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タイトル:Daily Drama Express 2010/03/05 宿命 (7)  2010/04/05


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/03/05 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 宿命1969−2010〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・
東京〜
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜21時
キャスト 財務省主計局主計官/有川三奈の長男 有川崇(北村一輝)
 為替ディーラー     笹山宣子(小池栄子)
 白井眞一郎の長女     白井尚子(上原美佐)
 有川三奈の次男     有川透(細田よしひこ)
 白井眞一郎の次女     白井亜希子(藤井美菜)
 財務事務次官     国枝芳史(矢島健一)
 笹山宣子の父     笹山太一(森次晃嗣)
 眞一郎の妻     白井逸子(松坂慶子)
 医療法人有川会病院長     有川和裕(田中 健)
 民自党政調会長     白井眞一郎(奥田瑛二)
 医療法人有川会代表     有川三奈(真野響子)
 内閣総理大臣     滝沢宗晴(若林豪)
原作   楡周平『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』
脚  本 坂上つかえ
主題歌  『瞳の奥をのぞかせて』ポルノグラフティ

あらすじ  有川崇(北村一輝)は出生の秘密を知ってしまった。
 崇の子どもを身ごもった婚約者の白井尚子(上原美佐)が流産。駆
けつけた病院で、崇の母・有川三奈(真野響子)と尚子の父・白井眞
一郎(奥田瑛二)の話を偶然に聞いてしまう。三奈と眞一郎は学生時
代の恋人同士で、そのときに身ごもった子どもが崇。
 つまり、愛し合い、未来を誓い合った尚子は、自分の異母妹だった
のだ。
 崇はショックを受け、その場を逃げるように去る。

 有川家に戻った三奈からその話をきいた、崇の義父で三奈の夫の有
川和裕(田中健)は憤慨する。
 どうしてここまで崇に出生の秘密を黙っていたのか……。
 和裕は、二人の間をどうにか修復しようと、三奈をつれて崇の元を
訪れる。
 崇のマンションのロビーで待つ二人の前に、乱れたスーツ、ゆるん
だネクタイ姿の憔悴しきった崇が帰ってくる。
 和裕と三奈は、黙っていたことを謝り、わかって欲しいと訴える。
 しかし、崇のショックは大きい。
「子どもが死んで満足ですか? 子どもが死んで、満足なんですか!」
 たたきつけるような言葉を残して、崇は一人部屋に入っていってし
まう。
 それ以降、崇との連絡は途絶える。

 そのころ、尚子の父・白井眞一郎のもとに一通の封筒が届いた。
 頼んでいた鑑定の結果……。
 眞一郎は封を開いて、なにやら考え込む。

 崇はいきつけの乗馬クラブにいた。なんとか気を紛らわせようと、
馬を走らせている。
 そこへ、眞一郎が現れる。
 誰からの電話にも出ず、仕事も休んでいた崇。だが、馬が好きだと
尚子から聞かされていて、もしかすると、と思って訪ねてきたのだ。
 三奈からの連絡も拒否している崇に、連絡だけはするようにと諭す。
 そして、穏やかに微笑みながら、
「政治家になればいろんなことがある。もっと太くなれ。でなきゃあ、
私の娘は預けられんぞ。ま、いいから、すぐに家に戻りなさい。両親
がきみに大事な話があるそうだ」
 と言い置いて眞一郎は帰って行く。
 その後ろ姿を、崇はただただ見つめていた。

 有川家に顔を出した崇。
 待っていた和裕と三奈が、崇に封筒を差し出す。
 それはDNAの鑑定書だった。
 なかには、白井眞一郎と有川崇の血縁関係は認められない、という
診断が書かれていた。
 どういうことなのか、混乱する崇。
 実は、三奈からは「崇はあなたの子かもしれない」と聞かされたが、
眞一郎は疑っていた。密かに崇の髪の毛を手に入れてDNA鑑定を依
頼した。その結果だった。
 三奈は崇に泣きながら謝る。
 そして、有川の父と結婚したときには、すでに崇はお腹の中にいた
のだと明かす。
 錯乱し、泣き崩れる三奈。
「じゃあ、僕は誰の子なんですか……」
 呆然と問う崇に、和裕はゆっくりと語り出した……。

 1969年1月15日、学生紛争さなかの東大安田講堂に和裕と三
奈はいた。
 機動隊の突入を前に学生達は殺気立っていて、逃げ出す者、徹底抗
戦を叫ぶ者……。混乱のまっただなかだった。そこで初めて、三奈と
和裕は言葉を交わした。現役の東大生のくせに活動家をしている和裕。
女闘士として名をはせていた三奈。名前を知ってはいたが、関わりは
なかった。しかし、切迫した状況でお互いの話を聞き、心を通わせる。
 そして、機動隊の突入が開始された。
 3日後に難攻不落と言われていた安田講堂はあっけなく陥落し、活
動家たちは次々に逮捕、連行されていった。
 ひとり隠れ、ふるえていた三奈を助けにやってきたのが、和裕だっ
た。二人は刹那の愛をかわし合う。
 そのときできたのが……崇なのではないかと、和裕は打ち明けるの
だった。
「崇……、今はじめてわかったの……。これまでの四十年は、あのこ ろを忘れるためのものだった。抹殺したかったのよあの頃の私を……」
 涙を流しながら三奈は訴える。
 本気で日本を変えようと思ってやってきた。権力に立ち向かうには、
権力しかない。だから、日本の中心、総理大臣を目指す。その思いを
崇が受け継いでくれた。一生懸命頑張って、脇目もふらずに……。
 しかし、それは三奈の挫折を埋めるための行為にすぎなかったのだ。
 三奈は、間違いを認めて、崇に謝り続ける。
「ごめんね。ごめん……なさい……」
 だが、崇は静かにつぶやく。
「僕の母さんは……あなた一人です。そんな母さんを、僕は誇りに思
っています……」
 三奈は三奈なりの思いを持って、一生懸命にやってきたこと。
 崇にはそれだけはわかっていた。
 それだけいって、崇は有川家を立ち去るのだった。

 ハンドルを握りながら崇は幼い頃のことを思い浮かべる。
 三奈に教えてもらった、英語の長文問題。
 ジョン・F・ケネディの就任演説だった。
「……私の仲間であるアメリカの皆さん。訪ねないでください、国が
あなたのために何をしてくれるかを。尋ねてください、あなたが国の
ために何が出来るかを。人類の自由のために、何を一緒にできるかを
考えようではありませんか……」
 たどたどしく読み上げた崇を、優しくなでた三奈。
「すてきねぇ。日本の政治家にもこれくらいのことを言って欲しいも
のよ。日本の首相の言葉が感動とともに世界を駆けめぐり、人類の意
識を変える……。あなたがやりなさい、崇。あなたならできるわ
よ……」
 内閣総理大臣になるという夢は母から受け継いだもの。しかし、母
と一緒に歩み、それを追い求めていくことは、崇自身の喜びでもあっ
たのだ。
 崇は嬉しそうにほほえみ、また車を走らせる。

 立ち直った崇は、眞一郎の部屋へ出向き、ことの顛末を報告する。
 満足げに微笑む眞一郎の元へ、民事党幹事長の長谷部(山下慎司)
がやってくる。
「ちょっと現総理大臣の滝沢宗晴(若林豪)のことで……」
 と言いながら。
 実は、総理のスキャンダルがリークされているという情報が回って
きたのだ。それは、とある女性問題について……。
 眞一郎は何かを思いついたように考え込む。

 眞一郎の部屋から出た崇のところへ、退院した尚子がやってくる。
 もう、二人の間に障害になる物はない……。
 嬉しそうにほほえみあう二人は、手を取り合って食事へ向かう。
 おだやかに食事をしながら、崇は言う。
「十年見ていて欲しい。十年、死にものぐるいでやるつもりだ。政治
家として……」
 静かに決意を語る崇。
 その手を強く握り、「どんなことがあっても、私はあなたについて
行く」と力強く、尚子はいうのだった。

 その晩、眞一郎は自宅に懇意の雑誌記者を呼びつけた。
「何事ですか、こんな夜に……」不審な顔をする記者に、眞一郎は総
理大臣のスキャンダルの情報を流すのだった。
 その内容とは、以前、総理大臣・滝沢宗晴(若林豪)のかつての愛
人が、中国の諜報部員の女だったというのだ。



寸  評  驚きました。
 白川眞一郎との血縁関係が、その後の「宿命」に絡んでいくものだ
と思っていましたが……。まさか、義父の和裕が本当の父親だったと
は……。
 でも、そこまでアバウトというか、誰の子かわからないっていう状
況はあり得るんでしょうかねぇ? 妊娠の過程って、デリケートなん
ですけどねぇ。
 事態は急展開。次回、いよいよ最終回です。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 学生運動って、私が大学生のころ(もう十数年前のことですけど……)もあ
りました。
 しょっちゅうスピーカーでがなり立てていたり、巨大な看板をあちこちに置
いたりしていましたねぇ。
 酒とバイトにあけくれる、ちゃらんぽらんな学生だった私には、遠い世界と
いうか、敬遠したい存在というか、そういうイメージでした。
 で、最近、母校に行く機会があったのですが、久しぶりに見たらキャンパス
がキレイになっちゃってるんですね。隙間もないほど張られたチラシや、景観
を丸ごとぶっ壊すみたいな立て看板とか、ぜんぜん無い。           

 このドラマ『宿命』のように本当に、ただの歴史、事件の一コマになってし
まったんだなぁ、なんて思いました。(畑中ヒロ)

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