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タイトル:Daily Drama Express 2010/04/22 素直になれなくて (2)  2010/04/26


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/04/22 (Thr) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 素直になれなくて hard to say love you
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 中島圭介(瑛太)   ハンドルネームはナカジ
 水野月子(上野樹里) ハンドルネームはハル
 パク・ソンス(ジェジュン)ハンドルネームはドクター
 西村 光(関めぐみ) ハンドルネームはピーち
 市原 薫(玉山鉄二) ハンドルネームはリンダ
 パク・ミンハ(木南晴夏)
 松島健太(阪本奨悟)
 高橋正文(竜星 涼)
 前田由起(逢沢りな)
 水野シュウ(中村優一)
 奥田真理子(渡辺えり)
 山本桐子(井川 遥)
 水野祥子(風吹ジュン)
 中島亮介(吉川晃司)
 山本智彦(矢島健一)
 峰原 隆(田中哲司)
 白石高文(東根作寿英)
 市原美佐子(朝加真由美)
脚  本 北川悦吏子
主題歌 WEAVER 『Hard to say I love you 〜言い出せなくて〜』(A-Sketch)

あらすじ 第2話「仲間、いますか?」

 ハル(上野樹里)は気が動転して、立ちすくんでしまった。
「これ、近くまで来たから。お邪魔してごめんね」
 作り笑いしながらハルは逃げるようにナカジ(瑛太)のアパートを
離れた。頭が混乱して、自分がどうなっているのかよくわからない。

「はじめまして。ピーちです。ツイッターデビューしました」
 傷心の光(関めぐみ)はツイッターに入って、つぶやいた。
 光は付き合っている相手にやっと会えた。相手とは社内不倫。でも
妊娠したことを告げれば結婚できると光は喜んでいた。が、相手はそ
っけなく「それ、本当に俺の子?君っていろいろ噂あるじゃん」とそ
っけなかった。
 リンダ(玉山鉄二)が、ドクター(ジェジュン)が、次々とフォロ
ーしてくれた。でもピーちの心はすぐれない。

 ハルは仕事の帰りにコンビニで立ち読みしているナカジを見かけた。
気まずいのと気になるのが錯綜したが、気になる方が強かった。
「この変人!」
 立ち読みしながら1人ニヤニヤしているナカジにハルは意地悪く声
をかけた。
 ナカジは飄々としていて、桐子(井川遥)と一緒にいたところを見
られたのを何とも思ってなかったようだ。
「で、仕事はどうなの?」
 そう聞かれて、ハルはいろんな生徒がいて戸惑っていると打ち明け
た。
「へえ、俺が生徒だったらチョーいい先生だね」
「それがいけない。その思わせぶりがいけない」
 ハルは思わずそう口走った。ナカジは気があるようなことを言って
ても自分に気はないのだから。とはいえ、やはりナカジとはウマが合
う。ハルは思わず笑った。
「でもうれしかった。ナカジの『ガンバレ』」
 コーヒー缶のお礼をハルは言った。
「でも何で口で言わないの?」
「苦手でね。俺は頑張ってないし。仕事うまくいってないし」
「正直なんだね。もっとかっこつける人かと思った」
「ハルにカッコつけても仕方ないでしょ」
「……」
 やっぱりハルはショックだった。
「ああ、じゃあこんな感じ?」
 ナカジはきざな表情を見せた。ハルは思わず吹き出してしまった。
「がんばれ、お互いに」
「じゃあ頑張りますか」
 ナカジはどこまでもおどけた調子だった。けれどハルにはそれが居
心地良かった。いつまでもしゃべれる気の合う友達、そのくせドキド
キさせられる。ナカジはそんな存在だった。

 その晩気になるつぶやきが入って来た。
「これから私まっ暗闇、そして私、いなくなる」
 ピーちからだ。全員慌ててピーちのマンションに駆け付けた。ピー
ちはリストカットして倒れていた。リンダの知り合いが医者なのです
ぐその病院へ搬送した。
 幸い大事に至らずピーちは意識を回復した。
「みんな、ありがと。私のことよく知らないのに……」
 ピーちは申し訳なさそうだった。
「あんなことつぶやかれたら、みんな来るよ」
 リンダが優しく言った。ドクター、ナカジ、ハル、みんなうなずい
た。
「みんな光のために来てくれたんだよ」
 ハルの言葉にピーちは首を振った。
「あたしはピーち。あたし生まれ変わりたい。新しい自分になりた
い……」
 新しい自分、その言葉はみんなの心に響いた。新しい自分になりた
い。うまく生きていけなくて、生まれ変わりたい、そんな思いからツ
イッターを始めたことをみんな一様に思った。そしてそこで知り合っ
たピーちのためにみんな駆けつけた。新しい仲間と新しい自分。

 次の日ドクターはリンダを訪ねた。リンダの知り合いが医者なのを
知って、医療機器を買ってもらおうとしたのだ。自分が医者でなくて、
医療メーカーの営業マンであることを正直に話し、必死に頼んだ。リ
ンダは困った。リンダには優秀な兄がいて今じゃ東大医学部の助教授
になっている。その兄にコンプレックスを感じて家出同然で飛び出し
た。それ以来家には帰ってないのだ。ドクターは土下座してきたので、
リンダはますます困った。

 ピーちが退院したのでオフ会を開くことになった。一足先に来たの
はナカジとハルだった。
「これ見てよ。ハルが頑張れって言ってくれたから頑張ってみたよ」
 ナカジはアルバムを出した。風景写真を集めたものだ。こういうの
を作って売り込みに行くのだと言う。けれどリンダたちが来るとナカ
ジは取り上げてしまってしまった。
「見せないの、みんなには」
 自分だけ?そう思ってハルはなんだか嬉しくなってしまった。

 この日は久しぶりに楽しいひと時だった。みんな弾けて、ハメ外し
て解放感に浸れた。でもハルは飲みすぎて気持ち悪くなってしまった。
ドクターが慌てて介抱しようとした。
「ちょ、ちょっと待って。こんなキレイな顔の前じゃ吐けない。ナカ
ジがいい」
 拒否されたと思ってドクターはちょっとショックだった。けどリン
ダの考えは違った。
「そりゃ女心だよ。好きな人に吐くところは見せられないでしょ」
 ドクターはとたんに嬉しそうになった。ははーんとナカジは思った。

 そのときからみんなの中で何かが動き始めた。ナカジはリンダに自
分の写真を売り込みに行った。リンダは編集長に掛け合うことを快諾
した。そのリンダは10年ぶりに実家に帰り、父親に頭を下げた。ド
クターの会社の医療機器を買ってほしいと。

 ナカジはハルに映画のチケットを渡した
「あーっ『ラバーズインニューヨーク』。これ見たかったんだ!」
「土曜3時な。きっといいことあるよ」
 ナカジはにっこりした。ハルは舞い上がるような気分だった。

 精いっぱいめかし込んでハルは待ち合わせ場所に行った。が、現れ
たのはドクターだった。
「……」
 ハルは愕然となってしまった。

 ピーちに呼ばれてリンダはダイニングバーにやって来た。1人で飲
んでいるらしい。
「どうしたの。俺にできることなら力になるよ」
「じゃあ、抱きしめて。あたしと寝て。そしてあたしを好きになって」
「ピーち……」
 ただならない雰囲気にリンダは驚いた。
「ごめん。なら肩貸して。5分だけ……」
 リンダはそれ以上何も聞かず、そっとしておいた。

 ハルは1日中ぼんやりしていた。ドクターがまめまめしくしてくれ
る分申し訳なさでいっぱいだった。
「ナカジが言ってくれました。勇気出せって」
 すべてはナカジが仕組んだことと知ると、ハルはますますショック
だった。

 桐子が指輪を忘れたのをナカジは届けに行った。明日ダンナが帰っ
て来るからと桐子は言った。ナカジが急いで行ってみると、窓越しに
桐子がダンナとじゃれているのが見えた。どうやら予定が早まったら
しい。ナカジは何もできずに引き返した。途中、手にした指輪を川に
投げ捨てようとした。けれど、できなかった……。

 疲れきってハルは帰って来た。電車を降りると偶然向かいのホーム
にナカジがいた。
「ハル、どうしたおしゃれして。あーっドクターとデートだ」
 おしゃれと言われて、ハルは恥ずかしくなった。
「思っていること言っていい?」
「あん?」
「ナカジのバカ野郎。あたしのガンバレ返せ!」
 ハルが泣きそうな顔をしていたので、ナカジは驚いた。ナカジの乗
る電車が入って来た。ハルは思わずしゃがみこんだ。
「嫌いだ、あんな奴。大嫌い。好きだったのに、本当は好きだったの
に……」
 涙が込み上げてきた。
「ハル」
 不意にナカジの声が聞こえた。電車に乗ったはずのナカジが立って
いた。

 ピーちはアイスを頬張りながら独り言が口をついた。
「あたっちゃいましたか……」
 妊娠検査薬の結果は陽性だった。

 リンダはナカジの写真を使ってくれるという話を聞かされ、夜奥田
(渡辺えり)のマンションに呼ばれた。大喜びで行ったリンダを奥田
は胸の谷間を強調した薄い服装で出迎えた。「また……」。リンダは
これから起こることを想像して絶句した。

 ハルの弟シュウ(中村優一)はなぜかハルの教え子の松島健太(阪
本奨悟)に会っていた。健太は不気味な笑顔を浮かべていた。

 そしてハルの母祥子(風吹ジュン)はなぜかナカジの父親亮介(吉
川晃司)に会い、ホテルへと入っていった。
「ねえ、あの時のことあたし……2人だけの秘密だもの」
 祥子は甘えるような声で言った。



寸  評  ハルのキャラクターが弱いかなあという気がします。常識的な思
考の極普通の人ですし、性格も普通の人というか平凡です。ナカジは
桐子という存在があり、ピーちは不倫にリストカット、リンダはED
にパワハラ、ドクターは医者になれなかったコンプレックス持ちと周
囲の方が心の葛藤を持っていてインパクトが強いです。ただハルの母
親や弟が妙な動きをしてますし、教え子のたくらみなど波乱含みなと
ころはありますが。
 また、古臭さは依然あります。フリーのカメラマン、営業より編集
が上、メーカーの営業マンより医者が上、子ども服のショップ店員よ
りCA、非常勤講師より正規教員が上などなど。クリエイティブで華
やかな仕事がもてはやされたのはバブル期で終わっているのをいまだ
に引きずっているのはちょっと首をかしげてしまいます。
 しかしそれにもかかわらず、今回はテンポもよく、随所に気になる
展開を仕掛けてますので飽きずには見られました。「ラブシャッフル」
を見ていたときも感じたのですが、脚本家のテクニックでこの作品は
何とか持ちこたえているのだと思います。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 春ドラマは15%越えが続出しているようで、珍しい現象が起きている気が
します。中でも『怪物くん』は驚きでした。実写に向かず、失敗間違いなしと
言われていて、私もそう思いましたので。しかしふたを開けてみると、念力と
か特殊能力ではなく、あくまで人間的な成長を描く点に焦点を当てたので大き
な破綻がなかったのが功を奏した格好でしょうか。となれば、子供向けの内容
に加えて、昔アニメを見た親世代と幅広く視聴層を獲得できる強みはあります。
もっとも後番組が嵐のバラエティで抱き合わせの感もありますが。(けん)

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