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タイトル:Daily Drama Express 2010/03/12 宿命 (最終回)  2010/04/21


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/03/12 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 宿命1969−2010〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・
東京〜
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜21時
キャスト 財務省主計局主計官/有川三奈の長男 有川崇(北村一輝)
 為替ディーラー     笹山宣子(小池栄子)
 白井眞一郎の長女     白井尚子(上原美佐)
 有川三奈の次男     有川透(細田よしひこ)
 白井眞一郎の次女     白井亜希子(藤井美菜)
 財務事務次官     国枝芳史(矢島健一)
 笹山宣子の父     笹山太一(森次晃嗣)
 眞一郎の妻     白井逸子(松坂慶子)
 医療法人有川会病院長     有川和裕(田中 健)
 民自党政調会長     白井眞一郎(奥田瑛二)
 医療法人有川会代表     有川三奈(真野響子)
 内閣総理大臣     滝沢宗晴(若林豪)
原作   楡周平『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』
脚  本 坂上つかえ
主題歌  『瞳の奥をのぞかせて』ポルノグラフティ

あらすじ  医療法人有川会の御曹司・有川崇(北村一輝)と、民自党政調会
長の長女・白井尚子(上原美佐)の結婚式が行われた。
 有川会の財力を手に入れたい民自党政調会長の白井眞一郎(奥田瑛
二)。一方、政界進出をもくろむ有川会代表の有川三奈(真野響子)
と、長男の崇。両者の思惑や、さまざまな因縁を乗り越えての結婚。
 互いの愛情を確認しあった崇と尚子。晴れやかな表情は、心の底か
らの喜びだった。

 そのころ、政界に激震が走っていた。
 総理大臣の滝沢宗晴(若林豪)の元愛人が、中国の諜報員の女だっ
たと、スクープされたのだ。
 その週刊誌の記事を見た、崇の元恋人・笹山宣子(小池栄子)はあ
ることに気がつく。週刊誌にのっていた諜報員の女は、かつて宣子の
前に崇が付き合っていた女性……。その証拠写真も、宣子が握ってい
た。
 宣子は何かを考え込む。

 民自党は大混乱に陥っていた。政調会長の白井眞一郎、幹事長の長
谷部(山下慎司)らが善後策を話し合う。やはり、ここは滝沢を辞任
させるしかない。
 その決定にうなずきながら、眞一郎は不気味に沈黙する。
 実は、滝沢のスキャンダルをリークしたのは、眞一郎。
 ライバルだった滝沢を総理の座から引きずり下ろし、なおかつ自分
が代わりに総理の座に坐るための策略だったのだ。
 滝沢は失脚に追い込まれた。

 崇と尚子の結婚にも、滝沢のスキャンダルは影響を及ぼした。
 滝沢は二人の仲人になっていたからだ。
 しかし、民事党の最大派閥・滝沢派のトップが失脚するとなると、
ナンバー2の眞一郎が派閥を引き継ぎ、ひいては民事党の党首に、そ
して総理大臣になるはず。そうなれば、滝沢の仲人の問題など、どう
とでもなるだろう。
 そういって、三奈達は安心するが……。
 崇は、なぜこのタイミングで滝沢のスキャンダルがリークされたの
か、不審に思っていた。

 実は、滝沢の愛人が中国の工作員であるという話は、政界では知ら
れていたことだった。実際に、公安が動いたこともあり、その事実を
つかんでもいた。しかし、それは上からの命令でもみ消されてしまっ
ていた。そして、その当時、公安のトップだったのは、白井真一郎
……。
 その事実をつかんだ崇は、今回のスキャンダルが眞一郎によってな
されたものだと知る。

 箱根の閑静な眞一郎の別荘に、滝沢はかくまわれていた。
 憔悴している滝沢は、眞一郎から現状や、幹事長らの引退を勧める
声を聞き、政界からの引退を決意する。そして、次の派閥の長を眞一
郎につけると告げた。
「ただし……条件がある。君の次女の亜希子さんの婿養子として、私
の次男の君弘を迎えてくれないか。そして、君弘に白井姓を名乗らせ
岩手の君の選挙区から出馬させて欲しい……」
 その選挙区は、いずれ崇に出馬させようとしていた所だ。眞一郎は
悩む。
「これは私と君との血約ということになる。これが成立すれば、君が
手にするのは私の派閥だけじゃない。私が手にしている全ての物を受
け継ぐことになるのだ……」
 眞一郎は畳に手を突いて、うやうやしく頭を下げた。
「……ご次男を、お引き受けいたしましょう」

 崇は例の写真が気になっていた。
 そこへ、宣子が現れる。
 宣子は崇への思いを断ち切ったように、髪を短く切っていた。
 ニューヨークで撮られた、崇と工作員の女が腕を組んで歩いている
写真。
 それをどうしたのかと問いただす崇。しかし、宣子はすでにその写
真を「週間東和」の編集部へ送ってしまっていたのだ。
「あの写真がどうなるか、あなたの運しだいね……」
 そういって、しずかに微笑む宣子。
「私はこれでよかったと思ってる。……さようなら」

「週間東和」の編集者・時任は、眞一郎の子飼いの記者だった。
 滝沢のスクープをもらったのもこの時任。時任の元へ、宣子が投函
した崇とジージーの写真が送られてきたのだ。
 その話は、すぐさま眞一郎へと伝わった。
 眞一郎は考えた。
 この件を利用すれば、崇の立候補を止めさせることができる──。

 週間東和に、記事が掲載されてしまう。
 崇に中国の工作員の女との関係があったこと、それが滝沢との三角
関係だったと。
 眞一郎は崇を呼びつけ、「君の政界への進出は、なくなったと思い
なさい。当分、私にはちかよらんでくれ」と厳しい口調で言いつける
のだった。

 絶望のどん底に突き落とされ、傷心の崇はマンションへ戻る。
 待っていた尚子は、静かに窓の外を見つめていた。
「すまない。君を頂上へ連れて行くと約束したのに……」
 そういってしゃがみ込む崇の手を、やさしく尚子は握りしめる。

 三奈は白井家を訪ねる。
 眞一郎の妻・逸子(松坂慶子)に崇の件を、どうにかとりなしてほ
しいと告げる。しかし、逸子は崇の政界進出をバックアップすること
はできないと言う。
 白井国土建設を失った眞一郎には、有川会の資金的なバックアップ
が必要なはずだと、三奈は訴えた。
 しかし、逸子は「白井国土建設は、戻ってまいりますわ」と悠然と
言うのだった。
 なぜなら、次女の亜希子が、滝沢総理の次男と結婚するからだ。白
井国土建設を吸収合併したのは、滝沢の持っている百条建設。つまり、
白井家と滝沢家が血縁でつながれば、白井国土建設は戻ってくるとい
うことだ。
 その事情を聞かされた三奈は、すべて、眞一郎の野望のための策略
だったのだと悟る。
 愕然とする三奈に、逸子は悠然と告げる。
「……お気の毒ですが、白井は政治家です。このたびの選択は当然だ
と思います。これ、この世界が、あなたが四十年の間、求めてきた世
界なのです……」

 一方、尚子は白井家に電話を掛け崇の件を眞一郎に取りなして欲し
いと、亜希子に告げる。
 しかし、亜希子が滝沢の次男と結婚するのだという事情を聞く。
 そこで、眞一郎の真意を理解し、激怒する。尚子もまた眞一郎に裏
切られたのだ。
 尚子は泣き崩れてしまう。

 三奈もまた失意の底に居た。
 ひとりビルの上でたたずみながら、これまで夢を追い続けてきた四
十年の日々が頭を巡る。
 学生運動で敗北し、政治の世界を志し、息子の崇に夢を託し、自ら
は有川会を率いて莫大な資産を築いた。それなのに……。

 有川家では、行方をくらましてしまった三奈を探していた。
 慌てて駆けつけた崇と尚子。心配する三奈の夫・有川和裕(田中健)
らの前に、茫然自失状態の三奈がふらふらと戻ってくる。
 眞一郎が裏切ったこと、そして三奈が崇のピンチに何もできなかっ
たことを謝るのだった。もう、三奈が崇にしてあげられることは何一
つないのだ。
 だが、崇は三奈の手を握りしめて言う。
「母さんの理想は、ずっと生き続けています。ぼくの中に」
 まだ三奈が追い求めた理想、夢は終わっていない。今度は崇が自分
の力で、三奈から受け継いだ夢を実現させていく。
 崇はそう伝えるのだった。

 翌日、崇は装いをただして白井家を訪ねる。
 崇は眞一郎が、滝沢を陥れたことを知っていると告げ、その行為を
非難する。
 しかし、眞一郎は反論する。理想ばかりでは政治は出来ない。実際
に国を動かし、切り盛りしていくには、きれいごとばかりではいかな
いのだ。だが、崇は決意の表情で眞一郎に対峙する。
「それが先生がお考えになる政治ですか。……ぼくはいつか、国政の
場で先生を打ち負かします」
「……この私と、戦うと?」
「はい。これがぼくの宿命だと、気付きました……」
 そして、崇の新たな戦いが始まるのだった。



寸  評  最後の最後になって、どんでん返しが見事にはまりましたね。
 うん、最終回まできっちり見て良かったと思います。いい意味で予
想を裏切られました。
 最初の「宿命」は尚子と崇の隠された血縁関係だったと考えていま
したが、そうではなく母親の三奈に託された夢こそが「宿命」。……
ではなくて、母の元恋人である白井眞一郎との対決が「宿命」、とい
うことだったようです。
 なるほど、と納得したのですが、その反面、この一連のお話が全部
プロローグみたいですよね。これからが本当の主人公の戦いですから。
 と、思っていましたら、続編があるとのこと。なるほど……。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 最終回まで、おつきあいありがとうございました。
 さんざん遅れたりなんだりで、本当に申し訳ございませんでした。
 また、次のクールでも担当させていただきますので、引き続き、よろしくお
願いします。(畑中ヒロ)

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