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タイトル:Daily Drama Express 2010/02/26 宿命 (6)  2010/03/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/02/26 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 宿命1969−2010〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・
東京〜
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜21時
キャスト 財務省主計局主計官/有川三奈の長男 有川崇(北村一輝)
 為替ディーラー     笹山宣子(小池栄子)
 白井眞一郎の長女     白井尚子(上原美佐)
 有川三奈の次男     有川透(細田よしひこ)
 白井眞一郎の次女     白井亜希子(藤井美菜)
 財務事務次官     国枝芳史(矢島健一)
 笹山宣子の父     笹山太一(森次晃嗣)
 眞一郎の妻     白井逸子(松坂慶子)
 医療法人有川会病院長     有川和裕(田中 健)
 民自党政調会長     白井眞一郎(奥田瑛二)
 医療法人有川会代表     有川三奈(真野響子)
 内閣総理大臣     滝沢宗晴(若林豪)
原作   楡周平『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』
脚  本 坂上つかえ
主題歌  『瞳の奥をのぞかせて』ポルノグラフティ

あらすじ 第六回

 有川崇(北村一輝)と白井尚子(上原美佐)は婚約者同士。
 はじめは、政略的な意味の婚姻だった。が、お互いに似通った境遇
で育ったことや共通する感性を持っていることがわかり、次第に惹か
れあうようになった。
 しかし二人はしらない……、異母兄妹同士だということを。

 崇は、山瀬(三上市朝)の部屋を訪れる。
 ニューヨーク時代に面識のあった二人。だが、親のすねをかじって
チンピラまがいのことをやっている山瀬と、冷たいエリートの崇。お
互いに嫌いあっていた。
 あるパーティで崇がマリファナを吸っている様子がビデオに撮られ、
脅しに使われる。そのパーティでからかい半分にマリファナを勧めた
のは山瀬。そして、その様子をビデオを密かに撮っていたのも山瀬。
どういう意図なのか、山瀬を詰問するために、崇はやってきたのだ。
 崇の顔をひとめみてすぐに逃げようとする山瀬だが、逃げられない
と悟ると怪しげないい訳を並べ立てる。
 じつは、山瀬が持っていたそのビデオは、もめ事があって崇の元恋
人、笹山宣子(小池栄子)の手に渡っていたのだ。
「宣子のしわざか……」
 憮然とする崇。
 十年もつきあってきた宣子を、政略結婚のために一方的に捨てたの
は崇。どれほど恨まれ、憎まれているかはよくわかっていたが……。
 山瀬はいう。
「しかし、笹山宣子もハメられた、って言うてましたよ」
 その言葉に興味を引かれた崇は、山瀬の食事の誘いに応じる。

 山瀬と崇は日本料理の店に入る。個室の中央に鍋がぐつぐつ煮えて
いる。
 鍋をかき回しながら、山瀬はしゃべり続ける。
 うんざり顔の崇が、山瀬の目的を訊く。
「……笹山宣子の周辺を調べましょうか? 金が必要になった理由が
わかれば、自ずとビデオテープを回収する方法もわかるはずや」
 しかし、うさんくさい山瀬にそんなことを依頼すると、後々めんど
うなことになりそうだ。崇は断る。
 が、山瀬は目を光らせて言う。
「有川さん……ワシはあんたが嫌いや。けど……あんたやったら、政
治家になったら相当のところまでいくと思います。もし、本気で政治
家を目指すんやったら……応援させてもらいます」
 崇は考え込んだ末、調査を依頼する。

 白井家では、尚子の母親・白井逸子(松坂慶子)が慌てていた。
 結婚式までもう日がない。それなのに招待客のリストすらできてい
ないからだ。仮にも与党・民自党幹事長・白井眞一郎(奥田瑛二)の
長女の結婚式。いい加減な式にするわけにもいかない。
 逸子は、有川家が縁談に乗り気ではないのでは、と疑いを持ち始め
ていた。夫の眞一郎に相談を持ちかけるが、眞一郎は「放っておきな
さい」と聞き流す。

 実は、眞一郎と崇の母・有川三奈(真野響子)は学生時代、恋人同
士だった。学生運動のさなか二人は別れることになったが、三奈は眞
一郎の子を身ごもっていた。三奈は、それからすぐに別の男と結婚。
結婚相手との子どもとして崇を産み、育ててきたのだ。
 崇と尚子の結婚話がでて、眞一郎と三奈は再会した。そのとき眞一
郎は、三奈から崇が自分の子どもであると告げられる。
 そして、兄妹同士での結婚など認めるわけにはいかない。この結婚
は無いものにしてもらいたい、と三奈に迫られる。
 しかしその時、眞一郎は政治家として危機に直面していた。
 財政基盤をライバルの内閣総理大臣・滝沢宗晴(若林豪)に奪われ
てしまったのだ。一刻も早く新しい財源を見つけなくてはいけない。
そのターゲットが、崇の家・有川家の財力だ。政界における立場を守
るため、そしていずれは自らが総理大臣になるために、眞一郎はこの
婚姻を何があっても成功させる必要があった。

 自らの過去を隠すためにも、野望を実現するためにも、眞一郎は本
当のことを妻に告げることはできずにいたのだ。

 崇は三奈の働く病院を訪れる。
 そして、宣子に慰謝料として払う二千万円の小切手を再度書いてほ
しい、と願い出る。
 山瀬に調べさせた情報によれば、宣子は弟がおこしたバイク事故の
慰謝料として大金が必要だった。
 しかし、宣子を使って崇と尚子の婚姻を妨害しようとする三奈の陰
謀によって、小切手は換金できないどころか、警察沙汰になってしま
ったのだ。
 宣子はそのせいで、為替ディーラーの仕事をも失ってしまった……。
 いくらなんでも、やり過ぎです!
 崇は激しく三奈を責める。
「確かに……やりすぎたかもしれないわ」
 そうつぶやくように言いながら、新たに小切手を切って崇に渡す。
 小切手の額は、三千万円……。
 せめてもの謝意。
 礼を言ってきびすを返す崇。三奈は崇の背中に話しかけようとして
ためらう。

 崇は宣子のマンションへやってくる。
 崇は、マリファナのDVDをばらまいたのが宣子かと問う。
 だまったまま崇をじっとにらみつける宣子に、DVDのマスターを
渡してほしいと、頭を下げる。
 宣子は苦笑する。いつだって自信に満ちていた崇が、たかだかスキ
ャンダルのビデオのために情けない表情で頭を下げている……。
「マスターテープは渡さない。ずっと……おびえ続ければいいのよ。
あなたは権力もお金もすべて持っている。そんなあなたにどうやった
ら近づけるのか、嫌われないように、見下されないように、そうやっ
ておびえ続けてきた十年だったのよ……」
 涙を流し独白する宣子に、崇は三千万円の小切手を渡す。
「もう、許してくれないか……」
 やさしく言う崇。宣子は力なく座り込むのだった。
「勝負は……最初から決まっていたのね……。わたしが、あなたに勝
てるわけがなかった。でも崇……いつかあなたより、幸せになってや
る……」
 崇が去ったあと、実家に電話を入れて「お金できたから、もう心配
ないよ……」と、宣子はうつろな表情で笑って告げる。

 マスターテープを取り戻した崇。宣子とのことも、すべて片付いた。
「あとは、僕たちの結婚の話を進めていこう」
 明るく尚子に告げる崇。
 しかし、尚子は不安を感じていた。
 崇の母・三奈が、なぜか結婚に強硬に反対していることをしってい
たからだ。
 煮え切らない表情の尚子を、崇は気晴らしにと酒に誘う。
 が、しばらくお酒は飲まない、と断る。そして、思い切った表情で
打ち明ける。
「あのね崇さん……わたし、妊娠したみたいなの……」
 一瞬、呆然としてからはしゃぎ、崇は尚子を笑って抱きしめる。
 子どもができたのか、そうか、そうか! 新しい家族か……。これ
で、母さんも認めてくれるよ。そうさ。
 幸せそうに二人は笑いあう。

 翌朝、病院に出勤してきた三奈に、尚子の妊娠を報告する崇。
「それは……確かなの?」
 ショックを隠しきれない顔でつぶやくように言う三奈。
「これで……僕たちの結婚、賛成してもらえますよね?」
 子どもができてしまったら、どうすることもできない。三奈は衝撃
を受けながらも、曖昧にほほえみを浮かべてうなずく。
 喜びの顔を浮かべたまま崇が去ったあとで、三奈は絶望のため息を
ついた。

 三奈は、病院の産婦人科の部長を呼び出す。
 知り合いに相談されて……、という形をとりながら、血縁者同士の
妊娠について話を聞く。医師は難しい顔をしたあとで言う。
「私なら、“出生前診断”をします。そのお知り合いがご心配なさっ
ているのは、胎児の異常についてでしょう? 出生前診断を行えば、
ある程度それはわかります」
 三奈は思案を巡らせる。

 一方、崇は財務省の仕事が一段落して、白井眞一郎のもとを訪ねて
いた。
 いよいよ、財務省を辞めて政界へ転身する予定。その動きについて、
打ち合わせをする。が、帰り際に、「ゴミがついていたよ」と言いな
がらそっと崇の肩から髪の毛をとる眞一郎。その髪の毛を大事にしま
い込む。
 これで、DNA鑑定のためのサンプルが手に入った……。

 崇のマンションで、結婚後の準備を進める尚子のところへ、三奈か
らのお祝いが届く。「お母様がこんなに……」
 これまで、反対していたはずの三奈が祝福をしてくれることに、尚
子は喜びを隠せない。
 と、そこへ三奈からの電話が入る。
 尚子を、きちんとした医者に一度診せた方が良い。ついては、こち
らで懇意にしてもらっている腕の良い医者がいるから、次の木曜日に
連れて行きたい……。
 三奈の話を受け入れた尚子。
 しかし、三奈は「出生前診断」をそこで行なってしまおうと考えて
いた……。

 尚子を連れて、懇意の産婦人科医のもとをたずねた三奈。本人の承
諾も得ないままの診断を行う。
 しかし、三奈にはもう一つの思惑があった。
 出生前診断には、流産のリスクがともなうのだ。万一、そうなった
ら……。
 診断は無事に終わり、三奈は何食わぬ顔で微笑み、尚子を白井家ま
で車で送る。

 一方、有川会の病院では、三奈の夫・有川和裕(田中健)が、三奈
を探していた。会長室で、三奈の不在を知ったが、その机に「出生前
診断について」のパンフレットが置き去りにされているのをみて不審
に思う。
 秘書に聞くと、最近、三奈は行く先も告げずにどこかへ出て行くこ
とが多いという。さらに、院内の産婦人科の部長に出生前診断の件を
聞いていたとも。
 和裕は、三奈の行動になにか裏を感じる。

 白井家に尚子を送り届けた三奈が逸子らと歓談をしていると、急に
尚子が苦しみ出す。
 急いで尚子を病院に搬送するが……。
 尚子は流産してしまった。
 おそらくは、出生前診断が原因。だが、それを知っているのは三奈
のみ。
 駆けつけてきた崇は、ショックを隠しきれず、尚子をただやさしく
なでる。
 尚子の傍らに座った逸子が「なぜ、妊娠していると教えてくれなか
ったのですか」と崇を責める。世間体を気にする逸子に、婚前の妊娠
を隠していたのだ。が、今となってはすべてがむなしい。
 尚子の急を聞き、眞一郎もやってくる。が、病室の前で眞一郎を呼
び止めた三奈。眞一郎を激しく問い詰める。
「だから、この結婚は反対だったのよ! あの二人は……兄と妹なの
よ!」
 すべては三奈の策略。
 出生前診断をして流産してしまったとしても、それは血縁関係のあ
る者同士のせいだと言い張ればいい。出生前診断における流産のリス
クについては、三奈しかしらないのだから……。

 呆然とする眞一郎。だが、その場には、三奈のあとを追ってきた崇。
そして、病院にかけつけた和裕の姿が……。
 すべては、みなに明かされてしまった。
 あまりのことに何も言えず、その場から駆け出す崇。
 廊下に崩れ落ちる三奈。

 混乱したまま、ただただ、一人になりたかった崇。
 車に乗りハンドルを乱暴に握りしめ、荒々しくアクセルを踏む。突
然、目の前に一人の男が飛び出してくる。
 男は、眞一郎。
 崇を見据えて、「崇くん……話しをしようじゃないか」と言う。
 しかし、崇はこたえず、アクセルを踏み、急ハンドルで眞一郎をか
わし、タイヤを鳴らして走り去る。
 眞一郎は、走り去る車をただ見つめていた。



寸  評  宣子のDVDの件にけりがついたと思ったら、尚子の妊娠、そし
て三奈の陰謀による流産。いきなり事態は急展開です。いよいよ終盤、
クライマックスになってきた感じですねぇ。
 しかし……、収拾をつけるためなんでしょうけど、いろいろとムリ
があったような気もします。最後、廊下に全員が集まっているところ
で、ついうっかりの告白。それはちょっと……。
 さて、次回はどうなりますか。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 私的なことなんですが、子どもに離乳食を始めました。
 完全母乳で半年以上育ってきたということもあって、最初の抵抗がものすご
くて……。
 口をへの字にして、両手でブロックをしながら、首を振って泣きわめくんで
すよ。ついつい、こちらとしてもそんな顔をされるとかわいそうで止めたくな
る。けれど、いつまでも母乳というわけにも……。
 どうしようかと、妻と二人で思案してあれこれ工夫していたのですが、ある
日突然、むしゃむしゃ食べるように。
 スプーンに自ら食いついてくるわ、自分の手でつかみ取って口に運ぶわ、ス
トローに吸い付いてくるわ……。
 なんのことはない、無理矢理押しつけられるのがイヤだったみたいです。食
卓に連れてきて一緒に食べていると、子どももマネして食べようとするんです
ね。
 何でもそうなんですけど、「どうやってやらせるか」よりも「どうやってや
る気にさせるか」が大切なんですね。
 というところで、次回の原稿、やる気を出して頑張ります。(畑中ヒロ)

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