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タイトル:Daily Drama Express 2009/12/20 JIN (最終回)  2010/01/06


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/12/20 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル JIN ─仁─
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 東都大学付属病院の脳外科医 南方 仁(大沢たかお)
 吉原の花魁         野風  (中谷美紀)
 南方の婚約者        友永未来(中谷美紀)
 貧乏旗本の娘        橘 咲 (綾瀬はるか)
 貧乏旗本の息子       橘 恭太郎(小出恵介)
 洪庵の弟子・医者      佐分利祐輔(桐谷健太)
 洪庵の弟子・医者      山田純庵(田口浩正)
 町娘            タエ(戸田菜穂)
 蘭学者・医者        緒方洪庵(武田鉄矢)
 町火消し「を」組      新門辰五郎(藤田まこと)
 吉原の花魁         夕霧  (高岡 早紀)
 吉原遊郭の主        鈴屋彦三郎(六平直政)
 貧乏旗本の妻        橘 栄 (麻生祐未)
 幕臣            勝 海舟(小日向文世)
 土佐藩士          坂本龍馬(内野聖陽)
原作   村上もとか『JIN−仁−』(集英社「スーパージャンプ」連載中)
脚  本 森下佳子
主題歌  「逢いたくていま」MISIA

あらすじ 最終話
 東都大学付属病院の脳外科医、南方仁(大沢たかお)は、非常階段
から転落した拍子にタイムスリップしてしまう。気がつくと、幕末期
の江戸にひとり飛ばされてしまっていた。
 南方は、そこで知り合った人々を、現代医療を使って治療していく。

 南方は現代で婚約者の友永未来(中谷美紀)の脳腫瘍の手術を強行
し、失敗して植物状態にしてしまった過去があった。もし、江戸時代
で医学を進歩させることができれば、現代の医学もまた、飛躍的に進
歩するはず。そうなれば、脳腫瘍を治す方法もできるかもしれない。
そう考えていた。
 その根拠として、現代から持ってきていた未来の写真が、江戸時代
で南方が何かをするたびに、変わっていたということがあった。
 ……過去での行動が歴史を変えている。
 そのことに気がついてから、南方は真剣に医学を進歩させようと奮
闘してきたのだ。

 南方は吉原の花魁・野風(中谷美紀)が、吉原から身請けされるこ
とを聞かされる。身請けとは、大金を積んで遊郭から女郎を引き取り、
愛人や囲い者にすること。その前には、決まって「お調べ」と言われ
る身体検査が行われる。そこで、野風の左乳房に乳ガンの疑いのある
しこりを発見してしまう。
 しかし、南方はその事実を無視してしまう。実は、野風は現代に残
してきた未来の祖先で、野風が身請け先の旦那と結ばれることで、未
来が生まれることになっていた。
 南方が乳ガンを隠して、無事に身請けが成立すれば未来は元通り生
まれることができる。しかし、野風は遠からず死んでしまうだろう。
逆に、野風を救うために乳ガンだと事実を明かせば、身請けはご破算
になり未来は生まれてこないことになる。
 南方は葛藤するが……。

 さらに、南方は、友となった坂本龍馬(内野聖陽)から、抗生物質
のペニシリンを維新のために使わせて欲しいと頼まれていた。
 まだ、外国にすらないペニシリンを、高値で売りつけることが出来
れば、大金を得て、外国に負けない海軍をつくることができる……。
 龍馬はそういって、志士たちを説得しようとする。が、志士たちは、
幕府の海軍奉行並・勝海舟(小日向文世)の元で軍艦について学んで
いる龍馬を、幕府の手先とみなしていた。
 龍馬の説得は功を奏さず、その帰り道、南方と龍馬は大勢の刺客に
襲われてしまう。
 多勢に無勢で追い詰められた二人は、刃を逃れて崖から飛び降りた。

 夜が明け、南方は川岸にたどり着くことに成功し、龍馬との難を皆
に告げる。
 龍馬の探索が始まるが、川下にも、崖にもその姿は居ない。
 もう死んでしまったのだろうか……。
 海軍の創設に一役買っていた龍馬がいなくなったことで、勝も落ち
込んでいた。
「どっちにしろ、海軍は当分、龍馬なしってことか……」
 幕末の龍馬が、この後に日本を変える活躍をすることを知っている
南方は慌てる。
「……日本は、坂本龍馬なしで進むってわけですか……」
「……そうさ。だが先生、あいつが無くなりゃああいつの代わりにな
るやつが自ずと出てきて、あいつがやるはずだったことをやるもんさ。
世の中ってのは、そういうもんだと、俺は思うんだ……」

 診療所にひとり戻った南方のもとに、診療所の医師・佐分利祐輔
(桐谷健太)がやってくる。
 佐分利は、昔、他の医術を学んでおり、そこで乳ガンを専門にして
いた。女郎達に頼んでいろいろと症例を見させてもらい、独自の研鑽
を積んでいたのだ。
 前に、南方が乳ガンの患者、野風のことを話していたのを耳にして
いて、それならば自分が役に立てるかもしれないと、申し出てくれた
のだ。
 しかし、南方は煮え切らない。
「もっぺん、調べてみまへんか? 調べてみたらガンじゃないという
ことだってあるわけですし」
 力強く佐分利に諭され、南方はもう一度、検査をしようと決意する。

 佐分利を連れて再検査を行った南方。
 そこで、佐分利は「まず、乳ガンに間違いありまへん」と診断する。
 が、南方は反論する。
 乳房を切ることになれば、身請け話をつぶすことにもなるから……。
 佐分利はさらに主張しようとするが、南方を深く信頼している野風
は、「南方先生がそうでないとおっしゃるのなら」と言い切る。
 佐分利は、自分の力が信用されていないからだ、と落ち込む。

 佐分利は以前、花岡流という医術を学んだことがあった。
 そこで、乳ガンの治療の腕を認められ、花岡流の免許皆伝を得てい
た。が、ある日、女郎の乳ガンを手術し、乳ガン自体は治ったものの、
その傷から細菌が入り、感染症で女郎は死んでしまった。佐分利はそ
れが元で花岡流を追われてしまった。
 が、南方の元で医術を学ぶうちに心酔し、今では秘伝となっている
花岡流の麻酔薬の精製までやっているという。
 そこまで、南方のために働こうとしていた佐分利をも裏切ってしま
ったと、南方は深く落ち込む。

 南方の診療所では、ペニシリンの精製が行われていた。
 と、そこへぼろぼろの姿をした龍馬がひょっこり現れた。
 ……行方不明ではなかったのか!?
 驚く皆に、龍馬は大笑いしながら言う。
 気がついたら、漁師の村に流れ着いていて、介抱してくれた一家の
居心地があまりに良かったので、気がついたらこんなに日がたってし
まっていた……。

 南方は、亡き緒方洪庵(武田鉄矢)の墓に詣でていた。
 江戸にタイムスリップしてきてから、南方を信じ、陰に日向に力に
なってくれていた洪庵を、南方も深く慕っていた。
 どうしたらいいのかわからなくなっていた南方は、野風のこと、未
来のことを墓に問う。
 返事はもちろん帰ってこない……。
 が、そのうしろにやってきていた龍馬は、全て話を聞いてしまった。

 迷った南方は、吉原にやってきていた。
 しかし、もうどうすることもできない……。
 と、そこへ、龍馬が現れる。
 生きていたのか!
 慌てふためく南方を引っ張って、龍馬は物陰に入ると南方に土下座
をして頼み込んだ。
「この通りじゃ、野風を助けとうせ!」
 すべて承知しているが、ここは自分のために……手術をしてやって
くれないか、と。
 言いよどむ南方を、しっかりと見据えて龍馬は言う。
「先生は、ただワシに頼まれて手術をすればええんじゃ。その後起こ
ることは、なんもかんも、ぜーんぶワシのせいじゃ」
 南方は龍馬の気持ちを理解する。
 野風を見殺しにすることもできなければ、未来が生まれなくなるこ
とも耐えられない。葛藤していた南方の背中を押して、結果を全部自
分のせいにすればいい、と龍馬は言ってくれたのだ。

 南方は、新たに診療所を作ってくれている江戸火消しの頭・新門辰
五郎(中村敦夫)に話を聞く。
 辰五郎は、昔、火事が広がるのを防ぐために一軒の家をつぶした。
が、そこには自分が惚れていた女が住んでいて、家の下敷きになって
死んでしまった。
 ……もし、そのとき、その家に惚れた女がいたとしっていたら、延
焼を防ぐためとはいえ、家をつぶしたのか?
 辰五郎はいぶかしげに南方を見返すと、つぶやくように言った。
「そんなのしらねぇよ。けど、アイツは……壊せっつったかもしれね
ぇなぁ……」
 南方は、未来の脳腫瘍を手術したときのことを思い出す。
 手術は実験的なもので、成功の確率はきわめて低かった。しかし、
未来は言ったのだ。
「この手術が成功すれば、何千人もの人が希望を持つことが出来る。
もし失敗しても、その礎となれる。この手術はむだにはならない……」
 南方は決意する。

 野風に乳ガンの手術を申し出る南方と佐分利。
 乳ガンを手術すると言っても、後に再発したり、転移することもあ
りうる、という説明をする。
 が、野風は静かに微笑んで言う。
「もし失敗したとしても、先生方の研鑽にはなりましょう? もしそ
うなら、あちきのようなものが医術のお役に立てるなら、これほどの
喜びはありんせん。この命、おあずけしんす……」

 一転して野風の手術は決まったが、南方に同席し、野風の診察をし
た藩医の三隅俊斉は、身請け先の旦那に叱責されていた。
 野風の乳ガンを見抜くことが出来ず、身請けの話も破談になってし
まったからだ。
 三隅は南方への恨みを抱く。

 一方、以前、南方が居候をしていた武家の娘・咲(綾瀬はるか)は、
南方が野風を見殺しにしようとしていることを知り、南方へ抱いてい
た気持ちを封印しようとしていた。が、野風の手術をすると聞かされ
て、動揺する。
 ふらふらと、よく南方と語り合った丘の上までやってきた咲は、そ
こで穴を掘って何かを埋めようとしている南方に会う。
 南方は、現代から持ってきていた、未来との写真を箱に入れて埋め
ようとしていた。
 それを見てしまうと、未来への気持ちが沸き上がり、野風の手術を
するという決心が揺らいでしまいそうだから……。

 咲は、自分が「野風さんを見殺しにするんですか」と問い詰めたこ
とが原因だと考えて、南方に謝罪する。
 が、南方は苦笑しながら言う。
 もしかすると、ここで野風の手術をしても、未来は生まれるかもし
れない。また別の歴史ができるだけで、ひょっとすると子どもの未来
と会うことになるかもしれないし、未来が自分を手術することになる
かもしれない。もともとこんなとんでもないことが起こっているんだ
から、どうなるかなんて分からないのだから……。
 独り言をつぶやくように言う南方を見て、咲は言う。
「神は乗り越えられる試練しか与えません。試練を乗り越えたあとに
は、きっとすばらしい未来が……」

 そして、野風の手術が始まった。

 同じ時期に、咲の結納が進められていた。
 南方への気持ちを封印するために、咲は縁談を受けたのだ。
 しかし、いざ相手が待っている部屋に入るときに、咲は南方の声を
聞く。
「咲さん……メスを」
 長い間、南方の助手を務めてきた咲は、南方がやはり野風を見捨て
られなかったこと、そして今も難しい手術に立ち向かっていることを
知り、心が揺れてしまったのだ。
 咲はその場で手をついて、結納を破談にして欲しい、とついに言っ
てしまう。
 しかし、ここまで話を進めておきながら、一方的に破談には出来な
い。
 怒りだした相手方と母親をなだめるために、咲の兄の恭太郎(小出
恵介)が機転を利かせ「お主の顔など二度とみたくない、即刻立ち去
れ!」と怒鳴りつけて咲を逃がしてやる。
 咲は、婚礼衣装をかなぐり捨てて、江戸の町を駆け抜けて南方の診
療所へ向かう。

 野風の手術は順調に進んでいた。
 ところが、そこへ数人の武士がなだれ込んでくる。
 野風の身請け先の旦那が野風に恥をかかされた、その仕返しだと言
うのだ。
 診療所の面々ともみ合いになるなか、手術は続く。
 そこへ、咲が駆けつけてくる。
「どうしても、手術室に入るというなら、ここで命を絶ちます」
 そういって、懐刀を首に突きつけ、手術室の前に立ちふさがった。
 咲の気迫に押されて、武士達は立ちすくむ。

 にらみ合いが切迫し、いよいよ咲の脅しも限界に近づいてきた。
 もう、本当に首を突いて自害するしか方法はないのか……。
 咲が観念し、懐刀に力を入れたとき、扉が開いて南方が出てくる。
 南方は厳しい表情で、武士たちに「本当に旦那からの指示で来たの
か」と問い質す。
 遊郭の鈴屋からも、旦那からも「乳ガンならば仕方がない、養生す
るように」との言葉をいただいいてるのだが、本当に旦那からの指示
なのか……。
 武士達は、本当は南方のせいで叱責を受けた、藩医の三隅に金で雇
われてやってきただけ。本当のことが明るみになれば、自分たちもた
だではすまない。南方に問い質されて、しぶしぶ帰って行ったのだっ
た。
 安堵のため息とともに、崩れ落ちる咲たち。

 南方は無事に手術が終わり、写真を埋めた丘へやってきていた。
 いったい、自分が手術をしたせいで、未来はどうなってしまったの
だろうか。
 そのことが気になっていたからだ。
 箱を掘り出して空けてみると……。
 箱の中は空になっていた。
 ちょうど、そこへ野風が目覚めたことを知らせにやってきた咲に、
南方は写真が亡くなってしまったことを教える。
 これはいったいどういうことなのか。
 写真を撮ったということ自体が無くなってしまったのか、未来と出
会うことがなくなったせいなのか、あるいは自分が生まれてこないと
いうことなのか……。
 でも……、と南方は言う。
「ひとつだけハッキリしたことがあります。僕は解放されたというこ
とです。これで、未来に一喜一憂しなくて済むじゃないですか。これ
からは、目の前のことだけを見て、ただ懸命に生きればいい……。未
来のことを失ったことで、うろたえたり泣き出したりしてもいいはず
なのに。それなのに、どこかほっとして居るんです。僕は本当にひど
い……」
 そして、南方は、傍らに座る咲に問いかける。
「これで……よかったんですよね」
「……はい」
 野風は回復し、退院となった。
 龍馬、咲、診療所の面々が見送っている。
 野風は見送りの面々を見渡すと、微笑んだ。
「では、南方先生、最後にひとつだけお願いがありんす。ちょっとこ
ちらへ……」
 そういって、ソデを引いてだまし討ちのように、いきなり口づけを
かわす。
 あっけにとられる咲に、野風は笑って言う。
「咲さま、南方先生は医術以外はこのようにスキだらけの方でありん
す。しっかりとお守りを……」
 言い置いて、野風は去っていく。

 野風を見送った後で、南方は龍馬と話をする。
 南方は龍馬に、龍馬がこれからなすこと、そして非業の死を遂げる
ことを伝えたかったのだ。
 だが、打ち明けようとする南方を制するように龍馬は言う。
「聞いたところでどうにもならん。十年、百年先をしったところで、
日は一日一日明けていくだけじゃ。一歩一歩進むしかない。先生も、
ワシも、地をはう虫のように……」
 笑って龍馬は去っていく。

 南方は、また江戸の町を見回しながら、診療所に戻っていくのだっ
た。


寸  評  最終回、もっと劇的な終わり方をすると思っていたのですが……。
なんだか、次の回がそのまま続きそうな感じの終わり方でしたね。タ
イムスリップの顛末も、龍馬との絡みも、咲との仲も、全部が途中で
おしまいでしたから。
 まあ、原作自体がまだ連載中っていうこともありますし、「映画化
か?」「パート2があるんでは?」とか、さまざまな憶測を呼んでお
りますが……。
 ああ……やっぱり、原作を読まないと……と思わされましたね。な
んか、うまいことやられちゃった気もしますが。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 「JIN─仁─」のドラマ要約に、最後までおつきあいいただきまして、あ
りがとうございました。
 相変わらず、冗長だったり、分かりづらかったりと、いろいろとすみません
でした。
 最初は、「マンガ原作ものか……」と、あまり期待していなかったのですが、
気付いてみれば今年の連ドラの視聴率トップでしたね。
 わかりやすいストーリーと、興味深い内容だったので、とてもまとめやすく
もあって、いろいろと勉強になりました。
 うまく生かしていければと思います。
 また、引き続き要約を続けますので、よろしくお願いします。(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
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