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タイトル:Daily Drama Express 2010/02/26 宿命 (5)  2010/03/15


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/02/19 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 宿命1969−2010〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・
東京〜
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜21時
キャスト 財務省主計局主計官/有川三奈の長男 有川崇(北村一輝)
 為替ディーラー     笹山宣子(小池栄子)
 白井眞一郎の長女     白井尚子(上原美佐)
 有川三奈の次男     有川透(細田よしひこ)
 白井眞一郎の次女     白井亜希子(藤井美菜)
 財務事務次官     国枝芳史(矢島健一)
 笹山宣子の父     笹山太一(森次晃嗣)
 眞一郎の妻     白井逸子(松坂慶子)
 医療法人有川会病院長     有川和裕(田中 健)
 民自党政調会長     白井眞一郎(奥田瑛二)
 医療法人有川会代表     有川三奈(真野響子)
 内閣総理大臣     滝沢宗晴(若林豪)
原作   楡周平『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』
脚  本 坂上つかえ
主題歌  『瞳の奥をのぞかせて』ポルノグラフティ

あらすじ 第五回

 有川崇は、近いうちに白川尚子との結婚を控えていた。
 しかし、この婚姻はただの結婚ではない。崇は、民自党政調会長・
白井眞一郎の娘である尚子と結婚することで、政界進出の野望を果た
そうとしていた。
 一方で、尚子もまた、眞一郎が必要としている財力のために、婚姻
を承知したのだ。傘下の病院を五〇もかかえる有川会の会長・有川三
奈の息子である崇との婚姻を。
 しかし、白井眞一郎と有川三奈は、三十数年前、深く愛し合った恋
人同士。
 それぞれ婿養子になったり、結婚したりで姓が変わっていて気がつ
かなかったが、崇は眞一郎の実の子だったのだ。
 三奈はこの婚姻を無かったモノにしようと動く。ところが、眞一郎
は政界での立場のために、そして自らの野望のために、この婚姻を強
引に進めようとしていた。

 崇は、有川家に戻って三奈を問い詰める。
 婚約が決まる前に十年間恋人関係だった、笹山宣子に渡した手切れ
金の小切手二千万円をめぐってのトラブルが、三奈の策略だとわかっ
たからだ。

 宣子の弟が交通事故を起こし、多額の借金を背負うことになった。
 一度は、「こんな金を受け取るわけにはいかない」と突っぱねた宣
子だが、恥をしのんで渡された二千万円の小切手を使おうとした。
 ところが、銀行で小切手を換金しようとすると「これは盗まれたも
のだ」と警察に届けられて逮捕されてしまう。
 三奈が銀行に「二千万円の小切手を紛失した」と連絡を入れたから
だ。
 警察で取り調べを受け、三奈が釈明をしたおかげで、宣子の容疑は
晴れた。
 しかし、為替ディーラーとして、億単位の金を扱っていた宣子。小
切手のサギ行為、警察への連行、といった風評は信用に大きく関わる。
宣子は仕事を失ってしまった。
 すべてのことは、宣子を使って婚約を壊そうという三奈の陰謀だっ
たのだ。

 言い合う三奈と崇。
「いい加減にしてくれよ!」
 突然、大声を上げたのは、崇の弟の有川透(細田よしひこ)だった。
 政治家になるために政略結婚をする崇も、そのために二千万円もの
大金を出す三奈も、どちらもどうかしている。
 政治家なんかを目指さなくたって、権力を得たいのならば、有川会
をそのまま崇が継げばいいじゃないか。
 徹はそう言って二人をにらみつけた。
 実は、有川会の次期会長として、徹が候補にあがっていた。長男で
ある崇が、
 政治家を志していて、実家に戻るつもりはないからだ。しかし、徹
は優秀すぎる兄・崇にコンプレックスを感じていた。自分には、そん
な大役はつとまらない……。ことあるごとに比較され、徹はゆがんだ
思いをかかえていたのだ。
 しかし、崇は有川会を継ぐつもりはないと断言する。
 国を動かすことができるのは、国会、そして議員だけ。有川会にも
権力はあるけれど、それは自分の求めているものではない。
 政治家になって国を動かす。
 それは、野望のため。
 そして、その野望とは母・三奈からうけついだもの。
「僕は……母さんの野望の体現者でしょう?」

 宣子は酒浸りになっていた。
 会社もクビになって、恋人も失い、父親に約束していた金も用意で
きなかった。
 自分を責める宣子。
 そこへ、一通のメールが届く。
 ニューヨークへMBAの研修へ行っていた際のメンバーで同窓会を
しないか、という連絡だった。
 呼び出し人は山瀬という男。
 他に用事もない宣子、憂さ晴らしにとでかけて、山瀬と再会する。
 浮かない顔の宣子に、山瀬は「なんぞあったんですか? もしかす
ると……有川さんと別れた件ですか?」と突っ込む。
 十年来の恋人だった有川のことは、山瀬も知っていて、面識もあっ
たのだ。
 図星を突かれた宣子は、山瀬の誘いに乗ってこれまでの事情をあら
いざらい話してしまう。
 山瀬は、宣子に崇の悪い噂を吹き込む。
 宣子もしだいにその気になってきて、崇への復讐心を改めて深めて
しまう。
 さらに、山瀬は宣子にニューヨークで、崇がマリファナを吸ってい
る証拠のビデオを見せる。
 ニューヨークに行った際に、山瀬のマンションでパーティに招かれ
た。宣子と崇で参加したのだが、その席で、なかば強引に山瀬に進め
られて一服だけマリファナを吸ったのだ。そのとき、山瀬はマンショ
ンにビデオをしかけていたのだ。
 エリートの崇が、いずれ出世したらゆすりのネタにしようという山
瀬の策略だった。
 驚く宣子。
 さらに山瀬は、このネタをあげるかわりにと、宣子の身体を要求す
る。
 宣子は突っぱねて、さらに山瀬の父親にこのことをばらすぞと脅し
かける。父親の七光りで羽振りのいい山瀬。そのことをよく知ってい
る宣子の反撃に、山瀬は手も足も出ず、そのままビデオを持って行か
れてしまう。

 眞一郎は、さらに追い詰められていた。
 白井国土建設が、総理大臣の滝沢の背後にある十條建設に吸収され
ることが、ついに週刊誌の記事になっていた。
 もう、猶予はない。
 眞一郎は、崇と尚子の結婚のネックになっている、崇が自分の実子
であることをはっきりさせるために、DNA鑑定を試してみようと考
える。

 尚子も、崇との結婚を悩みはじめていた。
 崇には、宣子との十年間の絆がある。
 自分には、崇の野望のため、家のためという理由しかない。そこに
不安を感じていた。
 そのことを、妹の白井亜希子(藤井美菜)についこぼしてしまう。
 亜希子は笑って言う。
「お姉さまは……本当に崇さんのことが好きになってしまったのね。
だから、不安なのよ。もう、お父様とか家とか関係ないじゃない」
 尚子は本心を突かれて絶句してしまう。

 一方、崇も眠れない夜を過ごしていた。
 思い出すのは、尚子とのことばかり。
 崇は思いきって、尚子に電話を入れる。
 宣子とのことはもうなんでもない、だから、信用して欲しいと。そ
して、口調を改めて言う。
「お父さんのためにと、今でも考えているのかな……。いや、それな
らそれでもいい。ただ、僕は……君じゃなければ、この縁談は進めな
かった……」
 そして、会いたいと告げるのだった。

 翌日、二人は乗馬クラブで再会する。
 最初は、自分の野心のために、目的のために出会った。しかしお互
いが、お互いでなければダメになってしまっていた。
「僕は君が好きだ。僕の妻になって欲しい」
 思いを込めて尚子にプロポーズをする崇。
 尚子は涙を流しながら、静かにうなずくのだった。
 二人の宿命も知らずに……。

 崇のマンションでくつろぐ二人のところに、一通の速達が届く。
「ニューヨーク同好会」という宛名。かつて、宣子らとニューヨーク
に留学していたときの仲間からだ。
 崇は尚子とそのなかにはいっていたDVDを見る。そこに映ってい
たのは、パーティーの席上でマリファナを吸いこみむせる崇の姿だっ
た……。
 動揺する崇。
 呆然と崇をみつめる尚子。が、尚子は気がつく。
 山瀬は住所を知らないはず。それなのに届いた。そのDVDには宣
子も映っていた。これは、宣子の復讐なのではないか……?
 このビデオが、マスコミでも流れたら、全てをなくすかもしれない。
絶望にうちひしがれる崇。
 しかし、尚子はやさしく崇を抱きしめる。
「どんなことがあっても、私はあなたの味方よ……」

 有川家で、崇の弟・透は、父親の有川和裕(田中健)に、昨日のこ
とを話す。
 崇が政治家になるという目的のために、何もかもを犠牲にしている
こと。有川会を継がないのも、医者にならないのも、すべてその目的
のため。そして、それは母・三奈の夢。
 崇が、「自分は三奈の夢の体現者なのだ」と言ったことが、透には
納得できない。
 和裕は、「お前はまだわかっていないんだ」と言いながら、三奈と
のことを打ち明ける。
 六十年代の学生運動に身を投じた、三奈。
 しかし、それは失敗に終わり、大きな挫折となった。外からの力で
革命を起こすことはできないのだ。だから、三奈は国家権力を動かせ
る立場にたつことで、革命を成し遂げようと考えた。しかし、今さら
三奈自らが国会議員や総理大臣を目指すことは出来ない。だから、息
子の崇にその夢を託したのだ。
 そして、崇自身にも、母親しかいなかった。
 父親が早くになくなり、田舎から東京に出てきて、友だちも出来ず、
母親は和裕と再婚した。
 孤独な少年時代を送った崇は、母親の期待に応えようと必死に優秀
であり続けようとしてきたのだ。
「三奈の血を引き継ぐ彼の……宿命かもしれない」
 和裕の言葉に、透はただ黙っているしかできなかった。

 呆然としている崇と尚子のところへ、三奈がやってくる。
「……これはいったい何?」
 三奈が差し出したのは、先ほど崇たちが見ていたものと同じDVD
だ。
 そして、こういうことになった以上、縁談はこちらから辞退するし
かない。
 そう告げる。
 しかし、尚子の意志は固い。
「崇さんへの私の気持ちはかわりません。……もう、何があっても」
 この件は、自分たちがなんとかする。だから、縁談を進めさせて欲
しい。
 しかし、三奈も強硬だ。
 この問題は、有川家の問題。白井家に迷惑を掛けるわけにはいかな
い。
 そう言い置いて、三奈は崇のマンションを飛びでていってしまう。


 崇は三奈を追いかける。
 駐車場で追いついて、三奈を激しく問い詰める。
 いったい、どうして強硬にこの結婚を反対するのか。
 崇には、まだ、白井眞一郎の実子であることを告げていなかった。
 三奈は「白井家のお嬢さんなのが問題なのよ」とつぶやく。
 そして、崇に向き直って厳しい口調で言い放つ。
「……どうしても彼女と一緒になるというのなら……、親子の縁を切
るわ」
 しかし、崇もねばる。
 本当の理由はなんなのか。白井国土建設の件も、有川会の財力の件
も、すべて最初からわかっていたのに。
 それでも、三奈ははっきりしたことはいわない。
 もし、親子の縁を切り、有川家から離れたら、崇には財力のバック
ボーンがなくなってしまう。そうなれば、財力を目的に近づいてきた
白井家との縁談など、もとからなくなってしまう。
 これ以上話はない、ときびすをかえす三奈の背中に、崇は叫ぶ。
「それでも……それでも彼女を選ぶと言ったらどうしますか! 政治
家の娘としてではなく、一人の女性として!」
 三奈の顔色が変わる。政界への進出を諦めるというのか?
 崇の決意は固かった。
「僕の人生は、僕が決めます……」

 一部始終を影で見ていた尚子。
 戻ってきた崇に抱きしめられ、ただただ涙を流すのだった……。



寸  評  いよいよ、崇本人の思いが動き出しました。このまま、「目的の
ため」っていう方向にいかず、主人公が主人公らしく、自分の思惑を
持ち始めました。思えば、尚子との生い立ちが似ているところだとか、
そういうところで気持ちが近づいていたんですね。
 しかし、異母兄弟の結婚を阻止するって言うことなら、さっさと崇
に本当のことを教えてしまった方がいいとおもうのですが……。
 いよいよ混沌としてきたところで、どういう結末が待っているので
しょうか。次回も楽しみです。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 十年来の花粉症で、二月の終わりくらいから毎年苦しんでおります。
 これまで「クスリが嫌い」「行ってもアレルギーが根治する訳じゃない」と
いう理由で、病院を避けていたのですが、進められてちょっと行ってみました。
 そうしたら……、基本的に薬で抑えるっていうことなんですが、ものすごく
快適です。くしゃみもほとんどでませんし、鼻水もぴったりと止まって、この
季節では奇跡的に鼻で呼吸が出来るんです。
 いやー、医者ってすごいですねぇ。
 このドラマでも、あまり医療面はとりあげられませんが、主人公の実家が医
者で、ものすごいお金持ちっていう設定になっています。
 今回行った耳鼻科もものすごい行列で、これはたしかに儲かるんだろうなぁ、
なんて思いました。まあ、やり方やらそれぞれ医者によっては違うんでしょう
けど。(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
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