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タイトル:Daily Drama Express 2010/03/22 コードブルー2 (最終回)  2010/03/25


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/03/22 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル コード・ブルー −ドクタヘリ緊急救命− 2nd season
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 藍沢耕作(山下智久)  (フライトドクター候補生)
 白石 恵(新垣結衣)  (フライトドクター候補生)
 緋山美帆子(戸田恵梨香)(フライトドクター候補生)
 冴島はるか(比嘉愛未) (フライトナース)
 藤川一男(浅利陽介)  (フライトドクター候補生)
 田所良昭(児玉 清)  (救命センター部長)
 森本忠士(勝村政信)  (フライトドクター)
 梶 寿志(寺島進)   (パイロット)
 西条 章(杉本哲太)  (脳外科医)
 三井環奈(りょう)   (フライトドクター)
     橘 啓輔(椎名桔平)  (フライトドクター)
脚  本 林宏司
主題歌  Mr.Children「HANABI」

あらすじ 第11話「卒業〜奇跡の定義」

 救命の世界に奇跡はない。そんなことはわかっている。奇跡を願わ
ない医者はいない。それも分かっている。だが世の中には確かにある
のだ。奇跡なんて言葉が、空しくなるような、絶望的な状況が。

 惨事は一向に収拾に向かう気配が見えなかった。恵(新垣結衣)は
ケガをおして救助に当たる父親を止めさせようとした。
「ちょっと身体診させて」
「何言ってんだ。医者は1人でも多くいた方がいいだろう!たとえ内
科医でもな」
 父親は恵を心配させないように、自らを奮い立たせるように声を張
った。
「向こうに瓦礫に挟まった男性がいます!」
 その声に父親はすぐさま向かい、恵も後を追った。

 美帆子(戸田恵梨香)は男の子を診断していたが、恐怖でてきぱき
と判断ができない。不安を感じた母親がヒステリックに言った。
「先生、大丈夫なの?どうなのよ!」
「静かにしてください!」
 美帆子は苛立ちから思わず怒鳴ってしまった。すぐ冷静に戻って謝
ったが、動揺は増すばかりだった。橘(椎名桔平)に連絡を取ってサ
ポートを受けようとしたが、橘も環奈(りょう)も手一杯で動けない
と言われ、美帆子は重度のプレッシャーに襲われた。

 20分が経過した。西条(杉本哲太)は体温を18℃まで下げれば
さらに20分時間を稼げると手術の続行を決めた。もちろん脳へのダ
メージは大きくなるが、それにかけるしかなかった。

 一男(浅利陽介)は以前列車事故でオドオドしていた救命員の細井
と再会した。あのときと比べて見違えるようにきびきびした動きを見
せる姿に一男は嬉しくなった。だが軽く挨拶を交わして別れた後、細
井は首に鉄杭が刺さって一男のところに運ばれてきた。一男はすぐさ
ま診断し、頸動脈すれすれの状態であることを確認すると、そのまま
ヘリに乗せて搬送させることにした。ところが細井は搬送を後にして
ほしいと言う。
「でも……」
 ためらう一男に、細井はせめてそれくらいさせてほしい、もっと重
症患者を先にと言った。一男はその思いの強さを受け入れて、絶対に
動くなよと言い残して他の患者に回った。


 田所所長(児玉清)のオペはなんとか完了し、西条は心臓を再稼働
させ、体温を上げ始めた

 耕作(山下智久)は飛行機の残骸の中に人がとりこのされているの
を見つけた。掛け声に反応するのを確認した耕作は残骸の中に飛び込
んだ。そしてそばに落ちていたチケットから息子を見捨てたと言って
いた男性の子どもだと分かった。

 耕作が再び声をかけると、息子は「お父さんは……」と聞いた。無
事だと耕作は答えた。すると息子は「よかった」と弱々しくつぶやい
た。

 足を複雑骨折した患者を処置中の一男に電話が入った。
「黒田だ。状況を説明しろ」
「あ、はい……」
 一男はびっくりした。黒田は2時間血流がなかったら足を切り落と
すことになるぞと一男に伝えた。

 美帆子はエコーを取っていたが、肺の当たりに白いものがかぶさっ
ていて見えない状態に何がどうなっているのかわからなくなってしま
った。そこへ橘から通信が入った。美帆子が状態を説明すると橘は言
った。
「それは横隔膜破裂だ」
「す、すぐにヘリ搬送お願いします」
 美帆子は気が狂いそうになった。
「すぐには無理だ。今出たばかりだから。そこで開腹しろ」
 内臓がせりあがって来る危険な状態、一刻も争う。
「開腹の準備」
と美帆子は言ったものの、視点は定まらない。

 黒田の指示に従い、一男はひとつひとつ処置を行った。ブランクを
感じさせない的確な指示と一男も寸分たがわずそれを実行するスキル
が身についていた。
「それでひとまずは大丈夫だ。よくやった」
 黒田に労いの言葉をかけられて、一男はふうっと息を吐いた。

 美帆子はメスを持つ手が震えるのを止められない。
「す、すいません。あたし訳があって4週間オペから遠ざかっている
んです。あたしみたいなのに当たってしまって申し訳ありません」
 美帆子は声を振るわせた。すると母親は言った。
「他の医者呼ぶの無理なんでしょ?だったら先生やってよ。何があっ
たか知らないけど、何もしなかったら助かる確率ゼロなんでしょ?先
生がやってくれなきゃダメなんだよ」
 そう言われて美帆子に勇気がわいてきた。表情は以前の自信が戻っ
て来た。

 耕作が処置をしていた息子は激痛に顔を歪めていた。しかももう右
足は死んでいて、切断するしかなかった。耕作はいつものように事実
をありのままに告げた。すると息子は言った。
「もういいよ、先生。もういい。痛いのは嫌だよ。もう放っておいて」
 息子は苦しげに訴えた。

 恵は父親とともに患者を体育館へ運び処置を終えた。
「次に行こう」
 父親に促され、現場に戻ろうとしたとき、患者の容態が急変した。
「頭骨の出血が止まってないのかも」
「いや心音に摩擦がある。心破裂しているんじゃないか?」
 父親はそう言った。
「全然、聞こえなかった」
 診断してみると父親の言うとおりだった。父親が視野を確保し、恵
が外科手術に着手した。
「頑張ってください。娘さんが待ってますよ」
 恵は患者にそう呼びかけながら処置を行った。そんな恵を父親は頼
もしげに見守った。

 はるかは父親を呼びに行き、息子を励ましてほしいと言った。
「でも俺は最低な父親なんだ。俺は1人で逃げた。息子は俺を見て
た……」
 父親はそうわめいて行こうとしない。
「あなたのことはどうでもいい。息子さんは気が狂いそうな状況なん
です」
「俺が行ったって何もすることないじゃないか」
「あります。そばにいてあげることです」
 はるかに強く促されて、父親はやっと立ち上がった。

 耕作は息子に声をかけて励ましてほしいと言った。だが足を切断す
ると聞いて、負い目のある父親は逃げ出そうとした。
「人は1人では命を大切にしない。一緒にいて悲しませたくないと言
う人がいるから、人は自分の命を大切にする。息子さんが最初に口を
したのは、あなたの安否でした」
 それを聞いて、父親はようやく口を開いた。
「ごめん、ごめんな。父さんはここにいるぞ。死なないでくれ!」
 手術の間、父親は泣きながらずっと声をかけていた。

 一男はようやく細井を搬送して病院へと向かった。もうじき病院に
つく。
「よく頑張った」
 一男は優しく声をかけた。細井も笑顔を見せたが、不意に心停止を
起こした。一男はすぐ心肺蘇生に取り掛かったが、細井はそのまま息
を引き取った。
「細井くん、細井くん!」
 一男の声が空しく響いた。

 美帆子は無事オペを終えたが心境は複雑だった。
「医者失格ですね」
 美帆子は橘に言った。1番怖いのは患者本人なのに、自分が逃げよ
うとした。
「誰だって弱いんだよ。だけど医者は強くなろうとしなくちゃいけな
いだけさ」
 橘はそう言った。美帆子は確実に前に進み始めたと橘は感じていた。

 耕作はオペを終えた後、父親に過酷なリハビリが待っていることを
伝え、これから先支えになってほしいと付け加えた。
「でもどんな父親でもいないよりはましな筈ですから」
 耕作はヘリに息子を乗せ、翔北病院へと向かった。

 長く遠い1日が終わった。全員翔北病院へ戻った。疲れていたが、
田所所長のオペがうまくいったという知らせを聞くと、みな一様に笑
顔になった。

 気がつくと、もう桜が咲き始めていた。はるかは1人桜の咲く公園
にやって来た。悟史が春になったら来ようと言っていた場所だった。
「来たよ、悟史」
 そうつぶやくはるかは以前のような涙はなかった。すべてが自然の
流れに乗って解決していように、穏やかな笑みが浮かんだ。そして悟
史が残していた携帯のメッセージを消去した。

 修了の日がやって来た。耕作、恵、一男は無事フライトドクターと
して認定されたが、美帆子は認定されずフェローを続けることになっ
た。

 そんなある日、美帆子のもとに医療過誤で訴えを起こそうとした母
親が訪れて謝罪した。
「いえ、そんなことはありません」
 そう美帆子は答えた。今振り返るとDNRオーダーへのサインは必
要だったと美帆子は思うことがある。母親の兄は死んだ子どもを見舞
うことができなかった。DNRオーダーがあって死んだとなれば、兄
は幾分心の整理がついたのかもしれない。
「DNRオーダーを取るべきだったのかどうか、よくわかりません。
でもこうしてお話することができてよかった」
 それが美帆子の偽らざる心境だった。

 田所所長は順調に回復していた。脳の後遺症も今のところ見られな
い。田所所長は美帆子が認定されなかったことを非常に残念そうだっ
た。
「遠回りすることになりました」
「私と一緒ですね」
 田所所長はそう言ってほほ笑んだ。美帆子もまたほほ笑んだ。

 恵の父親は事故の日足を骨折していて、しばらく入院していたがよ
うやく退院できることになった。見送りしながら恵は言った。
「お父さん、あたしフライトドクターになった」
「そう、おめでとう」
「でもまだまだ。だからね、ここの救命に残る。残って腕を磨く。お
父さんに安心してもらうために」
 恵は俯いた。父親が少しさびしそうな表情を見せたからだ。
「いや、もう安心しているよ。安心できて寂しいくらいだ」
 講演会があるからと父親は歩き出した。
「お父さん、あたし、お父さんみたいな医者になるからね」
「がんばれ」
 父親は短く一言だけ言って出て行った。恵は目を潤ませながらその
後ろ姿を見送った。

 耕作は絹江とともに墓参りに出かけた。急患が入ったため1日遅れ
になってしまったが。絹江は父親と母親のことについて本当のことを
言わずに来たことを謝った。耕作は黙ったまましゃがんだ。
「乗れよ。足疲れただろう。これからは俺がおんぶするから」
 絹江は耕作が強くて、優しく育ったと思うと嬉しさが込み上げてき
た。耕作は思っていた。両親がいない20年間があったから人の優し
さを強く感じることができたと。

 母親の墓石のところに来ると1人の男性の姿が見えた。誠次(リリ
ー・フランキー)だった。顔を合わせまいと命日の次の日に来ていた
のだろう。耕作は構わず手を合わせた。
「母さん、俺フライトドクターになったよ。でもまだまだだ」
「お前は母さんに似ているな。どんどん前へ進んでいく。私はそれが
できない」
「手を見せてもらえますか?」
 誠次は意外そうな表情で手のひらを広げた。
「俺、若手ドクターの中で1番手先が器用なんです。この手はあなた
のおかげかもしれません。来年は命日に来てください」
 そう言うと耕作は柄杓とバケツを持ってお墓を後にした。

 救命の世界に奇跡はない。それは事実だ。でもそもそも奇跡とは何
だろう?自分や自分の大切な人が健康であること、打ち込める何かが
あること。間違いを正してくれる仲間や上司がいたり、負けたくない
相手がいること、そういうささやかな幸せが奇跡と言うなら、俺たち
が生きる世界は奇跡にあふれているのかもしれない。ただそれに気づ
かないだけで。そうすぐそばにあるのだ、たくさんの奇跡が。

 恵と一男は救命に残り、美帆子もフェローとして精力的に動いてい
る。そして耕作は脳外科に進み、西条の指導を受け始めた。ゆくゆく
は心臓外科も学び救命に戻って来るつもりだと言う。

 今日も救命は忙しい。運ばれてきた患者は脳外科にコンサルが必要
だ。恵はすぐさま耕作に連絡を取る。恵、美帆子、一男、はるかが搬
送する患者のところに耕作が合流する。すぐさま恵も美帆子も一男も
はるかも患者の容態を伝える。
「そうか、いつも通りやるぞ」
 耕作の言葉に恵、美帆子、一男、はるかはしっかりとうなずくのだ
った。(終わり)



寸  評  全体を通して、かなりリアリティを意識した作りになっていたと
思います。医者の手によって患者が奇跡的に助かるというのが医療に
おけるドラマの定番ですが、この2ndシーズンは懸命な処置の甲斐
なく死んでいく人が多かった分だけ重たい部分もありました。
 それにもかかわらず見終わって振り返ってみると、青春ドラマ的な
爽やかさを感じました。患者を助けることができず、泣いて、傷つく
ことの繰り返しでしたが、それでもこういう経験が1つ1つ彼らを成
長させていくのがよく伝わってきました。医療現場に奇跡はないとい
う厳しい現実を再確認する日々、それでも彼らの未来に希望が見える
ように思えたのです。特に耕作は前作の技術一辺倒から思いやりを大
切にするようになりましたし。医療ドラマを青春ドラマ風に爽やかに
描けるものだろうか?と思ったものですが、それがうまくできた秀逸
な作品だったと思います。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 ジャニーズの嵐がSMAPを超えたという話をよく耳にするようになりまし
たが、実際小学生に聞いてみると断然嵐ファンが多く、SMAPが別格という
わけではないということが裏付けられているのを実感しました。一方でV6フ
ァンと言うなかなかマニアックな子もいたりして、聞いてみると母親が大ファ
ンだからと言ってました。ジャニーズも息が長いグループが多いですが、親が
ファンでその影響で子どももファンになっていくのがその理由かもしれません。
(けん)

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発行元:ドラマ研究会
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