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タイトル:Daily Drama Express 2010/02/01 コードブルー2 (4)  2010/02/08


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/02/01 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル コード・ブルー −ドクタヘリ緊急救命− 2nd season
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 藍沢耕作(山下智久)  (フライトドクター候補生)
 白石 恵(新垣結衣)  (フライトドクター候補生)
 緋山美帆子(戸田恵梨香)(フライトドクター候補生)
 冴島はるか(比嘉愛未) (フライトナース)
 藤川一男(浅利陽介)  (フライトドクター候補生)
 田所良昭(児玉 清)  (救命センター部長)
 森本忠士(勝村政信)  (フライトドクター)
 梶 寿志(寺島進)   (パイロット)
 西条 章(杉本哲太)  (脳外科医)
 三井環奈(りょう)   (フライトドクター)
     橘 啓輔(椎名桔平)  (フライトドクター)
脚  本 林宏司
主題歌  Mr.Children「HANABI」

あらすじ 第4話「過ぎし日」

 既往歴を聞くのは医者にとって重要なことだ。それによって診断も
左右される。思えば人生も同じだ。いつだって人は過去に左右され、
とらわれる。苦い過去、辛い過去、切ない過去……。たいていの場合
人はそれを引きずる。

 誠次(リリー・フランキー)という人物の突然の来訪、耕作(山下
智久)は絹江(島かおり)を見た。誠次は場の空気を察してすぐ退室
していった。
「どういうことだよ……」
「耕作、お前の父親は死んだ」
 絹江は顔をこわばらせた。耕作はなお問いただそうとしたが、絹江
は急に発作を起したように咳こんだ。肺炎を再発させてしまったのだ。
しかし大事には至らず、1週間程度で回復した。

 美帆子(戸田恵梨香)はカテーテル手術を無事に終え、回復も順調
だった。橘(椎名桔平)に快気祝いしよっかと軽いノリで誘われたの
には辟易したが、一安心だ。一方で恵(新垣結衣)が男からデートの
誘いを受けるようなメールを受け取っているのを知って、ショックを
受けてしまった。オペもフライトも、そして男まで稼ぎまくりか、と。

 今日もまたドクターヘリ要請が来た。20歳女性が強風で飛んでき
た看板に頭部を強打したという。ただちに耕作が出動した。同じくし
て悟史(平山浩行)の容態が急変し一男(浅利陽介)が駆けつけ、美
帆子は外来に来た患者の診察に向かった。

 美帆子が行ってみると中年男性がベッドに寝ていた。腹痛がおさま
らないと言う。前日診察した恵のノロウィルスによる腹痛と診断して
いたという記録が残っていた。美帆子が腹部を見ていると隆起してい
る。
「これは……」
 美帆子は慌てて心臓外科にコンサルを入れた。腹部大動脈瘤の破裂
を起こしている。知らせを受けた恵もすぐ飛んできた。

 耕作は木島由紀菜(木南晴夏)を搬送して戻って来た。本人は意識
もはっきりしているが、妊娠していてすでに24週に入っているとい
う。幸い母子ともに異常は見られなかったため、耕作はそのまま頭部
CTの方に回した。
「24週……」
 橘の表情が曇った。その昔橘は同じような状況で助かる見込みのな
い未熟児に対し、西条(杉本哲太)から送管を指示された。助かる見
込みがないのになぜ?という橘に、西条は経験のためと言い放った。
橘はそれに従い送管した。周囲は経験を積むためだけに?と眉をひそ
め、橘は自責の念にとらわれた。

 悟史の急変を知り、はるか(比嘉愛未)はいても立ってもいられな
かったが、一命を取り留めたと一男に聞かされ安堵した。しかし悟史
の精神状態は悪化していた。はるかを見るなり悟史は言った。
「悪いな、まだ死ななくて。さっさと死ねば心おきなく自分の仕事が
できるのにな。おまえはいいよな、立派なフライトナースで。言えよ、
迷惑だって」
 皮肉と自虐の入り混じった口調にはるかは心を痛めた。
「そんなことない……」
 心外な事だと言っても悟史は聞く耳を持たない。
「出てってくれ、もう会いたくない……」
 かつて悟史ははるかの家庭教師をしていた。それが今じゃおむつを
替えられるありさま。悟史には耐えられない状況だった。

 由紀菜は親に見捨てられ、相手の男性にも逃げられていたが、危機
感がなかった。
「ていうか、産む気ないし。困るよねー」
 耕作は脳天気な由紀菜を相手にせず、淡々と処置を続けた。

 恵は田所所長(児玉清)に呼ばれた。腹部X線写真、エコーもとっ
ているため誤診は酷だろうと田所所長は言った。
「いえ、CTを取るべきでした」
 恵はうつむき落ち込んだ表情を浮かべた。
「前の日は当直にフライトだ。そんな根詰めていれば判断も鈍る」
 橘が言った。
「とにかく休むことです」
 田所は命令だと言ってきかせた。美帆子には症例が稼げてラッキー
だった、落ち込むことないと言ってくれたが、恵の心は晴れなかった。
「過去にとらわれているのはあんただけじゃないよ!」
 美帆子は強く言った。心房細動が治ったって、事故の記憶はフラッ
シュバックされる。だけどシニアやフェローがいるから頑張れると。
「1人でできることなんてたかが知れてる。自分で抱え込まないで」

 由紀菜の容態が急変した。羊水破裂を起こしたのだ。胎内感染もな
く、発育もいいため、このまま出産に踏み切るよう橘は指示した。処
置は無事に済んだが、由紀菜は迷惑そうだった。
「けどさー、あたしは産む気ねえし。赤ちゃんポストここの病院ない
の?」
「産みたくなければ産まなくていい。子どもは産み落とされれば1人
でも生きていくんだ」
 だるそうに言いだす由紀菜を耕作は黙らせた。
「俺には両親がいない。でも親が必要なんて一度も思ったことはない。
子どもは1人でも生きていくものだ」

 翌日、病棟の窓から子どもが転落する事故が起きた。シニアや耕作
はみな手が空いておらず、恵と美帆子が処置に当たった。シニアを待
つ間もなく子どもは心停止を起こしてしまった。
「待ってるひまない。あたしたちでやろう」
 恵はメスを取り、出血を止めるオペを行い、美帆子は叙細動を行っ
た。やがて到着した橘は2人の処置の見て、よくやったと褒めた。
2人とも嬉しそうに顔を見合わせた。

 その晩、由紀菜の赤ちゃんを看護する耕作のもとへ由紀菜がやって
来た。耕作に厳しいことを言われた由紀菜は神妙な顔つきで、
750gの赤ちゃんの手に触れてみた。
「かわいーっ、ちょーかわいい」
 由紀菜は思わず嘆声を洩らした。しかし急に不安な表情に変わった。
「あたしに育てられるかな……」
 耕作は少し間を置いて言った。
「授業参観は行けるときだけ行けばいい。ただ運度会は無理してでも
行ってくれ。担任の先生とする二人三脚はつらい。一緒にいてやりさ
えすればいいんだ。ただそれだけで……」
「先生のおばあちゃんに聞けばいいのかな……。先生みたいに育って
ほしいもん」

 はるかは悟史の病室へ行った。悟史は少し落ち着いていて、謝った。
「怖いんだ、外見も中身も、毎日、どんどん、醜くなっていく自分が」
「そうね……あの頃のあなたは輝いていた。いつもあたしの前を歩い
ていた」
 はるかは静かに続けた。
「あなたは変わった。けれどあたしは、好きという気持ちは少しも変
わらないの。だから辛い……」
 悟史ははるかの胸のブローチを見た。悟史がはるかの就職祝いにプ
レゼントしたものだった。
「ダサいな。でもはじめてつけてくれた」
 悟史は少し微笑んだ。はるかの目に涙が込み上げてきた。
「後悔してる。もっと早くつけるべきだった。それだけで、あなたは
笑ってくれるのに」
 はるかは悟史の手をとりすがるように泣きじゃくった。

 恵は美帆子を連れて古びたキャバレー風の店にやって来た。
「なに、こんなところで待ち合わせなの?」
 美帆子は面食らった。
「うーん、正確に言うとさ、昔は男だった、なんだけど」
 そう言いつつ、店内に入ると、出迎えたのは以前恵が担当したゲイ
患者だった。
「よく来るの?」
「たまに」
 上着を脱ぎながら、恵は言った。
「ありがとう、あなたの言葉で少し楽になった」
 そう言われて美帆子は思わずにこりとなった。
「あんたすました顔より、落ち込んでいる顔の方がいいよ」
 恵もにこりとした。

 過ぎ去った日々は決して戻って来ない。そして取り消すこともでき
ない。自らの生きた今が明日には過去の思い出となる。つまり過去は
自分の生きた証だ。だが、どうしようもない過去に突然であった時ど
うすればいいのだろう?

 環奈(りょう)は由紀菜の未熟児をじっと見つめている橘を見て、
足が止まった。橘はいつになく深刻な表情だった。環奈は知っていた。
送管して、助かる見込みもないのに技術を身につけるために5日も生
き延びさせた。橘は赤ちゃんが死んだとき1人でボロボロと涙をこぼ
していた。環奈にはかける言葉すら見つからないほどの苦しみを橘は
抱えている、いまだに。

 耕作は再び絹江に母親のことを聞いた。
「屋上から飛び降りたのか?」
「違うわ、あれは事故だわ」
 絹江はそう答えた。耕作はそれがまだ信じ切れなかった。



寸  評  人の命に向き合う医師にとって過去の記憶というのにとらわれる
辛さ、苦しさがよく伝わってきました。耕作の言う「取り消すことも
できない」というのが、本当に重く、重く伝わってきました。すっき
り忘れて前を向こうでは済まない世界ですし、医師である限り向き合
い続けなければならない過酷さは察して余りあります。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 先週風邪で腸がやられてしまったのですが、今週はのどがやられてしまいま
した。幸い今回は症状が軽くて1日で腫れが引いたのでホッとしたのですが、
今度は鼻詰まりが起きてしまいました。今年は風邪のオンパレードです。もっ
ともインフルエンザにならないだけましかもしれませんが。(けん)

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