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タイトル:Daily Drama Express 2010/09/11 美丘 (9)  2010/09/16


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/09/11 (Sat) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.土曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 土曜日の連続ドラマ
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タイトル 美丘
局  名 日本テレビ系
放映日時 土曜21時
キャスト 峰岸美丘(吉高由里子)
 橋本太一(林 遣都)
 笠木邦彦(勝地 涼)
 五島麻理(水沢エレナ)
 北村洋次(夕輝壽太)
 佐々木直美(中村静香)
 峰岸 始(寺脇康文)
 高梨宏之(谷原章介)
 峰岸佳織(真矢みき)
原  作 石田衣良「美丘」(角川文庫刊)
脚  本 梅田みか
主題歌  福山雅治「蛍」(ユニバーサル J)

あらすじ 第9話「絶望…私の命を・終りにして」

 入院した美丘(吉高由里子)だったが、病状は急速に悪化していた
った。わずか一週間のうちに自力で食事をすることも難しくなり、嚥
下も困難になった。そんな美丘に太一(林遣都)に付きっきりで看護
に当たったが、身の回りの物の名前を忘れてしまう美丘を見るのが太
一には辛かった。

 邦彦(勝地涼)や麻里(水沢エレナ)がお見舞いにやってきた。み
なスーツ姿だった。就職説明会がスタートしているという。美丘は
1人1人名前を呼んだが、邦彦だけ名前が出てこない。
「あれ、なんだっけ。出てこない……」
 太一はすぐ写真と名前を書いたノートを美丘に見せた。自分の両親
や太一も載っていて忘れても思いだせるようにしていたのだった。

 邦彦たちを送ったあと、太一は病室に戻ってきた。美丘はきょとん
としていた。
「誰……?」
 美丘は不安げな顔をしていた。恐れていたことがついに来た。太一
は愕然となって病室を出、1人になって泣いた。
 幸いノートを見て思いだすことができたが、美丘は太一を忘れるこ
とに恐怖を覚えずにはいられなかった。
「いつか太一くんのこと忘れちゃう。そんなの嫌だ。嫌だよ」
 太一は泣きじゃくる美丘を抱きしめて落ち着かせた。
「太一くん、私が太一くんを忘れてしまったら、私の命終りにして。
お願い」
「できない、できないよ」
 太一も泣いた。太一はただ抱きしめることしかできなかった。

 高梨は記憶は新しいものから消えて行く、太一や邦彦のことが分か
らなくなったのは比較的新しい記憶だからだと説明した。
「先生、あたし、学校に行きたいな。屋上に行きたいんだ」
 佳織(真矢みき)、始(寺脇康文)も高梨に頼んだ。「半日なら」
と高梨は許可した。

 その日は佳織と始が付き添うことになったので、太一は久しぶりに
実家に戻った。両親は就職のことを心配していた。
「ああ、まだ考えてないんだ」
 太一にとってはそれどころじゃなかった。太一は美丘の病状が悪い
ことを伝え、今は美丘の傍にいたいと言った。
「だけど、お前の人生の問題だろう」
 両親は苦言を呈した。けれど美丘に自分の時間を捧げる、その気持
ちに太一は迷いがなかった。

 次の日、太一と佳織に付き添われて、美丘は大学へ行った。屋上に
行きたかったのは、そこが太一と出会った場所だからだ。そのことを
美丘は佳織に話した。
「覚えてる。この景色……」
 美丘は懐かしそうに思い出に浸っているようだった。よく晴れた澄
んだ空が心地よく美丘は幸せそうな表情だった。

 美丘が来ると聞いて、邦彦たちもやって来た。
「みんなに学校で会えるなんて夢みたいだよ」
 美丘は嬉しそうに言った。そして、授業が受けたいと言った。そこ
で急きょみんなで心理学の講義を受けることにした。
「太一くん、またここに来れたんだね」
 美丘は感慨深そうだった。この日の講義はアドラー心理学だった。
人間は過去ではなく未来のために行動している、人格を決めるのは未
来への希望である、そんな説明を美丘は感銘を受けたようで、ノート
に「みらい、きぼう、じんかく」と書きとめた。
「憂鬱な時はどうしたら他人を喜ばせることができるのか考えなさい、
不幸な人は自分の喜びしか考えてない」
 アドラーが言ったと言うその言葉が美丘に勇気を与えていくかのよ
うだった。授業を終えて帰る時、美丘は「今日のことは忘れない」と
つぶやいた。

 病院に戻った後、美丘は考えた。
「あたしには大きな未来はないけれど、明日がある。文字を書くのも、
何かを覚えるのも難しくなった。何もかも忘れちゃう。でもあたしが
1日でも長く精いっぱい生きていれば、それがみんなを喜ばせること
になるんだよね」
 佳織も始も太一もみな力強くうなずいた。
「あたし、頑張って生きるよ。あたしには愛する人がいる。愛されて
いるとも感じている。大切な家族も、信頼できる人も分かりあえる友
達もいる。あたしは1人じゃない」
 美丘は微笑んだ。その姿にみな逆に勇気を与えられるのを感じた。

 その晩美丘は太一に言った。
「太一くんごめん。あたしが太一くんのこと忘れたら、あたしの命終
わらせてなんて言って。あたしのせいで太一くんの人生めちゃくちゃ
にするところだった」
 みな、未来に向かって歩いていく。そして美丘自身も明日に向かっ
て歩いていく、美丘はそんな風に考えられるようになった。太一も美
丘の言葉に自分の将来をきちんと考えることが美丘の気持ちに報いる
ことだと気付いた。

 太一が帰った後、美丘はipodを取り出して吹き込んだ。
「太一くん、あたし今ならわかるよ。どんなあたしになってもあたし
はあたしなんだよね。だからもう恐くないよ。あたしは残された命を
最期まで精いっぱい生きて行く。太一くんの隣で、胸を張って生きて
行くんだ」

 次の日も太一はいつも通り病院へやって来た。ところが、美丘の病
室は慌ただしく医師や看護師が出ていた。佳織がいて、自律神経障害
が起きた可能性があり、非常に危険な状態だと言う。
「美丘……」
 太一は意識のない美丘をじっと見つめた。涙がとめどなく込み上げ
てきた。



寸  評  やはり今一つ物足りない気がしました。美丘に将来何かやりたい
ことがあって、それに向かって最期まで諦めずに一生懸命という設定
があったりすると感情移入ができるように思ったりしながら見ていま
した。最終回を前にして少々盛り上がりに欠けているのですが、ラス
トにどういう見せ場があるのかに期待したいと思います。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 地デジの切り替えアナウンスがテレビによく表示されるようになってます。
一説によると、移行延期は確実などという観測もあるようですが、毎日のよう
に切り替えを促すテロップが出るので、すぐ取り掛からないとまずいのではな
いかと思えてきました。(けん)

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