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タイトル:Daily Drama Express 2010/03/08 コードブルー2 (9)  2010/03/16


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/03/08 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル コード・ブルー −ドクタヘリ緊急救命− 2nd season
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 藍沢耕作(山下智久)  (フライトドクター候補生)
 白石 恵(新垣結衣)  (フライトドクター候補生)
 緋山美帆子(戸田恵梨香)(フライトドクター候補生)
 冴島はるか(比嘉愛未) (フライトナース)
 藤川一男(浅利陽介)  (フライトドクター候補生)
 田所良昭(児玉 清)  (救命センター部長)
 森本忠士(勝村政信)  (フライトドクター)
 梶 寿志(寺島進)   (パイロット)
 西条 章(杉本哲太)  (脳外科医)
 三井環奈(りょう)   (フライトドクター)
     橘 啓輔(椎名桔平)  (フライトドクター)
脚  本 林宏司
主題歌  Mr.Children「HANABI」

あらすじ 第9話「心の傷」

 連続縫合、水平マットレス縫合、スキンステイブラ。破れた傷を縫
う方法を外科医は何通りも知っている。だが、心の傷は……。心の傷
を縫い合わせるにはどうすればいいだろう?

 美帆子(戸田恵梨香)の提訴は取り下げられた。状況から母親が
DNRオーダーを認めていたのは動かしようのない事実であることは
確かであり、裁判で争っても勝ち目がなくなったと相手側が判断した
からだった。

 謹慎は解かれたが、美帆子は落ち込んでいた。何とも後味の悪い決
着。患者への恐怖もぬぐい切れない。心に負った傷は深かった。

 田所所長(児玉清)は脳に動脈瘤があると診断された。
「大きいですね……・」
 予想外の深刻さにいつも冷静な田所所長も不安な表情を浮かべた。
脳幹をかなり圧迫している。西条もどう処置すべきかすぐには結論を
出せなかった。

 33歳男性がスキーで大けがを負ったためドクターヘリ要請が来た。
担当は美帆子だった。裁判のショックと精神的疲労を考えて橘(椎名
桔平)が付き添いで搭乗した。

 耕作(山下智久)はバイクで転んだ外来女性を診察した。女性は右
足の痛みを訴えた。耕作は患部を見ると、すぐさま車いすを用意させ
た。
「コンパートメント症候群です。ほっとくと脚を切断しなければなら
なくなります」 
 耕作は緊急手術に入った。

 現場に到着した美帆子は患者男性に聴診器をあてようとしたが、そ
の手は震えていた。戸惑いを抑えつつオペに入ったが、手元が狂って
自分の手を切ってしまうなど、ブランクの大きさと裁判の後遺症は思
った以上に深刻だった。

 耕作の手術は無事終了した。患者はホッとして携帯に映った我が子
を嬉しそうに眺めた。シングルマザーで仕事が忙しく、ずっと離れて
暮らしていたが、これから一緒に暮らすことになったのだという。

 橘は戻って来ると、美帆子の傷の縫合を耕作に指示し、患者のオペ
には恵(新垣結衣)が入った。
 美帆子はいら立っていて、耕作に八つ当たり気味に言った。
「きれいに縫ってよね」
「どうしたんだ」
「ただのミス」
「まだ患者が怖いのか?手の傷は大したことない」
 そう言われて美帆子は何も言い返せなかった。

 術後の経過を見ていたはるか(比嘉愛未)は女性の会話が時々おか
しいことに気づき、耕作に話した。
「頭部CTとろう」
 不審に思った耕作はそう指示した。

 MRI検査の結果、スキー事故の患者は脊柱管狭窄症による中心性
頸損が認められた。もはやスキー選手としての生命は絶たれていた。
スキーがすべてという患者のことを思うと恵と美帆子は表情を硬くし
た。
「どう伝える?」
 恵は美帆子に言った。だが美帆子は「ごめん、任せる」と言って出
て行ってしまった。

 耕作の担当した女性患者も脳腫瘍が認められ、耕作が手術に伴うリ
スクを説明した。かなりの確率で後遺障害が残るという話に、女性は
すぐには結論を出せなかった。

 恵もスキーが続けられないことを告げた。
「どうして、足は痛くないんですよ!」
 納得がいかないと患者は猛反発してきた。しかしちょっとした衝撃
で全身麻痺を起す危険性がある以上、恵はスキーを諦めてもらうこと
を説得するしかなかった。

 はるかは重い喘息を患っている男の子を付きっきりで見ている一男
(浅利陽介)を見かけて、声をかけた。
「お母さんがついてあげられてないって言うんだよ。俺も喘息持ちだ
ったし、目が覚めたとき誰もいないのって辛いんだよね」
 一男はそう言って男の子の寝顔を優しく見つめた。

 意識が回復した後、耕作は後遺障害の確認をした。やはり後遺障害
が残り、半身が麻痺していた。耕作はリハビリ施設への転院の手続き
を取った。
「やっぱり罰があたったのかなあ」
 女性はため息をついた。子どもを放っておいて、今さら一緒に暮ら
そうというのは身勝手なことだと。けれど仕事に夢中になっていたら
息子は9歳になっていた。
 子どもと一緒に暮らせる期間はそうそう長くないと思うと、どうし
ても一緒に過ごしたくてしかたがなくなったのだ。

 だがそれもかなわなくなった。見舞いに来た息子に母親はただ一緒
に住めなくなったと言うしかなかった。息子はお別れ会してもらって、
寄せ書きももらったのにと文句を言った。ごめんね、ごめんねと母親
は繰り返していた。

 スキー事故の患者が勝手に病室を抜け出して階段で滑ってケガを負
った。恵は二度としないよう注意した。すると患者は言い返した。
「先生は、医者をやめろを言われたらどう思うんです?僕には他に何
もないんです、何も……」
 そして、一度でいい、娘の前で滑っている姿を見せたいと訴えた。
「私の父も医者です。自分にとって父はヒーローでした。私は父の姿
を見て医者を目指しました。でも今父は身体を壊し長くは生きられま
せん。そうなって初めて気付きました。ヒーローじゃなくていい、元
気で生きてさえいてくれればいい、そう思います」
 家族にとってベストの決断をしてください、と恵は付け加えた。

 スキー事故の患者は、現役続行を断念することに決めた。整形外科
病棟へ移る日、患者は恵にお守り代わりにしていたボルトを渡した。
以前大ケガして復帰して以来身に着けていたという。
「もうこれは必要ありませんから」
 恵はそれをネックレスにし、娘にプレゼントした。
「なぁに?」
「大きくなったらパパに聞いて」
 恵は不思議そうな顔をしている女の子に優しく微笑んだ。

 女性患者は会社の人が来るというので、メイクをしていたが、利き
腕でないのでうまくできない。耕作は美帆子を呼んだ。
「あの、大丈夫ですか?」
 女性患者は戸惑っていた。美帆子も何と言っていいのかわからなか
った。
「大丈夫です。外科医は手先が器用ですから」
 耕作が代わりに答えた。それを聞いて美帆子は思わず口元をほころ
ばせ、メイクに取り掛かった。

 心の傷を癒す簡単な方法はない。ただこうも思う。心の傷はきっと
必要なものだ。なぜなら心に傷を負うことで、他人の痛みに気づける
から。

 西条は田所所長にオペを説明した。循環停止法を行うという。体温
を20℃に下げ仮死状態にすることで血流を止めるやり方だった。
90%以上の確率で後遺症が残るが、これしか方法はないと西条は説
明した。
「先生は、これまでにご経験はあるんですの?」
 厳しい表情で黙っている田所所長に代わってその奥さんが尋ねた。
「一例もありません」
 張りつめた緊迫感がその場を覆った。



寸  評  提訴が取り下げられてもそれですべてが元通りになるわけじゃな
くて、その後のトラウマの方が重い問題であるということがうまく描
けていたと思います。ある意味手を尽くして患者を救えないことより
も辛く厳しいことだということがよく伝わりました。
 恵はスキー事故の患者に対して終始一貫して医師としての立場を貫
いていました。ただ元気でいてほしいというのがベストの選択という
説明もとても説得力がありました。美帆子と比べるとものすごくドラ
イです。性格的には美帆子の方がドライで、恵の方が情に流されるよ
うな気がするのでちょっと意外に思えました。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 TBSが製作した文豪ドラマを見ました。自国の文学作品、知っているよう
で意外と知らないものが多く、私が読んだことがあるのは『高瀬舟』と『魔術』
だけでした。もっとも太宰治や谷崎潤一郎はもともと読むのを敬遠していたと
いうのもありますが。企画としては面白いものだと思いましたので、ぜひ第2
弾を作ってほしいと思います。個人的には樋口一葉とか、堀辰雄を取り上げて
ほしいです。(けん)

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