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タイトル:Daily Drama Express 2010/01/22 宿命 (2)  2010/02/01


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/01/22 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 宿命1969−2010〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・
東京〜
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜21時
キャスト 財務省主計局主計官/有川三奈の長男 有川崇(北村一輝)
 為替ディーラー     笹山宣子(小池栄子)
 白井眞一郎の長女     白井尚子(上原美佐)
 有川三奈の次男     有川透(細田よしひこ)
 白井眞一郎の次女     白井亜希子(藤井美菜)
 財務事務次官     国枝芳史(矢島健一)
 笹山宣子の父     笹山太一(森次晃嗣)
 眞一郎の妻     白井逸子(松坂慶子)
 医療法人有川会病院長     有川和裕(田中 健)
 民自党政調会長     白井眞一郎(奥田瑛二)
 医療法人有川会代表     有川三奈(真野響子)
原作   楡周平『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』
脚  本 坂上つかえ
主題歌  『瞳の奥をのぞかせて』ポルノグラフティ

あらすじ 第二回

 全国に五〇もの系列病院をもつ有川家の長男・有川崇(北村一輝)
と、与党民自党政調会長である白井家の長女・白井尚子(上原美佐)
の間に結婚話が進んでいた。
 政界進出をもくろむ有川家と、財力を狙う白井家の政略的な結婚。
 しかし、崇の恋人で、結婚話が決まってから捨てられた笹山宣子
(小池栄子)は、それを恨みに思っている。

 尚子が通う料理教室に、宣子は何も知らないふりをしてやってくる。
 この教室のことをいろいろと教えて欲しい、と宣子は尚子に接近し
ていく。

 民自党政調会長の白井眞一郎(奥田瑛二)は、窮地に立たされてい
た。
 眞一郎の経済的なバックである、大手ゼネコン・白井国土建設が今
にも倒産するというニュースが入ってきたからだ。
 新しい経済的なバックに医療法人有川会を、と考えての娘の縁談だ
ったのだが、もしそれが破談になったりすれば、政治生命は終わって
しまう。
「まさか、その話、白紙になったりはしないでしょうね」
 そのために、眞一郎は手を打っていたのだが……。

 料理教室からの帰り、ブティックで洋服を眺めていた尚子の前に、
宣子が現れる。
 偶然を装って二人きりで話すチャンスを狙っていたのだ。
 喫茶店で二人は友人のように話す。
「実は私、十年間もつきあっていた人がいて、その人と結婚を考えて
いる」
 恋人の存在をほのめかしたうえで、帰り際に宣子は定期入れを落と
してみせる。
 あ……、と拾った尚子。ふと定期入れに目がいく。
 定期入れに入っていたのは、親しげによりそう宣子と崇の姿だった。
 絶句する尚子。

 崇と尚子は、夜に食事をする約束をしていた。
 仕事で遅れてきた崇が店にはいると、尚子はまだ来ていない。
 携帯に電話を入れても電源が入っていないとのコールばかり。
 不審に思った崇は、白井家に電話を入れた。
 が、家にも戻っていない。電話に出た妹の白井亜希子(藤井美菜)
がそう答えたとき、尚子が帰ってくる。
 尚子の様子がおかしい。亜希子は尚子に問い質す。
 すると、尚子は、崇には十年も付き合い、将来を誓い合った恋人が
居たのだ、と憤慨してみせる。
 だが、亜希子は平然とした顔でいう。
「崇さんくらいの年齢だったら、特定の人がいても不思議じゃないん
じゃない?
 それに、お姉さま、この結婚はお父さまのためだ、って言っていた
じゃない」
 尚子は表情を曇らせる。

 崇はひとり、レストランを出て家に帰る途中、携帯が鳴る。尚子か
らだ……。
 崇と尚子は、ホテルのラウンジで会う。
 そこで、尚子は宣子の存在のことを崇に問い詰めたのだ。
 宣子とのことを告白した崇は、縁談を白紙にするかと尚子に聞く。
が、尚子は反対に崇がどうしたいのかを問い質す。
「……僕は君を選んだ。だからこそ、君の人生に責任を持つ……」
 崇の本心を理解した尚子は、すべてを許す。
 崇も宣子とのことをきちんと整理すると、尚子に誓うのだった。
「こんなところで、止まっていられないからね……」
 うなずいた尚子が、ふと聞く。
「崇さんは何を目指しているの?」
「……内閣総理大臣……」
 うつむいたままきっぱりと言い切る崇を、尚子は絶句して見つめる。

 病院の経営で多忙な有川三奈(真野響子)のところへ、崇がやって
くる。
 二千万円を出して欲しいと頼む。
 宣子との手切れ金だ。
「……はい、一刻も早く片づけなさい」
 三奈は二千万円とかかれた小切手を無造作に崇に手渡した。
 白井家との縁談が進んでいる今、多少、無理でも早く関係を終わら
せないといけない。

 崇は宣子の行きつけのクラブに出向き、尚子にいろいろと仕掛けた
ことを問い質す。
 が、宣子は居直る。そして、十年ものあいだ、崇にふさわしい女に
なろうとしてきた努力を、なぜ認めてくれないのかと詰め寄る。
 崇は冷たく言う。
「ブランド物の服を着て、高級マンションに住み、年収を自慢する。
そんな女が俺にはふさわしいのか。俺にとっては、普通のOLも為替
ディーラーもかわらないよ。僕と君との間には結婚という選択肢はな
かったはずだ。……お互い、理解していたはずだろう?」
「それはそうなんだけど……」
 せめてもの僕の気持ちだ、といって崇は二千万円の小切手を差し出
す。

 宣子はかつて、九州から東京へ出てくるときに、父の笹山太一(森
次晃嗣)から反対されていた。が、最後には太一も認めてくれた。そ
のときに言われたのだ。
「父ちゃんの反対ば押し切っていくっちゃけん、ひとつだけ条件のあ
るったい。しょうもなか男にだけはひっかかったらいかん。男だった
ら医者か弁護士、官僚になるくらい五体優秀な男をつかうこったい。
よかね、宣子。それくらの女になれっちゅうこったい」
 そのときのことを思い出し、ひとり宣子は涙を流す。

 白井家に帰ってきた眞一郎は、総理が仲人を引き受けてくれたと、
笑顔で報告する。
 妻の逸子(松坂慶子)、亜希子らに笑いが浮かぶ中、尚子はひとり
浮かない表情。
 それをみとがめた眞一郎は、尚子を呼びつけた。
「この話……進めていいんだな? 後戻りはできんぞ」
 浮かない表情の尚子の気持ちを、もう一度確認しておきたかったの
だ。
 何の迷いもない、と断言する尚子だが、ふと、眞一郎に女性関係の
ことを尋ねる。
 眞一郎は、結婚前にはいたが、結婚してからはいない、と教える。
 苦笑する眞一郎は、崇に女性関係があり、そのことで尚子が悩んで
いるのだと察する。
「崇くんは……お前を幸せにしてくれると思うか?」
「女性が幸せになれるかどうかは、夫しだいということを言う人もい
ます。が、そうではないとお母様に教えられました。幸せは……自分
で作るものだと……」

 宣子はやけになり酒におぼれ、ぼろぼろになっていた。
 仕事でも、ディーラーの仕事を外され、自宅待機を言い渡される。
 ひとり、マンションに戻っても、ただ酒をあおるだけの宣子。
 そこへ、尚子がやってくる。
 家に上げたが、冷たくあしらおう宣子。
「情けないわよね、崇も。あなたに後始末を押しつけたんでしょう?」
 が、尚子は自分の意志でやってきたと告げる。
「これは、妻になる私の役目だと思います。私の器量が問われる問題
だと思いました」
 親にあてがわれた結婚のくせに、と尚子をののしる宣子。
 尚子も負けない。
「女性として、崇との結婚に憧れていたのはわかります。……でも、
本当に結婚できるとお思いだったとしたら……愚かしいことだと思い
ます」
 尚子は言う。有川家が宣子を向かえることはあり得ない。それは、
地方の一市役所員の家柄である宣子と、白井家を背負っている自分と
は違うから。
 現実を突き付けられ、宣子はただうずくまって泣くのだった。

 白井家に、三奈が挨拶にやってきた。
 結婚式の打ち合わせもあって、単身やってきて、逸子とたあいない
話を交わす
 居間に招き入れられた三奈は、壁に掛かっている漢詩の書に目が止
まる。
 どこかで……見たことが……。
 お茶を入れて戻ってきた逸子が、その書の説明をする。
 眞一郎が、故郷を出る折に、母親が持たせた物だという。もう、
四十年も前になる物で、「不退転の志」を書いた漢詩だという。
 三奈はあることに気がついて、眞一郎が白井家に入り婿になるまえ
の旧姓を問う。
 眞一郎の旧姓は……「岡内」。
 三奈の顔色が変わる。

 慌てて白井家を辞した三奈は、四十年前のことを思い出す。
 学生紛争華やかなりし時代。
 東大紛争に参加していた学生時代の三奈は、同じく学生だった岡内
真一郎と恋仲にあった。
 狭い一室での情事のあとで、眞一郎は三奈に母親からもらったとい
う、漢詩の書の説明をしたのだ。
「……不退転の決意を綴ったった漢詩だよ。お袋は国語の教師だった
んだよ」
 そう教えてくれた。
 外には紛争の声が迫ってきていた。
 行こうとする三奈を、眞一郎は止める。
 紛争は大きくなっていて、こんどは激しい衝突になると予想されて
いた。が、仲間を裏切ることは出来ない、といって三奈は出て行って
しまった。
 本当は三奈は眞一郎にも来て欲しかった。しかし、眞一郎は母親か
ら託された「不退転の決意」があると知ってしまった。だから、眞一
郎を巻き込むことは出来ない……。
 そして、二人は二度と会うことはなかった。
 今このときまで……。
「あなただった……。白井眞一郎は、あなただった……」
 帰りの車の中で震える三奈。
「この結婚は絶対にダメ……。だって、崇は……」

 マンションに帰ってきた崇を、尚子が待っていた。
 驚く崇は、部屋に宣子を招き入れた。
 尚子は、宣子とのやりとりを崇に告げる。
「宣子さんにはずいぶんときつい言い方をした……。でも、こんなと
ころで止まってはいられない。……そうよね?」
 その夜、二人は結ばれるのだった。



寸  評  過去の秘密、「宿命」の部分が早くも明らかになりました。……
まあ、これでもか、ってくらいに伏線が張られていたので、たぶんそ
ういうことなんだろうと思っていましたが。
 それにしても、宣子役の小池栄子が素晴らしいですね。
 グラビア系のアイドル、っていう印象が強かったんですが、ここま
で迫力のある演技をするとは思っていませんでした。正直、主役の北
村一輝を食っていたようにも見えました。
 脇役に、真野響子だとか、奥田瑛二だとか、個性の強い人がそろっ
ているので、なんかどうしても主人公であるはずの北村一輝の陰が薄
いように思えるのですが……。
 さて、次回もどうなりますか。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 意外……といっては失礼なんですが、グラビアだとか、アイドルだとか、そ
ういう人が「えっ?」っというような演技をしたりすることがあります。
 昔、雛形あきこが、ストーカー役をやったときも、偏見かもしれませんが、
迫力のある演技に驚いたものです。
 今回の小池栄子にも、同じような驚きが……。
 まあ、よくよく考えてみれば、そういう「人に見られる」「より自分を魅力
的に見せる」といったことを仕事にしているから、もともと素地があるのかも
しれません。
 面白いものです。(畑中ヒロ)

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