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タイトル:Daily Drama Express 2010/05/30 新参者 (7)  2010/07/13


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/05/30 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル 新参者
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 日本橋署刑事        加賀恭一郎(阿部 寛)
 人形町タウン誌「ドールタウン」編集部記者 青山亜美(黒木メイ
                      サ)
 清瀬直弘の息子 劇団員   清瀬弘毅(向井 理)
 警視庁捜査一課殺人班 刑事 松宮脩平(溝端淳平)
 警視庁捜査一課殺人班 主任 小嶋一道(木村祐一)
 警視庁捜査一課殺人班 刑事 上杉博史(泉谷しげる)
 税理士           岸田要作(笹野高史)
 清瀬直弘の元妻・絞殺事件の被害者 三井峯子(原田美枝子)
 清掃会社社長        清瀬直弘 (三浦友和)
 料亭「まつ矢」主人     枝川泰治(寺島進)
 同 女将          枝川頼子(夏川結衣)
 同 小僧          佐々木修平(石黒英雄)

 清瀬の秘書     宮本祐理(マイコ)

 上杉の息子     上杉和博(早乙女太一)

原作   『新参者』東野圭吾 講談社刊
脚  本 牧野圭祐、真野勝成
主題歌  『街物語(まちものがたり)』山下達郎

あらすじ第七話「刑事の息子」

 三井峯子(原田美枝子)の絞殺事件は、未だに犯人像すらつかめな
いまま、捜査は何度も振り出しに戻っていた。
 そんななか、日本橋署刑事の加賀恭一郎(阿部寛)は、ふと、警視
庁捜査一課の刑事・上杉博史(泉谷しげる)の姿を書店で見かける。
 ふだん、上杉はぶっきらぼうで、昔気質で、強引で、人づきあいの
悪いタイプ。
 そんな上杉が、似合いもしない花束を抱えて、雑誌のコーナーにい
るのだ。
 加賀は、興味津々の目で上杉を追う。

 上杉がやってきたのは、車通りの多い大きな道路にかかる陸橋の上。
 そこには、枯れた花束と缶ジュースが供えられていた。
 神妙な顔で道行く車を眺め、花束を供える上杉。
 と、そこに加賀が現れる。
「上杉さんが花束なんか持っているのが珍しくて……」
 微笑みを浮かべながら、上杉を見つめる加賀。
 上杉は苦々しい顔をして、ぽつりとつぶやく。
「今日は、息子の和博(早乙女太一)の命日だったんだ……」

 上杉もまた、三井峯子の事件を追っていた。しかし、その行動はあ
まり周囲によく思われていない。
 出てきた証拠や状況から犯人を追うのではなく、峯子の元夫・清瀬
直弘(三浦友和)や、息子の清瀬弘毅(向井 理)ばかりを追い回し
ているからだ。
 加賀は、上杉がなにかの確信を持っているのだと考えていたが……。

 捜査本部は峯子の殺害前の行動を調べ、ある不審点を見付ける。
 それは、峯子が「離婚前に浮気していたことがわかったら、離婚後
もさかのぼって慰謝料を請求することが可能なのか」と、弁護士に訊
ねていたというのだ。
 つまり、峯子は元夫・清瀬の浮気を疑っていたことになる。
 金が必要だった峯子は、慰謝料を当て込んでいたのだろうか。
 となると、慰謝料を取られるのがイヤな、元夫の清瀬に殺害の動機
が生まれる……。
 上杉は清瀬を尋問するように、主任の小嶋一道(木村祐一)に進言
する。
 しかし、小嶋は「明確な証拠が見つかってからだ」と黙殺。
 上杉は反発するが、小嶋の「組織の命令に、あなたは逆らえないは
ずだ」という含みのある言葉に、黙らされてしまう。
 そんなやりとりを、加賀はじっと見つめていた……。

 加賀は、ある一件から親しくなった、峯子の息子・弘毅を訪ねる。
「財産分与の再交渉を、三井峯子はしようとしていたのだけれど、理
由に心当たりはないか?」
 一緒に暮らしていた息子だったら、峯子の元夫で、父親の清瀬の浮
気を知っていたのではないかと考えたのだ。
 弘毅の頭にも、父親の清瀬が見知らぬ女と仲むつまじく歩いている
姿を見たときのことが思い浮かぶ。
 が、とっさに父親をかばってしまい、「思い当たることはありませ
ん」と言ってしまう。

 そのころ、清掃会社の社長をしている清瀬の部屋に、税理士の岸田
要作(笹野高史)がやってきた。
 会社の業績が思わしくない。ついては、社員を二十名ほど解雇して、
リストラをはかるしかない、と提言する。
 清瀬は渋い顔をした。が、岸田は続けて言う。
「十名でもかまわないのですが、その中に秘書も含めるべきでしょう」
 実は、秘書の宮本祐理(マイコ)と清瀬は愛人関係にあると目され
ていた。
 警察にもそのことで目をつけられているし、社員からの印象も悪い。
ここで、一気に関係を清算してしまったほうが身のためだ……。
 広瀬はそう言外に告げたのだ。
 だが、清瀬は黙ったまま、思いにふける。

 弘毅は役者をめざしていて、小さな劇団の俳優として舞台に立って
いる。
 その日も、劇団の倉庫で小道具を作っていた。そこへ、上杉がやっ
てくる。
 弘毅はうんざりした表情を浮かべて、上杉を無視するが、上杉はし
つこく「なにか思い当たることはないか」と聞く。
 弘毅は父親の清瀬に、役者になる夢を反対され、家を飛び出してい
た。
 今さら、清瀬のことを聞かれるのもイヤなのだ。
 弘毅は上杉をにらみながら言う。
「僕は父さんに自分の夢を告げたとき、三十年後はどうするつもりだ、
と言われて反対された。上杉さん、あなた刑事を何年やっていま
す……? 未だに母親を殺した犯人を捕まえることさえできないくせ
に、刑事を三十年もやってきた、なんて大きな声でいえるんですか?」
 上杉は黙って弘毅を見つめる。

 翌日、上杉は税理士の岸田の元を訪れる。
 清瀬は、会社を創業して以来、ずっと税務を岸田にゆだねていた。
ときに、経営のアドバイスやコンサルティングのようなこともしてい
る。そんな岸田ならば、なにか新たな事実を知っているかも知れない。
そう思ったからだ。
 古びたビルに掲げられた、事務所の看板を見上げていると、突然、
加賀が現れる。
「尾行してきたのか……」
 不快そうに加賀をにらみつけるが、加賀は「たまたまですよ」と動
じない。
 二人は岸田の事務所に向かう。

 岸田は上杉と加賀に、清瀬との創業以来の付き合いについて話す。
 が、祐理が半年前、峯子と離婚した直後に秘書として採用された事
について問いただすと、「プライベートなことはよくわかりません」
と言葉を濁すのだった。

 結局、たいした話を聞き出すこともできずに、二人は岸田の事務所
を後にした。
 だが、上杉はなんども後ろを振り返りながら、加賀に言う。
「岸田はなにかを隠しているようだな……」
 加賀は上杉の意見に同意しながらも、上杉を見つめ返す。
「でも、上杉さんも、なにかを隠していますよね」
 どうして、清瀬の家族ばかりを追い回すのか。とくに、弘毅のとこ
ろを何度も訪ねたのはなぜなのか……。そのことを、加賀はもとより、
捜査本部の誰にも明かそうとしないのだ。
「放っとけよ。オレはオレのやり方でやってんだ」
 頑なな態度を崩すことなく、上杉は加賀を置き去りにして歩き去っ
てしまう。

 翌日、捜査本部の小嶋の前に、上杉はうつむいて立たされていた。
 清瀬の会社の前で、秘書の祐理を捕まえて強引な聞き込みをした上
杉は、制止に入った清瀬と揉め、清瀬を殴ってしまったというのだ。
 被害者家族を、確たる証拠もなしに追い回したあげく、暴力をふる
った。
 大失態である。
 小嶋は厳しい表情で、上杉に告げる。
「上の意志は、辞表を書かせろ、ということでした」
 上杉は、一瞬表情を固くするが、すぐにうなずいて出て行ってしま
う。

 日本橋署をでた上杉は、弘毅の元を訪れて頭を下げた。
「犯人逮捕に付き合うことが出来なくて、すまん」
 刑事を辞めてきた、と話を聞かされて、弘毅は思わず絶句する。
 上杉は雑誌を取り出して、弘毅に渡しながら言う。
 雑誌の表紙を飾るような俳優になるようにガンバレ、と。
 演劇の専門誌をわざわざ買って持ってきた上杉。おもわず上杉を見
返すが、上杉は静かに去って言ってしまう。

 清瀬の社長室に、小嶋と加賀、捜査一課の刑事・松宮脩平(溝端淳
平)がやってきた。
 上杉が辞めたので、後任の担当として、加賀と松宮を清瀬に紹介す
るためだ。
 満面の笑みを浮かべて、挨拶を交わす加賀。
 しかし、すぐに「ちなみに、ですが……」と質問を始める。
 峯子が離婚の際の財産分与に納得していなかったことを知っている
か?
 離婚してすぐに祐理を水商売から秘書に据えたのはどうしてなのか?
 言外に「愛人の祐理の存在が、峯子に知られて、慰謝料を取られる
ことを怖れたのではないか?」と言っているようなもの。
 清瀬は、祐理とはそういう関係ではない、と強く言い張るのだった。

 弘毅は自宅に戻って、夕食の食卓に着いていた。
 傍らにいるのは、恋人で同棲している青山亜美(黒木メイサ)。亜
美はかつて一流紙の記者だったが、あることがあって今は、日本橋の
タウン誌の記者をしている。
 弘毅は亜美に、上杉が刑事を辞めたこと、実は様子を見に来てくれ
たり、密かに自分の夢を応援してくれていた上杉に父親以上の親しさ
を感じていたことを話す。
 亜美は上杉の話を聞いて、眉をひそめる。

 実は、地元で起こった殺人事件ということで、亜美もまた興味を押
さえきれず、独自に取材をしていたのだった。たまたま、峯子の元夫
の会社ということで訪れた、清瀬の会社の前で、上杉と清瀬が揉めて
いたところを目撃していた。
 しかし、それは警察に報告されていた、上杉が清瀬を殴った、とい
う事実とは違う。
 反対に、清瀬が上杉を殴っていた光景だったのだ。

 亜美は、上杉を訪ねる。
 どうして、捜査本部に本当のことを言わないのか。黙って懲戒免職
を受け入れたのはなぜなのか。
 上杉は、自分勝手に殴りつけるような人ではないはず。それは、弘
毅が「父さんよりも自分のことをわかってもらえるみたいだ」と言っ
ていたことからもわかる。
 亜美は必死になって上杉に本当のことを話してくれるように説得す
る。
 が、自分が清瀬を殴ったのだ、といって聞き入れようとしない。

 花束を供えた陸橋に、上杉はまたやってきていた。
 ぼんやりと、走り去っていく車を見つめながら……。
 そこへ、加賀が現れる。
 加賀は亜美から聞いた新聞の記事で、無くなったのが上杉の息子・
和博だと知った。そして、今日がその命日だったと。
 しかし、前回、同じ場所で会ったときも「今日が命日なんだ」と言
っていた。
 命日が二回もあるのはどうしてなのか……。
 加賀は上杉を問い詰める。

 上杉の息子・和博がバイクの事故で亡くなる前、実は、無免許運転
で警察に捕まっていた。
 が、父親が警視庁捜査一課の刑事だと知った警官が、上杉に連絡。
上杉はその事件をもみ消してくれるように、警官に工作したのだ。
 なぜか無罪放免されたことと、上杉がなにか汚い手を使ったことを
知った和博は、上杉を激しく責めた。
 お前のためだ、と告げた上杉。しかし、「自分の立場を守るためだ
ろう」と決めつけた和博は、家を飛び出して暴走運転をしたあげく、
事故で帰らぬ人となってしまったのだ。
 上杉は、そのことで自分を責めていた。
 事件をもみ消してしまったのが、第一の命日。そして、事故を起こ
して死んでしまったのが、第二の命日。心にそう刻みつけて生きてき
たのだ。

 加賀は花束と一緒に取り出した、アルバムを上杉に見せる。
 それは、和博の中学の卒業時のアルバム。そこに、「将来の夢」と
題された作文が載っていた。
『……オレが刑事になったら、父さんと一緒に捜査がしたいです……』
 一文を見て、思わず涙を流す上杉。
「親にあこがれて刑事になる子どもも多いんですよね」
 つぶやいた加賀に、上杉はすべてを明かす。

 水商売の女を愛人にして、秘書にまで据え、家庭をないがしろにし
たあげく、息子を追い出してしまう。
 そんな、清瀬の姿に、仕事一筋で息子を殺してしまった自分自身を
重ねてしまっていた。だから、どうしても清瀬が許せなかった。
 そして、その犠牲になった息子と、弘毅が重なって見えた。様子を
見に行ったり、応援したりというのは、そんな気持ちからの行動だっ
たのだ。

 黙って上杉の独白を聞いていた加賀に、上杉は告げる。
「この事件は、誰かが誰かをかばっている。そのかばっているヤツが
……犯人だ」
 事件の真相はまだ、その姿を見せない。



寸  評  上杉の行動の裏に何があったのか、ようやくわかりました。
 ずーっと、実はキーマンなんじゃないかとにらんでいたのですが、
実は過去の出来事で罪悪感を持っていたと。事件そのものにはあまり
関係がありませんでした。うーん。
 それと、最後の息子の卒業文集は、ちょっとありきたりでしたねぇ。
いくらなんでも、とってつけたような感じがします。だいたい、子ど
ものころの作文なんて、そんなに意味のあること書くわけじゃありま
せんしね。
 いよいよ、後半、どうなることやら。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 初夏になると、東京地方では「ゲリラ豪雨」なる激しい夕立が降るんですよ
ね。
 このところ、そのゲリラ豪雨が連発しまして、ウチの家の前も軽く土砂崩れ
が起こったりで、なんだかとんでもないことになっています。
 ところで、このドラマのあらすじなんですが、毎週1本ずつちゃんと書いて
いけばいいんですが、ちょっと忙しかったりで貯まってしまうと、土砂崩れみ
たいになります。
 そもそも、ドラマは撮り貯めてみるタイプなので、どれがどれだかわからな
くなった上に、気がつけば放映自体はもう最終回になっていたりして……。す
みません。
 とにかく、頑張ってフィニッシュまで書いていきます。(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
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