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タイトル:Daily Drama Express 2010/02/05 宿命 (4)  2010/02/18


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/02/05 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 宿命1969−2010〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・
東京〜
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜21時
キャスト 財務省主計局主計官/有川三奈の長男 有川崇(北村一輝)
 為替ディーラー     笹山宣子(小池栄子)
 白井眞一郎の長女     白井尚子(上原美佐)
 有川三奈の次男     有川透(細田よしひこ)
 白井眞一郎の次女     白井亜希子(藤井美菜)
 財務事務次官     国枝芳史(矢島健一)
 笹山宣子の父     笹山太一(森次晃嗣)
 眞一郎の妻     白井逸子(松坂慶子)
 医療法人有川会病院長     有川和裕(田中 健)
 民自党政調会長     白井眞一郎(奥田瑛二)
 医療法人有川会代表     有川三奈(真野響子)
 内閣総理大臣     滝沢宗晴(若林豪)
原作   楡周平『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』
脚  本 坂上つかえ
主題歌  『瞳の奥をのぞかせて』ポルノグラフティ

あらすじ 第四回

 医療法人有川会の御曹司・有川崇(北村一輝)と、与党民自党政調
会長の長女・白井尚子(上原美佐)の結婚話が進められていた。
 政界への進出を狙い、与党政調会長の後ろ盾を得ようとする有川家。
 全国に五〇もの病院を傘下に置く有川会の財力を狙う白井家。
 お互いの利益を計算しての、政略的な婚姻だった。
 が、有川会の代表で、崇の母親でもある有川三奈(真野響子)は、
三十年以上前のかつての恋人が、尚子の父親・白井眞一郎(奥田瑛二)
だと知ってしまう。
 そして、崇が眞一郎の息子であることも……。
 しかし、眞一郎は追い詰められていた。一刻も早く、財政的な援助
が必要。眞一郎はそうと知りながら、強引に二人の縁談を進めようと
していた。

 崇と尚子は、互いの宿命を知らぬまま、仲を深めていた。
「今夜はイタリアンが食べたいわ」
 と無邪気に笑う尚子から、眞一郎と三奈が密かに話し合いをもうけ
ていたと聞き、崇は一抹の不安を抱く。
 それまでこの縁談に乗り気だった三奈が、突然「この縁談だけは認
めるわけにはいかない」と言いだした。崇のなかに三奈への不信感が
芽生えていく。

 崇の元恋人で、為替ディーラーの笹山宣子(小池栄子)は、父親の
笹山太一(森次晃嗣)から、弟がバイク事故を起こしたと聞き、懐か
しい実家へ戻ってきていた。
 バイクに同乗していたという、弟の会社の同僚の入院先を訪れた宣
子は、そこで被害者の家族に土下座をする太一の姿にでくわす。
 被害者はまだ二十歳の女性。どうにか一命はとりとめたものの、顔
にひどい傷をおってしまっていて、一生残ると言われていた。治療費
や慰謝料、壊した信号機の修理代……。いったいどれくらいの金額に
なるか。
 宣子には、崇と別れる際に「手切れ金」として預かっていた二千万
円の小切手がある。しかし、その金に手をつけるということは、崇の
一方的な行為を認めると言うこと。二度とよりを戻すことがないとい
うこと……。

 料亭で、眞一郎と三奈は再び話し合いを持った。
 三奈が、崇と尚子が異母兄妹であると明かしたのに、眞一郎は縁談
の話を進め、総理に仲人を頼んで崇との面会をセッティングしてしま
った。
「あなたは、私の話が信じられないの? 崇はあなたの息子なのよ!」
 激しくののしる三奈に、眞一郎は証拠がないと言い張る。それに、
尚子と崇が結婚すれば、どっちにしても自分の義理の息子になる。血
縁があるとなれば、崇の政界進出の後押しにも力が入る。
 しかし、子どもが出来たらどうするんだ、と尚子は食い下がる。
「それならば、崇くんに真実を教えてやったらどうだ……。できない
だろう?」
 平然と眞一郎は言い切る。それに、もしこの縁談を切ったら、どう
いうことになるか。
 崇の政界進出の夢は永久に叶わない。総理の仲人を蹴り、民自党政
調会長の縁談を切った男に、次の話などくるわけがない。官僚として
も、出世をストップさせられる。
 絶句する三奈を眞一郎は「しっかりしろ!」としかりつける。もう、
後に引くことなどできない。眞一郎は、田舎を出るときに母から教え
られた漢詩を口ずさむ。不退転の覚悟を記したもの。
「……私の志も、まだなかばだ……」

 思い悩んだ三奈は、崇の職場を訪れる。
 しかし、縁談の話を切り出そうとすると、崇はきっぱりと言い切る。
「僕はあなたの息子です。だから、これまで意志を尊重してきました。
ですが……今度だけはそういうわけにはいきません」

 三奈は考える。この縁談をどうにかして破談にするには……。
 ふと、崇が十年間付き合ったという元恋人のことを思いつく。崇が
手切れ金として、小切手二千万円を用意して欲しいと三奈に頼んでき
たことがあったからだ。
 三奈は小切手が換金されたかを、宣子に小切手を渡した尚子に確認
させる。しかし、電話を受けた宣子は尚子に怒りをぶつける。
「小切手はまだ手元にある。安心していいわよ。もうあなたたちに関
わるつもりはないから。そのかわり、一生あなたたちを遠くから見て
る。あなたと崇がどういう結婚をして、どういう人生を歩くのか、最
後まで見届けてあげるわよ……」

 尚子から、宣子の意志を聞いた三奈は、縁談を壊すために宣子を利
用しようと動いた。
 宣子の手にある小切手を換金できないように、銀行に手を回したの
だ。
 ……サインと二千万円の金額を書いた小切手を落としてしまった。
もし、換金しようとする人物が来たら、警察に連絡して止めて欲しい。
 宣子はまんまと策略にはまり、銀行で警察に取り押さえられてしま
う。
 警察に「有川崇に連絡して欲しい。そうすれば、自分がもらったも
のだと証明できるから」と主張する宣子。しかし、崇のところには、
呼び出しに応じないように三奈がすでにやってきていた。
 宣子は警察に拘留されてしまう。

 崇の元へも、三奈の元へも、警察からの連絡が来た。
 三奈は宣子が拘留されている麻布西署へ出向く。実は自分の思い違
いで、という三奈のところへ宣子が連行されてくる。
 縁談の決まった息子と宣子の手切れ金として、小切手を書いた。け
れど、宣子がお金で解決するのはイヤだと断ったので、もう破棄され
ている物だとてっきり思っていた。
 それが、得体の知れない人物に回ったりすると大変なので、紛失し
た、と銀行には届けたのだ。
 三奈はそう警察に申し開きをする。
 警察から解放された宣子を、三奈は追いかけて謝罪をする。
 が、そこで、実は尚子に任せてたのだが、すれ違いになったらしい
とウソをつく。
 宣子は、尚子が嫌がらせのために今回の件を仕組んだのだと思いこ
んでしまう。

 会社に戻ってきた宣子を待っていたのは、解雇の宣告だった。
 銀行から二千万円の小切手についての問い合わせが来て、麻布西署
からも刑事が来た。そんな人物を、億単位の金を扱う為替ディーラー
として雇っておくわけにもいかないのだ。
 宣子はすべてを失う。

 崇のマンションに、尚子と崇は連れだって戻ってくる。
 そこへ待っていたのは、冷たい視線で二人を見つめる宣子。
 小さく笑みを浮かべて詰め寄ると、尚子の頬を張る。
 尚子が届けた小切手は、三奈が紛失届を出したもの。そのせいで、
警察に拘留されたあげく、仕事まで失った。宣子はそう思いこんでい
た。
 つかみかかる宣子を無理やり引きはがす崇。よろめいて倒れ込んだ
宣子は、崇を見つめながら涙を流す。
「崇ばかりじゃなく、なんで仕事まで……。あなたがいけないのよ…
…愛していたのに……、本当に愛していたのに……」
 尚子はいたたまれずに、その場を去る。

 すべての糸を裏でひっぱっていたのは三奈。
 宣子の話で、崇はそれを知ってしまった。
 有川の家でひとりたたずんでいた三奈の所に、崇が現れた。



寸  評  野心を満たすために縁談を進めるか、宿命を受け入れるか……。
 登場人物たちが、それぞれの目的や志のために打つ手が、みんな裏
目に出ていくという、深みにはまっていく様子が描かれていました。
 しかし……ますます、主人公の影が薄くなっていますねぇ。
 今回でいえば、やっぱり母親役の有川三奈の存在感が際だっていま
したし、なによりも宣子の騙されっぷりがお見事でした。
 さて、次回もどうなりますか。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 今週、知り合いが二人、演劇の舞台に出るということで、立て続けに連絡が
ありました。 両方とも、メジャーな劇団というわけでも、話題の、というわ
けでもありません。が、お金を取って劇を見せるので、みんな必死ですし、い
ろいろ工夫を凝らしたり、なんとかしてサービスをしようとしてくれています。
 たしかに、技術的にとか、実力的にとか、いろいろと不足なところはあるよ
うにも思うんですが、そういう姿勢ってすごく大切だと思うんですよね。
 プロ野球のスピードやパワーよりも、高校野球の懸命さのほうが面白かった
りします。 同じように、メジャーなテレビ局の漫然と作ったものよりも、パ
ワーを感じたりします。 どっちがいいという訳じゃありませんけれど、テレ
ビのドラマや手慣れた映画に見飽きたとき、訪れてみると新鮮な気持ちになり
ます。
 今週もまた、お誘いに応じて足を伸ばしてみようかな。(畑中ヒロ)

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