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タイトル:Daily Drama Express 2010/01/25 コードブルー2 (3)  2010/02/01


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/12/25 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル コード・ブルー −ドクタヘリ緊急救命− 2nd season
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 藍沢耕作(山下智久)  (フライトドクター候補生)
 白石 恵(新垣結衣)  (フライトドクター候補生)
 緋山美帆子(戸田恵梨香)(フライトドクター候補生)
 冴島はるか(比嘉愛未) (フライトナース)
 藤川一男(浅利陽介)  (フライトドクター候補生)
 田所良昭(児玉 清)  (救命センター部長)
 森本忠士(勝村政信)  (フライトドクター)
 梶 寿志(寺島進)   (パイロット)
 西条 章(杉本哲太)  (脳外科医)
 三井環奈(りょう)   (フライトドクター)
     橘 啓輔(椎名桔平)  (フライトドクター)
脚  本 林宏司
主題歌  Mr.Children「HANABI」

あらすじ 第3話「真実と嘘」

 人はなぜ本当のことを知りたがるのだろう?いい結果をもたらす嘘
は不幸をもたらす真実よりいいと何かの本で読んだことがある。なの
に人は真実を知りたがる。そして不幸が始まる……

 美帆子(戸田恵梨香)は心臓外科を訪れ、診断を受けた。カテーテ
ルで切るのがよいと伝えられると表情が曇った。
「あの回復率って確か……」
「65%です。悪くないでしょう」
 医師はそう言うが、美帆子にとっては今後の仕事に差し障りが出て
くる。おいそれと手術を受けるわけにはいかない。

 吉川中央駅で将棋倒しの事故が発生。ケガを負った人数は20人に
及び、3人は物理的に動かせない状態だと言う。橘(椎名桔平)は耕
作(山下智久)、恵(新垣結衣)とドクターヘリで出動するとともに、
出られる要員は総出で現場に向かうよう指示を出し、美帆子や環奈
(りょう)、西条(杉本哲太)も現場に向かった。

 現場に着くと、橘と耕作は物理的に動けない3人のところへ向かい、
恵は他の場所へはるか(比嘉愛未)とともに向かった。橘と耕作は階
段下へ来た。そこには大学生の男性2人と女性1人が積み重なってい
た。しかも3人の身体はスキー板が貫通していた。

 1番上の大学生、松井(濱田岳)は意識がはっきりしていて、いろ
いろとしゃべりだした。将棋倒しになって危ないと思って恵理を助け
ようとしたところ、前にスキー板を持った人がいたのだと言う。なぜ
恵理を助けようとしたかと言えば、俺らはつい最近付き合い始めたか
らとか。しかし耕作たちの表情は険しかった。スキー板は松井の骨盤
を貫通し、大動脈を切断していた。スキー板のおかげで出血が止まっ
ているにすぎないのだ。

 恵が診た患者は気胸を起こしていた。恵は一刻も早く肺に溜まった
空気を抜かないと心臓が止まると手短に両親に説明するとすぐさまオ
ペを開始した。それを見て母親は取り乱したので、美帆子は慌てて取
り押さえた。しかし恵は動じる様子もなくメスを手にした。
「ほんと、こうと決めたら周りが見えなくなるんだから」
 美帆子は呆れたように言った。

 西条の見立てでは、真ん中の男性木沢は頭蓋内出血があり、病院に
運んで処置をしないと危険な状態だった。すぐさま血を抜き取るオペ
を開始したが、オペが終わるまでの間、恵理は尋常ではない取り乱し
方だったので、松井は唖然とした。恵理は言った。実は自分が付き合
っているのは木沢で、松井は勘違いしているのだと。

 恵は手際よくオペを終え、不安な表情を浮かべている母親にこれで
呼吸が楽になり病院に搬送できると説明した。ところが出血がひどす
ぎることに気付いた。おかしい……。状況が把握できかねないうちに、
患者は心停止状態になった。恵はすぐさま開胸し、心臓マッサージに
取りかかった。

「俺、付き合ってないの?じゃあなんで俺、お前を守ろうとしたんだ
よ……」
 松井は呆然自失だった。一方、橘たちは今後について協議した。木
沢と恵理はすぐ運ばないと危ない状況に変わりはない。しかしそのた
めには松井と2人の間の板を切って分離する必要がある。そうすれば
松井は大量出血を起こし、まず死ぬだろう。
「藍沢、お前ならどうする?」
 橘が耕作の目を見た。耕作は目を閉じてしばし考え、言った。
「リスクを説明して優先順位をつけます」
 それは、2人を助けるために、スキー板を切断することを松井に了
承してもらうということだった。松井は普通に喋っているが、それは
アドレナリンの放出と鎮痛剤の効果によるもの、実際は出血死してい
てもおかしくないのだ。
「言えるのか、本人に?」
「言うべきだと思います。たとえ残酷でも真実を知らせる方がいい」
 耕作は努めて冷静に言い切った。

 患者の心拍は一向に回復せず、恵は表情に出さなくても焦りを感じ
ずにはいられなかった。はるかが調べたところによると、3,4年前
に心電図でひっかかったことがあると言う。
「やっぱり……。年齢の割に心筋が薄すぎる。心筋症かもしれない」
 恵は一瞬苦悩の色を浮かべたが、すぐに両親を呼ぶようはるかに指
示した。

 耕作は「よく聞いてください」と前置きして松井に事情を説明した。
「そしたら、俺……」
「できるだけのことはします。しかし助かる見込みの高い方から優先
的に処置するしかないのです」
「俺、死んじゃうの?」
「危険な状態になります。すぐヘリを戻して運びますが……」
 耕作は目を伏せた。
「死んじゃうの?俺振られたばかりだよ、ただの役立たずじゃん……」
 松井の目は虚ろだった。しかし最後は「やってください……」と絞
り出すように答えた。
「すまない」
 橘が言った。すぐさま松井の身体は持ち上げられた。
「まだ、実感ないけど、俺、お前がどう思ってるか知らないけど、俺、
守ってるから」
 松井は呼吸を乱しながら、意識を失っている恵理に話しかけた。切
断されるスキー板から大量の血が流れ出していた。2人が運び出され
ると、耕作はすぐさま大動脈遮断のオペに取りかかった。

 恵は心臓マッサージを続けながら、静かに言った。
「これ以上、心臓マッサージを続けても……残念ですが……」
「なぜやめるの?意識はあるんでしょ?なぜ?」
 恵は険しい表情で、母親の顔を直視した
「残念ですが、蘇生の可能性はありません。このまま続けても苦しま
せるだけです。終わりにしてあげてください」
「あんた、鬼?生きてる人間を見殺しにするの?」
 恵は表情一つ崩さず、心臓マッサージを続け、回答を待った。どん
なことを言われても倒れない意思の強さだけがそこにあった。
「わかりました。やめてください」
 父親が静かに言った。その瞬間ようやく恵の表情に申し訳なさが浮
かんだ。
「心臓マッサージ、やめますね……」
 母親は泣き崩れ、父親は息子の手をしっかりと握った。
「残念です……」
 恵は手を止めた。そして手を握る父親の手をしっかりと見据えた。
決して逸らさないように、強く言い聞かせるようだった。

 耕作も松井の心臓マッサージを続けていた。その手を橘が押さえつ
けた。もうやめようと。
「松井さん、あなたがしゃべり続けてくれたから、他の2人は落ち着
いていられた。あなたは役立たずじゃない。あなたは2人を守ったん
だ」
 耕作は針と糸を頼んだ。胸を閉じて松井の犠牲に報いたい、耕作は
心からそう思った。

 日没が近づき、ヘリが戻って来れないので耕作と恵は電車で戻った。
恵は思いつめた表情だった。ふと見ると、若い母親がわが子の手をし
っかりと握っている光景が目に入って来た。その瞬間恵は抑え込んで
いたものをもう抑えきれなくなって声を立てて泣いた。周囲の人が奇
異の目で見ていたが、それでも止まらなかった。耕作は恵に寄り添う
ように恵の前に立った。

 悟史(平山浩行)の隣に運ばれてきた女性は卵巣腫瘍が見つかり、
美帆子は手術の同意書を持って説明に来た。その女性は頑なに拒否し
た。身体にメスを入れるのが嫌だと言う。すると悟史が言った。
「いいじゃない。できる手術があるだけ」
 その言葉は重いものだった。悟史にはできる手術すらなく、死ぬの
を待つだけしかなのだから。

 手術するか否か、美帆子自身も迷っていてできれば受けたくないか
らその気持ちはわからないでもなかった。しかし同じような大事故か
ら奇跡的に生き延びて、元気でいられること、それがどれだけ幸運な
ことか、美帆子は考えさせられていた。

 病院に戻った恵は何もなかったかのように自分の仕事をこなしてい
た。美帆子は近寄って声をかけた。
「泣いた跡がついてるよ」
「えっ?」
 恵は慌てて目を拭いた。
「うそ。でも見なおした。何を言われても決断する姿勢」
「……でしょ」
 思わぬ言われように、恵は強がって見せた。
「調子に乗らないでよ」
 美帆子はそう言うと吹っ切れた表情で出て行った。そしてカテーテ
ル手術を受ける同意書を心臓外科に出した。

 嘘をつくなら一生嘘をつきとおしてほしいと思うこともある。だけ
ど、医者にそれは許されない。事実を伝えるのが医者の仕事だ、耕作
は改めてそう思う。医者は事実を伝えなければならない。それがどん
なに残酷であっても。

 卵巣腫瘍の女性は手術を受けることを決め、オペも無事終了した。
女性は美帆子に悟史の言葉で吹っ切れた、頑張ってくださいと伝言を
頼んだ。美帆子は嬉しくなってそのことを悟史に伝えた。だが悟史は
不快感をあらわにした。
「何を頑張るんだ?本音は今の俺を見ればわかるだろ……。あんな人
にまで俺は同情されているのか」
 美帆子も看護していたはるかも返す言葉がなかった。

 耕作は絹江(島かおり)を訪ね、頻繁に見舞いに来る山田一郎につ
いてもう1度聞いた。やはり真実を知りたい。母親を殺したというう
わ言のことも気になる。しかし絹江は困ったような表情をするばかり
だった。そこへ1人の男性が入って来た。絹江は驚いた。
「誠次……」
 耕作は男性の顔をまじまじと見つめた。それは自分の父親の名前だ
った。



寸  評  患者に死を選択してもらう耕作、懸命な処置の甲斐なく両親に心
臓マッサージをやめさせるよう言わせる恵、見ている方も目を背けた
くなるような光景でした。それ以上に見ていてしんどかったのは、決
して患者や両親に謝る言葉をかけられないところです。謝罪の言葉を
出せれば気が楽になれるのに、それを言うわけにいかない辛さはまさ
しく筆舌に尽くしがたかったです。耕作はポーカーフェースで通せま
したが、恵の方はそうはいかず、苦しい感情を抑え込んだ医師として
の表情、一方で自分の無力さを責めるような辛い表情のコントラスト
が交互に出ていて、医師としての過酷な宿命がよく出ているように思
いました。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 先週風邪をひいてしまったのですが、ここ2年風邪をひくと腸の具合が悪く
なってしまいます。今まで風邪と言えばのどがやられてしまっていたので、何
が変わったのだろうかと首をかしげています。いずれにしても風邪をひくと辛
いので、健康にはいっそう注意したいものです。(けん)

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