メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2010/05/02 新参者 (3)  2010/05/20


===================================================== 発行部数   27 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/05/02 (Sun) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 日曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル 新参者
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 日本橋署刑事        加賀恭一郎(阿部 寛)
 人形町タウン誌「ドールタウン」編集部記者 青山亜美(黒木メイ
                      サ)
 清瀬直弘の息子 劇団員   清瀬弘毅(向井 理)
 警視庁捜査一課殺人班 刑事 松宮脩平(溝端淳平)
 警視庁捜査一課殺人班 主任 小嶋一道(木村祐一)
 警視庁捜査一課殺人班 刑事 上杉博史(泉谷しげる)
 税理士           岸田要作(笹野高史)
 清瀬直弘の元妻       三井峯子(原田美枝子)
 清掃会社社長        清瀬直弘 (三浦友和)
 料亭「まつ矢」主人     枝川泰治(寺島進)
 同 女将          枝川頼子(夏川結衣)
 同 小僧          佐々木修平(石黒英雄)

 瀬戸物屋「柳沢商店」店主  柳沢鈴江(倍賞美津子) 
 鈴江の息子         柳沢尚哉(大倉孝二)
 その嫁(鈴江の)    柳沢麻紀(柴本幸)

原作   『新参者』東野圭吾 講談社刊
脚  本 牧野圭祐、真野勝成
主題歌  『街物語(まちものがたり)』山下達郎

あらすじ 第三話「瀬戸物屋の娘」

 練馬署から人形町にやってきた新参者の刑事・加賀恭一郎(阿部寛)
は、着任早々、小伝馬町のマンションで起こった三井峯子(原田美枝
子)の絞殺事件を追っていた。

 峯子に絡むさまざまな怪しい人物を追いかけてきた加賀。しかし、
その鋭い観察眼によって、次々と犯人ではないことを明らかにしてき
た。
 警視庁から、所轄の日本橋署に派遣されてきた捜査一課殺人班主任
・小嶋一道(木村祐一)らが率いる捜査本部が次に目をつけたのは、
峯子が殺される数日前からメールのやりとりをしていた人物。
 なかでも、「7875円」のお金のやりとりをしていた、怪しげな
人物が浮かび上がる。
 「マキティ」というハンドルネームの女性だ。
 マキティとは、人形町にある老舗の瀬戸物屋「柳沢商店」の嫁、柳
沢麻紀(柴本幸)。

さっそく、加賀とコンビを組んでいる松宮脩平(溝端淳平)が、麻紀
の元を訪ねることに。
 が、加賀は、柳沢商店に向かう前に、老舗刃物店「うぶけや」に立
ち寄る。そこで売られていたキッチン鋏(はさみ)が、ちょうど
「7875円」……。そして、その鋏は、被害者・峯子のマンション
に残されていた新品のキッチン鋏だった。
 「うぶけや」の店長に、峯子の顔写真をみせ、確認も取れた。

 麻紀は、髪の毛を茶色に染めて、きらびやかなネールに、ピンクや
ラメの入った小物、とくにキティが大好きという、キャピキャピと話
す今時の娘。元はキャバクラのホステスだったが、柳沢商店の息子・
柳沢尚哉(大倉孝二)に見初められ、結婚した。
 最近では、姑の柳沢鈴江(倍賞美津子)と、つまらないことがきっ
かけで大げんかの最中。老舗のうるさ型の鈴江と、今風のホステス出
身の麻紀。ソリが合わないのは当然のようだが……。
 峯子が殺害されたことを知らされ、ショックの麻紀。
 つい、二週間ほど前にも、漆塗りの特注品の夫婦箸を予約していっ
た。
「三井さんのことで、ほかに思い当たることはありませんか?」
 加賀が訪ねた瞬間に、鈴江が店に戻ってきた。
 何かを言いかけた麻紀は、口をつぐんでしまう。
「うぶけや」で、峯子に買わせたはずのキッチン鋏のことにもふれず
に。
 加賀の目は、そんな麻紀と鈴江のやりとりをジッと追いかけてい
た……。

 捜査本部に戻った加賀と松宮は、麻紀と三井峯子の銀行口座を調べ、
麻紀の銀行口座から二十万円が引き出され、峯子の口座に二十万円が
振り込まれていることを確認する。

 そのころ、人形町のタウン誌記者・青山亜美(黒木メイサ)の家に
電話がかかってくる。同棲中の男・清瀬弘毅(向井理)への電話。三
井峯子の葬式が明日、行われるというのだ。弘毅は峯子の息子である。
 父親と峯子は離婚し、弘毅はそのまま自分の夢を追いかけるといっ
て姿を消した。父親の雇っている税理士・岸田要作(笹野高史)を通
じてしか、今は父親とも連絡を取ろうとしていない。
 葬式への出席を勧める亜美。が、弘毅は「いかないよ」と言い切る。

 加賀はまた、ふらりと「柳沢商店」へ現れる。
 鈴江がひとりで店番をしていた。
 何の用かと、いぶかしむ鈴江に、「キッチン鋏を見せてください」
と頼む加賀。
 鈴江が台所へとバタバタ去っていくところで、加賀は鈴江が熱心に
見つめていたパンフレットを盗み見る。それは、「伊勢志摩」へのツ
アー旅行のパンフレット。鈴江は近々伊勢志摩へ行くようだ……。
 キッチン鋏はまだまだ新しく、買い換える必要がなさそうだと確認
する。
 加賀は、顔なじみになった煎餅屋「あまから」の煎餅を手みやげに
渡す。すると鈴江は、「自分は歯が悪くなってしまっていて、煎餅は
食べられない」と渋い顔をする。
 それならば、息子さんやお嫁さんに、と煎餅をおいて加賀は去って
いく。

 その晩、店の片付けをしていた尚哉と、帰ってきた麻紀が鉢合わせ
する。
 麻紀はきょろきょろとそこかしこを見回して、姑の鈴江を探す。
「……あの人は?」
 風呂だと尚哉が答える。麻紀は急いで居間に上がり、鈴江の旅行バ
ックをこっそりと探り始めた。
 が、そこへタイミング悪く上がってきた鈴江。血相を変えて「何し
てるのっ!」と麻紀を旅行バッグから引きはがす。
 他人のバッグを勝手にあさる泥棒猫だと決めつけられて、逆上して
麻紀は飛び出していってしまう。

 三井峯子の葬式が行われた。
 葬式の会場には、捜査本部の人間がそこかしこにいた。連絡も取れ
ずにいた、峯子の息子・弘毅が葬式に現れるはずだと予想していたか
らだ。
 さらには、亜美、岸田らの姿も……。
 参列客の間からは、「息子も葬儀に来ない。元夫も来ない……薄情
なものだ」とひそひそ声があがっていた。
 捜査本部の刑事たちもいらだちを隠せなくなってきた頃、突然、弘
毅が平服のままで現れる。
 その一方で、柳沢麻紀が行方をくらませた、と小嶋に元へ報告が入
る。
 至急、加賀と松宮が人形町へ戻る。

 加賀たちは、麻紀がしょっちゅう行っていたというネイルサロンへ
向かう。
 が、しばらく前から着ていないという。
 ただ、ネイルサロンに来ないときでも、ネイルサロンの近所でよく
見かけると、店員の証言が出た。
 ……自分にまで嘘をついて、いったいどういうことなのか。
 尚哉は力なく、その場にうずくまってしまう。

 柳沢商店に戻った加賀と松宮、それに尚哉。
 暗い表情の三人を残して、鈴江はどこかへ出て行ってしまう。その
後を、松宮が尾行につく。
 落胆の表情をかくせない尚哉に、加賀は断言する。
「大丈夫……麻紀さんは今夜必ず、帰ってきますよ」
 あんな姑がいて、いじめられていたら、離婚されてもしょうがない。
 尚哉はそういって、やけ気味に反論する。
「……その、お母さんのために、麻紀さんは帰ってくるんです」
 加賀はほほえみを浮かべながら、きっぱりというのだった。

 実は、麻紀が買おうとしていたのは「食用鋏」。「うぶけや」特製
のもので、食事中に堅い食材・たこやイカ、あわびなどが出たときに
使うものだという。そして、鈴江は「伊勢志摩」への旅行を決めてい
て、そこの名物は「あわび」料理。鈴江が楽しみにしてた「あわび」
を食べてもらうためにと、麻紀は「食用鋏」を三井峯子に頼んでいた。
が、峯子は間違えてキッチン鋏を買ってしまったのだ。
 昨夜、麻紀が鈴江の旅行バックを漁っていたというのも、この「食
用鋏」をこっそりカバンの中に入れようとしていたからだ。
 それらを鈴江にないしょにしておくために、これまで不審な行動を
とっていたのだろうし、一番最初に峯子と「他にやりとりはなかった
か」という問いにも、はっきりと言えなかったのだ。

「女性というのは複雑なものです……。仲がいいように見えて悪いと
いうケースも、往々にしてあることです。もちろん、その逆のケース
もある。刑事をしていて一番やっかいなのは、女性の心理を見抜くこ
とです」
 加賀は、呆然と立ちつくす尚哉に、ゆっくりと説くのだった。

 さらに、麻紀がネイルサロンに行く、と嘘をついて外出していた理
由というのも、はっきりした。麻紀は、パソコン教室に通っていたの
だ。そこで習ったことを利用して、「柳沢商店」のホームページを作
っていたのだ。
 こんなにも店のことを考えてくれていたのに、麻紀を疑ってしまっ
た……。
 尚哉はその場に崩れ落ちる。と、そこへ麻紀が帰ってきた。
 尚哉が麻紀に抱きついて、すべて知っていると告げると、「サプラ
イズだったのに……」と麻紀は照れくさそうに笑うのだった。
 そこへ、松宮からメールが入る。鈴江もまた、心配して、町中を麻
紀を探し歩いているというのだ。

 改めて、麻紀に食用鋏を、鈴江の旅行バッグにに入れるようにうな
がす尚哉。
 どうに無事に、旅行バックに忍ばせることに成功し、笑いあう二人。
 バッグの一番上に入っていた「伊勢志摩」の旅行パンフレットには、
折り目がつけてあって、そこには大きくアワビ料理の写真が。
 ……本当に楽しみにしていたんだ。
 苦笑しあう尚哉と麻紀。
 が、パンフレットをさらにめくっていた尚哉が、はっと気がつき、
麻紀にあるページをめくって差し出してみせる。
 ページを見た麻紀の顔色が変わる。
 そのページには、赤い丸がしてあった。囲んであったのは、「伊勢
志摩限定ご当地キティ」グッズ。
 麻紀がキティの大ファンだと知っていて、それをおみやげに買って
こようと、鈴江も考えていたのだ。

 疲れた顔で戻ってきた鈴江。
 すごい剣幕で、麻紀をしかりつける。
「柳沢商店の嫁だという自覚を持ちなさい!」
 けれど、その後、すこし表情を和らげて続ける。
「……はっきり言って、尚哉はあんまりアテにならないの……店をや
っていくのはあなたなんだからね。……帰ってきて……本当によかっ
た」
 照れ隠しに、そのまま旅行カバンを抱えて居間を出て行く鈴江。
 旅行カバンのなかから「食用鋏」を見つけ、ひとりうれし涙を流す。

 三井峯子に渡した二十万円も、キティのデコレーションをしたパソ
コンの代金。
 すべての謎はとけた……が、ひとつだけ、麻紀に食用鋏を渡したの
は誰だったのか。
 三井峯子は、間違ってキッチン鋏を買っていた。それなのに、いつ
のまにか麻紀の手元には食用鋏があった。
 加賀は、「うぶけや」に残されていた噛み跡のあるキャップのペン
から、その相手を特定する。
 ボールペンのキャップを、口でくわえて抜く癖をもっている人物。
それは、加賀のよく知る記者・亜美だった──。



寸  評  古いお店の中で起こった、嫁姑問題を軸に謎を解き明かす展開で
した。
 とてもわかりやすい構図と、丸く収める展開。
 さすがにうまいなぁ、と感心させられました。
 その反面、ちょっとうまくいきすぎるような嫌いもありますよね。
 普通、趣味が合わないヤツっていうのはとことこん、どうやっても
合わないものですし。逆に、最初からピンとくる人間とは、わりとあ
とあとまでうまくいくもんです。
 今回のように、「普段はいがみ合って口も聞かないけど、実は心底
思い合っている……」っていうのは、「ありそうでない」関係だと思
うんですよね。
 でも、「女性心理は複雑で……」と加賀の口で言わせることで、強
引に説得力を持たせているんですね。そこがまた巧みでニクイ。
 次回も楽しみです。


執 筆 者 畑中ヒロ()

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 風邪で五日間寝込みました。妻がまず最初に風邪を引き、それが息子にうつ
り、最後に私に回ってきました。しかも、感染するごとにパワーを増して行っ
ているようで、妻は一日、息子は三日、そして私は見事に五日寝込みました。

 大変つらかったんですが、それはそれで「ああ、家族なんだなぁ……」とし
みじみ感じる出来事でした。(畑中ヒロ)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。