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タイトル:Daily Drama Express 2010/01/18 コードブルー2 (2)  2010/01/26


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/01/18 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル コード・ブルー −ドクタヘリ緊急救命− 2nd season
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 藍沢耕作(山下智久)  (フライトドクター候補生)
 白石 恵(新垣結衣)  (フライトドクター候補生)
 緋山美帆子(戸田恵梨香)(フライトドクター候補生)
 冴島はるか(比嘉愛未) (フライトナース)
 藤川一男(浅利陽介)  (フライトドクター候補生)
 田所良昭(児玉 清)  (救命センター部長)
 森本忠士(勝村政信)  (フライトドクター)
 梶 寿志(寺島進)   (パイロット)
 西条 章(杉本哲太)  (脳外科医)
 三井環奈(りょう)   (フライトドクター)
     橘 啓輔(椎名桔平)  (フライトドクター)
脚  本 林宏司
主題歌  Mr.Children「HANABI」

あらすじ 第2話「自らの道」

 オペでシニアの卓越した手腕を目の当たりにするとき、フェローは
自分の未熟さを嫌というほど見せつけられる。打ち砕かれた自信。そ
して思う、これが本当の自分なのか?いや違う、違うと信じたい!で
も……そもそも本当の自分てなに?

 耕作(山下智久)は受付のノートで「山田一郎」という人が頻繁に
絹江(島かおり)を見舞いに来ているのに気付いた。絹江に聞いてみ
たが、知らないと言って話したがらなかった。

 はるか(比嘉愛未)の恋人悟史(平山浩行)が呼吸困難に陥って運
ばれてきてから3日が経った。担当医になった耕作ははるかとともに
悟史の容態を見守った。
 延命を拒否している以上、ここで最期まで看取るしかないと耕作も
はるかも覚悟を決めていた。

 恵(新垣結衣)は事あるごとに美帆子(戸田恵梨香)に心臓外科で
診てもらうよう話した。美帆子はそれがウザくてたまらない。
「なんだかんだ言って、ライバルを1人落としたいだけでしょ!」
 2か月のブランクの遅れがある。取り戻さなくてはいけない。特に
恵にはフライト数や当直回数で大きく水をあけられていた。
「そんなわけない。ひがむのもいい加減にしてっ!」
 恵も珍しくエキサイトして、激しい言いあいになった。

 そこへ突然コール音が鳴った。頭部外傷の男性の搬送依頼で、恵が
ヘリに搭乗した。同じくしてびまん性脳損傷患者が暴れだし、一男
(浅利陽介)が収拾に向かい、海外で美容整形を受けた後身体のだる
さを訴える50代の女性の来訪には美帆子が診断に当たった。

 悟史の意識が回復し、耕作は具合を聞いた。一通り答えた後、悟史
は言った。
「フェロー3年目だよね?ちょうど脂が乗り出したころだな」
 悟史も元心臓外科のフェローだった。誰よりもオペに入り、同期で
1番に執刀した。得意の絶頂だった。そんなときにALSにかかった。
「筋電図を取ったら驚いたよ。見たこともない波形。笑っちゃうよね、
それが自分にだなんて」
 悟史は自虐的な笑いを浮かべた。耕作はただ黙って聞いているしか
なかった。

 恵は搬送後、傷口を針で縫い、念のためCTを取ってもらった。患
者の様子がただの外傷でないと思える節があった。そして予期した通
り、脳に腫瘍が見つかった。しかもかなり深い。難しいオペになるこ
とは確実だった。
「ご家族にはうまく説明します」
 珍しく積極的な恵に西条(杉尾哲太)は少し驚いた。

 治療の選択肢は外科手術か、放射線治療。病巣は言語と記憶を司る
部分で外科手術は言葉と記憶を失うリスクが高い。放射線は後遺障害
のリスクはないものの、腫瘍が残って肥大化し最悪は生命に関わるこ
とになる。
「難しい選択だと思いますので、ご家族で良よくお考えください」
 そんな説明を恵は淡々とこなした。
 後で西条は恵を褒めた。あの説明なら外科手術を選ぶ。最善の方法
に誘導するのも医師の仕事だと。それも恵は表情一つ変えず聞いてい
た。

 びまん性脳損傷患者が鼻血を出したので、一男は仕方ないなあとい
う感じで処置をしていたが、ふき取った血を見て頭蓋低骨折をしてい
ると気づいた。橘(椎名桔平)は感心し、耕作たちの前で言った。
「藤川はいい医者だ。自分にできることを着実にこなすし、患者との
関わり方もうまい。君らも見習え」
 みんなの前で褒められて、一男は有頂天だった。

 4人の話は脳腫瘍患者の治療選択に移った
「記憶を失う代わりに命を延ばすか、元の自分のまま死を選ぶのか、
究極の選択だな」
 一男が言った。
「どうせ、うまく誘導してオペの同意取り付けるんでしょ。こんな症
例逃す手はないもの」
 美帆子はいつものようにチクリと言った。

 患者の妻がオペの同意書を持って耕作とはるかのところへやって来
た。奥さんはつらそうな表情を浮かべながら言った。夫は一目ぼれで
会った翌日にプロポーズしてきたこと、その思い出がなくなるなんて。
「手術を選択しない方法もあります。そうしたら短くとも思い出を失
わずに生きていくことも……」
 はるかは慰めるつもりが動揺していて、暗に放射線治療を勧めるよ
うなことを言った。
「冴島さん、ご家族が決めることでしょ」
 恵の鋭い言葉が切り込んできた。出すぎた真似と厳しい表情の恵が
立っていた。

 はるかは後で恵に意見した。昔はあんな風に冷たくなかったと。患
者の判断にゆだねるのは当然と思っていた恵は思わぬ言われように困
惑し、落ち込んだ。
「あたしの説明、ずるかったかな」
 恵は耕作に聞いた。
「いや、医者らしかったよ」
 結局患者は外科手術を選択したが、耕作の答えに恵はますます悩み
が深まった。

 工事現場で鉄筋の下敷き事故が起きたため、ドクターヘリ要請が来
た。一男と橘が出動した。一方、美容外科の後遺障害に苦しむ患者が
壊死性筋膜炎を発症した。細菌培養では何も発見されなかったのに、
と美帆子は愕然となった。

 現地に到着すると、一男は鉄柱を強打した男性を診た。本人は大丈
夫ですと言ったが急に倒れ、意識を失った。一男がエコーを取ってみ
ると、肺に大量出血しているのがわかった。一男ではまだ処置が難し
い。橘は耕作にリモートで指示を出して、一男に処置させるよう指示
した。

 耕作の指示に従って、一男は処置を行った。「よしっ」。いったん
はうまくいったかに見えたが、大量出血が続く。血管損傷がひどすぎ
る……・。この場での処置は限界、搬送する時間もない。一男は死に
行く患者をただ見つめるしかなかった。

 橘は一男を労った。最善を尽くしたと。だが一男は納得しなかった。
「藍沢なら、なんとかできたでしょうか?」
「もしかしたらな。だがお前にはあいつより優れたところがたくさん
ある。気にするな」
「どこですか、それは」
「お前は、自分をよく知っている」
 なんだよそれ……一男はあふれ出てくる涙を止められなかった。

 美帆子の方もオペの甲斐なく、患者を死なせることになった。もっ
と気をつけてさえいれば助けることもできたはずなのにと美帆子は自
分を責めた。

 外科手術は成功したが、患者はやはり記憶を失ってしまった。それ
でも恵は淡々として、休むことなく自分の仕事をこなしていた。そん
な恵を田所所長(児玉清)は心配した。
「ちょっと働きすぎじゃないですか」
「毎日、思い出します。黒田先生のこと。切断された腕から流れる生
温かい血の感触。先生から誰よりも多くヘリに乗れと言われました」
 そう言う恵の眼差しは何物も寄せ付けないほど強く、険しく、まっ
すぐだった。

 美帆子は心臓外科に足を運びながら、手術を受けるかどうかを悩ん
でいた。それをたまたま見かけた恵はきつく言った。
「ようやくわかった。あなたは普段威勢がよくても、自分のことには
子どものように震える臆病者、それが本当のあなた」
 美帆子は吐き捨てるように言った。
「あたしもわかった。患者のためにと言いながら、本音は自分の思い
通りにしたい典型的な傲慢な医者、それが本当のあんた」
 恵は気色ばんだ。美帆子は恵の腕を振り払って立ち去った。
「あたしは、誰が何と言おうとあたしの道を行く!」
 恵の声が廊下を響いた。

 一男は疲れ切って帰還した。エレベーターで耕作に会うと言った。
「なんで、俺はお前じゃないんだろうな」
 力ない笑いを一男は浮かべるしかなかった。だが、耕作は言った。
「助けた患者は忘れていい。救えなかった患者だけ覚えておけばいい
んだ」
 思えばこの1週間だけでも耕作は3人救えなかった。これが1ヵ月、
1年と続くと絶望的な数字が積み重なる。
「俺だってお前と一緒だ。外科医である以上死は避けて通れない」
 一男は静かにうなずいた。

 恵は患者の奥さんに術後の話を聞いた。やはり記憶は戻らず、まる
で初めて会った人のようにお礼を言ってくると奥さんはさびしそうに
話し、恵も心を痛めた。そこへ車いすに乗って旦那さんが現れた。旦
那さんは奥さんを見ると頭を下げ、そして言った。
「あの、昨日会ったばかりですが、僕と一緒になってくれませんか?」
 その瞬間、恵はあっ、という顔をし、そばにいたはるかや耕作も驚
いて患者の方を見た。奥さんは泣き崩れていた。記憶は失われたかも
しれない。けれど、恵の心に希望の薄光が差し込んだ。それはその場
にいるスタッフ皆同じだった。

 自分探しで見つかるのはたいてい嫌になる惨めな自分。そんな自分
と向き合って愕然となって立ち止まるか、一歩前に進むかは自分次第
だ。向いている方向が前なのか、後ろなのかそれすらも確かでないけ
れど、私たちは一歩足を前に踏み出したい、ダメな自分と一緒に。

 絹江がトイレに行く途中転んで捻挫した。耕作はすぐ見舞いに行っ
た。絹江は鎮痛剤を打たれ、うわ言を言っていた。
「お前が殺した、お前が夏美を殺した」
 耕作は驚いた。夏美とは死んだ自分の母の名前だった。


寸  評  非常に濃い内容で見応え十分でした。最初は前作同様患者が多数
登場して、また4人の話が別々に進行していくのかと思いましたが、
一男の患者には耕作、恵の患者にははるかと耕作、美帆子の患者には
直接かかわりがあったわけではないですが恵がいて、自分の無力さに
焦燥感を覚えたり、自信を失って戸惑ったりといろんな心の葛藤があ
りました。特に恵は「医者らしくなった」と最大級の評価を受けてい
るのに、その自分をはるかから冷たいと責められ、美帆子には傲慢と
非難されてジレンマに陥る姿が印象的でした。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 ライアーゲームのゴールドラッシュゲーム、秋山の必勝法の解読が難しくて、
整理するために何度も見ていました。ゲームの方はほぼわかったのですが、さ
らに葛城にあって、秋山にないものというのがまた何なのかわかりづらくて困
りました。なんとなく思ったのは秋山はすべて頭で処理しきるのに対し、葛城
には秋山に勝てないコンプレックスがあったように、非常に人間らしい一面を
持っているということ。それが手紙の主の本心を直感的に読み取ることにつな
がったのかなと。最後に葛城に金塊を譲ったというのは、そういう人間らしい
心を秋山が示したということでしょうか。(けん)

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