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タイトル:Daily Drama Express 2010/02/15 コードブルー2 (6)  2010/02/22


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/02/15 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル コード・ブルー −ドクタヘリ緊急救命− 2nd season
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 藍沢耕作(山下智久)  (フライトドクター候補生)
 白石 恵(新垣結衣)  (フライトドクター候補生)
 緋山美帆子(戸田恵梨香)(フライトドクター候補生)
 冴島はるか(比嘉愛未) (フライトナース)
 藤川一男(浅利陽介)  (フライトドクター候補生)
 田所良昭(児玉 清)  (救命センター部長)
 森本忠士(勝村政信)  (フライトドクター)
 梶 寿志(寺島進)   (パイロット)
 西条 章(杉本哲太)  (脳外科医)
 三井環奈(りょう)   (フライトドクター)
     橘 啓輔(椎名桔平)  (フライトドクター)
脚  本 林宏司
主題歌  Mr.Children「HANABI」

あらすじ 第6話「秘密」

 真実を話すのは難しい。人は様々な理由で真実を隠す。そして隠さ
れれば隠されるほど、人はその扉を開けようとする。そこに何が待っ
ているかも知らずに……。

 誠次(リリーフランキー)を訪ねた耕作(山下智久)は、母親の死
の真実を聞いた。誠次はあくまで事故だったと答えた。耕作は納得で
きなかった。
「間違いないんですか?」
「ああ」
「そのときすでに離婚していたのに?」
「ああ、わかる」
 これ以上何を聞いても無駄と思った耕作は、話を切り上げた。嘘ば
っかりだ、嘘をつくのが家族なのかと苛立ちを隠せなかった。

 スナック経営の51歳の女性が大量吐血したという連絡を受け、耕
作はドクターヘリで出動した。

 美帆子(戸田恵梨香)はバイクにはねられた6歳の男の子の脳死判
定に立ち会った。結果脳死が確定した。橘(椎名桔平)は美帆子にそ
の告知を指示した。

 搬送されてきた女性は静脈瘤破裂を起こしていた。調べると先月消
化器科で末期の肝臓がんと診断されていたが、それ以降治療を受けて
いなかったという。

 6歳男児の母親は付きっきりで看病していて、言いづらい雰囲気だ
ったが、美帆子は意を決して真実を包み隠さず伝えた。母親は容易に
受け入れようとはしなかった。
「だって、だって心臓がまだ動いているじゃないですか!」
声を荒げる母親に美帆子は何と言っていいのかわからなかった。

 51歳女性の家族は高校生の息子だけで、自分の病状を伝える気は
ないと言う。
「他に身寄りがないなら、はっきりと伝えます」
 耕作は女性の言い分を聞こうとはしなかった。
「そんなことしたら訴えるわよ!」
 女性は怒った。その女性にとって自慢の息子で京大の医学部の受験
が控えているのだと言う。余計な心配はかけたくない、女性はそう言
って耕作の言うことをかたくなに拒否した。

 一緒に担当していた恵(新垣結衣)は困り果てたが、耕作は脅して
でも息子に真実を話させるまでと一歩も引くつもりはなかった。

 田所所長(児玉清)に呼ばれて恵は所長室へ行った。するとそこに
は父親の博文(中原丈雄)がいた。父親はフェロー終了後、東都大学
の循環器科へ進むことが決まったと伝えた。
「おかしいよ、自分の進路は自分で決める。心配?自分の好きなよう
にしたいだけでしょ!」
 そう言うと恵は話を切り上げて出ていった。

 博文を見送る途中、田所所長は驚いた風に言った。
 「あんな感情をさらけ出すのを始めて見ました。あなたのことが好
きなんでしょう」
 「大きくなったものだ……」
 博文はしみじみとしていた。

 耕作は息子を呼んで母親の病状について話した。重病だと言うのに、
息子は受験勉強をしながら話を聞くありさまだった。たった1人の肉
親なのになぜけろっとしていられるのだろうと恵は困惑した。
「うちの母親、バカなんですよ。自慢が出来さえすればいいんです。
それに昔から嘘ばっかり。でもね、そういうもんだと割り切ったら慣
れましたよ」
 淡々と言う息子に耕作も返す言葉が見つからなかった。

 美帆子は脳死の子どもの担当になってから泊まりっぱなしだった。
橘は呆れた風に言った。
「あれじゃ、持たんぞ。辛い思いは家族に引き受けてもらわんと」
「でも悪いことじゃないわ」
 環奈(りょう)は橘の言うことを否定した。
「けど、俺たちは四六時中患者のことを考えてないといけないのか?
患者のことを忘れちゃいけないのか?」
「大丈夫よ、あの子は弱くないわ。あたしたちと違って」
 環奈はそう言って話を切り上げた。

 恵はなんとか息子に真実を伝えさせようと説得した。
「わかっているわよ。でも最後くらい邪魔はしたくないのよ。あの子
だけが自慢なの」
 突然女性は苦しそうにうめいた。また静脈瘤破裂を起こしたのだ。
女性は苦悶の表情を浮かべながらも息子には言わないでと懇願してい
た。

 容態が落ち着いたところで、恵は再度説得した。肝臓のガンは末期
症状で転移もある。肝不全を起こし意識障害になれば真実を伝えるこ
ともできなくなる。
 その前にきちんと話をすべきだと。一方耕作は耕作で息子へ告知を
行った。末期の肝臓ガンで長くはないと。
「君の言うとおり、家族といえども嘘をつく。傷つくことも多いから
隠して自分を守る。だが今はそんなときじゃない。ちゃんと話し合う
べきだ」
 息子はため息をついた。
「知ってますよ。下手な嘘しかつけないんですから。でも本人が隠し
たいなら、そうさせてあげるべきでしょう。ずっとそうしてきたんで
す」
「……そうか」
「あとどれくらいですか?」
「持って2か月だ」
 しかし息子は冷静にそれを受け止めていた。

 美帆子は男児の爪が伸びているのに気付き、切ってやった。それを
見た母親は「ありがとう」と言った。少し落ち着きを取り戻したよう
だった。美帆子は改めて脳死で意識を回復する見込みがないことを説
明した。
「十分に頑張ってくれたと思います」
「そう、よく頑張ったね。バイバイだね……」
「どう、されたいですか?」
 美帆子は重苦しさを振り切って聞いた。
「抱きしめたい」と母親は答えた。美帆子はDNRにサインをもらっ
ていなかったが、呼吸器をはずし、母親に抱かせてあげた。母親は感
謝して息子を抱きしめて泣いた。
 それでも悩みこんでいた美帆子を見て、あとではるか(比嘉愛未)
は言った。
「立派だったと思いますよ。緋山先生の仕事には意義があったと思い
ます」
「そうね」
 そう言って美帆子は大きく息を吐いた

 女性は依然として息子の前では胃潰瘍で、大したことはないと言い、
安心して受験に行って来てと言った。
「わかった、行ってくる」
「頑張るんだよ、祈っているから」
 息子は言った。
「楽勝だ。合格発表は1ヶ月後だ。また自慢できる。6年後には医者
になる。そしたらもっと自慢できる。東京に戻ったら開業する。そし
たら一生自慢だ」
 母親は嬉しそうにうなずいていた。
「だから生きてろよ、戻って来るまで。たまには守れよ、約束……母
さん」
 母親は最後まで嬉しそうだった。

 耕作も恵もこの親子のことで深く考えさせられた。
「まさかあんな高校生に気がつかされるとはな。隠しごとには理由が
あるんだ。俺が間違っていた」
 真実を伝えなくても、あの親子は理解し合っている。真実を伝える
だけがすべてではないと。

 一男(浅利陽介)は切ない思いにとらわれていた。はるかに何でも
話を聞くよと言っても何も相談してくれなかったからだ。はるかの心
の傷を埋めるのはできそうもなかった。ただ待つしかできない自分が
辛かった。

 誠次が再び病院に訪ねて来て、1通の封筒を耕作に渡してほしいと
恵に頼んだ。恵はそれを耕作に渡した。差出人は母親、消印は
「86年3月24日」だった。
「この日付……」
 耕作の表情が一瞬強張った。

 恵は博文の講演会に出席した。講演を終えて万雷の拍手を受ける博
文に対して、恵は冷めた目で見ていた。博文は恵の顔を見るとまた東
都大の循環器科へ行くようにと厳しい口調で言った。しかし突然肩を
落とした。
「やっぱり無理だ、お前に嫌われたままじゃ……」
 博文は1通の診断書を差し出した。そこにはステージ4の肺ガンで
あることが書かれていた。
「いつ自分は診療の最前線から離れるかわからない。そうなっては患
者に迷惑がかかる。だから後進の指導のために学会や講演に出回って
いるんだ。私なりに最後まで医者であろうとしている。それをわかっ
てくれ」
 あまりにも急な話に恵のショックは計り知れなかった。

 大切な人が真実を隠す。それは相手を傷つけまいとする愛情だった
りする。なのに人はその隠し事を暴こうとする……。そして後悔する。
なぜだまされ続けてやらなかったのかと。

 耕作は手紙を読んだ。そこには、耕作は悪くないと前置きしつつも
耕作のことが重荷で母親が自殺に至った経緯が書かれていた。
「自殺は……俺のせいか……」
耕作はそう絞り出すのがやっとだった。

 そのころ、男児の母親の兄が治療の一部始終を聞き、血相を変えた。
「それは、医療過誤だ」
 美帆子が同意書へのサインなしに呼吸器を外したのは、故意に死な
せたと考えたのだ。



寸  評  医師の立場としては真実を伝えるのが最もいいと考えるのは自然
だと思います。一方で患者の側は複雑な事情を抱えていたりしますの
で、必ずしも真実を伝えるのが最善というわけではないこともありま
す。だからそのへんは患者に任せておけばいいという橘のような考え
方も出てくるわけですが、それでも患者に深くかかわっていく耕作の
姿がとても印象的でした。明らかに医師に必要なのは技術だけではな
いということが描かれています。耕作はその課題にぶち当たっている
ところでしょう。私個人としても医師には技術だけでなく信用できる
人間性を備えていてほしいと思います。けれど、そこまでしていたら
身体が持たないだろうなという気もして、実際に自分がこういう状況
に陥ったらどうするだろうかと考えさせられました。
 あと美帆子のDNRなしに呼吸器を外すところも息苦しかったです。
確かにあの状況で、冷静にDNRへのサインを求めるのは、やりにく
いことです。母親も納得しているし間違いではないのでしょうけれど、
世間はそう見ないわけで、ここにも医師の人間性が問われていると思
いました。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 NHKで放映されていた「とめはね」が先日終わりましたが、なかなか面白
かったです。私も字にコンプレックスを持っているので、何でもかんでもワー
プロで済ませられればと思う時があります。でも手書きでなくてはならない時
もあるので、やはり見やすくきれいな字が書けないといけないなと思いました。
(けん)

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