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タイトル:Daily Drama Express 2009/09/21 チームバチスタの栄光 ナイチンゲールは啼かない  2010/04/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/09/21 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル チームバチスタの栄光 ナイチンゲールは啼かない
局  名 日本テレビ系
放映日時 火曜22時
キャスト 田口公平(伊藤淳史)
 白鳥圭輔(仲村トオル)
原  作  海堂尊 『ナイチンゲールは啼かない』
脚  本 後藤法子
主題歌  

あらすじ  ナイチンゲールの沈黙

 女性が部屋で、男性に口を押さえられ、服を破られる。

 女性はなんとか抵抗し、雨の中、『牧野』と書かれた部屋を出る。

 道路に出ようとしたところで、傘を差した少年と会う。


 翌日。
 東城大学医学部附属病院。
 後頭下開頭腫瘍摘出手術。

 オペが終わり、麻酔をオフにすると、執刀医は患者を起こし、指を
1本.....チョキに開いて.....握って.....と動かすよう、指示する。

 その執刀医・西園寺正也(遠藤憲一)教授は、患者・岡部巧(中島
健人)の両親に、オペの成功を伝える。


 3日後。
 自転車で出勤する、不定愁訴外来の医師・田口公平(伊藤淳史)。

 高階権太(林隆三)病院長に、院長室で会う。

 田口を呼び出した高階の用件は、脳神経外科の西園寺が、訴えられ
るかもしれないということ。
 オペは成功したのに、患者である巧が目覚めない、というのだ。
 巧の保護者である伯母夫婦・岡部貴美子(宮地雅子)と岡部幸一
(下村彰宏)が、訴訟の準備を進めているというのだ。

 バチスタスキャンダルから9ヶ月。まだまだ世間の東城医大を見る
目は厳しい。よって、この件を調査して欲しいと言う。

 田口は、無理だと断るが、高階は、田口は一応あの人の助手と言う
ことになっているでしょ、と言う。
 田口は、あの人だけは阻止してくださいと頼むが、高階は、もう遅
いと言う。

 厚生労働省大臣官房秘書課付技官・白鳥圭輔(仲村トオル)が、東
城医大の廊下を闊歩している。

 田口が、なんであの人が、と愚痴りながら、不定愁訴外来の部屋の
ドアを開けると、すでに白鳥がいて、珈琲を飲んで、くつろいでいる。

 特別愁訴外来看護師・藤原真琴(名取裕子)の淹れる珈琲は最高。

 白鳥は、また東城医大で事件かと言うが、田口は今回はまだ事件と
決まったわけではないでしょ、と反論を試みるが、敢えなく撃沈。

 真琴にも、行ってくださいと言われ、仕方なく白鳥と向かう田口。


 脳神経外科に二人が乗り込むと、牧村瑞人(高田翔)(14)の、
神経芽腫のカンファレンス中。

 そこにずかずかと入り込んだ白鳥は、誰かと聞かれ、
 厚生労働省医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長
と肩書きを述べる白鳥。
 西園寺はどこかと見回し、天才という感じの人だと当たりを付ける。

 西園寺は脳神経外科講師 第一助手・三浦守(袴田吉彦)に、カン
ファレンスを続けるよう言う。
 それに構わず白鳥は、実はオペは失敗していたんじゃないの?と嫌
みを言う。
 西園寺は、オペ直後に撮ったMRIの写真でも、成功しているし、
直後に目覚めて、手も動かした、と言う。
 それが、翌日目覚めなかった。オペ後の20時間で、脳幹に血腫が
広がり、それによって意識もなく、身体も動かなくなったのだ、と。

 白鳥が、オペのあと、三浦が西園寺の目を盗んで、ちょんと血管を
傷つけたんじゃないのか?と言う。
 西園寺は、脳外科は、心臓外科のようなチームではなく、西園寺
1人でやる個人プレーだ。すなわち、1人の優れた脳神経外科医さえ
いれば、あとは誰でもいいのだ、と言う。

 白鳥は、それなら、西園寺自身がやったのではないか?と言う。
 西園寺は、そんなもったいないことをするわけがない、と言う。脳
の手術は、肉眼では見えないほどの小さな腫瘍を取り出し、極細の糸
で縫う。いわば難しいオペを成功させることはゲーム。オペが難しけ
れば、難しいほど、燃える、と言う。

 カンファレンス・ルームを出ると田口は、オペをゲームというなん
て、不謹慎だと、憤慨する。


 巧に会うために、ICUへ行く。
 巧のそばには、三浦と、小児科看護師・浜田小夜(山田優)がいた。

 田口が、巧の目が開いている。目覚めたのではないかと言うが、三
浦は目を開けているだけで、目覚めているわけではない、と言う。

 白鳥は、三浦は西園寺に、あんな言われようをして、腹を立ててや
ったんじゃないか?と、揺さぶりを掛ける。
 三浦は、そんなことはない。ここはICUだ。出て行ってくれ、と
言う。


 小児病棟にやってくる、白鳥と田口。そこで小夜に会うが、小夜は
佐々木アツシ(加部亜門)に薬を飲ませる時間だからと、アツシを抱
え上げ、ベッドに寝かせている。

 白鳥と田口は、その病室にまで入っていく。そして同室の瑞人に、
巧とは同い年ぐらいだよね。何か巧のことで気付いたことはある?と
問う。
 瑞人は、何もない。それより巧はいつ戻ってくるんだ?と逆に問う。

 答えられない白鳥に、不快感を隠そうとしない瑞人。

 小夜が二人を廊下に連れ出し、子供たちには、巧が目覚めないこと
は話していない。子供たちが動揺するので、子供たちに直接訊かない
でくれ、と頼む。

 小夜が困っていると、そこに小児科 看護師長・猫田麻里(猫背椿)
がやってきて、小夜を助ける。
 白鳥と田口の名前を、病院スタッフで知らぬ者はいない。疫病神だ、
と麻里。

 それに対して白鳥が、幸運を運んでくるかもしれない、と反論する
が、麻里に軽く一蹴される。そしてうちに入院している子供たちや看
護師に勝手に接触するな、と言う。それからニヤリとすると、質問に
答えられないとは言ってないわよ、と付け足す。


 廊下で白鳥は、小児科講師・内山聖美(小沢真珠)に、なぜ主治医
なのに、巧のオペに立ち会わなかったのだと訊く。

 聖美は、自分が行ってもやることはない。それに聖美自身は沢山の
患者を抱えていて、子供たちは言うことを聞かない。出番のないオペ
に立ち会っている時間なんて無い、と言う。


 白鳥と田口がロビーにいると、西園寺と三浦がやってくる。西園寺
は手ぶらで、三浦が西園寺の荷物をすべて持っていた。

 白鳥が三浦に、本当の鞄持ちだな、と嫌みを言う。
 西園寺は、脳外科医にとって、指先は大切。重いものなんて、持っ
てはいけない。我が子さえ、生まれてから一度も抱いたことがない、
と言う。

 白鳥は三浦に、三浦だって脳外科医だろう。そこの三浦の指先は大
切ではないのか?
 それとも三浦は、西園寺が失脚すれば、自分が脳神経外科のボスに
なれると思いながら、その機会をうかがっているのか?と揺さぶりを
掛ける。

 三浦は、そんなことは、考えたことがない、と否定する。

 田口は白鳥に、どうしてみんなに恨まれるようなことばかり質問す
るのだ、と訊く。
 白鳥は、これぞ悪ティーブ・フェーズの極意。相手を怒らせて、真
実を引き出すのだ、と言う。


 瑞人の父・牧村鉄夫(金山一彦)の死体が自室で発見され、警察が
捜査する。


 病室の屋上で、海を見ていた瑞人の所に、田口が駆けてきて、みん
なで瑞人を探していた。落ち着いて聞いて欲しい。瑞人の父親が殺さ
れた、と田口。
 でも、瑞人の反応は無い。

 田口が、父親だよ、と念を押しても、「へーえ」と言うだけの瑞人。
そして、「葬式とか、やんなきゃなんねーのかな。めんどくせー」と
言う。

 瑞人の前に立つ小夜。

 警察の事情聴取を受ける瑞人。警察は、凶器は部屋にあった時計。
死後数日経っている、と言う。

 瑞人は、犯人捜しなんてやんなんてもいいよ。あんな奴、殺されて
当然なんだ、と言う。


 田口は、麻里の話を聞く。
 麻里は、瑞人は視神経膠腫でけいれんを起こし、東城医大に運ばれ
てきた。
 『視神経膠腫』は、視神経にできる脳腫瘍。小児に多く、視力障害
を起こす。放っておくと失明の恐れもあり、手術が必要。

 白鳥が、またオペは西園寺ですか?巧と同じことになるかもしれな
い、と言う。

 でも、瑞人の場合は、オペできない、と麻里。なぜなら、父親・鉄
夫が、手術に同意しないからだ。手術に金がかかるので、反対してい
たのだ。瑞人は未成年なので、手術には、保護者の同意が必要。母親
はすでに亡くなっている。

 瑞人の場合、オペをしないと、失明どころか、生命にさえ危険があ
る、と麻里。

 麻里は、この病棟は呪われている、と言う。巧は、手術は成功した
はずなのに、目覚めないし、と。

 その言葉を、やってきた瑞人が聞いてしまう。

 麻里は、今の話は、他の人には黙っていて欲しい。それよりも、瑞
人も早く後見人を決めて、手術をしなければ、と言う。

 だが、瑞人は手術しない、と言い張る。


 夜、寝ながらアツシが泣いている。瑞人が、うるさい。黙れ、とア
ツシに言う。

 そこに小夜が来て、アツシに、『星に願いを』を歌ってあげる。小
夜の歌声は天使のようで、アツシは安らかに眠る。


 田口が今までに聞いたことをノートにまとめ、考えている。

 白鳥がやってきて、不定愁訴外来の主のように座り、田口に珈琲を
淹れさせる。

 5日前の午前11時頃、夜、不審な二人組を乗せたタクシーが見つ
かった。中学生の二人組で、一人が体調を悪くし、もう1人が急いで
登場大病院へと言った。その夜、巧は緊急オペを受けている、と話す
白鳥。


 寝ているかのように見えた猫田は、入ってきた小夜に、どうして瑞
人があそこまでオペを受けたがらないのか、原因を探る必要がある。
明日ちょっと訊いてみましょう、と言う。

 小夜が、どなたに?と訊くと、わたしの師匠、と猫田。


 翌日の不定愁訴外来。
 瑞人も含めて、小児科に入院している子供たちが騒いでいる。

 白鳥は、いつから幼稚園になったのだ、と言う。
 田口は、小児の愚痴も聞いて欲しいと頼まれたので、と言う。

 これは、真琴が猫田から頼まれたために、実現した。猫田は真琴の
愛弟子だと言う。

 白鳥が、自分が怪文書を自作自演していたなどの情報を、猫田にバ
ラしたのは真琴だったのか?と問うと。あっさり、そうだと答える真
琴。
 口だけは軽いんだ、と白鳥。

 アツシと、もう1人の少年が、ハイパーマンバッカスの話をしてい
る。
 でも、ちんぷんかんぷんな田口。
 それに対して白鳥は、スラスラと説明し、子供たちが出した問題に
も、バッチリ正解。

 驚く田口に、お子ちゃまからお年寄りまで、幅広い知識が必要だ、
と言う。

 そして子供たち相手に、「好きなだけ、尊敬してもいいよ」とふん
ぞり返る。

 田口は瑞人に、少し外へ出ようと誘う。

 外を歩きながら田口に、瑞人は不思議だという。なぜなら、父親が
死んだと言われても、無関心だったのに、巧が目覚めないと聞いたと
きには、本当に動揺していた。

 以前瑞人は、巧のものを盗んだ。でも、それを見た巧は、上げたも
のだと言った。

 巧には、恩がある。巧がああなった今、瑞人は巧に、借りがある。
瑞人だけ、目が良くなるわけにはいかないと言う。

 二人で、病院を抜け出したの?と問う田口。
 瑞人は、これから言うこと、どうせ信じないだろう?と言う。
 田口が、信じるというと話し始める瑞人。

 あの夜、二人はバラバラに病院を抜け出した。そして牧野家のアパ
ートの前にたどり着き、部屋に入った。その時はもう、鉄夫は完全に
死んでいた。
 巧はそれを、自分のせいだと思い悩んでいた。

 瑞人は、このことで巧の病状を悪くしたと思い、自分の眼は治らな
い方がいいと思った、と。


 西園寺のカンファレンス。そこに乗り込む白鳥と田口。

 白鳥は、巧に見られたことを話されては困る者がいて、巧を目覚め
ないようにしたのではないか。やはり、西園寺が?と言う。

 西園寺が、オペに成功していたのだとしたら、ICUに入っていた
間の20時間に、誰かが細工を?

 だが、ICUには常時10人以上の人が働いていて、その隙を縫っ
て、巧に腫瘍を起こさせることは無理だ。

 西園寺がいなくなった後、白鳥は、三浦に確認する。
 すると、三浦も教授になりたいと思っている。でも、そのために患
者さんの命を危険にさらすことなんてできない、と言う。


 小夜が、巧がICUから戻ってきたと言いながら、病室に入ってく
る。そして、瑞人に、巧の所に行こうと言う。巧が会いたがっている、
と。

 瑞人がそっと入ってくると、巧のベッドの脇にいた三浦が、脳に刺
激を与えた方がいいと言う。
 田口が、友達の声を聞いていれば、目覚めるかもしれない、と言う。

 すでにそこにいた、アツシたちが、巧に話しかけている。

 その後も、車いすに座らされた巧のまわりに、小さい子たちがいる。

 田口は、そっと去っていく瑞人の姿を見る。巧のパジャマの胸ポケ
ットの中に入れられていたものも。


 屋上で田口は、やってきた瑞人に、まだ諦めることは無い。脳は未
知の領域だから、まだまだ可能性はある、と言う。

 無視する瑞人に、どうして巧にこれを返したの?と、巧の胸ポケッ
トに挿してあった飛行機の模型を見せる。巧に貰ったものではないか、
と言う。

 瑞人は、貰う資格が無いので返した、と答える。


 夜、巧の病室の窓から、外を見ながら歌を歌っている小夜。

 そこにいた田口が、声を上げる。巧が涙を流している、と言うのだ。


 翌日、fNRIを巧に施す。

 fMRI(functional Magnetic Resonance Imagine)とは、脳内
酸素の代謝量を、色で示すことで、脳の活性がわかる、画像検査。

 だが、巧の脳のどこにも酸素消費蝋が上がったところは無い。
 三浦は、巧が流した涙は、単なる反射かもしれない、と言う。

 田口は、思いついて、小夜に歌を歌って貰う。
 すると、巧の脳のあちこちにが赤く反応する。


 白鳥も含めた場で、白鳥は、『ロックイン・シンドローム』ではな
いか、と言う。
 ロックイン・シンドローム(閉じこめ症候群)とは、意識はあるが、
運動機能の麻痺により、意思伝達が不可能な状態をいう。
 極めて稀な症状ではあるが、と言い合う白鳥と三浦。


 オペに望んでいる、西園寺と三浦。
 西園寺は三浦に、巧は、ロックイン・シンドロームだって? 生き
てたんだ、と言う。
 わずかな不快感を示す三浦。


 巧のベッドサイドにいる田口、白鳥、三浦、貴美子。

 田口は貴美子に、巧はロックイン・シンドローム。だが、眼だけは
動かせることが多い。瞬きで意思疎通することが出来る人もいる。本
を一冊書いた人さえいる、と勇気づける。

 そこに西園寺が入ってきて、再手術をさせて欲しいという。

 びっくりする人々に、脳幹部にある血腫を取り除かせて欲しい。脳
幹部は人の生命に直接関係する。だから血腫はあったが、無理して取
り除いても、脳全体が死んでいれば、効果がないので、あの時は止め
た、と言う。

 貴美子は、西園寺には頼まない。西園寺のいうことは信じられない
ので、別の病院でオペします、と言う。

 嘲笑する西園寺。こんな危険な手術を引き受ける医者なんて、自分
のほかにはいない。脳幹の手術は、神の領域と呼ばれている、と言う。


 田口が巧に、「聞こえていたら、瞬きして」と言うと、開いていた
巧のまぶたが、ゆっくりと閉じる。

 喜び合う、田口と小夜。

 そこに白鳥が現れて、そのうち鉄夫の殺人事件の犯人もわかるって
か?と嫌みを言う。


 聖美の前に刑事が二人現れる。白鳥もいる。

 刑事は、証拠物件の、瑞人の手術同意書を示し、いつ取りに行った
のか?と訊く。

 白鳥が、冷たいことを言っていても、やはり瑞人のことを心配して
いたんじゃないですか、と嫌みを言う。

 刑事が、なおも問うと、知らないと聖美。忙しいし、鉄夫は苦手だ
から、小夜に行って貰った、と言う。


 麻美は小夜に、一人きりで鉄夫の所に行ったの?と責める。


 並んで座って、刑事の尋問を受ける、小夜と麻美。そこには、田口
と白鳥もいた。

 いつ頃、鉄夫のところへ行ったのかと問われ、月曜日、夜勤明けに。
お昼頃、と答える小夜。

 刑事が、その頃、アパートの住人が、女性の悲鳴を聞いたと言って
いるが、と問う。

 小夜は、鉄夫を説得して、瑞人の手術に同意して貰おうとした。そ
うしたら鉄夫が小夜を襲った。口を押さえられたが、手がゆるんだ隙
に、悲鳴を上げた、と答える。

 それだけか?と問われ、それだけです、と小夜。

 白鳥が、復讐するため、夜にもう一度、鉄夫の所へ行き、置き時計
でガツン!と殴ったのではないか、と言う。

 小夜はそんなことはしていません!と否定する。だが、アリバイを
問われても、一人暮らしで証明できない。


 田口は巧に、「はい」なら瞬き1回、「いいえ」なら瞬きを2回し
てみて、と言う。巧は1回瞬きをする。

 田口は、小夜を巧の前に連れてきて、この人わかる?と言う。

 困った感じの巧に、「この人は、内山聖美先生ですか?」と訊く。
すると巧は2回瞬きする。

 「浜田小夜さんですか?」と訊くと、1回瞬きする。

 巧はわかっているんだ!と喜び合う、田口と小夜。


 西園寺は三浦に、巧の検査の予定を入れておくよう言う。いぶかる
三浦に、巧の再手術をすることになると言う。

 そこに白鳥が現れて、巧の再手術をして、証拠を隠す気か。巧の再
手術は、絶対にさせない!と言う。


 田口は、ひらがなの五十音図を用意して、巧の所に来る。これを使
えば、巧の言いたいことを表せる、と方法を説明する。1回、瞬きを
する巧。

 田口が、鉄夫殺害事件の犯人は.....と口を開くと、目を閉じてし
まう巧。

 田口は質問を替え、巧の言いたいことを表してみようと、促す。


 白鳥は小夜に、巧に全部話されたら、困るんじゃないか? ICU
で巧の口を塞ごうとしたのではないか?と言う。

 小夜は、そんなことはない。巧には、早くよくなって欲しいと思っ
ている、と言う。


 巧が田口に伝えた言葉は、『みすとこめ』。意味が分からなく、悩
む田口。


 田口が巧に五十音図を示していると、そこに貴美子が入ってきて、
疲れたように座り込む。西園寺の言ったとおりだった。巧の手術を引
き受けてくれる医者なんて、いなかった、と言う。


 夜、三浦も巧に、五十音図を示して、話をしていた。また、プレゼ
ントを持ってきたと言って、飛行機の図鑑を開いて見せる。

 その様子を見た田口は、病室を出て、廊下であることを思いつく。


 田口は、車いすに乗せた巧を、中庭に連れて行き、話しかける。鉄
夫を殺したのは、小夜か?と。2回瞬きをして、否定する巧。

 では、誰をかばっているのか?と訊いても、巧は答えない。

 田口は、巧がかばいたくなるのだから、きっとその人はいい人なの
だろう。でも、その人は、巧にかばって貰えて幸せなのか。悪いこと
をしたけれども、黙っているというのは、とてもつらいだろうという。


 田口の家に来て、縁側に腰を掛けている白鳥。

 田口に、小夜は子供たちに人気があるのだな。脳に障害があるから
といって、嘘をつかないということにはならないぞ。田口は騙されて
いるのではないか、と言う。

 そこに田口の祖父・田口周蔵(横山あきお)が現れて、白鳥に声を
掛ける。白鳥は、「爺さん、まだ生きていたんだね」と応じる。

 田口の妹の田口翠(綾木里紗)と田口茜(石井美絵子)が現れ、白
鳥が持ってきた牛肉を喜び、白鳥のお茶碗とお箸もちゃんととってお
いた、と言う。さっさと捨てろ!と田口。

 妹たちは、白鳥が来なくて、田口が寂しがっていた、と言う。白鳥
は、そうだろう。田口の人生は、人一倍寂しいからな、と言う。田口
が抗議しても、誰も聞いてくれない。


 西園寺は三浦に、いつになったら瑞人の手術ができるのだ、といら
だたしそうに訊く。

 三浦は、まだ手術の同意書が取れていないと答える。

 そこに、田口と白鳥が入ってくる。

 西園寺の制止も聞かず、白鳥は、小児科のナースには、小夜以外全
員アリバイがあった。聖美も人と会っていた、というアリバイがある、
と言う。

 田口が続ける。西園寺は、巧とはほとんど面識がない。だが三浦は、
手術前から足繁く巧の病室を訪ねていた。巧の将来の夢まで知ってい
た、と言う。

 三浦は、「そうですか。巧君が話しましたか」と言う。そして、そ
こまで巧が回復したことを喜ぶ。

 あの日、三浦は小夜から、小夜では鉄夫を説明できなかったと相談
された。

 そこで夜、三浦は鉄夫に手術同意書を書いて貰いに行った。
 でも、酒を飲んでいた鉄夫は、瑞人には手術を受けさせない、と言
う。
 三浦は、瑞人に手術を受けさせないのは、保護者責任遺棄罪だとい
う。

 鉄夫は、瑞人も鉄夫も、二人とも死んでしまった方がいいのだと言
う。

 鉄夫は、帰れと、三浦を足蹴にする。
 それでも帰らない三浦に、鉄夫はバットを手に、殴ろうと構える。
 倒れていた三浦は、手に触った置き時計で、思わず鉄夫の頭を殴る。

 頭から血を流して倒れていた鉄夫。
 三浦は、その鉄夫を置き去りにして、部屋を飛び出す。

 部屋を出たところで、巧に会うが、そのまま走り去る三浦。

 白鳥は、三浦が巧の脳出血を起こしたのではないかと、ネチネチと
いう。
 三浦は、絶対そんなこはしていない。巧には、治って欲しいと思っ
ているのだから、と反論する。


 田口と白鳥は、二人で検討する。
 田口は、三浦は嘘は言っていないと思う、と言う。
 白鳥は、田口の勘を信じると、殺人事件の犯人と、巧を傷つけた人
物は別ということになる。殺人事件は解決したが、巧を傷つけた人物
はわからない。振り出しに戻ったと言うことか、と言う。

 小さな子供たちは、盛んに巧に話しかけるが、瑞人は離れたところ
に座っている。
 田口が、巧も瑞人と話したいのではないかと話しかけるが、瑞人は
無視する。


 田口がエレベータを下りると、目の前にアツシが立っている。
 田口は、さっき巧の所にいたよね、と言う。
 アツシは、バッカス星人は、瞬間移動できるのであります、と言う。
 アツシは、田口に、巧の所にもどるのでしょと言うと、田口に忘れ
物のファイルを渡す。


 不定愁訴外来。
 田口は、小児科に入院している子供たちの間には、不思議な絆があ
るように感じる。学校とは違うような、と言う。

 真琴は、やはり痛みを共有しているからなのでは、と言う。

 白鳥が調査に協力するか。まずは合コンだな。田口も来い、と言う
と、電話をかけ始める。

 田口は、合コンへの参加を断る。あの夜に何が起きたのか、看護記
録を調べてみると言う。


 田口が、ICUに看護記録を見せて貰いに行くと、巧の記録には、
『変化無し』と書かれている。記入したのは小夜。

 田口が訊くと、小児の場合、看護師は、病棟とICUを兼任すると
いう。


 白鳥が合コンをしている相手は、ICUの看護師達。ワインを飲み、
白鳥に仕事の大変さを分かって貰うと、彼女たちの口が軽くなる。

 白鳥が、先週の火曜日の夜、変わったことがなかったか?と訊くと、
巧のオペのあった日ね、と言う。

 あの日は、脳梗塞で倒れた急患も運び込まれ、大変だった。しかも、
モニターの故障もあって、と。モニターが鳴って調べると、誤作動だ
ったことがわかって、と。

 西園寺や小夜もいたのかと訊くと、いたとのこと。また、巧のモニ
ターも誤作動したとのこと。


 病院のロビーで、白鳥に調査した結果を報告する田口。

 白鳥は、巧のモニターだけは、誤作動ではなく、本当のアラームだ
ったのだろう、と言う。

 田口が、モニターの記録なら、データ管理室に残っているはずだと
言い、調べに行く二人。


 データ管理室で、患者のデータを調べている人物----西園寺。

 やってきた田口と白鳥に、データ管理室を出たところですれ違う西
園寺。
 「ホー、西園寺先生が、データ管理室に」と声を掛ける西園寺。


 田口が、巧のIDを打ち込んで、データを取り出す。だが、あの日
の記録だけが無い。

 西園寺に先を越されたな、と白鳥。


 不定愁訴外来に、また子供たちが集まっている。

 真琴が小夜に、大丈夫? と声を掛ける。小夜は、なんでも無い。
帰るとき、また来ます、と言って、部屋を出て行く。

 白鳥は、相変わらず『バッカス』を話題に、子供たちと遊んでいた。

 アツシが、絵を描いてきたと白鳥に見せる。その絵を見た白鳥はア
ツシに、厳しい口調で、この絵の場所はどこだと訊く。

 田口も、その絵を見て、ハッとする。


 屋上で待っている西園寺の所に、小夜がやってくる。

 西園寺は、あの晩の巧の血圧の変化の記録を見せる。こんな変化が
あったのに、看護記録には『変化無し』となっている。どういうこと
なんだ、と問い詰める。

 小夜は、あの時、巧を驚かせてしまって。自分の失敗でした、と言
う。

 西園寺は、そんなことでは、こんな波形にはならない。その時、何
があったのか? と訊く。

 そこに現れた田口と白鳥。
 「それはおかしいねぇ。小夜ちゃんが、そんなイージーミス する
わけないよね」と白鳥。

 「本当は、何があったんですか?」田口。
 小夜は、あの夜は混乱していてと言い、西園寺に詫びる。

 田口は、重ねて何があったのか訊く。
 だが小夜は、自分のミスだと言うばかり。
 どういうことなんだ?と西園寺。

 あの日、ICUにいたのは、病院スタッフだけだと思いこんでいた
が、そうではなかった、と田口。

 「アツシって、小さいのがいたでしょ。彼、小さいのに絵が上手い
よね」と白鳥。

 アツシが描いた絵は、ICUだった。そこに、『ひみつのどあ』と
書かれたドアがあった。それは、スタッフ専用のドア。なんども
ICUに運ばれたことがあるアツシはICUの内部もよく知っていた。

 田口が続ける。長く入院している子供たちは、恐ろしく院内の作り
に詳しい。だから、エレベータに乗った田口に先回りして、現れるこ
ともできた。

 白鳥が続ける。子供たちはモニターの操作やアラームなどもよく知
っている。

 そこに瑞人もやってくる。

 どうして?との声に、瑞人も関係者だからだ、と白鳥。

 瑞人が告白する。
 小夜が鉄夫の所へ行ったとき、瑞人もこっそり付いていった。そし
て、服を破られて出てきた小夜と会った。
 鉄夫のところへ行こうとした瑞人を、小夜は「病院へ帰ろう」と抱
き留め、促した。

 その後、病院の屋上で話をした瑞人と巧。
 瑞人は、あんなオヤジなんで、死んでしまえばいい、と言う。そし
て、二人で鉄夫を殺すことにした。

 巧は、その後、自分を殺して欲しいと瑞人に頼む。自分は助からな
いし、伯母にこれ以上迷惑を掛けるわけにもいかないから、と。

 巧の手術の後、瑞人は、三浦が同僚医師と廊下を歩いているときに、
「もう意識は戻らない」と言っているのを聞いた。

 そこで瑞人は、ICUに潜り込んで、酸素供給をOFFにした。だ
が、アラームが鳴る。瑞人は、酸素供給を止めただけでアラームが鳴
るとは思っていなかったので、焦った。そこを小夜に見つかった。

 小夜は巧の機器を元通りにし、大丈夫だったというと、瑞人に、こ
のことは小夜の胸にだけ秘めておくので、瑞人も忘れるよう言う。

 その後、瑞人は、三浦たちが話していたのは、同じ日に手術した別
の人のことで、巧は助かると言うことを知った。そのため、瑞人は、
自分だけ助かるわけにはいかないと、手術を拒否した。

 小夜は、それでも瑞人を擁護しようとする。

 田口は小夜に、かばうことだけが瑞人のためではない。巧も、瑞人
に詫びていた。あの時、巧が一番言いたかったのは、『みずとごめん』
だったのだ、と言う。


 貴美子は西園寺に、巧の再手術を依頼する。

 西園寺は巧に、この手術は大変危険な手術だ。だから、手術をする
かどうかは、巧の意思を尊重したい。手術を受けるか?と訊く。
 巧のまぶたは動かない。

 田口が、五十音図を示すと、『うけます』と巧。さらに、『だから』
と続ける。

 田口が瑞人に、巧からの伝言を伝える。『だから、瑞人も受けろ』
と。


 不定愁訴外来に、麻美と小夜がやってきて、真琴に報告する。巧も
瑞人も手術が決まった。たった一言で瑞人の心を変えてしまうなんて、
と麻美。


 巧の手術を見学室から見学する、田口と白鳥。西園寺の執刀で、
『後頭下開頭血腫除去術』が始まる。

 手術が終わり、巧の目を覚ます。西園寺は手術台に横たわっている
巧に、指を動かすよう指示する。指示通りに動かす巧。


 1ヶ月後。

 起きてきて、中庭に腰を掛けている巧と瑞人。

 瑞人は飛行機の模型は、オレにくれたのではないか?と言う。
 高いんだぞ、と巧。
 知っているよ、と瑞人。

 そんな二人を渡り廊下の窓越しに、見守っている高階。


 院内では、懲罰委員会が開かれ、責任を取る形で、小夜は辞めた。

 瑞人については、退院を待って、家事審判が始まることになった。


 不定愁訴外来で、和んでいる田口。真琴が、お砂糖とミルクをたっ
ぷりと入れておきました、と珈琲を出してくれ、喜ぶ田口。

 田口は、もうこれで、もう白鳥は来ないということも喜ぶ。

 郵便物を仕分けしていた真琴が、白い封筒から、便せんを取り出す。
 そこには、
 『東城医大救命救急では、
 不正が行われている。』
 と書かれていた。

 そこに白鳥からの電話。東城医大救命救急で不正があるんだって?
と。
 田口は、問題はありません。それに、今回は東城医大『内部』で解
決しますので、と断る。
 だが白鳥は、もう断れない。来てしまったから、と言う。

 大荷物をぶら下げた白鳥が、東城医大の門をくぐる。


寸  評  原作では、小夜の人生を掘り下げ、桜宮碧水医院との関係もあり、
次の『螺鈿迷宮』に繋がる伏線がありました。そのあたりは、バッサ
リ切り落とされていますね。

 また、原作で鉄夫を殺したのは、瑞人と小夜で、小夜が桜宮碧水院
で培った解剖の技術と知識を活かして工作するということだったと思
いますが、ここでは三浦が殴ったということになっていますね。瑞人
と巧の関わりは不明です。

 ところで、瑞人の眼が見えるようになったのだとすると、今後『夢
見る黄金地球儀』で、小夜とエージェンシーを立ち上げられないでは
ないですか。

 どうするのでしょう。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 気温の乱高下が激しいです。
 今のところ、風邪を引かずに過ごしています。
 三寒四温とはいえ、激しすぎます。
 早く、穏やかな日が来て欲しいですが、今度は暑くなると、涼しくなって欲
しいと、贅沢なことを欲するんだろうな、と思います。(鈴木)

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