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タイトル:Daily Drama Express 2010/04/06 ジェネラルルージュの凱旋 (1)  2010/04/21


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/04/06 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火s曜日の連続ドラマ
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タイトル チームバチスタの栄光2 ジェネラル・ルージュの凱旋
局  名 日本テレビ系
放映日時 火曜22時
キャスト 田口公平(伊藤淳史)
 白鳥圭輔(仲村トオル)
 高階権太(林隆三)
 速水晃一(西島秀俊)
 佐藤伸一(木下隆行)
 和泉 遥(加藤あい)
 長谷川崇(戸次重幸)
 滝沢秀樹(松坂桃李)
 永山康友(足立 理)
 浅野和彦(竹内太郎)
 花房美和 (白石美帆)
 栗山弥生(浅見れいな)
 三船大介(利重 剛)
 佐々木英二(堀部圭亮)
    ゲスト
 杉山沙希(田畑智子)
原  作  海堂尊 『ジェネラル・ルージュの凱旋』
脚  本 後藤法子ほか
主題歌  松田聖子『いくつの夜明けを数えたら』(ユニバーサルシグマ)

あらすじ  episode 1 失神

 空港で、キャビンアテンダントの杉山沙希(田畑智子)は、同僚か
ら、「また痩せた?」と声を掛けられる。
 「そんなことないよ」と応える。

 キャビンアテンダント 杉山紗希 28歳。

 同僚と別れて1人になった紗希が倒れる。


 東城医大に、6メートルの高さから転落した男性が、救急車で運び
込まれる。高レベル外傷。

 救命救急医・和泉遥(加藤あい)と長谷川崇(戸次重幸)が処置す
る。

 二人に指示を与えながら、自らも処置に加わる、『救命救急センタ
ー』副部長代理・佐藤伸一(木下隆行)。

 処置室にいた看護師・栗山弥生(浅見れいな)が、ホットラインを
取る。空港内で28歳の女性が、意識障害で倒れた。サチュレーショ
ンは、拾えないレベル、とのこと。

 佐藤は受け入れは無理だという。

 だが、そこに現れた男性医師が一言、「受けろ」と言う。

 彼に続けて、『救命救急センター』看護師長・花房美和 (白石美
帆)が処置室に入ってくる。

 今、処置中の患者で満床だと反論する佐藤を許さず、「受けろ」と
男性。

 遥が弥生からホットラインの受話器を取り、「受け入れ可能です」
と応えて、受話器をフックに戻す。

 「無理です」と言う佐藤に、3番の赤塚を、外科病棟に移せ、と男
性。
 「まだ、ドレナージュ中です」と言う佐藤に、「診断は確定し、初
期治療は済んだ」と男性。

 その男性は、『救命救急センター』部長・速水晃一(西島秀俊)。

 次々にみんなに指示を飛ばすと、手袋をはめ、「ここはオレがやる」
と引き受ける。

 遥は病床へ行き、研修医の滝沢秀樹(松坂桃李)、永山康友(足立
理)、浅野和彦(竹内太郎)に、それぞれ外科への移送の手伝いと、
速水の手伝いを指示する。

 救急車を待ちながら、「どうかしてますよ」と長谷川。
 「仕方ないよ、速水先生だから」と応じる佐藤。
 「そのうち、うちはパンクしますよ」と長谷川が言ったところに、
遥が、「第三ベッド、空きました」と来る。

 丁度、救急車が到着。

 研修医が採血しようとするが、血管が細くて採れない。遥が代わり、
一発で採血。

 呼びかけられたその女性・紗希は、うっすらと目を開けるが、また
すぐ閉じる。


 特別愁訴外来担当医・田口公平(伊藤淳史)は、老女の嫁の愚痴話
をずっと聞いている。

 そして、ひとしきり話し終えると、老女は立ち上がる。田口は、老
女のすねの痣を心配する。だが老女は、痛むのは膝だという。

 田口と一緒に老女を見送る、特別愁訴外来看護師・藤原真琴(名取
裕子)。田口に、老女・根岸さんの顔が大分晴れやかになった。田口
が辛抱強く話を聞いてあげたからだ、と言う。

 田口は、話を聞いただけですよ。『愚痴外来』ですから、と言う。
真琴が、『不定愁訴外来』と言い直すと、田口は、最近、『愚痴外来』
というのも、分かり易くていいかなと思って、と言う。

 電話が鳴る。思わず、『愚痴外来です』と名乗りそうになって、慌
てて、『不定愁訴外来です』と言い直す真琴。

 電話を終えると田口に、「お呼びです」と言う。

 おずおずと、救命救急センターに足を踏み入れる田口。知った顔に
あいさつする。遥が、同期の田口先生、と他の人に紹介する。

 田口を呼んだのは、紗希のカルテに、不定愁訴外来に通った記録が
あったから。

 だが田口は、紗希が来たのは1回だけ、と言う。次回の予約もして
いたのだが、すっぽかされて、と。

 1回だけじゃ、何も分からないわね、と早々に切り上げようとする
遥に、「過去に大きな病歴なし。父親は健在。母親は他界」と言う田
口。
 「風邪で来院とあるけれども、それが何で愚痴外来に?」と遥。
 「熱は下がったけれども、気分がすぐれず、身体がだるいというこ
とで」と田口。
 「それ、本当に彼女?」と疑う遥。
 「その頃、スチュワーデスを目指していた」と田口。
 「グッチ、『スチュワーデス』になんて言ったら、古いでしょ」と
茶化す遥。

 佐藤と長谷川は、これで田口の記憶が確かだと分かった、と言う。
 「彼女は夢を叶えて、キャビンアテンダントになっている」と遥。

 その時、佐藤は事務長の三船大介(利重剛)に呼ばれる。


 点滴を受けていた紗希は、突然上半身を起こすが、すぐに倒れる。

 その様子を見ていた看護師達が、徐脈(脈拍が低下すること)です!
と叫び、みんな駆けつける。田口も一緒に行く。

 遥と長谷川が処置し、美和も含めて看護師たちも助ける。

 「いきなりこんなところで目を覚ましたたら、びっくり済ますよね」
と言いながら、白鳥圭輔(仲村トオル)が入ってくる。
 「白鳥さん、どうして!?」と田口。
 「グッチこそ、こかなところに!」と白鳥。

 みんなの誰何の視線に田口が慌てて、「こちらは厚生労働省医療過
誤.....」と肩書きを言おうとするが、続きが出てこない。

 「グッチには無理だよ」と言って、名刺を掲げながら、「厚生労働
省医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長 兼 保険局
特別監査室室長代理 白鳥圭輔 です」と名乗る。

 「肩書き増えた!!」と田口。

 白鳥は、「天井の灯りを見て倒れたんじゃないの? ワゴワーガル
・リフレックス(迷走神経反射)でしょ」と言う。

 呆気にとられている一同に、「迷走神経反射のことでしょ」と白鳥。
 「素人が勝手に診断しないでくれる?」と遥。

 だがそこに、「その人の言うとおりだろう」と言いながら現れる速
水。

 田口が慌てて、白鳥は医師免許を持っていて、更に病理医、解剖医
の資格も持っている、と言う。

 「その何やら室長が、ここに何の用だ?」と速水。
 「あれ?事務長から聞いてないかな。今日から厚生労働省の抜き打
ち検査が始まります、半年に一辺の。それに今回は、ここ救命救急セ
ンターが選ばれました。おめでとうございます」と言って、バカにし
たように、手を叩く。


 ICUのベッドに寝かされていた紗希が目を覚ます。
 「行かなくちゃ」と起き上がろうとする紗希を、上司の人も、今日
は休むように言ってました、と遥。
 時刻を訊く紗希。
 「だいたい夕方の5時です」と遥。
 なおも、「行かなくちゃ」と起き上がろうとする紗希。

 そこに、研修医たちか、紗希の検査結果を持ってくる。頭部CTに
も、血液にも、心臓にも異常は無し。

 なら、帰っていいんですよね、と紗希。
 今までに倒れたことは?と訊かれて、無いと答える紗希。

 遥は、一晩入院して様子を見た方がいいと言うが、「強制ですか?」
と訊く紗希。
 「そうじゃないけど.....」と遥。
 今晩は、外せない用がある、と紗希。


 事務局に文句を言う佐藤。うちは、猫の手も借りたい状態。監査に
付き合っている暇なんて無い、と。

 三船は、バチスタ・スキャンダル以来、定期的に監査を受けること
になっている、と説明。

 だが佐藤は、バチスタなんて、うちには関係ない。そもそも速水部
長は、このことを知っているのかと噛みつく。

 三船は、『ジェネラル』に、こんなこと言っても、聞くわけないで
しょ、と冷静に言う。救命救急センターは、実質佐藤の働きでもって
いるようなものだろう、と。


 病院の廊下で田口は、白鳥に、なんで来たのか訊く。
 白鳥は、自分も厚労省の役人だ。たまには仕事をするのだと答える。

 その時、私服に着替えた紗希が、同僚と一緒に廊下に出てくる。

 倒れた原因はわかったかと訊く白鳥。
 CT、血液、心臓、どこにも異常は無い、と遥。
 それって、何も調べられなかったってことじゃない、とバカにした
ように言う白鳥。
 遥は、一晩入院するように言ったけれども、どうしても外せない用
があるんですって。それとも、厚労省の権限で、強制入院でもさせら
れるんですか?と言う。
 白鳥は答えない。

 遥は紗希に、明日必ず循環器外来を受診してくださいと言い、了解
する紗希。


 不定愁訴外来の部屋に戻る田口と、一緒に来て、大きな態度で座っ
ている白鳥。

 『ジェネラル』はどうだった?と訊かれ、眼を白黒させる田口。白
鳥が、『ジェネラル・ルージュ----血まみれ将軍』だと言う。

 どうして?と訊く田口に、「いろいろと」と言葉を濁す真琴。

 白鳥が、速水は東城デパート火災の時、白衣を血まみれにしながら、
奮闘した。その頃から、『ジェネラル・ルージュ』と呼ばれるように
なった、と言う。

 「何でも知ってるんですね」と感心する田口。「グッチが知らなす
ぎるんだ」と白鳥。


 病院を出た紗希は、同僚と共に、パイロットの男性の結婚式の二次
会に出ていた。新婦が妊娠していると発表される。

 紗希が突然倒れる。落としたワイングラスが割れ、その破片で腕も
切っている。


 廊下を走ってくる遥と長谷川を見かけた田口が、どうしたのかと訊
くと、紗希がまた倒れて、救急車でこちらに向かっている、と遥。

 救急車が到着し、処置室に運び込まれる紗希。

 一緒に来た紗希の同僚に、田口が、昼間も来ていましたよね、と声
を掛ける。
 彼女は紗希の同僚の高山美穂(水谷妃里)。
 美穂は、紗希が倒れたのは、あの男(結婚式を挙げたパイロット)
・嶋田武(藤高史)のせいだと言う。紗希をもてあそんで!と。

 速水は、どうして帰したんだ!と怒鳴る。
 佐藤は、自分が帰しましたと謝る。一過性のものだと思って、と。
 遥が、フライトが続いて、疲れているだけだと言っていた、と続け
る。

 殺すところだった!と速水は怒鳴る。

 長谷川が速水に背中を向けたまま、「受け入れすぎなんだよ」とボ
ソッと言う。
 「何だと?」と言う速水に、必死に「何でもありません!」と言う
佐藤。

 長谷川はなおも、「いつもベッドは満床。休む暇もない」とボソボ
ソと言う。
 速水はそれを無視して、「次は無いものと思え」と言う。

 そこに研修医が、ICUの患者が暴れて!と慌ててやってくる。
 そんなもの、自分で処理しろ!と速水。
 困る研修医。

 そこにいた田口が、それって『ICU症候群』ですよね。ボクが診
ます、と言う。ホッとする研修医。

 暴れているのは目黒和男(嶋田久作)。
 田口は、目黒の話を丁寧に聞き、6メートルのところから落ちてこ
こに運ばれたと説明する。
 段々落ち着く目黒。

 目黒の妻・zzが、また暴れることは無いんでしょうか?と訊く。
 田口は、もう大丈夫。目黒の状態は、『ICU症候群』といって、
目覚めたら突然、体中に管をつながれていたので、パニックになって
しまっただけ。特に目黒の場合、事故当時の記憶が飛んでいたから、
と説明する。

 会議室で、紗希が倒れた原因を検討する。だが、佐藤も、遥も、長
谷川も思いつかない。

 速水は、研修医にも考えられることを言わせる。
 三人目の研修医は、やはり心臓では? 薬を入れて、検査させて欲
しいと言う。
 速水は、否定することなく、可能性は低いが、やってみようと言う。

 その時、田口がおずおずと発言する。紗希の友達から聞いた話だが、
紗希は2ヶ月前に結婚の約束をしていた男性に捨てられた。紗希はそ
の男性の結婚式の二次会に出ていて、新婦・三嶋千里(松岡璃奈子)
が妊娠していると聞いた途端、倒れた。今までも、フライト中に倒れ
たことがあると言っていた。その時は貧血だと言っていたが、と言う。

 遥は、今まで倒れたことなんて、無いと言っていたのに、と言う。
 佐藤は、そんなに倒れているなら、危険だという。

 長谷川は、心因性というのでは解決にならない。身体のどこが悪い
のか、解明しなければ、と言う。

 会議の間、速水はずっとチュッパチャプスをなめている。


 その頃白鳥は、速水の部屋に入り、チュッパチャプスを沢山挿して
あるスタンドを触っている。

 次に、フォルダーに挟んである書類を見て、「見つけた」という顔
になる。

 速水が部屋に入ると、白鳥が椅子に悠然と座って、書類を読んでい
た。
 「ひとの部屋で、何してんだ!」と怒鳴る速水。
 「ちょっと気になることがあってねぇ」と白鳥。

 そこに三船が来て、二人を見て、出直す、と言う。
 だが、白鳥は「どうぞ」と言う。自分はいないと思って、と。

 速水は椅子に座り、三船に、予算は通らなかったというのか、と言
う。
 三船は、救命救急センターは、ただでさえ、赤字続き。これ以上予
算が使えるわけないでしょ、と言う。

 速水は、救命は、警察や消防と同じだ。国は、警察や消防に、利益
をあげろというのか。おい、どうなんだ、厚労省、と白鳥に迫る。

 白鳥は、警察も消防も、厚労省の管轄外なので、答えられない、と
言う。

 三船は、自分は東城医大の建て直しを任された。救命救急センター
だけは例外というわけにはいかない。根本からまちがっているなら、
そのシステムを作り直すまでだ、と言って、部屋を出て行く。

 部屋を出た三船は、処置無し、という顔をする。

 速水は、「役人が板に付いたんだな」と言う。
 白鳥は、今日の監査はこれで終わりました、とネットリという。


 翌朝、田口は紗希に、父親が見舞いに来たので、検査が終わったら
会えると言ったと言う。
 あまり関心の無い紗希。

 朝食が運ばれてくると、食べたくない、と言う。


 田口は空港へ行き、美穂に紗希のロッカーを見せて貰う。
 紗希のロッカーには、手軽に採れるダイエット用の流動食ばかり。
 紗希はダイエットに努めていた、と美穂。


 紗希についての検討会。
 佐藤と遥は、紗希に対して、脳波や負荷を与えての心電図検査をし
ても、やはり、異常は見つからなかった、と言う。

 田口は、紗希は普段も流動性のダイエット食しか、食べていないし、
今日の朝食も、ジュースしか飲んでいない。ここ2ヶ月の体重の減少
も大きい。胃潰瘍の可能性は考えられないか、と言う。

 速水は、『幽門狭窄』もある、と言う。
 悪性のこともあるんですか?と田口。
 それなら、『スキルス』だな、と速水。
 スキルス性胃癌(進行が早く、早期発見が困難)。

 速水は佐藤に、胃カメラの指示をする。
 紗希の母親も、癌で亡くなっている。


 夕食の時、田口が現れ、紗希に、家でも流動性のものを食べていた
のか訊く。

 見ていると紗希は、冷や奴を細かく崩し始める。
 いつもそうやって食べているの?と訊くと、母親が亡くなる前の半
年間、よくこうやって、細かくしてあげていた。普通の食事も食べら
れなくなっていた。でも、こうして細かくすると、食べられるように
なった。まさか、自分のためにこんなことをするなんて、思わなかっ
たけど、と言う。

 田口は、まだ同じ病気と決まったわけではない。いろいろな病気が
考えられるので、力を落とさないように、と言う。


 白鳥は廊下の窓越しに、外で誰かと会っている速水の背中を見てい
る。

 そこに来た美和が、速水に声を掛ける。

 振り返った速水は、白鳥の姿に気付き、話を早々に切り上げる。相
手は、救急センターで使用されるカテーテルを取り扱うメディカル・
アソートの関係者の佐々木英二(堀部圭亮)だったが、白鳥に誰かと
訊かれても、白鳥には関係ない人物だと言って、答えない速水。


 白鳥は田口に、スキルスだって?と言う。何ごとも、しっかりと原
因を捕まえないと治療できない、と。


 みんなが紗希の所に駆けつける。紗希はガラス片を自分の喉に向け
て構えている。鏡を割って作ったガラス片。

 母親は2回、胃の手術をしても、ドンドンやせ細って死んだ。仕事
にも戻れない自分は、死んだ方がいい、と紗希。

 速水は、もっと左だ、と言う。確実に頸動脈を切らないと、ここは
救命救急センター。滅多なことでは死ねない、と言う。

 田口が、止めてくださいよと言っても、速水は、そんなに死にたけ
れば、死ねばいいと言う。

 田口は、「飛行機が飛び立つところが好きだと言っていた。2年前
の愚痴外来で」と語りかける。
 あのすっぽかしたときの.....と思い出す紗希。

 あの時の紗希は、何度失敗しても、頑張りたいと言って、頑張った
のではないか。何かできていたとしても、良性と言うことも考えられ
るし、と言う。

 紗希は諦めて、ガラス片を床に落とす。

 速水は、紗希のはだけた胸元に残る、横一文字の赤い痣に気付き、
今までにも死のうとしたことがあるのか、訊く。

 無い、と紗希。


 紗希の胃カメラの検査。だが、胃カメラを入れてまもなく、心拍数
がゼロになる。

 慌てるスタッフたちに、速水は自分がやる。除細動機さえあればい
いと言い、本当にそれで紗希を生き返らせる。


 田口は紗希を話をする。紗希が流動食ばかり食べているのは、何か
食べると、倒れると言うことを繰り返していたので、怖くなったのだ
ろう。

 田口も、紗希の胸の痣を見て、首つり自殺の未遂を思いつく。

 紗希が騙り始める。彼が振ってきたときの電話に「お幸せに」と応
える。

 電話を終えた紗希は、激しい後悔に襲われる。偽善者ぶっている自
分が嫌になった。そこで首つりをしたが、紐が弱くて、切れてしまい、
紗希は助かってしまう。

 その時、友人から電話があり、今度紗希も自分も、国際便に乗れる
ことになった。今までは国内線しか乗れなかったのに、と。


 屋上にいる速水のところに、白鳥がやってきて、速水は、胃カメラ
の検査で、紗希がああなることを分かっていてやったんだろう、と言
う。

 速水は、本人が答えてくれないなら、身体に応えさせるだけ。どう
なっても、救える自信はあったから、と言う。

 あの自殺の痕を見たとき、速水には分かったんだな、と白鳥。

 紗希は『頸動脈洞反射』。強い圧迫を受けたためにできた。だが、
痣は段々、圧迫された首まわりから胸の方に下りていった。紗希はそ
れをファンデーションを塗って、隠していたのだろう。

 一方、頸動脈にできた血栓は、ドンドン大きくなり、やがて喉の迷
走神経を押すようになり、それがたびたび、失神をひき起こさせた。

 速水は紗希に、血栓の除去手術を勧める。リスクは高いが、と。

 紗希が他の方法はありませんか?と訊き、薬で抑える方法もあるけ
れども、血栓があることは常にリスクになるという。

 紗希は、手術痕を気にする。制服で隠せるか?と。

 速水は、バルーンという方法を使える。これなら足の付け根の血管
からワイヤーを入れるので、傷口は目立たない。速水は、血管は専門
だという。


 白鳥は高階権太(林隆三)病院長に、監査の結果、問題点も多々あ
った。でも、いいところもあった。

 通常、救命救急は、処置後、すぐにそれぞれの科に回す。だが、東
城医大では、専門医を救命救急センターに呼び、治療方法まで検討す
る。これはバチスタスキャンダルで人気の落ちた東城医大にとって
『売り』になると言う。ただ、充実が望まれるのは、ICUの入院患
者の心のケア。

 白鳥も高階も適任者は田口だと思う。


 目黒の話を聞いている田口。

 その田口を見ている白鳥。

 その時、先日外で速水と話していた男・佐々木が、ICUを通りか
かる。

 佐々木を見た目黒は、メディカル・アソートの人だと言う。


 田口は高階に呼ばれる。ICUの入院患者の心のケアをして欲しい、
と。


 白鳥は速水に、メディカル・アソート製のカテーテルの使用率がと
ても高い。どうしてだ?と訊く。

 速水は、メディカル・アソート製のカテーテルが使いやすいからだ
と答える。


 田口が、白鳥と速水は知り合いなのかと訊く。

 速水は、白鳥が主席で、速水自身は白鳥のせいで主席にはなれなか
った。だけど、そんなに勉強しようとは思わなかったけど、と。

 大学の同級生だったんだ、と田口。



寸  評  どうして原作とこんなに設定を違えてしまったのでしょう。

 入院患者は歌姫からキャビンアテンダントに。
 田口は速水と同期のはずなのに、速水と同期ではなく、遥という原
作には無い女医と同期に。
 速水は白鳥と大学の同期に。

 だとすると、速水と白鳥は、東城大? 帝華大?
 田口が速水と同期で無くなってしまうと、『ブラックペアン 
1988』や、『光の剣』は、どうなっちゃうのでしょうか?

 この設定の違いは、『チームバチスタの栄光』の時のように、原作
よりも、もっと取り上がるドラマのストーリーとして、生きてくるの
でしょうか? いや、是非原作より、もっと楽しめるドラマになって
くれることを願っています。

 ところで、題名を見たとき、「しつがみ」と読んでしまいました。
速水が神のように.....というイメージが頭にあったせいだと思うの
ですが。読み直して、「あ、しっしんだった」と気付きました。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 ポーランド大統領や政府閣僚などを乗せた飛行機が、ロシア領内で墜落した
とのこと。しかも全員生存は絶望的。
 政府専用機といえば、ベテラン・パイロットと思うのに、墜落するんですね。
 彼らが飛行機に乗っていたのは、『カティンの森』の追悼式典に出るため。
ドイツ軍がやったと嘘を言っていたロシアが、ソ連の犯行だったと認め、プー
チン首相まで出席するという歴史的イベントになるはずだった。
 旧ソ連製の飛行機、ロシア領空。陰謀めいた空気を感じてしまいます。
『カティンの森』というポーランド映画を見た翌年に、こんな事件が起きると
は思ってもいませんでした。まさに、事実は小説より奇なりですね。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
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ID  :MM3E195F16414CD 
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