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タイトル:Daily Drama Express 2010/01/14 宿命 (1)  2010/01/26


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/01/14 (Thr) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 宿命1969−2010〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・
東京〜
局  名 テレビ朝日系
放映日時 木曜21時
キャスト 財務省主計局主計官/有川三奈の長男 有川崇(北村一輝)
 為替ディーラー     笹山宣子(小池栄子)
 白井眞一郎の長女     白井尚子(上原美佐)
 有川三奈の次男     有川透(細田よしひこ)
 白井眞一郎の次女     白井亜希子(藤井美菜)
 財務事務次官     国枝芳史(矢島健一)
 笹山宣子の父     笹山太一(森次晃嗣)
 眞一郎の妻     白井逸子(松坂慶子)
 医療法人有川会病院長     有川和裕(田中 健)
 民自党政調会長     白井眞一郎(奥田瑛二)
 医療法人有川会代表     有川三奈(真野響子)
原作   楡周平『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』
脚  本 坂上つかえ
主題歌  『瞳の奥をのぞかせて』ポルノグラフティ

あらすじ 第一回 

 大きな屋敷に、高級な外車、乗馬クラブでの語らいに、豪華な昼
食……。
 誰もがあこがれるような、上流社会のグループのなかで、有川崇
(北村一輝)は際立っていた。
 崇は、財務省のキャリア官僚であり、五十もの病院を抱える医療法
人有川会の御曹司でもある。スポーツも万能で、成績も優秀、恋愛も
お手の物という超エリートだ。
 次男の有川透(細田よしひこ)をはじめ、皆、陰では「なぜ、有川
会を継がないのか?」と不思議に思っている。
 実は、崇には秘めた野望があった。

 崇の母、有川三奈(真野響子)はその野心と才覚によって、有川会
を作り上げた人物。
 三奈は昔から、崇に「お前は時代の勝利者になれ」と願い、育てて
きたのだ。崇もその思いを受けて、大きな野望を胸に抱いていた。

 ある日、崇は財務事務次官の国枝芳史(矢島健一)に呼び止められ
た。
「縁談……?」
 話とは、与党・民自党の政調会長、白井眞一郎(奥田瑛二)の長女
・白井尚子(上原美佐)との縁談。
 とまどう崇は、国枝の話に耳を傾けつつ、何かを考える。

 崇は家に戻り、三奈に縁談の話を打ち明ける。
 白井家は男児がいない。ということは、崇を婿養子として迎え、白
井家を継がせるつもりなのか? しかし、崇も有川家の長男。白井家
の婿養子に入ることはできない。それを承知の上で縁談の話をもって
きたということは、どういうことなのか……?
 白井のバックには、大手ゼネコン・白井国土建設がついていた。
 その経済基盤をもとに政治の世界で力をふるってきたのだが、ここ
にきて白井国土建設は力を落としている。
 つまり、白井の目的は、有川会の財力……。
 乗り気ではない様子の崇に、三奈は言う。
「いいんじゃないの? あちらからの頼みとあれば、こちらが優位に
立てる。そうなれば、崇の政界進出のためにもなる。白井は一介の代
議士ではなく、民自党の政調会長なのだから」

 凄腕の為替ディーラーの笹山宣子(小池栄子)は、崇の恋人。
 その日も的確な読みとカンで、一億以上の利益をたたき出していた。
 颯爽と歩みさる宣子を、同僚達は羨望のまなざしで眺めている。
 宣子もまた、九州の実家の父・笹山太一(森次晃嗣)から縁談の話
をもちかけられていた。
 宣子は、貧しい家庭ながらも、無理をして東京の大学に、そして海
外留学までさせてくれたことを父に感謝している。それだけのことを
してくれたのに、普通のサラリーマンの妻に収まるのでは、父に申し
訳がないと思っている。
「日本一の男を捕まえちゃるけん」
 そういって、宣子は電話を切った。が、小さなため息が漏れる。

 白井家では、長女の尚子が、眞一郎の仕事を真剣な表情で手伝って
いた。
 そこへやってきた次女の白井亜希子(藤井美菜)が、「お父様が、
縁談を決めてきたそうよ」と耳打ちする。
 尚子は自分が白井家を守っていくのだと信じていたのだが……。
 そう言って浮かない顔をする尚子に、母・白井逸子(松坂慶子)は
諭す。
「この縁談には、お父様の政治家生命がかかっているの。あなたもわ
かっているでしょう……」
 白井家には資金源が必要で、政界に進出しようとしている有川家に
は政界の地盤、後押しをしてくれる人物が必要だった。
 崇と尚子の縁談には、そういう裏事情があったのだ。
 渋々ながら話はまとまり、日曜日に二人は顔あわせをすることにな
ったが……。

 ホテルで待ち合わせをした二人。
 一足先についた崇が廊下を歩いていると、階段を悠然と下りてくる
尚子に遭遇する。崇はその美しい姿に思わず見とれてしまう。崇を認
めた尚子は、初めまして、と微笑むのだった。
 二人はバーでシャンパンを酌み交わし、互いの気持ちを探り合う。
 が、尚子はきっぱりと言い放つ。
「はっきりいって、この縁談も父のためです。父の役に立たない人間
と結婚する気はありません」
 鼻白む崇に、尚子は続ける。
「もし、気分を害されたのなら謝ります。この縁談は利害からはじま
ったもの、そう理解しておいた方がいいと思うんです。それでも、そ
こから愛情をはぐくんでいくこともできるはずです。……同じ目標、
同じ目的のためなら、それもできると信じています」
「僕の目標を知っているのかな……?」
「……父が、国元の選挙区にひとつ空きが出る、と申しております」
 はっきりした物言いに、崇は苦笑しながらも、その話に乗ることを
心の中では決意するのだった。

 マンションにたどり着いた崇を、宣子が待ちかまえていた。
 今日は宣子の誕生日。無理をしてでも、崇と一緒に祝いたかった、
そういって笑った。

 三奈は、夫・有川和裕(田中 健)と二人で崇の縁談成就を祝って
祝杯を挙げていた。
 三奈の念願だった政界進出が、これでほぼ確定したのだ。
 ふたりは、まだ若かった頃のことを思い出す。
 学生運動に揺れた、東京大学での闘争のことを。
「ねえ、私、変わったかしら」
 夫にそう問いかける三奈
 自分の中には、あの頃の気持ちは残っている。けれども、権力と財
力をあやつってきた三奈自身はあの頃のままではない。
 三奈は過去を回想する。 
 盛り上がった学生運動に、決して加わろうとしない男がいた。彼は、
東大法学部の貧乏学生で、こう言ったのだ。
「君たちの運動なんかで日本は変わるものか。俺は俺のやり方で日本
を変えるよ。国家の中枢にくいこみ、中から変える。君と俺のどっち
が正しいか、やがて歴史が証明するよ」
 三奈は静かに言う。
「彼は…………正しかった」

 崇のマンションでは、宣子と崇が情事にふけっていた。
 が突然、崇は激しく宣子を押しやる。
 宣子は崇の子をみごもろうとしていた。それを知った崇が拒絶した
のだ。
 どういうつもりなのだ、と避難する崇に宣子は言う。
「私たちもう十年よ。結婚を考えてもいい頃よ……」
 しかし、崇は冷たく視線をそらす。
 宣子は崇と結婚したかった。そのために、為替にも興味はなかった
けれど、必死になって勉強し、キャリアを積み、崇に負けない相手に
なろうとしたのだ。
「……終わりにしよう」
 崇は冷たく言い放つ。
 必死に訴えかける宣子を無視して、崇は去っていく。

 白井家、有川家の顔合わせが、豪勢なレストランで行われていた。
「仲人の件なんですが……、総理にお願いしようと思っています」
 そう告げる白井に、三奈たちは驚く。願ってもない話だ。
 座は、華やかな笑い声に満ちていく。

 宣子は探偵を雇って、崇の身辺を調べていた。
 崇の心変わりには、なにか原因があると信じていたからだ。
 案の定、崇に縁談の話があり、白井尚子がその相手だと知る。
 青ざめた表情で写真の尚子を見つめていた宣子。
「もっと詳しく調べてください、特にこの……尚子という女性につい
て!」と、激しく探偵に詰め寄る。

 両家の顔合わせは続いていた。
 尚子と崇は庭を散策している。
 それを眺める白井と有川たち。妹の亜希子が、崇と弟の透が似てい
ないと指摘すると、有川は苦笑混じりに家族の話を始めた。
 崇の父親は、崇がまだ幼稚園のころになくなった。ひとりで崇を育
てていた三奈は、有川とのちに再婚した。崇が十六の頃のこと。有川
は崇の父親の姓で、入り婿になった有川が、今はその姓をなのってい
るが、実質有川会を作ったのも運営しているのも三奈なのだ。
 そう告げると、白井も「実は自分も婿養子なのだ」と打ち明ける。
 寒村の出で、苦学生だった白井に声をかけてくれたのが、妻・逸子
の父親だった。
 入り婿ということで悩んだものの「自分を生かす道を選びなさい」
と母親に諭されて、入り婿になったのだと。
 ふと窓の外を見やると、仲むつまじく笑いあう崇と尚子。両家の思
惑を乗せた二人は……。

 一方、宣子は崇に一方的に捨てられてからというもの、ぼろぼろに
なってしまっていた。
 仕事でも、大きな損失を出してしまい一線を外されて待機を命じら
れ、崇の子を妊娠することもできなかった。そして、探偵からは崇が
尚子との縁談を着実に進めている様子が知らされる。
 しだいに、宣子は何かにとりつかれたようになってゆく。

 両家の顔合わせを終えて、崇と尚子は並んで並木道をあるいていた。
 背後にはライトアップされた国会議事堂が照らし出されている。崇
は尚子に視線を送って言う。
「君はお父様のために僕を選んだ。僕は自分の目的のために君を選ん
だ。……だから、勝たなければいけない……」
「……そうね」
「君を、必ず連れて行くよ。最高の場所へ……」
「どこ?」
「遙か……遠い場所」


寸  評  過去と宿命を背負った超エリート、という、一波乱も二波乱もあ
りそうな設定です。すでに、別れた恋人の恨みも重なっていますし、
これからドロドロの展開になる予感。
 全体の印象として、原作がしっかりしているからでしょう、重厚で
緻密な内容になりそうです。人物の絡みや伏線が、第一回でもあれこ
れと見受けられました。
 役者さんも豪華ですし、主役の北村一輝も主人公のイメージ(楡周
平が好きなタイプの主人公のイメージですね)に、よく合っています。
今後が楽しみです。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 今回、『宿命』の要約を担当させていただきます。よろしくお願いいたしま
す。
 最近はマンガ原作もののドラマがほとんどなんですが、今回は小説が原作。
 何度か要約をやらせていただいているんですが、原作があるもののドラマで
はいつも悩むんですよ。「先に原作を読んでおく方がいいのか、悪いのか」と。
 原作を読んでおくと、展開がわかりますし、その世界の背景やドラマでは省
かれてしまうような設定も理解することができます。
 一方で、原作とは違うストーリーになっている場合もありますし、先に物語
の展開を知ってしまうと、何よりも「つまらない……」。
 一長一短なので、未だどちらか決めかねているんですが、今回はストーリー
が面白そうなので、早く先が知りたい……。でも、知ってしまうとドラマを観
るのが……。ということで、かなり悩ましい〜。(畑中ヒロ)

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