料に見合う仕事ができていないから、と言う。

 誠治は大悦に、今日、何もしなかったけど、1時間分のバイト代は
出ますかねぇ。タイムカードも押したし、と言う。

 大悦は、その前にあるだろう。訳のわからない誠治に、時給
1700円分の仕事もできない半人前が。時給に見合う仕事をしてか
ら言え、と言う。

 誠治は、口の中で、「時給決めたのは、そっちだろう」と言うと、
真奈美に、「出ますかねぇ」と訊く。「さあ?」と真奈美。


 買い物に出ようとした寿美子は、玄関先に置かれたゴミ袋を見る。
とたんに、ゆらゆらと揺れ始める。


 スクーターで川原を走っていた誠治は、途中に止まり、川原に座り、
川風に吹かれていた。

 携帯が鳴り、出ると誠治の姉・永田亜矢子(井川遥)からで、バイ
ト中で出られないのかと思った、と言う。「なら、かけてくんなよ」
と、いきなり不機嫌になる誠治。

 亜矢子は、バイト、どうせ時給がいいっていうだけで決めたんでし
ょ。家にお金入れろと言われたかなにかで。きちんとお母さんの面倒
を見ているのか訊く。見ている、と誠治。

 誠治が、院長夫人なんて、楽だろうと言うと、亜矢子は院長夫人だ
って、服だとかバッグだとか気をつけなければならなくて、大変なの
よ、と言う。「派手かな.....」と言いながら、鏡でチェックする。
そして、「あ、もう時間」と言って、電話を切ると、慌てて飛び出し
て行く。


 息子の小学校のPTAの集まりに駆け込む亜矢子。するとすぐさま
みんなのチェックの視線。亜矢子は、急にPTAの見回りに来られな
くなった人の代役。みんな、その来られなくなった人の悪口を言い始
める。

 亜矢子が切り上げようとすると、「高血圧の薬だしてよ」と言われ
る。亜矢子が、「薬だけ出すことはできません。診察を受けていただ
かないと.....」と言うと、今度は、「朝一番に診て」と言われる。
「順番があります」と亜矢子が言っても、「院長夫人ですものね」と
みんなから言われる。

 病院に戻った亜矢子は、看護師たちに、この人の診察を一番にして
欲しい、と頼む。看護師たちは、そんなことをしたら、ずっと待って
いたとたちから文句がでます。その文句を言われるのは、わたしたち
なんですから。これ以上、仕事を増やさないでください、と言う。亜
矢子は、なんとか頭を下げて、希望を入れて貰う。


 すっかり暗くなってから帰宅する誠治。リビングに行くと、寿美子
が床にゴミを広げて分別している。誠治を見ると、いちいち誠治に分
別を確認する。

 誠治が、「夕飯.....」と言っても、寿美子の分別は止まらない。

 誠治が作ろうと、冷蔵庫を開けると、空っぽ。誠治は寿美子に、買
い物に行ってくる、と言う。

 そこに誠一が帰ってくる。でも、寿美子の姿を見ても、一言も無い。

 誠治は、誠一を自分の部屋に引っ張り込むと、「母さんのあの姿を
見ても、一言も無いのかよ」と文句を言う。誠一は、就職もできない
お前に、文句を言われるいわれはない、と言う。

 誠治は、母さんの面倒を見て、通院にも付き添っている、と言う。
誠一は、そもそも就職もできない。バイトも長続きしない誠治のせい
で、寿美子がああなったのだろう、と言う。


 翌朝、寿美子は、「今日は水曜日だからペットボトルの日よね」と
言う。誠治が、そうだよ。バイトに行くから、先、薬飲んじゃえ、と
言う。

 誠一は、そんな寿美子も誠治も見えないかのように、無関心で出勤
していく。

 誠治がバイトに行こうとすると、寿美子はペットボトルの入ったビ
ニール袋の中身を床に撒いてしまう。そしてまた、1本ずつ、「これ、
ペットボトルよね」と訊きながら、袋に入れ始める。


 大悦土木では、朝のラジオ体操をしていた。そこにスクーターでや
ってきて、着替える誠治。

 上着をひっけて、現場に行こうとする誠治に大悦は、今日は行くな、
と言う。誠治が、遅れたのは母の調子が悪かったからで、と言い訳を
しても、大悦は許さない。

 真奈美が、今は一人でも人手が必要なのだからと取りなしても、大
悦は頑として許さない。

 誠治は作業着をたたみながら、「誰でもいいってことですよね。ど
うせ取り替えの利く存在だって。作業着は、辞めるとき、洗って返す
ってことになってますよね」と言う。

 真奈美は大悦に、誠治を現場に出さなかったのは、遅刻したからで
すか?と訊く。大悦は、そうだと答える。真奈美は、事情もあるよう
だし、と弁護するが、大悦は雰囲気だという。今は忙しいので、雰囲
気を壊すのが、一番いけないと言う。


 ハローワークに行った誠治は、もう企画開発にはこだわらない、と
言う。営業や販売でもいいと言うことですね、と担当者の北山雅彦
(児嶋一哉)。月収20万円はどこまで下げられますか?と訊く。そ
れはちょっと。どうしても20万円必要なんです、と誠治。北山は、
誠治が会社に、20万円払おうと思わせるだけの価値があるのか、と
言う。学歴もない、職歴もない、バイトも転々としているのに、と言
う。


 誠治が帰宅すると、玄関にペットボトル入りの袋が置かれている。
誠治がゴミ出ししたのではないかと訊くと、ペットボトル以外のもの
が入っていたから、と寿美子。分別したのに、と誠治。だが、袋の底
には、寿美子の言ったとおり、緑色の瓶が1本入っていた。寿美子は
また、床にペットボトルを拡げる。


 休憩時間、みんなに缶コーヒーを「お疲れ様です」と言ってごちそ
うする真奈美。

 作業員たちは、もうこれで誠治は辞めちゃうだろうかと話している。
大悦は、この仕事に向かない奴は自然に淘汰されていく。それは仕方
ないだろう、と言う。


 夜、廊下に立っていた誠治は、通りかかった誠一を呼び止め、自室
に入れる。そして、前に言っていた、仕事を紹介してくれるって、今
でも頼めるかな、と言う。

 誠一は、「またオレの顔に泥を塗るつもりか?」と言う。

 何だよ、と言う誠治に、どうせ長続きしないだろ。お願いしますと
頭を下げ、すぐにごめんなさいと頭を下げるつもりか? バイトも長
続きしない。習い事だってそうだ。サッカー、水泳教室、英会話。ど
れだけお前に投資したと思っているんだ、と怒る。

 ----どうせオレは恥ずかしい息子だよ。


 翌日、誠治は寿美子に、就職できなくてごめん、と言う。だが寿美
子は、誠治はちゃんと仕事をしているじゃないと、洗濯して畳んだ作
業着を誠治の方に押す。

 ----やれてないよ。どんなにダメなオレでも、どんなに情けないオ
レでも、認めてくれる人がいる。


 大悦土木の事務所に出てきた誠治に、おはようと挨拶し、今日も一
日頑張りましょうという真奈美。作業着を返しに来たんじゃないんで
しょ、と。

 真奈美は、大悦が来ると、すぐに打ち合わせをする。


 いつもなら、作業の終了時刻。大悦が残れる者、と言う。哲平たち
が、次々と手を上げる。真奈美が頭を下げる。雰囲気から、誠治も手
を上げる。

 誠治は誠一に電話する。ATMコーナーにいた誠一は、なんで遅く
なるんだと、不機嫌そうに訊く。残業が入って、と誠治。一丁前に産
業か?と誠一。誠一の嫌みを訊き飛ばし、誠治は誠一に、寿美子の薬
のチェックをしてくれるよう、頼む。


 姑の永田則子(鷲尾真知子)は亜矢子に、地域の皆様とも、病院ス
タッフとも、上手につきあってください。そのために、孫の文也もあ
えて公立小学校に入れたのですから。でも、もう亜矢子が病院スタッ
フとうまくやることは不可能でしょうから、せめて地域の方々とは、
うまくやってね、と言う。

 スタッフの方と、どうしてうまくやれないというのですか、と亜矢
子。則子は、亜矢子は妊娠を武器に、ここに乗り込んできた。そんな
人を、病院スタッフが認めるわないでしょ、と言う。


 誠治は、誠一や寿美子と一緒に夕食を取る。食後、寿美子は薬を飲
む。


 翌日の現場では、工期に間に合うことができ、みんな喜ぶ。真奈美
もみんなに礼を言う。


 寿美子がゴミ置き場に置いたペットボトルの袋に、そっと茶色のガ
ラス瓶を入れ、その袋を武家の門扉の内側に置いていく人影。


 大雨が降り、みんなシートの下に避難する。「もうちょっといける
んちゃいます?」と言う哲平に、「怪我をしては大変だから」と真奈
美。

 事務所で、雨に濡れた体や道具をぬぐう作業員たち。時間になって、
あかりが帰って行く。

 雨が降る中、みんな座っている。やがて夕食の弁当を食べ始め、真
奈美がお茶を配る。

 ----どんなに雨が降り続けても、誰も帰ろうとしなかった。どんな
に夜が更けていっても、誰一人、帰らなかった。

 そのうち、雨音がやみ、窓を開けた哲平が「止みました!!」と嬉
しそうに言う。

 みんな、夜間作業にいそしむ。誠治が、力が足りずに手間取ってい
ると、手伝ってくれる作業員。礼を言う誠治に、お前のためじゃない、
と言う。

 ----みんな全力を尽くしている。目の前のことに全力を尽くしてい
る。ただ、頑張る。道路を完成させるために。その先にいったい何が
あるんだろう。


 トラックの荷台で目を覚ます誠治。いつの間にか夜が明けていた。
眠ってしまったことを謝る誠治。工事が終わると共に倒れるように寝
てしまった。ここまで運ぶのに、意外と重かったと言われる。

 トラックは、今完成させた道路を走っていく。トラックの荷台で、
自分たちの作った道路を見る作業員たち。
 「俺らが作った道路やで。この道、いつ地図に載るんですかね」と
哲平。
 「オレの子供が生まれる頃には、載るよ」と真田勝也(嶋大輔)。
 「道路は逃げていかねぇ」と塚本学(山本龍二)。

 ----どんなにダメなオレでも、どんなに情けないオレでも、再スタ
ートできる日が、オレにやってくるんだろうか。


 事務所で、大悦からみんなに給料が渡される。最後に、誠治にも渡
される。明細を見ると、9月9日から9月24日 5万円。ニコニコ
と大悦の方を向き、ガッツポーズを取る誠治。

 スクーターにまたがっている誠治に、「お疲れ」と声を掛ける真奈
美。ミニスカートから伸びる脚が、スラリと長い。誠治に缶コーヒー
を渡す。

 誠治は、ゼネコンの社員の給料がいくらか知らないけれど、缶コー
ヒーぐらい、オレにも買えます、と言う。

 真奈美は、缶コーヒーはたくさんあるから、と手に提げているビニ
ール袋を見せる。実は作業員たちと、誠治が最終日まで来るかどうか、
賭けて勝ったのだ。みんな、誠治は来ないに賭け、真奈美だけ、来る
に賭けたのだ。

 どうして?と誠治。真奈美は、みんな来ないだったら、賭にならな
いでしょ、と言う。

 来月には来ません、と誠治。就職しているから、と。

 そんなことを言うのは、自信が無いからでしょ。じゃ、明日、と真
奈美。

 誠治は、明日は来ない、と言う。ハローワークに行くから、と。だ
が真奈美は強引に、「また明日!」と言う。



寸  評 原作では、誠治が何かをやり遂げられるようになるのは、もっと後
の方でしたが、こんな、2回目ですでにやり遂げた誠治になってしま
って、これからの展開をどうするのでしょう。

 原作と違ってしまって予測不可能なのは、真奈美と哲平の件もそう
ですが。本来は、誠治が大悦土木の社員になってから、誠治のアイデ
ィアによる社員募集に応募してくる設定でしたから。

 そういう意味では、原作を読んでいても、先行き予測不可能な楽し
みな部分もあります。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 有川浩の小説は、『図書館戦争』を読んでから好きになり、全部読みました。
『図書館戦争』は、同じフジテレビでアニメになりましたが、実写ドラマとし
ては、この『フリーター、家を買う。』が一番、無難ですね。有川浩と言えば、
自衛隊ものですが、この小説では出てきません。せいぜい、ガテン系というと
ころぐらいでしょうか。
 とはいえ、広がりに限界があるためかどうかわかりませんが、最近、自衛隊
ものは書いていませんね。『キケン』は大学の部活で、爆弾が好き、などの設
定が有川浩らしいところ。『シアター!』は、演劇青年とその兄で、その兄が
鬼軍曹のようだというところぐらい。これからどういう路線を書いていくので
しょうか。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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