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タイトル:Daily Drama Express 2010/06/23 Mother (最終回)  2010/07/13


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/06/23 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル Mother
局  名 日本テレビ系
放映日時 水曜22時
キャスト 鈴原奈緒(松雪泰子)
 藤吉駿輔(山本耕史)
 鈴原芽衣(酒井若菜)
 鈴原果歩(倉科カナ)
 道木怜南≪鈴原継美≫(芦田愛菜)
 道木仁美(尾野真千子)
 浦上真人(綾野 剛)
 木俣耕平(川村陽介)
 袖川珠美(市川実和子)
 加山圭吾(音尾琢真〔TEAM NACS〕)
 藤吉健輔(田中 実)
 鈴原籐子(高畑淳子)
 望月葉菜(田中裕子)
脚  本 坂元裕二
主題歌  hinaco 「泣き顔スマイル」(rhythm zone)

あらすじ  夜中にこっそり施設の電話を使って奈緒(松雪泰子)に連絡して
きた継美(=怜南 芦田愛菜)。もう一回誘拐して、と泣く継美に、
奈緒が「おかあさんも会いたいけど・・・」と言いかけたところで電
話が切れる。

 病院のベッドの上で編み物をしながら痛みをこらえる葉菜(田中裕
子)。今から、死ぬ間際に走馬灯のように人生を振り返れるのが楽し
みだ、と奈緒に話す。葉菜は、奈緒の手を引いて逃げ回っていた時が
実は楽しかったから楽しみなのだと言う。残された時間が短いことを
悟った奈緒は、葉菜を家に連れて帰る。

 葉菜が家に帰ると、部屋は掃除されており、いつも葉菜がペット屋
で見ていたインコのつがいも部屋に置かれていた。「二人で飼おう。」
奈緒は答えた。古い家電が使いづらいことを心配する葉菜だが、奈緒
は大丈夫だと答えて葉菜を床に付かせる。奈緒が下の部屋に降りると、
ドアが開いて継美が入ってきた。「おかあさん!」

 どうやって来たのか奈緒が尋ねると、千葉の克子おばさんが送って
くれたお小遣いを使って、自分で地図を調べてここまで一人で電車や
バスを乗りついでやってきたと継美は答える。

「そんな危険なことをするなんて・・・」と奈緒が叱責すると、継美
は涙声で尋ねる。「継美に会えたこと、おかあさんはうれしくないの?
おかあさんに会いたかったのに・・・」それを聞いた奈緒は、思わず
継美を抱きしめた。「会いたかった・・・」

 継美を見た葉菜は驚き喜ぶ。昼食を三人で食べながら楽しく話して
いると、ふとまじめな顔で継美が葉菜の病気は治るのか?と葉菜に尋
ねる。葉菜は、継美に会えたからきっと治る、と笑って答える。

 藤吉駿輔(山本耕史)は、葉菜の理髪店のなじみの客である多田に、
30年前の葉菜の犯行について聴きに行く。葉菜の元亭主が酒を飲ん
では暴力を働いていたこと、それに耐え切れなくなった葉菜がカッと
なって自宅に火をつけて半年間娘と逃亡したこと・・・

 駿輔が奈緒を訪ねてくる。怜南を探して室蘭からこちらに連絡が来
るのも時間の問題だと告げる駿輔に、奈緒は明日送っていくと話す。
そこに、継美に会いに鈴原藤子(高畑淳子)や妹達が来る。

 葉菜と二人きりになった駿輔は、葉菜に30年前の犯行について尋
ねる。あれは、あなたの守りたいものがあったから、今日まで何かを
隠すためにあんな嘘をついたのでは?母と娘の絆が起こした母性によ
る犯行なのでは?と。しかし葉菜はそれを否定した。

 駿輔が帰った後、女ばかり6人でお土産のあんみつを食べながら仲
良く談笑する。
 最後にみんなで集合写真を撮った。帰り道、藤子たちが公園で写真
を見ながら話していると、芽衣が産気づく。

 葉菜は継美の髪を切りそろえる。それを横で見ている奈緒に、葉菜
は自分の母、つまり奈緒の祖母の写真を見せる。継美が切り終わると
奈緒が交代して座る。

 奈緒は葉菜に、何もしてあげられないまま、継美と別れられるのだ
ろうか?と不安をぶつける。すると葉菜は、自分と奈緒も30年たっ
てまた会えて、同じように髪を切ってあげている。あなたがあの子に
なにができたかは、今ではなくあの子が大人になったらわかるのだ、
と答える。

 葉菜に髪を触られる感触から、奈緒は30年前に葉菜に同じように
髪を切ってもらったときの記憶が蘇る。そのときに葉菜の顔も。
「お母さんの顔、思い出した。」葉菜はいとおしそうに奈緒の頭を撫
でた。

 葉菜の夢の中。
 ・・・奈緒、わかってるわ、お母さんのためにしてくれたのね。で
も忘れなさい。あなたは何もしてないの。全部お母さんがしたの。わ
かった?もう思い出しちゃ駄目・・・
「どこいくの?」「そうねぇ、どこ行こうかしらねぇ・・・」

 奈緒は朝まで便箋に手紙をつづり、封筒をバッグにしまった。目覚
めた継美が葉菜を起こしに行くが・・・芽衣に男の子が生まれた藤子
から奈緒に連絡が入る。そこで葉菜が亡くなったことが知らされる。

 継美は、じぶんのすきなものノートに”うっかりさん”と書き加え
る。奈緒は、藤子が来たら葉菜のことを藤子に任せて、室蘭まで一緒
に行くから施設に帰ろう、と話す。

 自分のことが嫌いになったの?面倒くさくなった?そう泣きながら
尋ねる継美。
 奈緒は継美を抱っこして、「離れてても継美のお母さん。ずっと継
美のお母さん。そしたらまた会える日が来る。おかあさんがお母さん
に会えたみたいにいつか会える。」と諭す。

「いつ?」「継美が大人になった時。」「そんなの待てないよ。大人
になったら会ってもわからないかもしれないよ?」「そのときは、お
母さんが継美に気付くから。お母さんは必ず継美を見つける。見つけ
る!泣かないで。」二人は泣きながら抱き合った。

 藤子にすべてを任せ、インコを連れて継美は室蘭へ出発した。

 最後のバス停を降りた奈緒と継美。継美は、右手にインコの鳥かご、
左手には葉菜と奈緒が編んでくれたバックをもって歩き出す。
 二人で”グリコ”をして進むうちに、奈緒が少し離れてしまった継
美を、怜南の友達が見つけてしまう。一緒に帰ろう、と言われた継美
は、ばれないように小さく奈緒に手を振って帰っていった。

 バス停で帰りのバスを待つ奈緒だったが、どうしても思い切れず怜
南が帰っていった方に向かって走り出す。友達と別れて施設に向かっ
て一人歩き出す継美に追いついた奈緒は、もう少しだけ一緒にいて、
笑って別れようと提案する。

 しかし継美は、「ちゃんと自分で帰れるから見てて!」と言う。
「一人で帰る」と宣言する継美に、うれしくてお母さんは泣いちゃう
から見れないかも、と奈緒が話すと、継美は好きなものの事を考えれ
ば楽しくなるから、と教える。

 二人で好きなものを順番に言い合いながら一歩ずつ近づく。・・・
「継美」「お母さん」二人は笑顔で抱き合った。奈緒はバックの中か
ら昨日書いた手紙を、二十歳になったら見て、と手渡す。

 手紙を葉菜が作ったバックにしまうと、お母さんここで見ているか
ら、と言って継美を送り出した。インコの鳴き声だけが響く中、継美
は後ろを振り向かずに真っ直ぐ走り、姿が見えなくなるまで奈緒はそ
の後姿を見送った。

「継美。あなたは今”怜南”と名乗っていることと思います。だけど
今は、あえて”継美”と呼ばせてください。この手紙は12年後のあ
なたに書く手紙です。二十歳になったあなたに宛て書いている手紙で
す。いつか大人へと成長したあなたが読んでくれることを願って。・
・・

 継美に会っていなければ、継美の母になっていなければ、本当の母
であるうっかりさんと出会うことはなかったし、最後の最後に母を愛
することはできなかった。

 渡り鳥がどうして迷わずに目的地にたどり着けるのか?たとえば鳥
達は正座を道しるべにするのです。鳥達はそれを雛の頃に覚えるので
す。雛の頃に見た星の位置が鳥達の生きるための道しるべになるので
す。

 私は明日、あなたに別れを告げます。あなたを連れて室蘭に向かい
ます。会うことを許されない私達。母と娘を名乗ることのできない私
達。それでも私は信じています。いつかまた私達が再び出会えること
を。いつかまた手を取り合う日が来ることを。

 私と母が30年の時を経て出会ったように、幼い頃に手を取り合っ
て歩いた思い出があれば、それはいつか道しるべとなって私達を導き、
巡り合う。

 二十歳になった継美。あなたは今どんな女性になっているでしょう。
どんな大人になっているでしょう。出会った頃の104cmのあなた
は今、流行の服を着て。小さな16.5cmの靴を履いていたあなた
は、少しかかとの高い靴を履いて、私の前に歩み寄ってくる。

 すれ違うその時、私はなんて声をかけよう。向かい合ってあなたと
何を話そう。
 何から聞こう。私がわかりますか?身長はいくつですか?恋をしま
したか?親友はいますか?今でも水色が好き?しいたけは嫌い?逆上
がりはまだできますか?クリームソーダは好きですか?
 もしよかったらまた一緒に飲みませんか?

 継美、元気ですか?二十歳のあなたに出会うことを思うと、今から
胸が高鳴り、ひとり笑みがこぼれてしまいます。あなたとの明日を笑
顔で待っています。

 あなたに出会えてよかった。あなたの母になれてよかった。あなた
と過ごした季節、あなたの母であった季節、それが私にとって今のす
べてであり、そしてあなたと再びいつか出会う日、それが私にとって
これから開ける宝箱なのです。愛してます。母より。」

 施設に駆け込んだ怜南の頭の上に、渡り鳥が飛んでいた。「おかあ
さん!」笑顔で怜南は空を見上げた。

「追伸、クリームソーダは飲み物ですよ。」
 二つのクリームソーダと最後の葉菜との写真、すきなものノートを
挟んで、二人の女性の手がテーブルの上で重なった。



寸  評  とても現実的な終わり方だったと思います。ネット上で、最後に
奈緒と手を重ねる女性(つまり成人した怜南)を尾野真千子さん(怜
南のお母さん)が演じていたのでは?という話が出ていました。仕方
がないことですが、やっと待ち焦がれた成長した怜南が、実の母親に
よく似ていたら切ないですね。”母性”がテーマのドラマでしたが、
いろんな形の母性が描かれていました。やっぱり、母は強し!

執 筆 者 フラ()

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2. 編集後記
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 無事に最終回を迎えることができました。久しぶりに執筆させていただいた
ので、慣れなくて読みにくかったところもあったかと思いますが、最後までお
付き合いいただき、ありがとうございました。(フラ)

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発行元:ドラマ研究会
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